乳首から魔貫光殺砲が出せたらロマンチックビーム 作:ミスターポポティンティン
「殺しに来たぞ、エビチリ」
「
そこまで言ってちょっとビックリしたように鼻をつまむ。
「あれ、本当に臭い!? 大丈夫? 加齢で体、発酵しちゃってない? カビ取り剤1杯いっときます? でも、やっぱウジ虫系か……殺虫剤いる?」
無言で撃たれたどどん波を反射で躱す。え? 怖っ!?
「裏切り者め。お前は、才能があり、修行には真面目だったので目をかけてやっておったのに」
苦々しそうに喋る師匠兼兄弟子に、ニパっと笑顔を向ける。
「ようするに自分はずっと真面目に修行しているってことですね。あのまま鶴仙流にいた場合と、今の自分、どちらが強いのかは明白です」
こちらもどどん波を撃つように指を突きつけて宣言する。
「そして、あなたを倒して、更に俺は強くなる! そのために俺は1人旅立ったんだ!」
「……嘘ばかり付きおって。小説も、映画も、インタビューも嘘だらけ。お前はただノリにまかせて生きているだけ。自分で定めた目の前のことには懸命だが、根本的に人生に投げやりなのだ」
「お、お〜……よく見てますねぇ……」
ちょっと驚いた。というか小説や映画まで見ているのか。本の見本や試写会のチケットとか送ったほうが良かったのかな? 天津飯宛には、ヌード写真集を出すことになりましたって手紙を添えて、濃厚ゲイポルノを送ったりしていたんだけど……。
「昔お前が言っていた……レッドリボン軍に体を改造され、逃げ出してきたというのは本当か?」
「それは……本当です。まあ記憶がほぼないので……別に恨んでいないってことも本当ですよ?」
気がつけば、この体で俺だったから、実は転生なのか憑依なのかもわからない。いや、主観的、人格的に言えば、単に前世知識がある俺……エビチリだっていうだけなんだが。
親はいなかったし、血の繋がった唯一の家族であるらしいドクターゲロのことも何もわかっていない。なぜ俺を改造したのかすら知らない。ただ、彼がどんどんと狂気に飲み込まれていって、多分……人として終わってしまったのは見ていてわかった。
被験体となる人達や世界のために彼を殺すべきなのか。原作的に殺した方が世界はヤバいのか。色々と考えても結論は出なかった。
ただ、なんと言うか……何もかもが間違っている気がした。
天才であるゲロの孫かつ、超サイヤ人をも圧倒した人造人間なのに、俺には、そんな優秀な脳ミソも能力も無いなってことに気づいた。まあ幼児だといえばそうなんだが。
だから脱走して、亀仙流っぽい生活を送っていたんだ。よく働き、よく休み、よく学び、そして、よく遊ぶ……みたいな、ちゃんと覚えてないけど、そういうやつ。そして……
「まあ、たしかに投げやり……というか諦観がありますよ。巨悪共に矮小な者が攻撃を通すには、限られた気力を凝縮させるしかない。それで不意打ちでも何でも貫いてやるしかない。それなのに、結局、穴を開けてやったぐらいじゃ倒せない……みたいな。やはり俺なんかに後々の世界を救えるはずが……的な、いや、すみません。意味不明ですね」
伝わるはずがないことをグダグタ言うのを止めたのだが、なんかちょっと桃白白笑ってないか?
世界を救うとか中二だと思われた? 顔が熱くなってくる。これだから駄目な大人は! 馬鹿な子供だって24時間ずっと馬鹿な子供じゃないんだぞ!?
あと今16歳の俺を、別れたときの14歳のままだと思うなよ! 精神的に完全に別の生き物だからな! もっとずっと悪化していたりもするけれど……飛ぶために屈む時もある!
「ところで……天津飯はまだ殺し屋なんて目指しているんですか?」
「……当たり前に決まってるだろう。あいつも才能がある。いずれは私をも超えるだろう」
ふ〜ん……ゲイポルノ送りつけたのは悪戯ではあるけれど、まだ殺し屋なんぞを目指して鶴仙流にいるのならその罰ってことでもあったんだけど……。
「うん……。じゃあ、とりあえず今まで色々教えてくれた白白さんに、俺から大事なことを教えてあげますよ。それであいつも今度こそわかるかな?」
鶴仙流の構えの1つを取る。向こうも同じ構えを取りながら口を開く。
「ハッ。お前が私に教えることだと?」
「ええ。教えてあげますよ。殺し合いに向いている地球人なんていないっていう喜ばしくも悲しい事実をね……。こんな体ちょっと弄くられただけの小娘に負けるような雑魚♥雑魚♥おじさんが、世界一の殺し屋とか(笑)……ワカラセテやりますよ」
イヤホーー! 立った、立った、フラグが立ったー! ワァーーーーー!
それはそれとして、あと数話でひとまずは完結です