乳首から魔貫光殺砲が出せたらロマンチックビーム 作:ミスターポポティンティン
勝った。死んでいるかはわからないが、確実に致命傷だろう。
俺の放った魔貫光殺砲は、桃白白のチクビビビビン波を飲み込んで、奴の体に風穴を開けた。
既に致命傷をくらっていたにも関わらず無茶をした俺も……もう……死ぬん、だけどさ……。
向こうがまだ生きているのなら、俺の方が早く死ぬな……その場合、俺の負けか……?
まあ、青春の全てを費やした目標を達成したんだ。たとえ
なんで、俺は、乳首から魔貫光殺砲を出すことに、青春の全てを費やしちゃったんだ……?
……
……
……
「気づいたか?」
「…………つ、鶴仙人様?」
「まったくこの馬鹿弟子が……貴重な1粒しかない仙豆を使わせおって」
「仙豆!? 1粒って……パ、白白さんは……」
「半分ずつだ」
「白白さん………、…………パイ毛……ひっどいスね」
そばで、足を投げ出して、ぐったりと座り込んでいる桃白白。そして、その乳輪周りがもう……グロ映像だよ。エッグいわ〜……。夏も近いのにさ……。
俺の場合、ムダ毛処理は、いよいよ本格的に必要になってきた時期に、ちょうど金持ちになったから、だいぶ楽しているのだけれど……お前、この乳首を気にしろとか言ってたの? サイッテーだな。お前が気にしろ! もう、セクハラなのか、ボケなのか、ボケているのかもわからねーよ!
「……乳首と乳輪周りは別物だ。それに、お前と違い乳をさらけ出す生活をしておらんのだ」
「うわっ。見ないでくださいよ……」
今、気づいたけど、俺の上半身は裸のままだ。なんか上に掛けておいてくれよ。そんなんだから、日頃の処理が必要のない生活なんだよ。いやもう2人共、年だけどさ。
俺も頑張って上半身を起こしつつ、止血に使っていた服の一部を裂いて胸に巻き付ける。まったく布が足りていないが、乳首分だけは、なんとか隠して、鶴仙人に疑問をぶつける。
「それにしても、助けてくれたんですね……。えっ? もしかして、生かしてエロいことしようとしてます?」
思わず、遠ざかるように体を抱えてしまう。
「アホか‼ お前が勝手に出ていっただけで、儂は……お前を破門にはしておらん。ここで
その言葉に驚く俺の方にではなく、遠くを眺めるように語りだす。
「鶴仙流は、
サングラスに隠されたその目が見ているものを……他の人間が知ることは出来ない。
「存在の強さが違う相手に勝利する
そこまで語り、俺と目を合わす。
「お前も、そう生きてきたのだろう? エビチリ」
「……いや、俺は、よく食べ、よく遊び、みたいな……亀仙流のノリで……」
「…………」
「…………」
「…………いや、それで行き詰まったから、鶴仙流の門を叩いたんです!」
「そうだろう! そうだろう! 正解だ! 賢いぞ! 亀仙流は、絶対に行き詰まって、堕落するのだ!」
白白さんが疲れたように口を開く。
「そして、こやつは鶴仙流にも見切りをつけ、出ていったんだがな」
「……それも正解じゃ。武道とは歴史だ。受け継ぐだけではなく、積み重ねるものだ。そして稽古という形で、エビチリに教えられることはもうなかった。出ていく時期だったのだ」
そう言って鶴仙人は懐から2冊の本を取り出す。
「通常の技より、より騙すこと、壊すこと……自分と相手の命を、確実に削ることに特化した技が記してある……鶴仙流の奥義書じゃ。チクビビビビン波も、師匠がピッコロ大魔王を封印した技も記してある。2冊目は書きかけじゃ……続きはお前が記していけ」
俺に2冊の本を渡し、
「エビチリ。気の量、身体能力、体力……全てにおいて、お前のほうが遥かに上だ。しかし、結果はこうなった。このことを、そのでかくなった胸に刻んでおけ」
なんかカッコつけた風にセクハラされたぞ? いやセクハラ風にカッコつけたんだろうけど。
鶴仙人様が引き継ぐ。
「お前が何に対して戦いを挑もうとしているのかはわからない。ただ敵は強大なのだろう。それでも、突き進むのだ。貫くのだ。滅せぬ敵と……お前の武道を。それが……鶴仙流じゃ」
俺が世界を救う話をした時に、うっすらと笑った白白さんと同じ表情だ。見れば、白白さんの顔にも、再び同じ笑みが浮かんでいる。そうか……そうだったのか。俺は1人じゃ、なかったんだな……。
「鶴仙人様。白白さん。今まで、お世話になりました。本当にありがとうございました」
まだ立ち上がれないが都合が良い。ただ感謝を込め、深々と、土下座をするように礼をする。
そんな俺に背を向け、2人は最後に、軽くフッと笑って、空に飛び立った。
しかし、直ぐに戻ってきた。
土下座の体勢のままの俺に、盗んだ分の金を
「わ、わかりました。10倍にして返します………………そういえば、チャオズの性癖って?」
チラっと顔を上げて、気になっていたことを恐る恐る質問する。
そんな俺に背を向け、2人は最後に、軽くフッと笑って、空に飛び立った。
もう戻ってはこなかった。
次回エピローグ!