「しばらく寝ているがいい。クロノス」
そして血しぶきが舞った。
シャドウの血で。
「グフ・・・・何が、起こった。まさかまだ温度を・・・・」
「いや、シャドウ、お前の言う通り俺は既に温度はすべて放出されて時を止めることはできない」
「ならなぜ!」
「気づいていると思ったが、ああ、そういえばシャドウ、前世で貴様は俺の出した論文を見たことはなかったな」
「なんのことだ」
「教えてやろう。俺の研究では時間停止は物理的に可能であったが時を飛ばすことも加速されることもそして戻すことも理論上は不可能だった」
「それがどうした?」
「まだ気づかないか?世界がシャドウガーデンの存在を知った日、貴様はアトミックで街を破壊しただろ。俺はそれを時を戻し修復した。おかしいだろ?物理法則に従えば時を戻すことはできないはずなのに。一応言っておくが別に時を戻すのが物理的に可能となったわけではない」
「まさか、貴様」
「そうだ!その通りだ!俺はついに時の歯車と合致したのだ!」
あれは半年前、いつも通り限界まで時を止めている時だった。その日は限界を迎えた後も1秒ほど長く時が止まっていた。最初は誤差だと思ったが目に見えた変化はないが確実に限界を超えた後の静止している時間は長くなっていった。そしてある時完全に時の歯車と合致したのを実感した。
「俺は能力としてついに時を操る力を得たのだ。今はまだ10秒ほどしか止めることはできないがだが確実に伸びている!そして今は10秒もあれば回復して貴様に深手を負わせることも可能だ!」
シャドウを貫いていたスライムソードを引き抜く。それと同時にその傷口から大量に出血が起きていた。
「今ここで貴様を倒しても後味が悪い。その傷を治癒してから俺についてこい」
俺はそう言い残し一足先にこの場から去った。そしてほどなくして傷を治癒したシャドウが追いかけてくる。
「この場所は」
「覚えているかシャドウ、去年俺はこの場所で貴様に敗北を味わった。リベンジマッチにふさわしい場所だとは思わないか?」
「面白い、また貴様が我が一撃を耐えきれるか勝負するということか」
「いいや、違う。今回は真正面からぶつかるさ。お互い次の一撃で終わらせよう」
「いいだろう」
「宇宙その始まりは一つの大きな爆発からだとされている。そしてその爆発はまだ終わっておらず宇宙はいまだ膨張し続けている。宇宙の始まりを身をもって受けるがいい
The Beginning Of The Universe」
「ならばこちらも全身全霊で迎え撃つ!
アイ・アム・アトミック」
巨大なエネルギーの衝突。
「たかが核如きで宇宙の始まりを止められるはずがない!」
「グゥ・・・・こちらが押されてるというのか」
Universeの方が威力が圧倒的に上でアトミックは完全に押されている。
「一つで足りないなら二つだ!アイ・アム・アトミック・ダブル」
すべてをかけ勝負に出てきたな。アトミックの出力を2倍にして対抗してくるとは。これを行えばあいつと言えど魔力を使い果たすはずだ。
だが、それでも威力はこちらの方が上!
「終わりだ、シャドウ。このまま飲み込めれるがいい」
「残念だが、それは不可能だ」
「何!?魔力は全て使い切ったはず」
「最後の悪あがきってやつだよ、トキ、この一撃を放てば僕はしばらく動けなくなるそこまでしてでも勝ちたいんだ」
あいつはスライムスーツを維持するための魔力もすべて動くために使いすでにシャドウからシドに戻っている。
油断した。あいつとの距離は既に詰められ回避することはできない。それにさっき時を止めてしまったので時も止めることもできない。
万事休すか。
「流石だな、シド。ここまで追いつめられるとはな」
「まさかアトミックが敗れるとは思ってなかったよ。僕もまだまだだね。でも、勝負は僕の勝ちだ!」
「残念だが、そうはならない。キング・クリムゾン!我以外の時間は吹き飛ぶ!」
時間が吹き飛び、その軌跡を俺だけが動ける。見える、シドがどのようにラストアタックを仕掛けてくるか鮮明に。
「まさかキング・クリムゾンまで使わされるとは。正直驚いた。だが、この能力が途切れたときお前は終わっている」
そしてキング・クリムゾンの能力が終了する。そうするとシドは虚空に攻撃しており、その反動でもはや防御することすらかなわない。
「認めるよ、トキ。今回は僕の負けだ」
「しばらく、寝ているんだな相棒」
そう言ってシドを切り裂いた。
スライムスーツももはやなく、体にダイレクトに斬撃を受けた。魔力もない、しばらくは起きれないだろう。
「流石に死なないように手加減はしたが応急処置くらいはしておくか」
こうして、俺とシャドウの戦いは俺の勝利となった。ただ今いる山の周りがせっかく去年から頑張って少しづつ直していたのにもはや修復不可能なレベルで崩壊している。
シドはアルファたちに言って回収してもらうとしても一度王都に戻らなくてはならない。
「クッ・・・・さすがに力がもう入らない」
物理法則を超えた時間停止、時間の吹き飛ばし、それに加えUniverse俺の体もボロボロだ。
「はぁ、しばらくここで寝るのか」
「クロノス!」
名前を呼ばれて体を頑張って起こす。
「アルファに、みんなどうしたんだ?」
「クロノスとシャドウが戦ってるって聞いて急いできたの。それにしてもすごいありさまね」
「我ながらよくやったと思うよ」
「シャドウは?
「そこで寝てる」
「そう、ということはクロノスあなたが勝ったのね」
「ああ、去年の借りは返させてもらった。ベータ、シャドウを運んでもらえるか。応急処置はこちらでやってある」
「分かりました」
「ごめん、アルファ俺も運んでもらっていいか?もう動けないんだ」
「いいわよ、しっかりつかまってて」
アルファにおんぶされる。組織のボスがこれとは少々情けないが今だけは許してほしい。そう思いながら俺は意識を手放した。
「お疲れ様、クロノス」
♢♢♢♢
「はっ!どのくらい寝てた」
「昨日から丸一日立ったくらいよ」
「アルファ、いてくれたのか」
「ええ、あなたの寝顔をじっくり見てたわ」
「寝顔ってみてて面白いか?」
「私の寝顔見たいって思わない?それと同じ」
「なるほど。十分に理解した。それより」
「まだ動かないほうがいいんじゃ」
「少し用事があるんだ。心配ならアルファも来てくれ」
「分かったわ」
スライムスーツに身を包み、指定した場所に行く。指定した場所は人気が少なく誰かに盗み聞ぎされる心配はない。
「やはり居たか。アイリス・ミドガル」
「クロノス、それにアルファ」
「それで答えを聞こう、アイリス王女」
「・・・・最初は偽造を疑いました。でも、目を通していくうちにどんどんこれが真実であると嫌でも理解させられました。私は王女であるのにこの事実を知らずに生きてきた。それに加えてディアボロス教団の手のひらの上で転がされていたと知りました。。もう嫌なんです!何も知らずに生き、罪のない多くの人が死ぬのは。これ以上王都で奴らの好き勝手にさせたくない。だから私をシャドウガーデンに加えてください。クロノス、いやクロノス様」
アイリスが跪きそう言ってきた。
アレクシアと似ているな。流石は姉妹といったところか。
「そう言うことだアルファ。こいつの面倒を見てやれ」
「分かったわ。ひとまずラムダに預けてみるわ。他の王女様も預けているし丁度いいわ」
「それでいい。アイリス・ミドガルという存在を生かしておくも生かさないでおくもそこは任せる」
「そうね。王都の王女様、王都の権力関係とかも考えると失踪したと片付けるのは難しいわね。おそらく数日くらいなら大丈夫のはずだからその間に考えておくわ」
「頼んだ」
「行くわよ、アイリス・ミドガル。一つだけ言っておくは王都を守りたければシャドウガーデンに価値がある存在として認めさせなさい」
アイリスはアルファに丸投げ・・・・ではなくお願いして任せることにした。あの表情、声色からして裏切ることはないだろ。裏切ったところでたかが知れているが万が一の時は俺が・・・・。
♢♢♢♢
「グッドモーニング、調子はどうだいシド君」
勢いよくドアを開けシドのいる部屋に入る。
「おかげさまでこの通り、包帯ぐるぐる巻きだよ。魔力もまだ完全に回復してないし。完敗だよ。そうだトキ一つ聞きたいんだけど」
「なんだ?Universeのことか?それとも・・・・」
「違う違う、それも聞きたいっちゃ聞きたいけど、まず聞きたいのは姉さんのことだね」
「あークレアね。一応優勝してたぞ。それで優勝おめでとうって言いに行ったらお前がどこに行ったか聞かれたぞ鬼の形相で」
「はぁ帰ったらまた姉さんにやられる」
「まぁ頑張れよ」
「他人事だと思って。まぁいいや。トキ、また1年後勝負しよう」
「いいぞ」
「次は負けないから、その時までにアトミックを進化させておくよ。Universeに対抗できるように」
「楽しみにしてるよ。だが忘れるな、俺のUniverseもまだ進化途中だ」
「余計燃えてくるね。そう言うわけでこれからもよろしく相棒」
「よろしくしてやるよ、相棒」
様々な思いを込めてお互いに拳を合わせた。
こうして波乱万丈だったブシン祭も幕を閉じた。
「あ、そう言えば金貰いに行くぞ!」
「忘れてた!今すぐ行こう!」
これで1期分がようやく終了。次回からリクエストや番外編でも書こうと思ったのですが特にネタもなかったので2期に入ろうかと思います。
その前に既存の話を少し修正するかも
七陰列伝や番外編みたいな話を入れるか?
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もちろん、入れる
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いらん