乳首から魔貫光殺砲が出せたらロマンチックビーム 作:ミスターポポティンティン
歯を磨いて、朝食食って……なぜかまた2人ともちょい飲んでる。迎え酒ってアンタ……。
「ハハハハハ! ちょっと伝説の暗殺拳、伝説過ぎない? そりゃ語り継がれる。伝説になるわ」
「いや、アレ見て生き残ったやつはいないかな……というか戦って生き残った奴がいないけど」
「マジで!? じゃあ小説のネタとかには出来ないの?」
「特にアレは不意打ち技でもあるから……ま、秘密ね。秘密。喋ったら暗殺しちゃうぞ♪」
軽く殺気を飛ばす。
「こっわ!? え、今の何? 乳首から出したの?」
「乳首から殺気!? その発想はなかった! ウハハ、いや天才だね!? 鶴仙流入ります?」
「あんた、財産を根こそぎ奪ってきたとか言ってたじゃない……ねえ、それより普通に、あなたの取材とかさせてよ! 駄目な部分はボカすから。それこそ焼き討ちするなら撮影させてよ」
「えっ、撮影? …………いやいや無理でしょ? 死ぬよ。死ぬ」
カチコミされている最中のヤクザの本部を撮影とか、戦場カメラマンどころの話じゃない。
「良い物あるんだ。蚊に偽装したドローン! 空飛ぶビデオカメラ! 同時5台操作可能!」
「5台!? というか、え……それもカプセルコーポレーション製?」
「これは……まあ、そもそも市販品じゃなくて、知り合いに作ってもらったやつ」
「ふ〜ん……、……レッドリボン軍関係者?」
「うぇっ? 違うよ! 違う違う。あ〜、そう言えば何か昨晩言ってたっけ? あんま覚えてないけど……ドクターゲロ関係のなんかが……」
「あ〜、……ま、まあ、それは良いや」
殺らなければいけない存在なら……殺るだけだ。まあ、そんなことをしても、どーせ世界なんて救えない。だったらただの殺人であり、そんなことはしない。
今からヤクザを燃やしに行くのに?
この世界のヤクザは人じゃないからセーフ! 死刑囚どころの話じゃない。人類全体の敵だ。
前世でいえば、ネットの認証で、信号機を選択しろとか作ったやつレベルだ! ハミ出ていて正解がない方のやつな! あれは人類全体に対する攻撃だろ! あの微妙なハミ出し!
俺の認証システムでは、あれを作ったやつこそ人間じゃない! ロボット? 生ゴミに分別だ!
「な、なんか……殺気でたぞ。オイ。一回出て、おさまって、また出たぞ! あたしは善良な作家だからな……。企業や発明家とか、色々とコネが多いだけで」
「ああ、ごめんなさい。古い因縁を思い出してしまいましてね。ま、過去のことですよ」
良い女が、かつての日々を振り返るがごとく、フッと笑う。少女だったわね……って感じで。
「……迎え酒ってそんなに飲むもんじゃないのよ? いや迎え酒自体するもんじゃないんだけど」
「フッ……良いですよ。撮影しても。かなりグロい映像になるとは思いますけど……」
いくらこの世界でも、ヤクザの本部への襲撃は、善なのか悪なのかは微妙なところだ。
狙われた会社と同一グループである出版社が自分の側に立ち、正義の女神エビチリ伝説の普及をしてくれる可能性があるなら、とりあえずは協力してもいいだろう。
ちなみに、後で聞いたことだが、この時点でタイツはまだ俺を警戒していた。
こっちは信用して……というか酔っ払っていたから、酒瓶1本が入っているカプセル以外……全ての財産が入ったカプセルケースを上着ごと預けたのに……。
そもそも昨日から、彼女は情報収集をしていたんだ。子供に酒とタバコを振る舞って。まあ、俺が持ってた高い酒に彼女自身がかなり呑まれたわけだが……それでも口を滑らしたりはしない。
彼女は、俺をヤクザ絡みの人間だとみなしていた。まあ、殺し屋の弟子自体がそうだし。
だから実は、そもそもタイツとその仲間……ジャコは、俺と同じように、あるヤクザの本部を襲撃するつもりだったことを後で聞かされた。同居している爺さんが、財産目当てで狙われていた。
タイツは基本、裏方であり、警察にもコネがあり、様々な根回しは終わっていたとのことだ。
ジャコの宇宙パトロールの仕事で、緊急要請がかかって延期することになったのだが、ドローンの試運転をかねた偵察をすることにしたところ、俺に出会ったというわけだ。
その結果、超高性能ドローン5台に撮影されながらの俺のキャンプファイヤーが始まった。
なんかAIによる自動操縦と併用しながらの操作らしい。ちょっと緊張するがカッコいいところを見せてやろう。
「えっ? マジで言ってる? とゆーか酔いを覚ましてからにしなさいよ……」
「大丈夫。大丈夫。イキますよ……うりゃぁっ!!!」
ネオアームストロングサイクロンジェットアームストング砲をぶん投げる。それに飛び乗る。見事にスベる。
「ぴょわっ!?」
なんとか抱きつくようにしがみつく! 失敗したがこれはこれで良いだろう。いわば箒に跨っているようなもの。今度、横座りなんかを試してみても良いかも。
「気分は魔女の宅急便……どんな話だっけ? …………デリヘル?」
勿論それは間違いだ。現在、ヤクザの本部に突っ込んでいるとおり、俺は突っ込む側の人間。
聖地のちょっと手前。俺を乗せたチ○ポの石柱は、失速して、地球をファックした。
投げ出されて、地面をズザァーーーッっと滑る俺。破れるズボン。千切れとぶスポブラ。ボロボロのトップレス姿でタイツのいる森にフヨフヨと飛んで戻る俺。
全て撮影されており、リアルタイムで見られていた……。
映像にも残る森からの声→ ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ