ひろがるスカイ!プリキュア with デリシャスパーティ♡プリキュア   作:空色胡椒

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美味しい笑顔でひろがる世界へ

「大丈夫か、マジェスティ?」

「うん。ありがとう、フィナーレ、プリズム、ブラックペッパー」

「ううん。でも今の、びっくりだよ」

「今まで全然こちらの攻撃が効いている様子はなかったですけど、どうして急に?」

「やっぱり思いっきり全力の攻撃をぶつけるしかないのかな?」

「でもでも、さっきまでのヤムヤム達の同時攻撃でも効いてないのに…」

 

「ねぇ、思ったんだけどさ」

 

考える彼女たちに声をかけたのはバタフライ。口元に手を当てて考える様子をしながらも、ある種確信めいた口調でその考えを告げる。

 

「さっきの攻撃。ブラペ君とプリズムの同時攻撃だったのが効いたんじゃないかな?」

「俺とプリズム?」

「えっと、どういうこと?」

 

「今までやってきた私達の攻撃は単独、あるいは同じチームのメンバーとの同時攻撃だけだった。でも、それじゃ効果は薄い。でも、スカイランド側のプリズム、クッキングダム側のブラペ君の攻撃を合わせたら、すっごい効いたでしょ?」

 

「つまり…私達とプレシャス達。違うチーム同士の攻撃なら」

「うん!それなら効くのかもしれない!」

 

顔を見合わせる10人。互いに視線を合わせで頷き合う。ここから先にやることはもう決まっている。

 

「あたし達10人の力で!」

「はい!必ず、ゴーボーグを倒しましょう!」

 

最後にひと頷きを交わし合い、プリキュア達は飛び出して行った。

 

 

「じゃ、早速行っちゃおうか!」

「ああ。私たちがまず道を切り開かせてもらう!」

 

クリーミーフルーレとミックスパレットを取り出したフィナーレとバタフライ。駆け出した他のメンバーの後ろからゴーボーグに狙いを定める。

 

「プリキュア!デリシャスフィナーレ・ファンファーレ!」

「2つの力を一つに!レッド!ブルー!ワンダホーに、アゲてこ!」

 

フィナーレが紫色の浄化技を放つと共にバタフライは紫のパレットの力を発動。何が出るか本人にも正確には把握していない博打技。現れたのは無数の蝶。エネルギー体で色とりどりの蝶たちがまるで繊細な飴細工で作られたデコレーションのようにフィナーレの技に彩りを加え、加速させるようにゴーボーグに迫る。

 

「私とフィナーレからのスペシャルスイーツ!」

「存分に楽しんでもらおう!」

 

バタフライからの力を受けたフィナーレの技は命中したゴーボーグを大きく揺るがせ、背中を反らすことにも成功する。

 

「じゃあ次はヤムヤムたち!行くよ〜!」

「僕も頑張るメン!」

「うん!」

 

ヤムヤムが電気をまとった刃を指先に形成し、メンメンは口元に炎をチャージする。その隣に並びながらプリズムも大きめの光弾を準備し、息を合わせる。

 

「「「バリバリプリズムブレイズ!」」」

 

最初に放たれたプリズムの光弾を後押しするように、メンメンの炎をも纏わせたヤムヤムのカッターが十文字に重なり勢いを乗せる。ただ直進するだけでなく、まるで羽根がついたシャトルのように、回転することで威力と加速を加えたその攻撃は、ゴーボーグが防ぐ隙も与えずにダメージを与えた。

 

「決まったメン!」

「プリズムのキラキラとヤムヤムのバリバリ!合わせ技いい感じ!」

「うん!ましましだね!」

 

ハイタッチを交わすヤムヤムとプリズム。しかしやられっぱなしでいるつもりもなく、ゴーボーグの口にアンダーグエナジーが大量に集まり、プリズム達を狙う。

 

「「させない(パム)!」」

 

攻撃が放たれる直前に割り込んだスパイシーの展開したクラスティ・パン・バリアが3人を守る。

 

「っ、押されそう…」

 

それでも攻撃の勢いは止まる様子を見せず、守りの上から押し込むように勢いが増す。

 

「スパイシー!もう少しそのまま、お願いします!」

 

背後からスパイシーに声がかけられる。特に詳しい説明もなかったがその言葉を信じ押し負けないようにバリアにさらに力を込める。スパイシーの後ろから飛び込んできたのはスカイ。勢いをつけて飛び込んだ彼女は、得意の拳に力を込める。

 

「ヒーローガールズ!クラスティ・リバースパーク!」

 

渾身の力を込めた拳がクラスティ・パン・バリアの背面に叩き込まれる。そのパンチの威力が乗せられたバリアは砲弾のようにゴーボーグの攻撃をも巻き込みながら発射される。スパイシーとパムパムのエネルギー、受け止めていたゴーボーグの攻撃、そこにスカイの技の力も込められたバリアが打ち出された勢いのままゴーボーグの口に直撃。

 

自身の技の威力までも上乗せされたその攻撃を、防御のしようがない口内へと直接叩き込まれたことにより、ゴーボーグの動きが止まる。

 

「ありがとう、スカイ」

「すっごいパワーパム!」

「ありがとうございます」

 

ダメージによって動きが止まったゴーボーグ目掛けてプレシャスとマジェスティが駆ける。右腕と左腕を蹴るようにしながら身体の中央へ接近する。

 

「やあぁぁぁっ!」

「はあぁぁぁっ!」

 

同時にジャンプした2人がそれぞれの手にパワーを集めて、同時にゴーボーグの胴体にパンチを叩き込む。

 

「ゴーッ!ボーグッ!」

 

ダメージを受けながらも身体に力を込めるようにし、ゴーボーグの体からエネルギーが放出される。そのエネルギーによって左右にバラバラに跳ね飛ばされるプレシャスとマジェスティ。

 

「プレシャス!」

「マジェスティ、危ない!」

 

弾き飛ばされた2人がそれぞれ岩のオブジェに激突しそうになるところ、白と夕焼けの影がお姫様抱っこの形でキャッチする。

 

「大丈夫か?」

「うん。ありがとう、ブラックペッパー」

 

「怪我はありませんか?」

「うん。あたしは大丈夫!」

 

2人が飛ばされた瞬間に視線を交わしていたブラペとウィング。互いの位置関係と距離を考えたうえで、それぞれが助けたいと思った相手を託しあっていた。着地しながらそれぞれの相手を地面に下ろす。マジェスティを抱えていたブラペとプレシャスを抱えていたウィングが頷きを交わし合う。

 

「ふっ!」

「はあぁぁぁっ!」

 

同時に飛び上がったふたりが空中で合流し、急下降するように蹴りを繰り出す。ゴーボーグもそれを防ぐために腕を交差させて受け止める体勢をとったが、

 

「「たあぁぁぁぁっ!」」

 

互いの守るべき相手に危害を加えた敵に容赦などするはずもなく、気合いの込められた蹴りはゴーボーグの防御さえも弾き飛ばして体勢を崩す。

 

「畳み掛けるぞ!」

「おっけー!」

 

フィナーレの合図に他のプリキュアも飛び出していく。フィナーレ、バタフライ、ウィングがバタフライプレスへ蹴りを加えるように右腕を、スパイシー、ヤムヤム、マジェスティがヘビーサンドプレスにパンチを加える形で左腕を封じる。

 

「スカイ、やろう!」

「はい!」

 

「プレシャス!」

「うん!」

 

同時に飛び出した4人。スカイは得意のパンチの構えをとり、その隣のプリズムもまたプレシャスとの共闘の時のように拳を構える。一瞬驚いたようなスカイだったが、プリズムが頷くのを見て笑顔を見せる。

 

一方ブラペと合流したプレシャスはその手を握りしめる。彼女が選んだのはいつも使うパンチではない。視線を交わし、頷き合う。かつてゴーダッツとの戦いでフィナーレと見せたのと似た体勢に入り急降下する2人。

 

「「ヒーローガールズ!ダブルパンチ!」」

「「デリシャス!ツインキック!」」

 

青と白、ピンクと緑。2色ずつの流星が同時にゴーボーグの胴体に攻撃を炸裂させる。ドゴォッ!と強烈な音と共に、ついにゴーボーグの巨体が倒れ込むように地面に背中をつけた。

 

(これなら…どうだ!)

 

すかさずデリシャストーンを手に取りゴーボーグに向けてかざすブラペ。彼が試みたのはデリシャストーンの共鳴によるゴーボーグの動きの制限。ストーン同士が共鳴すればその機能を停止させられる。完全には無理でも動きを鈍らせられるかもしれないと考えた故の行動。しかし、

 

(やっぱりダメか…!)

 

フェンネルが想像していた通り、デリシャストーンに注がれたアンダーグエナジーの影響もあるのかブラペからの干渉を全く受け付けないように、ゴーボーグが姿勢を立て直そうとしている。

 

「くそっ」

「大丈夫」

 

腕を下げようとしたブラペの手に手が添えられる。いつの間に隣に来ていたのか、マジェスティがブラペのデリシャストーンに触れる。

 

「ゴーボーグは2つの別々の力で動いている。でも、あなたの力と私の力。合わせれば、きっと!」

「マジェスティ…そうか!」

 

既にデリシャストーンの力をスカイに分け与えることで更なる効果を発揮できることは、先の共闘で確認している。ならば逆の方法でデリシャストーンにも更なる力を与えることは可能かもしれない。何よりキョーボーグの時も、今さっきまでの攻防でも2つの異なる力を合わせた時の成果が、どれほど大きくなるかはわかっている。

 

「頼むぞ、マジェスティ」

「うん!」

 

改めてデリシャストーンをかざすブラペ。隣に立つマジェスティはその手を包むように自身の両手を重ねる。手を伝うように、デリシャストーンに彼女の力が流れ込む。緑の輝きの中にほんの少しの紫色が混ざり、より強く光を放つ。

 

「ゴゴッ!?ゴーッ、ボッ!?」

 

途端に体の自由がきかなくなったのか、ゴーボーグの動きが止まる。動こうとするものの、上手く力が使えないのか立ち上がれない。2人が作り出した最大のチャンスを逃さぬべく、ブラペは声を仲間に届ける。

 

「プレシャス!みんな!今だ!」

「うん!コメコメ、お願い!」

「任せるコメ!」

 

プレシャスの腰にいたコメコメが飛び出して姿を変える。最後の戦いから少しだけ大きくなったようにも見える少女の姿。その姿に変身し、胸のハートマークに力を集める。

 

「コメコメの力をみんなに!」

 

その力を受け取った4人のウォッチとペンダントが変化し、手に金色の指輪が嵌められる。光の中から現れたロウソクをイメージされているタクトを各々手に取る。

 

「「「「パーティキャンドルタクト!」」」」

 

「笑顔のパワー!」

「分け合うパワー!」

「情熱のパワー!」

「正義のパワー!」

 

4人がそれぞれ象徴する力をタクトを通じて放ち、コメコメへと集約させる。その力を受け取り、胸のハートから再度照射するコメコメ。

 

「プリキュア!パーティアップ!」

 

その光に包まれたプレシャス達の姿が変わる。パーティアップフォームと呼ばれる特殊な姿は、彼女達の持つ最大の浄化技を放つ為の姿。

 

4人が指輪をタクトにかざして力を貯える。そのタクトを合わせて前に掲げる。

 

「「「「心を1つに!」」」」

 

4人で同時にハートを描くと、4つの光のエネルギーが放たれ、1つの大きな光のエネルギーとして宙を舞う。その光を身に浴びながら4人がゴーボーグへと飛翔する。

 

「「「「プリキュア!ライト・マイ・デリシャス!」」」」

 

紫、黄色、青とピンク。4色のハートの輪を作りながらゴーボーグを囲うように飛ぶプレシャス達。ハートの輪が収束するようにゴーボーグを包み込む。

 

「ゴ…ゴーボッ…」

 

プレシャス達の浄化技は完全にゴーボーグを浄化しきることは出来なかった。でもそれによってゴーボーグの額にはめられていたスペシャルデリシャストーンが浄化され、巨大な負荷に耐えられなかったのか石にはひびが入り、形が崩れ始めている。

 

ストーンが浄化されたことによってフィールドを覆っていたアンダーグエナジーが晴れ、周囲に変化が現れる。赤黒く染められていた空は青空へと塗り代わり、岩のオブジェの他にも美味しそうなお菓子や食べ物をイメージさせる明るい色のオブジェが現れる。

 

身体を形成する要だったストーンの力が途絶えたことによってゴーボーグの実体がどんどん崩れていく。それでもあまりに多く取り込まれたそのエネルギーは雲散するどころかその場にとどまって新たな肉体を構成しようとする。

 

「スカイ、お願い!」

「決めちゃうコメ!」

 

「はい!」

 

プレシャスからのバトンを受け取ったスカイ。その声に応じるようにプリズム、ウィング、バタフライ、そしてマジェスティが集う。

 

マジェスティが取り出し空に掲げたのは1冊の本。彼女達の究極の力を解放するための鍵。

 

「「「「「マジェスティクルニクルン!」」」」」

 

本が開き現れたペンを用いて力を解放する5人。空色、真白色、夕焼け色、桃色、夜空色。それぞれの光を身にまといながらフィールドの青空へと模様を描く。

 

「「「「「ひろがる世界にテイクオフ!」」」」」

 

描かれるのは彼女達、ひろがるスカイ!プリキュアを象徴するマーク。大空に浮かび上がったそのマークがゴーボーグを正面に置くように浮かび上がる。その後ろに勢揃いしたスカイ達が、そのマークを照準にするようにその手をかざす。

 

「「「「「プリキュア!マジェスティックハレーション!」」」」」

 

シンボルマークよりキラキラエナジーを大量に込めたエネルギーの奔流がゴーボーグ目掛けて放たれる。雲さえ払い除け、ゴーボーグの巨体をも包み込む光のエネルギーはその場に留まろうとしたアンダーグエナジーを浄化する。

 

「スミキッタ〜」

 

マジェスティがクルニクルンを閉じるのとほぼ同時、最後に満たされたような声だけ残し、彼女達を苦戦させていたゴーボーグは完全に浄化されるのだった。

 




次回、最終回です
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