勇者パーティを追放された俺はその通りだと思った。   作:テムテムLvMAX

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古宿や 
    おバカ飛び込む
              金の音
           



アレク


そういう所を治してくれ

「貴方しか客が居ないって……俺の事?」

 

「うん」

 

 

 アレクです……いきなりですが俺はやばい物件に自ら入った、いや飛び込んだのではないでしょうか……

 外見はキレイで高級感もある宿がいきなり客が一人だけだからととてつもない割引をする幼女を働かせている……こりゃ何か裏がありますぜ

 

 

「じゃ、じゃあ泊まらせてもらおうかな」

 

「ん、これ部屋の鍵。この番号以外は全部壊れてるから入っちゃダメ」

 

「ンンゥ〜↑」

 

 

 いやぁサラッと聞き流したかったなぁ! 聞き流したかったなぁ! 壊れてる? 入っちゃダメ? 一つ二つじゃなくてほぼ全室? 

 しかもこの部屋番号666じゃん不吉だなー……

 

 

「え、えーと、何があったのかな?」

 

「それは……それは……ふ……ふふ……あっ……いやっ、やめて……ぅう頭が……っ」

 

「ワワワワワっ!? えーとこういう時は……なんだっけなんだっけ……あっ、マインドハック!」

 

 

 突然頭痛を訴えたため精神を魔法で一旦眠らせる、糸が切れたように崩れ落ちた幼女を優しく抱き上げてロビーにあったソファへ寝かせた。

 

 あーやばいなぁここ曰く付きかぁ……

 

 回れ右、180度旋回、そのまま直進! 

 厄介事に関わる前に撤退するんだ俺、これはなんというか魔法で解決する案件じゃない気がするぞ主に人間関係とか犯罪とか契約とかそういうややこしい話になりそうだなぁ! 

 

 宿から出ようとしたその時、俺の首筋には刃物がギラっと輝いていた。あと数瞬遅れていれば俺は首を自ら切り落としていたのではないか、それ以上に喉元に突きつけられた刃は俺をどうしたいんだ

 

 

 

「待ちな、娘に何したんだっ! 答えなっ!」

 

「刃が喉にアッアッアッ」

 

 

 良く見たらこれグレートソードだぁぁぁぁ! 人間と同じぐらい長い大剣だーっ! マジでこの人にぶった切られるーっ! 

 

 

「何考えてんだい! さっさと答えなぁっ!!!」

 

「ハイッ!」

 

 

 

 カクカクシカジカ。

 

 

 

「ふぅんなるほど……ね」

 

「ご理解頂けましたかマーサさん」

 

「疑って悪かったね、いかにも怪しい動きしてたもんだからついやっちまったよ! アハハハ!」

 

 

 この人典型的なウォリアーだなぁ……あ、ウォリアーってのは前線で大物ぶん回すフィジカルモンスター達の総称だ、そんな事出来る人は決まってカラッとしてるし清々しいまでに気分の良い人が多い。似たりよったりってやつ。

 

 しかしマーサさん、あのクール幼女の母親かぁ……クール成分はお父さんかな。

 

 

「私にはもう娘しかいないからね……こうなっちまうのは勘弁してくんな」

 

「それはもう、娘さんが店番している時点である程度察していた部分ではありますし、俺も不用意だったのは謝る所なので……」

 

「ふぅむ、リーナだ。娘の名前はリーナ、旦那に似て静かだけどよく人を見てる、ヤバい奴かそうじゃないかは判断出来る子だよ。そんなリーナが逃げなかったしむしろ話しかけたのはお前さんなら大丈夫って思ってのことさ」

 

 

 そう言うとマーサさんは奥へ引っ込んでいってすぐ戻ってきた、その姿はまさに高級宿に相応しい佇まいだった。

 

 メイドだ、上から下まで完全なメイドだ。勇者パーティに所属していた頃に王宮で見たのとちょっと違うが紺のドレスに白のエプロン。言っちゃ悪いがマーサさんのイメージからは想像できない物が今目の前にある

 

 

「この度はこちらの不手際でご迷惑をおかけしました、ので今回はサービスさせていただきます」

 

 

 食事とマッサージがサービスされた、うーん情は人の為ならずってこの事を言うんだな! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇者フレイ、前哨基地を壊滅させたそうだな。よくやってくれた」

 

 

 私達は謁見の間にてテランデ一帯を治める王、ソムニ様へと面会していた。この魔王軍の前哨基地は長年テランデを悩ませ続けてきたまさに目の上のたんこぶ、そのたんこぶを蜂に刺されたレベルで邪魔だった訳だ。これでこのテランデで暴れる魔王軍の奴らは補給を絶たれ大人しくなることだろう。

 

 そして同時に我ら人類が魔王への足掛かりを得たことになる、まだいくつもの基地があり、魔界にいる魔王軍の地上侵攻の要所たる城も残っている。まだまだ油断はしたくともできない状況だ。

 

 

「此度の活躍、誠に天晴としか言いようがない。あの基地をたった四人で攻略したこと大いに称えるべき功績だ……なのだが……一人足りないのではないか? ほら、なんと言ったか、魔法師がいたろう?」

 

「魔法師アレク、の事でしょうか?」

 

「おぉそうだ、其奴だ。少しばかり冴えない奴だった……まさか」

 

「いえ、死亡はしておりません」

 

「そ、そうか。良かった……では勇者フレイよ、なぜその者はここに来なかったのだ」

 

 

 い、言えない、言える訳が無い。私の手違いで追放してしまいましたなんておっちょこちょいにも程がある、ここは勇者として威厳を落とさない為にも言い回しを気をつけながら必要最低限だけ話そう。今はフォローしてくれるディオス兄上もメスキス殿も置いてきてしまった……な、何とかなれ

 

 

「それはですね」

 

「それは?」

 

「わ、私が彼に命じたのです。行け、と」

 

「何処へ?」

 

「あちらへ」

 

 

 そうして私が指さしたのは城塞都市で一番大きな店がある方角、この城からでもハッキリ分かるとても大きな店だ、元々はそこへ買い物に行ってもらおうという話だったのだけれど……どうしてこうなった

 

 

「……その方角に向かわせたと?」

 

「はい、そのように命令しました。我々にとって必要な物ですから」

 

「ふふふ、いや、勇者様、おみそれ致しました」

 

「では私はこれで失礼します、まだ困っている人々は大勢居るはずですから」

 

 

 よし、何とか切り抜けたぞ。威厳も更に高まったようだし万事上手く行った、この勇者フレイに出来ぬことはない! 

 

 さぁ報告も終わったしアレクを探さないと! 

 

 




ソムニ王「おお、あの方角は魔王の支配したる聖地イシュリタリアへの入口、成る程、来たるべき決戦の日に備えもう聖地へ行かれるのだな」


相手に伝えたい事ははっきりと言葉にしようね!
あと、嘘は基本的に良いことないからつかないようにしようね!

お兄さんとの約束だよ!
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