勇者パーティを追放された俺はその通りだと思った。   作:テムテムLvMAX

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すれ違うってのはお互い前提条件が違うんだよね、だからちゃんと話し合わないといけないんだけど


こうしてまたすれ違う

 この階段が俺にとって天国への階段になるのかそれとも断頭台への階段になるのか、全ては勇者様次第……

 

 

「恐ろしや」

 

 

 この俺アレク、尊き勇者であるフレイ様に恥ずべき行為はやっていないと自負している、唯一汚点になりそうな事と言えば聖剣へし折った事だが、それも昔の話だ。実は許してませんでしたって言われたらそれまでだけど。

 

 脳内で土下座のシミュレーションを何度か行い、謝るための文章も生成、腹をくくった所で部屋へ到着した。この扉の向こうから懐かしくて今は怖い勇者の魔力が滲み出ている

 

 

 

「ここです、ではあとはごゆるりと」

 

「あ、あぁどうも……ねぇシーちゃん同席してくんない?」

 

「命が惜しいので……」

 

 

 そんなにヤバくないよ!? 

 いやヤバさ加減は全部俺次第か……覚悟決めてこの扉開けるか

 

 呼吸を整えて、いちにーさん! 

 

 思い切りドアノブをひねり扉を開ける! 

 

 

「アレ」

 

 

 すかさず床へ頭をこすりつけ完璧な土下座を見せつける

 

 

「おい……?」

 

 

 更に考えていた謝罪文をハッキリ丁寧な声で読み上げる! 

 

 

「この度は誠に申し訳ありませんでしたっ! フレイ様が慈悲を下さった事とはいえ私のしでかしたことは到底許されるものでは無く、今になって償えと言うのでしたら甘んじて受け入れる所存でございますが、しばらく、しばらく待って頂きたい……!」

 

「アレク……?」

 

 

 どうだ? 行けたか? 許してくれるかな? 

 

 

「ふふふ、アレク様はフレイ様に謝るほどの事をしたのですか?」

 

「はい」

 

「いけませんねぇ、フレイ様? どういたします?」

 

 

 メスキス殿が場をコントロールして下さったお陰で話がスムーズに進みそうだ、フレイ様は怒りの余り黙ってしまわれた。後が怖い

 

 

「しゃーねーな、黙っちまった妹の代わりに俺が言ってやるよ」

 

「はい、ディオス様」

 

「お前が俺達に頭下げるような事って何だ?」

 

「聖剣を折ったことです」

 

「……そりゃ随分前の話だな、もう過ぎた話だろ。許してるぞソレ」

 

 

 マ? 良かったーソレ許されてなかったら心臓止まってたよ、お慈悲感謝マジ神様

 

 

「アレク、私はお前に戻ってほしい」

 

「え?」

 

 

 何だって? フレイ様は辞めろと言ったのに次は戻ってこいと? この真意や如何に

 

 

「その、お前に言ったことは言葉が足りなかった。パーティを抜けてくれと言う意味ではなかった。私はそんな事をお前に言わない……」

 

「フレイ様、そうなると俺の勘違いって事……?」

 

「私の言葉足らずだったということだ」

 

「こう言うときはお互い様、でございますお二方」

 

「あの時フレイはお前にパーティを離れて物資を買いに行ってほしかったみたいなんだ、コイツの悪い癖で言葉が足りなさ過ぎただけって事さ、すまないなアレク、とびきり勘違いさせちまった」

 

 

 あれ……そうか……俺は捨てられた訳じゃないのか……

 安心……あれ視界がぼやけるな……頬が冷たい……涙かな……

 

 

「あ、あははは……俺もうフレイ様に会えないかと思いましたよ……実力不足だし、本当に切り捨てられたと思ってて……」

 

「アレクはずっと私のパーティの一員だ、今回は全部私が悪い、だから戻ってこい、戻って私の背中を一生守ってくれ……隣に立って共に歩もう」

 

「(おいフレイよドサクサ紛れに告白すんなよ……)」

 

「(これはアレク様はまた勘違いなさると思いますが……)」

 

「はい! 今度は俺も前線で戦います! 魔法騎士として!」

 

「(やっぱりな……この二人そういう意味では相性良いのか……?)」

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

「俺、フレイ様のためにもっと頑張ります」

 

「期待しているよ、私は既に心を君に預けた。私の背中は君に一任する」

 

「はい!」

 

 

 無事にアレクを捕まえて再加入させることが出来た、いやはや一時は焦ってしまったが、告白もしたし言いたいことは全部言ったし何より彼がいる。

 もう私の心は魔王を滅殺することしか憂いがない、とても清々しい気持ちでこの先悪党共の存在を一刀両断できるというもの

 

 今はギルドを離れ、アレクへのお詫びも兼ねて夕食のためにどの店がいいか皆で探していた。

 

 

 

「さぁアレク、共に進もう! 私達の未来へ!」

 

 

 人類の夜明けは近い

 

 

「その事なんですが気がかりがありましてね、それだけ解決していきたいなと思いまして……」

 

「え? 気がかり? なんですか?」

 

「ちょっとその……なんていうか……複雑な家庭環境? と言いますか……」

 

 

 どうしたのでしょう、故郷の両親になにか問題が発生したとか……なら将来の私の両親の問題はない方が良いですね

 

 丁度細い路地の前に来て、女性とぶつかった。子連れ、小さい女の子だった。将来的にはアレクと私の間にも……

 

 

「おっ! ごめんよ! 前見てなかったよ」

 

「いえ、こちらも不注意でした」

 

「お母さん、ん、ん」

 

「あれ? リーナとマーサ「アレクゥ! 探してたんだよぉ! 急いで来ておくれ!」えっちょっ!」

 

 

 え? え? えええっ!? 

 アレクが女に引っ張られて路地に消えていった……じゃなくて追いかけないと! 

 だがさっきの女の子はこちらを見て、つぶやく

 

 

「お父さん、お母さんが心配してたから……許して」

 

 

 は? お父さん、お母さん……? 

 

 この子はさっきマーサと呼ばれた女の子供、リーナ。

 マーサはリーナの母親、そのマーサがアレクを引っ張って連れて行きその後にリーナはそのセリフを吐いた……

 

 

「今だけ、今だけ私は魔王になってしまうかもしれません」

 

「落ち着け! 話がなにも見えてないだろ! 兎に角アレクを追うぞ!」

 

「ふふ、アレク様の事になると前が見えなくなるのはもう直しようの無い癖ですね」

 

 

 

 アレク! 待っていろ! 色々問いただすまでなぁ! 

 

 

 

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