さて、これから仕事を始めるか。目指すは始祖の吸血鬼が眠っている思われる塔。当の入り口に向かうと一人等の中に入る人物が見える。
「いたのか、シド」
「トキ、ここには金貨があると聞いてね」
「この前ブシン祭で稼いだろ」
「僕は少なくとも300年は生きるんだ。長生きしてればいろんな陰の実力者コレクションに出会えるしそれを買ったりあとは生活とか考えたらもっといるんだよね」
「なるほど」
「トキも一緒に来る?」
「そうだなー俺はいいかな。なんかここでは俺のやりたいことができる気がするんだよ」
「そっかーじゃあ僕一人で探してくるよ」
「じゃ、ここでお別れだな」
「うん、またねー」
シドと別れ俺はひとまず上を目指すべく階段を上がっていく。
ただ、一足遅かったのかいたるところに戦闘の痕跡がみられる。なにか面白いことができるそう俺の勘が告げているが、どこで何ができるかはわからない。だからわざわざ隅々まで見回り何があるか探している。
この場所は外観から分かる通り内装もこれと言ったものはない。ただただ部屋があるのみ。あるとしても本とお宝くらいなものだろう。あとは死体くらいか。死体博物館と言えるほどの死体が揃っている。頭だけだったり腕だけだったり逆に頭だけなかったりと死体が欲しい人のニーズに全て応えられそうなくらいはある。
「ここの部屋は?ん?鍵がかかっている。何か重要なものがあるんだな!」
あかない扉、その向こうには何か重要なものがあるに違いない。例えば裏ボスにつながるアイテムとか!
そうと決まれば扉を破壊するしかない。一発で決めてないと少しかっこ悪いので少し力を込めて扉を蹴ったらその扉は吹き飛び壁を貫通して外に落ちていった。
「あ、やりすぎた。ってなんだよ。金貨か。いらね」
ただの宝物庫だった。あとであいつに教えてやろ。
宝物庫を出て少ししたら上から少し大きな魔力を感じた。魔力だけで言ったらアルファ以上だな。
これはボスとみていいだろう。すぐに行ってもあれだし、少しゆっくり行くか。
♢♢♢♢
「さて、これまた随分な状況だな」
本当にすごい状況だ。この場にいる全員が満身創痍とまではいかなくともそれなりにダメージを負っている。それに加えてこの場にいるシャドウガーデンのメンバーはディアボロスの血が活性化されたのか魔力の乱れを感じる。
「すまないベータ遅くなった。あとは任せろ」
「クロノス様!」
まずはこの魔力の乱れを無くし安定させる。
「覚醒の時はきた!」
安定させたところで上からシャドウが現れる。
「シャドウ、ここより三階下の右奥の部屋宝物庫だ」
「なに?」
「あいつは俺が始末する。お前はやるべきことをなせ」
「ならば、ここは任せた。我が相棒」
「任せておけ」
シャドウは後ろ、俺は前に進む。
これで邪魔者も消えたことだし心置きなく戦える。
「さて、始祖の吸血鬼血の女王。せいぜい楽しませてくれよ」
何も言葉を発さない血の女王は無数のレーザー光線のような攻撃を仕掛けてくる。
これがあいつの武器といったところか。威力も手数も随分と多いな。完全に避け切るのは難しいかもしれない。
避けるのは難しいが対処はできる。レーザーをスライムで相殺してこちらには攻撃が来ないように防ぐ。今の所お互いに有効打となるものはない。だから決着がつくとしたら、どちらかが魔力が尽きるまで。そんなものはつまらない。
たが、だからと言って時を止めて一瞬で決着がつくのもボス戦となっては味気ない。
それにしても相手が撃つレーザーみたいなやつこれ何をもとにしてるんだ?何となく想像はつくが少し見てみるか。
「ザ・ワールド!時よ止まれい!」
すべての事象が停止する。それはレーザーにおいても例外ではない。
何を打ち出しているかは何となく想像はできていた。血の女王という名前、吸血鬼、そして色が赤い。そして間近で見てついに確信を得た。これは血だ。
血、血だと。なら、だったら。
「時は動き出す」
止まっていた血のレーザが再び動き始める。
「ふ、ふははははははっ!」
これだ。これだったんだ。俺の勘が告げていたのは!
「おい、赤い髪の女」
後ろにいる赤い髪の女に声をかける。あいつおそらく血の女王の関係者だろ。見た目で何となく分かる。
「わ、私のことか」
「それ以外に誰がいる。それより質問に答えろ」
「わ、わかった」
「血の女王は日光には弱いのか」
「ああ、死ぬわけではないが弱点であることに変わりはない。まさか、朝日が昇るまでそのまま耐えきるのか!?無茶だ!夜が明けるまでまだあるぞ」
「そんなことは知っている。俺が知りたいのは日光が弱点かどうか。死ぬわけでないにいろ弱点というわけか。まぁいい」
魔力の塊を上空に飛ばす。ある程度の高さになってからその魔力の塊はこの城をドーム状に囲った。
「これで日光は大丈夫なはずだ。ベータお前たちは固まって動くな」
「分かりました」
「おい、そこで見ている二人組、お前らも死にたくなかったら適当な場所に移るんだな。そこでは何が起こるかわからんぞ」
なんか見てる、ガタイのいい男と狐の女性に一応忠告はしておいた。
「ああ?俺様に指図するつもりか?」
「わっちは従うでありんす」
ガタイのいい男は従わなかったが、狐の女性はおとなしく従い足場が安全なところに来た。
「彼は何をするつもりなんだ?」
「クロノス様がこれから何をなされるのか私には分からない。でもこの戦いが終わることだけは分かる。クロノス様の勝利で」
「では、お見せしよう。メイド・イン・ヘブン!」
そう言ってからしばらくの間沈黙が続いた。誰もが何かが起こるそう予想して。ただ、血の女王だけは一切攻撃を止めていなかったが。
「何も、起こらない」
「いや、既に起こっている。もうそろそろか」
東の方角からだんだん明るくなってくる。
「なんだと!朝日と呼びだしたというのか」
顔を見せた太陽は通常ではありえない速さで登っていく。
「クロノス様、何が起こっているのですか?」
「メイド・イン・ヘブンその能力は時の加速。そしてこれから更に加速する!」
こうやり取りしている間に既に太陽はまた沈んでしまった。
「血の女王、ようやく違和感に気が付いたか」
時が加速してから血の女王が放つ攻撃が少なくなってきている。
「教えてやろう、時の加速では生命体以外のものの時が加速する。出血すればその血はすぐに乾くようにな。お前がいくら血を操ろうとその血はすぐに乾き崩壊する。お前の武器は既にないに等しい。そしてこの加速した世界では俺だけが唯一この加速に対応できる。こんな風にな!」
血の女王の後ろに行き、スライムソードで切り付け地面に叩きつける。
「おいおい、まじかよ。何も見えなかったぞ」
「さっき忠告しただろ、場所を移れとな。そんなに足場が不安定だとこうなるぞ」
拾っておいた石をガタイのいい男の足場に向かって投げる。石は既に音速を超えており、速度が速度なので威力もそれに比例して高くなる。だからそれほど大きくない石でも簡単に足場が崩せる。
「な、なんだと!」
逃げ遅れた男はそのまま地面に落ちていった。
「さて、血の女王まだまだ行くぞ」
地面に落ちた女王を蹴り上げ再び上空に戻す。ここにいる者は何が起こっているかわからないと思うが、ただ一つ血の女王が一方的にやられているのは分かる。
「満足だ。そろそろ終わらせよう」
「待って!エリザベート様を殺さないで!」
殺すな、か。良いだろう。今は気分がいい。ちょうどいい時間だし、このまま終わらせるとしよう。
「アブソリュート・ヒール」
魔力の暴走した波長を戻すためだけの技で殺傷能力は皆無。この効果範囲は無法都市全域にぶのでグールもこれで消える。この技ひとつで今回の騒動は終わりというわけだ。
アブソリュート・ヒールを撃った後、地面に座り込む。
「時の加速、これは世界中に及ぶ。たった一瞬で一週間も経過した。はぁ、流石に無理しすぎたな。もう体が言うことを聞かない」
ハイ!になり加減を考えずに加速させてしまった。ただでさえ時を操る能力というのはまだまだ体にすごく負担がかかる。ただでさえここに来る前に時を戻したというのに。
時を操るのは魔力を還さない。つまり俺に備わった能力。ただ魔力を回復させるのとはわけが違う。しばらくは時を操ることはできない。今まで通り時間停止だけだ。
「まぁこれでまた俺の能力は成長する。はたしてどこまで行けるか楽しみだ」
♢♢♢♢
あの後、金貨を大量に蓄えたシドに宿まで運んでもらった。帰るのはまた別々だがその時少し気になることを言っていた。
「姉さんが右手が疼くと言っていた、か。少し気になるな。今度会った時少し見てみるか」
七陰列伝や番外編みたいな話を入れるか?
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もちろん、入れる
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いらん