TSホビアニ転生:悪のTCG組織で実験体やってたけど、いつの間にか滅んだらしい 作:WhatSoon
結局の所。
対策を上から踏み越えるなんて事は、僕には出来なかった。
明確な実力不足。
ただ、それだけが敗因だ。
分かっている。
積み重ねられた対策カード。
それらを卑怯だと罵るのは容易い。
しかし、『卑怯』とは言いたくなかった。
それでも、僕は……心の奥底、どこかで、対戦相手に対して『卑怯だ』なんて考えていてしまったのかも知れない。
負けても仕方なかったのだと、なんて、心のどこかで言い訳をしてしまっていたのかも知れない。
自覚すら、していなかったけれど。
「いけ!『ブレイジング・ドラゴン』で直接攻撃!」
目の前で繰り広げられている光景をみて、やっと自覚できた。
『『バトル・エンデッド』』
この中で、僕だけが……ただ、実力不足なのだと。
2戦目は、ユウキくんの勝利に終わった。
相手はマナを破壊するランデス戦法を取ってきたけれど、ユウキくんはそれを打ちのめした。
高ステータスのドラゴンクリーチャーを展開し相手プレイヤーに除去を強要し、マナ破壊より除去を優先させる事で隙を作った。
相手の対策を踏み越えての勝利。
それは僕が望んでいたけれど、手に入れられなかった光景だった。
「よし!まずは一勝!」
ユウキくんが掲げたハイタッチに、僕は少し気後れしながら手を返した。
……喜ばなきゃ。
心の奥底から喜んで、勝利を讃えないと。
分かってる。
分かってるのに。
……振り払った筈の『何か』が滲む。
頭を振って、振り払い……息を深く吐いた。
そして、ニーナへ目線を向けた。
「ニーナ、次で……最終戦だね」
「うん。今は一勝一敗だし、責任重大かな」
ごめん、僕が勝っていたら……なんて、言わない。
あまりにも惨め過ぎるし。
「頑張ってね、ニーナ」
「うん、任せて。行ってくる」
立ち上がって、ニーナがバトルスペースへ向かう。
距離にすれば大した事ない距離なのに、それでも……遠く、遠く感じている。
遠ざかる彼女の背中へ、僕は……視線を向けた。
それは羨望か、嫉妬か、それとも諦めか。
それすらも僕には分からなかった。
◇◆◇
「逃げずにこの場に立ったのは、褒めて差し上げますわ」
目前、フリル塗れの改造制服を身に纏った縦ドリルのヘアーの女に視線を向ける。
安東院 セレナ。
Cクラスの代表だ。
「……何で私を、そんなに敵視してるの?」
「敵視?……えぇ、まぁ、そうですわね。恨んでなどは居ませんが……確かに、気に食わないと思ってますわね」
存外、正直な返答に目を細める。
「気に食わない?何で?私とは初対面の筈だけど」
「私が一方的に知っていて、一方的に疎ましく思っているだけ……それだけですわね」
一方的な恨み……?
恨まれるようなこと、学園に入ってからした覚えはない。
ならば──
「レアカード狩りの関係者?」
私が組織から抜け出してすぐの頃。
レアカード狩りをしていた頃の関係者か?
「……なんですの?それ。貴女、そんな野蛮な事をしてらっしゃったの?」
「違うなら忘れて。気にしなくていい」
違うのか。
じゃあ、尚更、覚えがないけど。
「……こんな女の何処が良いのかしら」
「え?」
ボソボソと何か言ったようだが、聞こえなかった。
バトルスペースは広い。
離れていると小声では声も通らない。
私が首を傾げると、セレナは鼻を鳴らした。
「知りたければ、勝負の中で探しなさいな。それがカードバトラーでしてよ?」
「まぁ、そうしようかな」
なんだ。
コイツ、意外と『分かってる』タイプの奴だ。
時にカードバトルは会話よりも意思疎通が取れる……少なくとも、この世界では。
それが分かっているのに……なのに、あんな作戦を立案できるのか。
それだけ勝ちたかったのか?
勝利への欲求。
それは私も持っているが……彼女のそれは、私よりも大きいようだ。
「さぁ、バトルディスクを構えなさい。完膚なきまでに打ちのめし、屈服させてあげますわ」
「……盛り上がってるみたいだけど、負ける気なんてないから」
バトルディスクを展開して、向き合う。
光のラインが互いのバトルディスクを繋ぐ。
『『オープン・ファイト』』
緊迫する空気の中、バトルの開始を告げる声が響いた。
デッキからカードが射出され、互いに5枚の初期手札が配られる。
私の手札は……ふむ、悪くはない。
そして、バトルディスクが指し示す、先攻は……ニーナ。
つまり、私だ。
「私のターン。カードを引いて、1枚マナへ」
>ニーナ:ターン1
>ニーナ:手札5→5
>ニーナ:マナゾーン0→1
手札からカードをマナに置き、手札へ視線を落とす。
……1コストのクリーチャー。
これを展開する事は可能だが……。
「私はそのまま、ターンを終了する」
相手のデッキタイプが見えていない今、無闇に手札枚数を減らすべきではないと判断した。
例え、この1コストのクリーチャーをプレイするタイミングがなかったとしても、最悪、マナに置けば手札が1枚浮く。
手札は慎重に切らなければならない。
「私のターンですわ!後攻、故にカード2枚引きますわ!そして、1枚マナへ」
>セレナ:ターン1
>セレナ:手札5→6
>セレナ:マナゾーン0→1
互いにマナゾーンは1枚。
1ターン目は──
「私も何もせず、ターンを終了しますわ」
互いに様子見。
……なるほど、
「私のターン。カードを引いて、1枚をマナへ」
>ニーナ:ターン2
>ニーナ:手札5→5
>ニーナ:マナゾーン1→2
これで私のマナは2。
……相手の出方を見たい。
ここは──
「私は手札から『スパルトイ』を召喚」
>ニーナ:手札5→4
>ニーナ:マナ2→0
場に鎧を纏った骸骨が現れた。
────────────────
②スパルトイ
クリーチャー・カード
種族:テラー・ナイト
召喚時:自分の場に1/2の『スパルトイ・トークン』を1体生成する。
パワー1/タフネス2
────────────────
「さらに『スパルトイ』の効果で、スパルトイ・トークンを1体生成する」
更に場にもう1体、骸骨のクリーチャーが現れた。
これで場に1/2が2体。
除去を撃って脅威を取り除くのか、クリーチャーを立てて場の優先権を奪うのか、それとも無視するのか。
何をするにも、何もしなかったとしても、ある程度は方向性が読めるだろう。
「私はこれでターンを終了する」
「では、私のターンですわ!カードを引いて、1枚マナへ」
>セレナ:ターン2
>セレナ:手札6→6
>セレナ:マナゾーン1→2
2ターン目。
『
ここで盤面の主導権を握られると、中盤以降も除去を撃たされて、不利になる事が多い。
そんな中、セレナが選んだのは──
「私は手札から『天界の従者』を召喚しますわ!」
>セレナ:手札6→5
>セレナ:マナ2→1
場に白い翼を生やした、少女が現れた。
────────────────
①天界の従者
クリーチャー・カード
種族:セイクリッド
カードの効果の対象に選ばれた時:カードを1枚引く。
パワー1/タフネス1
────────────────
「さらに手札から
>セレナ:手札5→4
>セレナ:マナ1→0
天から光が、少女へと降り注ぐ。
────────────────
①天からの加護
呪文カード
場のクリーチャー1体は、+0/+2の修正を受ける。
その後、カードを1枚引く。
────────────────
「まずは『天からの加護』の効果!『天界の従者』の能力値を向上させ、更に私はカードを引きますわ!」
>天界の従者 (1/1)→(1/3)
>セレナ:手札4→5
バフ効果付きの
手札消費なくカードにバフを乗せられる、という事か──
「更に『天界の従者』の効果!効果の対象に選ばれた時、カードを引けますわ!私はカードを1枚引きましてよ!」
>セレナ:手札5→6
クリーチャー効果との相乗効果……。
これで、完全に手札消費0で1/3クリーチャーを出した事になる。
「これで私はターンを終了しますわ」
「……私のターン。カードを引いて、1枚マナへ」
>ニーナ:ターン3
>ニーナ:手札4→4
>ニーナ:マナゾーン2→3
厄介な。
視線を手札に落とす。
『天界の従者』を除去するのは簡単だ。
私の手札にある除去呪文を撃てばいい。
だが、あのクリーチャーは既に1ドローを行なっている。
この時点で私が手札を消費して除去すれば……手札アドバンテージの損失が確定する。
しかし、場の『スパルトイ』、トークンは1/2。
クリーチャーの攻撃では、3点の
「……よし」
場に残すリスクの方が大きい。
ここは除去するしかない。
「私は手札から
>ニーナ:手札4→3
>ニーナ:マナ3→0
────────────────
③追い剥ぎ
呪文カード
クリーチャー1体に3ダメージ。
その後、カードを1枚引く。
────────────────
私が発動したのは、除去に1ドローが付いた
これで最低限、リソースを消費せずに除去が出来る──
「その瞬間、私は
>セレナ:手札6→5
>セレナ:マナ0→0
コスト0の
「『真言』は場のクリーチャー1体の
────────────────
⓪真言
高速呪文カード
場のクリーチャー1体は、+0/+2の修正を受ける。
────────────────
>天界の従者 (1/3)→(1/5)
「っ……!」
そこで理解した。
彼女は、私の除去呪文を受け切るためにバフを乗せたのだと。
そして、0コスト
「……発動した『追い剥ぎ』の効果処理。『天界の従者』に3ダメージを与えて、私はカードを引く」
>ニーナ:手札3→4
>天界の従者 (1/5)→(1/2)
「あらあら、削り切れませんでしたわね。ならば、『天界の従者』の効果が発動されますわ!」
そう。
除去で削り切れなかった、という事は──
「『天界の従者』は効果対象になる度にカードを1枚引きますわ!私の『真言』と貴女の『追い剥ぎ』、2つの対象になったため、2回効果が発動!」
私の除去呪文までもドローに変換されるという事だ。
誘われ、見事に引っかかってしまったのだ。
「私はカードを2枚引きますわ!」
>セレナ:手札5→7
セレナがデッキからカードを引く。
「……私は『スパルトイ』とスパルトイ・トークンで『天界の従者』を攻撃する」
場の骸骨達が、天使へと攻撃を繰り出した。
>スパルトイ(1/2)→(1/1)
>スパルトイ・トークン(1/2)→(1/1)
>天界の従者 (1/2)→(1/0)
これで除去は出来た。
先にクリーチャーで殴っておけば、ドローさせずに済んだが……それは結果論だ。
本来ならば除去呪文でクリーチャーを焼き、『スパルトイ』達は相手プレイヤーへ直接攻撃する予定だった。
最善の選択が、最良の結果を生む訳ではない……それがカードゲームだ。
「私はこれで、ターンを終了する」
私の手札は4枚。
対して、セレナの手札は7枚。
大きく差が出来ている。
手札枚数の差は、選択肢の差となる。
私は4種類の選択から選ばなければならないが、セレナは7種類の選択肢があるということ。
これは、盤面に対する解決力の差、そして相手への有効打の有無に関わってくる。
その差は大きい。
……なるほど、序盤の攻防から理解できた。
彼女は上手い。
アキラがクラスで1番、ブッチギリで強いと言っていたのも理解出来た。
……そもそも、対戦相手の情報からデッキタイプと戦略を分析し、その
この世界のプレイヤーはカードを、全カードが収録された闇鍋パックから入手している。
相手プレイヤーを対策しようとしても、対策カードの用意が難しく、そもそも相手のデッキに採用されているカードの把握が難しい。
各々のクラスメイトのカード資産を把握して、現実的な
言うだけならば簡単だが、難しい事だ。
『
私は、彼女に対する認識を少し上方修正した。
「私のターン。カードを引いて、1枚マナへ……ふふ、勝負はこれからでしてよ?」
>セレナ:ターン3
>セレナ:手札7→7
>セレナ:マナゾーン2→3
私の盤面には『スパルトイ』とスパルトイ・トークン。
両方、1/1となっているが、盤面の主導権は私が握っていると言っていいだろう。
対して、セレナの盤面は空。
しかし、彼女の手札は7枚。
そして、今ドローしたカードを考慮すれば……マナゾーンへの配置後、手札枚数は7枚となったが、選択肢としては8枚。
つまり、8枚のカードをこのターン見ている。
動くだろう、間違いなく──
「私は手札から『ヴァルキリー』を召喚しますわ!」
>セレナ:手札7→6
>セレナ:マナ3→0
白い翼を生やした、戦乙女が現れる。
────────────────
③ヴァルキリー
クリーチャー・カード
種族:セイクリッド・ナイト
防衛(「防衛」がフィールドに存在する場合、相手は防衛を持たないキャラクターに攻撃できない)
パワー1/タフネス5
────────────────
なるほど、手堅い。
私はバトルディスクに表示されたカード情報に目を通した。
キーワード能力『防衛』を持つ、高
スパルトイ達の攻撃を受け切るつもりだろう。
「私はこれでターン終了ですわ」
しかし、
攻めのクリーチャーではない。
受けのクリーチャーだ。
……序盤、中盤にライフを削り切るタイプのデッキではなさそうだ。
しかし、彼女は序盤から『天界の従者』にバフ呪文を付与してみせた。
軽量な
相反する戦略。
……単純なコントロールではないだろう。
コントロールは、互いのカードを打ち消し合い、相手の攻め手を受け切り、手札が互いに枯渇した所で相手より1枚の質が高いカードで戦う
一概にそうだ、とは言い切れないが……基本的にはコストの重いカードを複数投入し、終盤にカードパワーの差で勝つ事が優先される。
だが、セレナのデッキには軽量な
1枚では役に立たない
では、彼女のデッキとは何を目指しているのか。
推測できるのは……
つまり、コンボデッキ。
「じゃあ、私のターン。カードを引いて、1枚をマナへ」
>ニーナ:ターン4
>ニーナ:手札4→4
>ニーナ:マナゾーン3→4
推測が正しいかは分からない。
一旦は留意しよう。
私のデッキには重複するカードは存在しない。
ハイランダーデッキだ。
デッキのカードは千差万別。
マナに置くカード……その傾向をコントロールする事で、私のデッキは様々な戦略に対抗できる。
だが、それは早い段階で相手のデッキタイプを見抜けてこそだ。
終盤、相手が動き始めてからマナゾーンへ置くカードを選んでも遅い。
序盤から、相手のデッキに合わせた手札管理を行い、質を高める必要がある。
一先ず、アグロ対策用に入っている軽量
そして……うん。
序盤から詰める必要はなさそうだ。
「私は手札から『魂の変換』を発動する。私は場のスパルトイ・トークンを破壊して、カードを3枚引く」
>ニーナ:手札4→6
>ニーナ:マナ4→1
────────────────
③魂の変換
呪文カード
自分の場のクリーチャーを1体破壊する。
その後、カードを3枚引く。
────────────────
ここは私も手札を補充させて貰う。
引いたカードは……よし。
「続けて、私は手札から『疫病鼠』を召喚する」
>ニーナ:手札6→5
>ニーナ:マナ1→0
場に骨が剥き出しになったネズミが現れた。
────────────────
①疫病鼠
クリーチャー・カード
種族:テラー・ビースト
召喚時:場の他クリーチャー1体は「猛毒」を持つ(「猛毒」を持つクリーチャーが他クリーチャーと戦闘した場合、戦闘した他クリーチャーを破壊する)
パワー1/タフネス1
────────────────
「『疫病鼠』の効果により、私の場の『スパルトイ』はキーワード能力『猛毒』を持つ」
「っ……」
「『猛毒』を持つ『スパルトイ』で『ヴァルキリー』に攻撃」
骸骨が戦乙女へと飛び掛かる。
しかし、戦乙女の反撃により骸骨は砕け散った。
>スパルトイ(1/1)→(1/0)
>ヴァルキリー(1/5)→(1/4)
「『スパルトイ』は戦闘で破壊された……しかし、『猛毒』により『ヴァルキリー』も破壊される」
スパルトイによってダメージを受けた戦乙女が、砕け散った。
「厄介なカードをお持ちですわね……」
「まぁね」
この場は返せた。
だが、私の場に残ったのは『疫病鼠』が1体。
1/1のクリーチャーだ。
3ターン目にこれでは、居ないにも等しい
「私はこれでターンを終了する」
だが、返せないよりはマシだ。
出来れば、1/2の状態で『猛毒』を付与して、1/5の『ヴァルキリー』を破壊しつつ場に残したかったが……致し方ない。
「では、私のターンですわ!カードを引いて、1枚をマナへ!」
>セレナ:ターン4
>セレナ:手札6→6
>セレナ:マナゾーン3→4
一見すれば場の有利を取っている私が優勢に見えなくもないが……実際は貧弱な盤面しか残せていない中、4マナも自由に使えるセレナの方が優勢だ。
「そして、私は手札から『大天使 リコリス』を召喚しますわ!」
>セレナ:手札6→5
>セレナ:マナ4→0
白銀の鎧を着た天使が、降臨した。
────────────────
④大天使 リコリス
クリーチャー・カード
種族:セイクリッド
自分の手札に存在する呪文カードは、コストがー1される。
パワー3/タフネス3
────────────────
「『大天使 リコリス』が存在する限り、
コスト軽減能力を持つ、システム・クリーチャーか!
だが、その
「私は手札から『天からの加護』を発動しますわ!対象は『大天使 リコリス』!」
>セレナ:手札5→4
>セレナ:マナ0→0
────────────────
①天からの加護
呪文カード
場のクリーチャー1体は、+0/+2の修正を受ける。
その後、カードを1枚引く。
────────────────
「なっ」
「その効果により『大天使 リコリス』の
>大天使 リコリス(3/3)→(3/5)
>セレナ:手札4→5
元々、『天からの加護』はドロー効果を含む
そして、『大天使 リコリス』のコスト軽減効果により発動コストは0となる。
つまり、手札もマナも消費しない。
しかし……『大天使 リコリス』の
生半可な除去では打ち取れない程の高
厄介な状況に──
「さらに!私は手札から
>セレナ:手札5→4
>セレナ:マナ0→0
更に
「『剣に魔力を』の対象となった『大天使 リコリス』の
────────────────
①剣に魔力を
呪文カード
場のクリーチャー1体は、+1/+0の修正を受け、「突撃」を持つ(「突撃」を持つクリーチャーは、場に出たターンからクリーチャーに攻撃できる)
────────────────
>大天使 リコリス(3/5)→(4/5)
「むっ……!」
実質的な4コスト4/5、『突撃』クリーチャー。
マナに対する
「『突撃』を手に入れた『大天使 リコリス』は場に出たターンから攻撃できましてよ!貴女の『疫病鼠』を攻撃!」
>大天使 リコリス(4/5)→(4/4)
>疫病鼠 (1/1)→(1/0)
「くっ……」
強烈なクリーチャーへと変貌した。
しかし、手札の消費枚数は多い。
クリーチャー本体に
片方の呪文が
ここで勝負を決めに来たという訳か──
「そして、私は手札から
>セレナ:手札4→3
>セレナ:マナ0→0
「なっ……」
さらに追加で
いくら呪文のコストを軽減できるクリーチャーが居るからとはいえ、そんな事をすれば手札が消耗する筈だ。
「『小回復』の効果!場のクリーチャー1体の
────────────────
①小回復
呪文カード
場のクリーチャー1体は2回復する。
その後、このターンに使用した
────────────────
光が天使へと降り注ぎ、傷を癒した。
>大天使 リコリス(4/4)→(4/5)
「そして、このターン中に使用した
なるほど。
1コストで2点の回復……そして、プレイ数が増えれば実質的に0コストで使用できる
だが、現状。
『小回復』は『大天使 リコリス』によって、コストが軽減されて0となっている。
つまり──
>セレナ:マナ0→1
0コストで、マナを1つ起き上がらせる呪文となっている……!
「そして、私は手札から
>セレナ:手札3→2
>セレナ:マナ1→0
そして、今、彼女は起き上がった1マナと『大天使 リコリス』の軽減効果により2コストの
「『祈りの対価』はこのターン中に発動した
────────────────
②祈りの対価
呪文カード
カードをX枚引く(Xはこのターン中、自分が使用した
────────────────
>セレナ:手札2→5
プレイ数に応じたドロー呪文!
2コストで3ドロー……破格の性能だ。
相手の場には4/5、しかもコスト軽減効果を持つシステムクリーチャー。
手札の消費枚数は『祈りの対価』によって、殆ど回収されている。
ボードアドバンテージも、手札アドバンテージも彼女の優位!
「これで私はターンを終了しますわ……さぁ、貴女のターンでしてよ?」
カードの効果の対象になる度、ドローするクリーチャー。
軽量の
プレイ数に応じて強力な効果を発揮するカード。
ここまで並べれば、理解できる。
彼女のデッキ、その戦略が。
ずばり、彼女のデッキは──
「私のターン」
>ニーナ:ターン5
それはカードがプレイされる事で発動する
誘発効果を発動するための軽量呪文、そして軽量呪文をさらに軽くするためのコスト軽減が採用される。
勝ち筋は多岐に渡るが、メジャーなのはカードがプレイされる度に「強化される」「ダメージを飛ばす」「増殖する」カードが多い。
もしくは、サブプランとしてカードのプレイ数に応じて強力な効果を発揮する『祈りの対価』のようなカードか。
「カードを引いて、1枚をマナへ」
>ニーナ:手札5→5
>ニーナ:マナゾーン4→5
厄介なデッキタイプ。
盤面を形成し下準備をするデッキとは違い、フィニッシャーが急に現れ、
先程のコスト軽減クリーチャー『大天使 リコリス』のように。
そして、場に残せばゲームエンドまで持っていけるシステムクリーチャーである事も考えなければならない。
確実に処理しなければ、次ターンに
この
終盤までフィニッシャーを握り続けていれば序中盤に圧を掛けられずに敗北し、序盤にカードを切り過ぎてしまえば終盤に息切れをする。
攻めるタイミングが自由自在……と言えば聞こえは良いが、実際はそのタイミングを見計らうのが難解なデッキだ。
この状況。
『大天使 リコリス』を4ターン目にプレイして圧を掛けてきたが、後続が用意出来ていなければ『大天使 リコリス』を破壊された時点で彼女の勝ち筋がなくなる可能性だってある。
その、リスク・リターンを天秤に掛けるバランス感覚。
それが必要なデッキなのだ。
手札から、視線を上げる。
自信に満ちたセレナの顔。
……どうやら、一筋縄ではいかなさそうだ。
彼女のデッキ……軽量
だが……そこに、勝ち筋はある。
私はカードに指を滑らせた。
わ ぁ っ …
カードバトル要素を
-
増やした方がいい
-
このままでいい
-
減らして欲しい
-
(アンケート結果だけ見たい)