乳首から魔貫光殺砲が出せたらロマンチックビーム 作:ミスターポポティンティン
「うぉおおぉお! お? あ? 、ぐぁっ、あ、おっ、ブボァ! ブヘッ! アヘェッ!」
あれ? なんか強くない? 普通に接近戦で競り負けて、かなり攻撃食らってるんだけど……。向こうのガチの殺意に乗り遅れたのもあるけど、思ってたよりずっと強いぞ。
なんか
「どどん!!」
「うわっと、と」
ちょっと距離が離れれば、どどん波がくる。そして避けている間に、距離を詰められる。
俺がずっと距離を離したがっているのがバレていて、阻害されている。そりゃあ、近接で競り負けているんだから当たり前なんだろうけど…………向こうに遠距離戦の自信がないとも取れる。
そして俺にはある。伊達に乳首からビームを出すことにこだわってきていない。気の放出とコントロールは鶴仙流に師事してから今までずっと最優先でやってきた。
「ハァアアッ」
体を縮めて、コンパクトに回転させつつ、鉤爪上にした指で切り裂く。
ここは無人の敵ヤクザの屋敷。その中でもおそらく上階のボスの仕事部屋。広いけれども、遠距離戦に適している程かと言うとそうではない。外に出てしまうのが最善だ。
回転をそのままに、今度は両指から、小刻みな気弾を放つ。威力は低いが、数は膨大だ。
それでも
その開けた穴から素早く外に飛び出て、空中で停止する。
この位置からの遠距離戦だ。たとえ距離を詰められたとしても、それは空中戦。ただの接近戦よりも気の放出とコントロールの領域での戦いとなる。
「ど、ど、ん、波!」
左手……その親指を除いた4本指……それらの全てを使って、どどん波を放つ。4本のビームはそれぞれ絶妙ににアーチを描きながら部屋の中の
「器用な……だが遅い!」
その避けた所を狙い撃つべく、右手の人差し指から、数段速いどどん波を放つ。
「ッウオオォオ!?」
惜しい! しかし主導権は取った。
親指を除いた両手の指8本……そこから気弾を連射させていく。緩急織り交ぜて、様々な軌道と速度で絶え間なく撃ち続ける。そして、残った親指2本にも、じっくりエネルギーを溜めていく。
更に、こっそりと両乳首にも溜めておく。こちらは、ほぼ必殺となる領域にまで威力を凝縮させる。出来れば使いたくはないが、そんな甘いことを言っていて勝てる相手ではないかもしれない。
少しずつではあるが確実に被弾させている。その弾幕を掻い潜って、向こうからどどん波が放たれるが、こちらの左手の親指からのどどん波でかき消す。
そして、もう片方、俺の右手の親指からのどどん波が、
「ぐぅうっ!」
機動力を奪った。ここだ。8本指の連射の威力と速度を1段階引き上げる。そして、同じように両方の親指にエネルギーを溜めていく。勝ちパターンの繰り返し……ただし、上位版だ。
相手の被弾の量が格段に増えた。威力だって今のほうが強い。このままいけば、これで決まる。
「ぐぉぉおおおおおおぉおおおおおおおおおお」
「どどん!!」
そしてエネルギーを溜めていたのだろう渾身のどどん波を後方の虚空に放ち、それで得た加速に舞空術をのせ……結果としてジグザクの軌道を取りながら、俺に突っ込んでくる。
これが最後の攻防だろう。
8本の指からの気弾が全て
俺の左手の親指からのどどん波が、
そして、俺の右手の親指からのどどん波……これで詰みだ。
俺は更に乳首にもエネルギーを溜めている。万全だ。
「終わ……り……d……!?」
あれ? 何かがおかしい……。というかなんだこの変態親父。全身の体も服もボロボロではあるけれど……その上半身の破れ方……乳首の部分だけ丸く穴が開いているのはおかしいだろう?
露出狂かよ……。もし、そうじゃないってんなら……まるで……ずっとエネルギーを乳首に溜めていて…………それで、俺を撃ち抜いた……みたいじゃないか…………。
切り裂いた壁の残骸。地面に落下し散乱していたそこに……なぜか俺の体は埋没した。