ミツゴシの屋上、今宵はシャドウガーデンの集まりだ。珍しくほとんどのメンバーが集まっている。ちなみにいないのはデルタ。
今日の内容として、ブシン祭の影響でディアボロス教団の動きが弱くなっているとのこと。まぁあんなに教団員を殺したんだ。下っ端とはいえあれ程の数を一度に失えば動きなくなるのは至極当然と言えるだろう。
そしてもう一つ無法都市に資金が流れているとのこと。
無法都市、その名の通り法などなく何でもありな都市である。存在自体は知っていはいたが訪れたことはない。
無法都市で問題が起これば表社会にも影響は出るがそんなものは微々たるもの問題が起きてから俺が対処すれば問題はない。今回も特に大きな問題というのはなさそうだ。
「臭うな」
言葉を発したのは隣にいるシド、もといシャドウ。その発言を受けてメンバーの女の子たちは自分の体臭なのかと思い気にしているそぶりを見せる
「気にするな。お前たちのことではない。だが確かに臭う。血の匂いだろ?シャドウ」
「流石だな。お前も気づいていたか」
今日は雲があり月が見えていなかったのだが次第に雲が晴れていき月が姿を現す。ただしいつもとは異なる姿で。
「月が」
「いつもより」
「赤い」
「あれではまるで伝説の」
「紅き月」
紅き月、1000年前に起こったとされる現象。もちろん隣にいるやつはそんなこと知らないはずだ。
その伝説が起きていることにこの場にいる子たちは困惑しているようだ。
「沈まれ」
たったその一言を発するだけで静かになる。隣のやつは何回も練習しているんだろうなーとか感心している。
「紅き月、吸血鬼、非常に厄介だ」
『!?』
今の発言に静まり返った場に再び激震が走った。組織のトップの一人が厄介だというもが意外だったのだろう。
「ク、クロノス様でも厄介だと思われるほどの存在なのですか?」
ベータが問いかけてくる。
「そうだ。出てくるものによっては勝てない。俺とシャドウが束になっても」
『!?』
さらに激震が走る。
「いや、そもそも勝負にすらならないだろうな」
「ク、クロノス、教えて頂戴。吸血鬼というものを」
「いいだろう、心して聞け」
周りからの視線から、凄く真剣であることがわかる。この世界の吸血鬼を前に調べたがそこまで大したことはないと感じた。今から話すのは前世で知っている吸血鬼たち。
なんでそんなのを話すのか、面白そうだから。
「吸血鬼と言っても様々な個体が存在する。例えば、小指をぶつけたくらいで死ぬ吸血鬼や、野球拳が大好きな吸血鬼、さらにマイクロビキニが好きな吸血鬼まで存在する」
「クロノス、その吸血鬼たちは厄介であるとは思うけどそこまでの脅威だとは思えないわ」
「確かに今行ったのは厄介ではあるが強くはない。恐ろしい奴らはここからだ。俺と同じく時を止めるハイ!な吸血鬼、姉が運命を操り、妹があらゆるものを破壊する姉妹の吸血鬼、前者はともかく後者はまず勝負にすらならない。しかもこの吸血鬼たちは部下も優れている。ハイ!な吸血鬼の部下は空間を削り取るし、姉妹の部下は武道の達人だったり、時間を操るやつらもいる。正直に言って逃げられれば御の字といったところだ」
これを話した後、しばらく誰も言葉を発さず静まっていた。
「クロノス様はその吸血鬼に遭遇したことはあるのですか?」
「いや、ないな。一方的に知っているだけだ。だが、会ってみたくある」
ディオ様はともかくとしてスカーレット姉妹には会ってみたくある。可愛いし。転生した以上もはや何が起こっても驚かない。
「クロノス様、ご無礼を承知で申し上げます。どうか危険なことはなさらないでください。クロノス様を失ったら私たちは・・・・」
「ガンマ安心しろ。怖がらせて悪かった。これらの吸血鬼は別次元の存在。この次元には存在しない」
実際、漫画やゲームの世界の話。別次元と言っても間違いじゃない。
「そうなの・・・・ですか?」
「ああ、間違いない。ただ、この世界の吸血鬼には興味がある。なぁシャドウ」
表情には出していないが俺にはわかる。無法都市に金があると聞いた時からこいつ異様にそわそわしてるから無法都市に行ける口実でも作ってやった。
「そうだな。無法都市、金のことも・・・・んん!クロノスの言う通り吸血鬼にも興味がある。ここは我々が行こう」
先ほどまで俺の話を聞いてシリアスな感じになっていたが俺の話が別次元の話であること、本来なら別次元とか言っても信じないだろうがそこは彼女たちの信頼の高さだ。そしてシャドウガーデンTOPが赴くのだ。そこまで吸血鬼が厄介でないと知った今、彼女たちからしたら勝ち確案件なのだろう。
俺の勘が言っている、今回面白いことができると告げている!
♢♢♢♢
いろいろあったが、ブシン祭はクレアが優勝した形で終わりを告げた。その後について少し話そう。
クレアはお祝い兼社交辞令みたいなものでディナーに誘った。ガンマたちが経営する結構いいお店に。その店はドレスコードが必要なため、しっかりと服装を整えていったわけだがそれはクレアも同じなわけでクレアもしっかりとドレスをまとっていた。
その時思ったのはやっぱりこいつ顔はいいよな、である。最低な発言かと思われるがどうかわかって欲しい。何故なら食事中声の音量は普通に会話しているくらいなのだが内容を要約すると、優勝したから次はあんたの番覚えておけよ、だの私は優勝したから私の方が上とか、そっちがチャレンジャーだからとか好き放題言われた。
俺が実績をあまり残していないことに言いたい放題。そろそろ一回わっからせてやろうかと思ったが、さすがクレア、次第にシドの話題に変わっていき今度シドを連れて無法都市に行き吸血鬼を退治するらしい。
せっかくなのでミーティングの時に話した吸血鬼についてより詳しく教えちょっと怖がらせた。
あまりに俺の話が効いたのか口ではそんなの余裕だと言っているが顔が恐怖に染まっていた。流石に可愛そうになってきたので全部でまかせだと言ったら殴られた。痛かった。
そしてアイリス王女に関してだが、第一王女が不在となったら王都はさらに混乱するということで影武者を立てた。俺もその影武者を見たがまじでそっくりで見抜けるかと言われたら正直自信はない。おそらく、見抜けるとしてもアレクシアくらいしかいないと思わせるほどのクオリティだ。
ベアトリクスこと、ベアちゃんについて、アルファはあの後会うことを決め実際に会った。アルファの願いで俺もその場にいたのだが血は争えないのかあまり二人は会話をしなく必要最小限にとどめるようでなんとか俺が場をつないでいた。その結果ベアトリクスがシャドウガーデンの剣術指導に当たることになった。
最後に賭けた金、金額で言ったらすべて俺の全財産+シドの全財産で行ったのでとんでもない金額になっていた。それを取りに行ったら、ジミナは犯罪者シャドウだったから全て無効だとか言いやがった。でも、話の通じる連中で少しお話したら快く払ってくれた。
以上がブシン祭の後に起こった出来事。
そして俺は今列車に乗り無法都市に向かっている。本当はシドと行くつもりだったがクレアに連れ去られたので泣く泣く一人かと思いきやベータも任務としていくようで一緒に行かないかと誘い、ベータと一緒に無法都市まで向かっている。
「無法都市と言ってもそれなりには発展しているんだな。もっと荒れているのかと思った」
「外見自体は他の都市とさほど違いはありませんがそこに住む住民は荒れ果てています」
「なるほどな。ベータ、ベータなら大丈夫だとは思うが気をつけろよ」
「私の心配をしてくれているのですか?」
「それ以外にないだろ」
「大丈夫ですよ、身も心もすべてはクロノス様のものなので」
「そうか。ベータに何かあればすぐにわかるからな。その時はすぐに駆け付けよう」
「クロノス様~!」
「もうすぐ無法都市につくようだな」
「クロノス様はシャドウ様と合流なされるのですよね」
「さあな。あいつがおとなしくしているとは思えないからな。俺も好き勝手に行動するつもりだ」
「分かりました」
「ベータもしっかりやれよ」
「はい。すべてはクロノス様の御心のままに」
♢♢♢♢
日中は観光をしていた。と言っても観光するところなんていないので所謂、風俗街を見て回ていた。感想としてかわいい子多いなーと思っただけだ。店には入らなかったのかって?入るわけないだろ。この世界の医療はそこまで発展しているとは言えない。ここにいる人たち性病持ってそうで怖いので。
と、考えていたがさすが10代後半、性欲が普通に湧いてくる。もはや性病などどうでもいい、と考え店に入ろうかと思っていたら急に魔力の波動を感じた。月もすでにはっきりと見える時間帯であれが原因なのだろう。
あの月が意味することそれがおそらく始まったのだろう。その影響で吸血鬼の手下、グールも活性化している。そのせいでゾンビにやられた人もゾンビになるというのが現実となってしまった。
これはあくまで魔力の乱れ俺なら今すぐにでも治しこの事件を終わらせられるがそれではつまらない。もう少し行く末を見させてもらおう。
ただ、現状グールが永遠と増え続けている。倒しても倒してもきりがないがないのはそうなのだが、倒していけばおそらく周りが俺の周りが安全圏だと思い寄ってくる。そうなると面倒なので近くに会った建物の適当な部屋に入りしばらく過ごすことにする。
静かだし誰もいないかと思って開けたらまさかの人がいた。しかも全裸の女の人が。
「お客さん?もうお客は」
やべ、普通に可愛い。
「あー客ではないな。偶然迷い込んだというか、何というか」
「!後ろ!」
「邪魔だ」
スライムソードを作り出し瞬時に切り刻む。グールというだけあってなかなかにもろいな。
グールを始末したと思ったら何かが急接近してきて窓を突き破った。
「死にたくなければ逃げろ。暴走が始まる」
「月が紅い。もう時間がない」
シャドウがやってきてそう告げた。本来なら俺が殺したグールを殺してかっこよく登場するつもりだったのだろう。非常に申し訳ない。だからせめてもの償いを。
「な、なんだって!そんな、まさか、ありえない」
「死にたくなければ逃げろ」
あーなるほど、こいつ今他の人のセリフパックってるな。おそらくかっこいいフレーズでそれを繰り返しているのだろう。
そしてそのセリフを言えたことに満足したのかシャドウはこの場を去った。
「今のは・・・」
「シャドウ」
「シャドウ・・・・そうだ。さっきは助けてくれてありがとう」
「気にしないでくれ。ちょっと体を見せてもらっていいか?」
「・・・・いいよ。命の恩人だし好きにして」
許可も出たことだし、遠慮なく見ているが傷がすごいな。彼女の過去がどんなものなのかは知らないが哀れに思える。
「こっちに来てくれ」
「うん」
彼女の頭に手を置いて彼女自身の時間を戻す。俺の時を止める、いやもはや時を操る能力か。この前のシャドウとの戦いを得て見違えるほどの進化を遂げた。一人ならば数年の時間を戻すことすら可能だ。
「え、傷が治った。なんで」
「時間を戻した。記憶は残ったままだろうが体は元通りだ。せっかくの美人なんだ。これからはまっとうに好きな人でも見つけ幸せに暮らすんだな」
「傷も全部治った・・・・もうずっとこのままだと思ったのに。ありがとうございます、ありがとうございます!」
「気にするな。ただの気まぐれだ」
「お名前、教えてもらっていいですか」
「そうだな」
状況が状況だ。かっこつけるか。
「我が名はクロノス、時を支配するもの」
「クロノス・・様」
「マリ、マリ平気!?外でグールが。あなたは?」
同僚か
「この人はクロノス様」
「クロノスって、シャドウと同じく指名手配になってるやつじゃん。なんでこんなとこに」
「なにただの気まぐれだ。それよりもマリと言ったか」
「は、はい」
「10分やる。過去と決別し逃げたいやつを連れてこい。むろん、我も着いていくがな」
中に入ってみてようやくわかった。ここは日本とは違う。人権なんてここではないに等しいのだと。何が原因でここに来たのかはわからない。ここに来るほか選択肢がなかった人、自業自得でこうなった人色々いるはずだ。
自業自得のやつを助ける義理はないがそう言うやつは何度も同じ過ちを繰り返すもの次どうなろうと俺が知ったことではない。
わざわざ俺がついていくのはせっかく助けたのにグールになったらまた助ける羽目になるからだ。
「分かりました」
「ちょっとマリ何考えてるの相手は指名手配犯だよ。それに逃げたってバレたら!」
「我を信じるも信じないもお前次第だ。それにこの状況数人逃げたところでバレるはずもない」
「ねぇ一緒に逃げよ。こんな腐った街からさ」
「・・・・わかった」
「ほう、随分と素直なんだな」
「私もこんな場所から逃げれるなら逃げたかったから」
「いいだろう」
「うそ!傷が治って」
「残り7分だ」
「行こ!他の子たちも探しに!」
10分が経過し4人加わった。これで合計6人、この程度ならば感知される心配もない。この場所のトップは・・・・たしかユキメとか言ったか。たかが6人なんて気にしないだろ。それにしてもユキメどこかで聞いたことのある名前だな。まぁいいか
加わった、4人の子の時間も戻してあげて全員がこの場所に来る前と同じになっている。
「それでここからどうやって出るんですか?」
「なに、一瞬だ」
ここから歩いて町の外に出るとなるとめんどくさい。うじゃうじゃいるグール相手に俺含めた7人で行動とにかく目立つだろうな。
だから時を止めて何回かに分けて安全地帯にまで運んだ。
俺からすると3往復くらいしたので地味に面倒だったが彼女たちからしたら一瞬の出来事のため心底驚かれた。
「お前たちは自由だ。これから何をしようとな」
「本当にありがとうございました。クロノス様」
「すべてを忘れ生きるんだな、マリ」
そう言い残し、無法都市の方に戻った。さて、人助けはここまでだ。そろそろ面白いイベントが起こりそうだ!
アニメ見た人は分かると思うんですけどシャドウが助けた子、モブにはもったいないくらい可愛い!
七陰列伝や番外編みたいな話を入れるか?
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もちろん、入れる
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いらん