目が覚めた。目の前には、知っている天井。
……そんな天丼は置いておいて、窓の外からの光を享受する。本日は快晴だからか、いつもよりも部屋の中が明るい気がする。ちょうどいい気温が布団に自身の体を縛り付け、抜け出せない迷路と化してしまった。
夏は暑いことを恨み秋は松茸が高いことを恨み冬は寒い事に、そして春は朝が眠い事を恨む俺の事だ。あと2時間はこの布を手放せないだろう。とは言っても、この世界には四季なんて概念存在しないんだがな。ハッハッハ。
察しのいい人はもう気づいただろう。所謂異世界転生って奴だ、それもかなり特殊の……そんなに特殊でも無いかも。
どうせ異世界に来るなら人間として、いや、今も一応人間のような姿形はしているのだが、モノホンの人間として第2の生を謳歌したかったもんだ。強いて言うなら、おっぱいいっぱい夢いっぱいなお姉さんとラヴラヴしたい。したくない?
なのに、なのになぁ……【悲】。普通のおんにゃにょこの肉体では俺の非人間的な力を前に、耐えることができないだろう。いろんな意味で。
前世の小学校の担任には「女の子は大事にせぇよ。」と、俺みたいな顔の造形の悪い生徒*1に対して口酸っぱく言っていたが、大事にしても相手をしてくれないなら詰みではないか。否、一応まだ詰んではいない。いないのだが…、、
「お兄ちゃ〜ん!」コンコンコン!!!
来てしまった…奴が。恐らくドアの向こう側で自慢の緑髪を靡かせているであろう少女。そう、少女だ。ロリだ。YESロリータNOタッチ。
俺が転生した種族、かつての世界で言う鬼族は、何故かみんな体が小さく、ショタロリみたいな外形しか居ないのだ。
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ここで俺のスペック紹介でもしておこうか。座れば童貞、立てばヒョロガリ、歩く姿は生き字引──尤も性的な知識しか辞書登録していないが──の地球人転生者。黒髪。
鬼族っていうのに転生しちゃったらしい。無論パパンもママンも身長は小さい。2人とも日本人の平均身長-10センチってところか?そんな2人から爆誕☆した俺はなんと身長190センチ。托卵?にしても無理がある。前世も平均よりは高いくらいだったが、まさか更新してしまうとは。
まぁ、体重はパパンよりちょっと重いくらいだ。何故かって?筋肉量だよ。鬼族は本来普通に生きててもボディービルダー並の肉体に成長していく。自然と、だ。人間からしたら涙目だろう。俺からしても涙目だよ。
何故かその最強成長能力は受け継げず、身長にステータスポイント極振ってしまったらしい。……やっぱり本当は托卵だろ。神様がママンの胎内の子と俺をすり替えたんじゃないか?駄女神様かな。でも俺の転生の場合は、歩道橋の階段踏み外して気づいたらこの世界だったし、女性神なのか男性神なのかすら分かり兼ねるな。
閑話休題
まぁそんなヒョロガリ高身長突然変異種が鬼の秘境の里に生まれまして、和気藹々と鬼生を生き抜いてきたわけよ。ちなみに鬼と言っても妖術とかいう物理法則ガン無視技術で角は隠している。気づいたらできたし、才能なんだよね。でも何故鬼の里でも隠してるのかは知らない。そういう風潮があるってパパンが言ってたけど。
あぁそう、ご飯は沢山食べてる。多分人並み……いや鬼並み以上には食べてるんだけどね。この世界、龍とか人間とか魔物とか沢山居るけど、人間以外は大抵食える。いや、食人鬼とかも居るらしいんだけど、元人間のワイには食べられるわけながない。ワイトもそう思います。
んで、食っても食っても横には大きくならない。おんにゃにょこが聞いたら発狂するであろう事実だが、その身になってみると食べても食べても太れなくて意外と辛いもんだ。多分永遠に分かり合えない平行線議論なんやろな。知らんけど。
そんな最強種族*2の俺は今、Youは腕相撲しに鬼の里へ?ということで近所のガキ共と腕相撲をしている。ネットもクソもないこの世界では、体遊びが基本。寝起きを呼びに来た緑髪の少女ロリに手を引かれ*3、鳥鳴く森の中の、めちゃめちゃ硬い岩の上で力比べ。
「レディ〜、ファイッ!」
横で俺が広めた合図*4と同時に俺の手を握る緑髪ロリの手から、自分の手を離す白髪ロリ。前者が緑髪*5のロングなナウいロリと、白髪*6のショートなオールドロリ。オールドロリってなんやねん。
「んお、シファタソ結構腕鍛えた?」
シファタソとは、目の前で口角を上げる──さながらJUMPの主人公並のいい笑顔を見せる──緑髪ロリのことだ。シファが名前で、タソが敬称な。ちなみに横の白髪はリーフィタソだ。実は正式な個体名は滅茶苦茶長い種族ではあるんだが、もっぱら愛称しか使わない。結婚式とかもそうだし。ほんとに意味あんのか?これ。
「お兄ちゃんに勝つためにねっ!!」
ロリの目標にされるのは大変微笑ましいものなんだがな……。あんまり嬉しくない。何故かってーと、基本鬼の種族はオスよりメスのが強くなる傾向があるからだ。別に俺は近所のガキ以外の女の子とやり合った訳ちゃうし、ママンも俺を産んで衰えたのか、パパンと同程度の強さだからよくわかんないんだけどね。そのうち成長の理不尽に負けるんやろなって、そう思うと憂鬱である。あぁ、人間がやっぱりいいな……。大人のお姉さんとメチャクチャ滅茶苦茶なことしたい。俺の馬鹿力に耐える女性産まれろ。
「ちょっとお兄ちゃん!いくら私が弱いからってぼけーっとするのは良くないでしょ!」
おっと、本気で戦っているシファタソにはかなり失礼だったか。でもなぁ、弱いからってペシッと勝つと小一時間いじけてふくらはぎ蹴ってくるんよな…。どうしたもんかな。
別に手加減しながら少しづつ腕を倒していけばいいのだが、割とそれもムズいのである。元人間のせいなのか、この地に足をつけて早10数年、未だに力をうまく制御出来ないのだ。だから人間の女性とおせっせ出来ないんだよ。ふざけやがって。
「あっ…」ペシッ
ちょっとイライラしてたら加減ミスって力込めすぎちった。硬い硬い岩にロリの腕がめり込んでいる。
見れば、緑髪の中にハラりと雫が垂れる。誰だよロリ泣かせた奴!!俺だよ!
やっちまったなぁ…、パパンにまた小言言われるのやだなぁ…。
「ごめんねシファタソ…。また強くなったら相手してあげるよ。」
そう声をかけるが、かけられた相手の頬は膨らんでいる。こりゃ無理だな。諦めて次の対戦に移ろう。ちなみに鬼の耐久力であれば岩に叩きつけられる程度の破壊力には屈しない。
ペシッ!ペシッ!と俺の背中を叩いてくる緑髪ロリを無視しながら、次の対戦相手である白髪ロリ、リーフィタソを相手にする。
「僕はシファちゃんと違って頭脳派だから、勝てる自信は無いけどお兄ちゃんにそれなりの傷を与えてあげるよ…!!」
怖いなこのロリ。シファタソよりも少しだけ小さい手を握り、力を込められる。いじけていたシファタソが俺と目の前の白髪ロリの手を取り、れでぃー、ふぁい…。と言った瞬間、俺の頭を凍らす一言。
「お兄ちゃんの、生息子!!」
グッハァ…!!(吐血)
リーフィタソよ、一体どこでそんな言葉を知ったんじゃ!教えはどうなってるんだ教えは!
突然の精神攻撃に隙ができ、一気に俺の手を硬い岩面に叩きつけられる。
ついでに白目を向いて泡を吹いたことで、リーフィタソが深刻そうな顔で腕を掴んできた。シファタソに何やらガミガミと文言を放たれると同時に頭をガクガクさせられて、正気に帰る。
「あれー?3人とももう始めちゃってたのぉ?」
茂みの中を歩いてくる音を聞いて、そちらに顔を上げる俺。正直こいつに見られるのはタイミングが悪すぎる。どれくらい悪いかと言うと、窮地の場面でカプコンヘリで逃げ無ければならないレベルで。
ラドネスタソだ。太陽の光をよく反射する橙色の髪。この中だとマセガキと形容するのが最も1番適切だろう。
先程まで暗かった俺の表情が更に暗さを増すのを見て、表情筋を歪める橙髪のロリ。あぁ…終わった。自爆するしかねぇ…。
「お兄さん、もしかして負けちゃったのぉ?」
「ふふっ、そうなんだよね!僕の策略に遂に嵌ったのさ。」
「えっ…ほんとに?」
「ふっふっふ、僕が1番最初だね。これで序列争いのトップに踊り出させて貰ったよ。」
「っで、でもでもリーフィの作戦?はよく分からなかったけど狡いことしたんでしょ!正々堂々やりなさいよ!」
「どういうことかわからないけれど、そういう事なんじゃないのぉ?」
「えぇ…?僕にとってはこれも正々堂々なんだよねぇ。」
なんか向こうで会話が繰り広げられているが、すっげぇピリピリしてて入りに行けない。あー、今のうちに帰るか?女の子3人に男の子1人はな…。でも鬼社会だと女の子の方が前世の男みたいな性格してるんだけど。
「そうだお兄ちゃん!お兄ちゃんはさっきの良くないと思うわよね!ね!!」
うお、突然こっちに話振られてびっくり。
……ふむんぬ、ずるさ、ね。確かにこういう勝負で狡猾なのは褒められたことでは無いかもしれんが、俺自身はあんまり責めるべきだとも思わない。
「うーむ、作戦勝ちだからな。確かに傷つきはしたが、それでも勝ったというのはこの鬼社会では重要なことだ。リーフィタソが1枚上手だったな。」
「ッ……」イライラ
「ッ……」ニパー
「ッ……」ドンヨリ
おうふ、三者三様で表情が違いすぎる。鬼社会において勝った負けたは重要。言い換えるとそうだな、今後の将来を左右するようなものだからな。しょうがないと言える。
「……じゃ、じゃあお兄さんはどんな人が好みなのぉ?」
「唐突な話題転換だな、ラドネスタソ。人の好み、ねぇ。お前らが聞いて嬉しいものなのか?まぁ別にいいが。……そうだなぁ、俺の家の電話で俺の苗字名乗ってくれる人とか?」
3人は電話というものがピンと来ないようで顔をしかめているが、しょうがない。ここは異世界だからな。それに今世の俺苗字ないし。
「よく分からないんだけど、この中の3人にならどうなの!?」
直球だなおい。シファタソ。少し興奮しているのか角が浮き出てきている。妖力が安定していないのだろう。俺もそういう時期あったから分かるぞよ。
にしてもこの3人の中で苗字を名乗ってくれて嬉しい人?ウーン。大きいお姉さんならまだしもロリだからな。YESロリータNOタッチ。イケナイ妄想だし。こういうのは誠実に答える方がいいだろう。
「そうだなぁ、俺からしたらどの子も変わらない、ていうか、せめて俺よりは強くなってから…かな。」
「………」ズーン
おっと、もうほぼ成長しないロリ達には少し言葉が悪かったか。でもしょうがないよな、性癖は中々変えられないものだ。
「おっと、そろそろお昼の時間だろう?みんな帰ろうぜ。」
40センチ以上も身長差があるロリータ達を家に返して、俺は食事のために家に向かう。なんか3人ともトボトボしてたけど、大丈夫かな?まぁ、みんなすぐ元気取り戻すでしょ!俺が人間だった頃もすぐ男の子は切り替えできてたし。
主人公は知らない。何故なら集落の長から両親に情報を伝えることを禁止されているから。
主人公は知らない。自分が幾年に1人の先祖返りであること、最強種の中の最強生物であることを。
主人公は知らない。何故なら時代が時代なら種族の長に成れた3人のロリが徹底的に情報統制(ガチ)をしたから。
主人公は知らない。自分が子を残すことで莫大な利益があること、というか普通に学園のマドンナ的存在であることを。
主人公は知らない。何故なら人間にばかりうつつを抜かして他の存在に目を向けることが無かったかのだから。
主人公は知らない。自分が、史上稀に見る経験値大量ドロップ超レアエネミーであるということを。
まぁつまり、対戦ありがとうございましたってことだよね。
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どうも、俺です。成人、いや成鬼になってから数年が経ちました。伴侶はいません。強い人間の女性も生まれないし、生まれたとしてもそういう子はみんなその国の軍に属すから簡単には接触できないしで、せっかく人間の街に行っても収穫ゼロが続いています。でも街なら俺レベルの身長の人は沢山いるし、角隠せば偏見もないし結構楽しいかも。
そういえば、あのロリ3人組はあの事件以降俺と関わる機会がまるっきり減った。女の子かよ。女の子だよ。変なところで女子女子しやがって。まぁ悪いの俺なんですけどね。
あぁそう、少しだけ体重が増えました。2キロ。あとプラスで5キロは欲しい所さん。それと、思ったより周りの人間とかが弱くてびっくりした。人類最高峰とかに会ったことあるわけじゃないからわかんないけど、多分あのロリ3人組よりも基本的に弱い奴らが殆ど。っぱ鬼って種族凄いんだね少数精鋭の本懐って感じ。小並感。
それと鬼の里から知らぬ間に便りが来てて、なんか結婚式が開かれるらしい。3組も。すげぇやんワレぇ!ご祝儀用の金は冒険者を始めたおかげで結構あるから前世のような心配もない。最高か?こんなに晴れ晴れとした気分で結婚式に出席するのも初めてかも。せや、新郎*7のためにかっくいい衣装でも買ってあげるか!今の俺の気前は前世も合わせて約50年の中で最高潮である、爺で泣いた。凹む。
そんなわけでスーツっぽいやつをオーダーメイドで作ってもらい、それを丁重──数年かけて力の制御方法を学んだ──に運ぶ。
帰ったら久しぶりに両親とゆっくりしていってねと洒落込もうじゃないか。そう考えながらマッハを超える速度で移動する。
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着きました。結構人達……鬼達が集まっているな。一体誰の結婚式なんだか。
「あっ!ようやく顔見せたわね。」
背後からよく通る声を耳に入れ振り返ると、懐かしい緑髪のロリータ。YES、NOタッチ。どっちやねん。
そんなことより、改めて緑髪のロリータ。シファタソ。いや、もうシファ女史とでも呼んだ方がいいだろうか。
「久しぶりだな、シファ女史。少しは身長も伸びたか?」
「相変わらずお兄ちゃんはでかいわね。」
ほう、数年も経つし、結構切り替えてくれるようだ。
「っていうか何?その女史って。」
「もうそれくらいの年齢だろ?敬称っていうのはその人に合わせたものでないといけないからな。」
「女史なんて初めて聞いたけど、まぁいいわ。」
にしてもほんと久しぶりだな。俺の感覚では乏しいが、多分恐らくきっとあの時より滅茶苦茶強くなっているんだろう。ハー、手合わせとか頼まれたらどうしよ。まぁ、そんなことも無いか。明らかに彼女の来ている服が主役過ぎる。緑の髪にあった黒いドレス。なんかウェディングドレスが白色のイメージがぶち壊れるんだが、ここは異世界。気にしたら負けだ。にしても、あのロリ達が結婚する時期なんだな。俺も早くお嫁のお姉さん欲しい。
「そうだ、もう2人の新婦ってのは?」
「僕たちのことだね。」
「楽しみねぇ。」
横から来たのは変わらずの王子様キャラの白髪に、白色のタキシードのリーフィ女史。……女史?……殿とかの方が良いかも。いやまぁ、多様性かな。多分新婦だろう。俺の呼びかけに答えたわけだし。加えてメスガキおっとり系お姉さん口調*8の橙色に黄色いドレス、ラドネス女史。ほぉー、結構可愛くていいじゃない。3人の中では比較的出るとこが出ていただけあって*91番この結婚式にあってるかも。結婚式的センスなんて無いから知らんけど。
「2人とも久しぶりだな。あれから元気してたか?」
「ふふ、そうだね、頭脳派の僕には他の単細胞2人に比べて少しばかり応えたけど、それでも立ち直ったし、これでも今では妖術界のエリート街道を突き進んでいるよ。」
「聞き捨てならない所もあったけど、まぁいいわぁ。私のほうもぼちぼち、そんなことよりもお兄さんの活躍の方が有名よぉ。楽しく過ごしてるらしいじゃなぁい。」
「そうだなぁ、でも1つだけ懸念点があって、未だに独り身なんだよな。だからブーケトスは是非とも俺が受け取りてぇわ………あるのか知らんけど。どうした?そんな満面の笑みで。目が笑ってないぞ。」
3人の雰囲気が変わったことで会場内の空気が変わる。ドロリとした嫌な重さで、背中に汗が滲む。
やべぇ、また俺なんかやっちゃたかも。とりあえず謝っとくか。
「なんか…ごめんなさい?」
「ふふっ、どうして誤っているんだい?何か思うことでもあるのかな?」ゴゴゴゴゴ
「えぇ、お兄ちゃんらしくない…訳でもないけど!」ゴゴゴゴゴ
「そうねぇ、塵につまずいたような顔してるわぁ」ゴゴゴゴゴ
えっとー、やばそうだからここは退散しときますか。早く新郎も見つけて隠れながら出席して帰ろう。お父さん達にはまた今度挨拶すればいいよな。
「あっはっは…、、塵につまずいたからちょっと向こうで靴履き直してくるわ…」
ガシッ!という前世でもよく聞いたあの効果音が俺を動けなくする。
めのまえが まっくらに なった!
言ってる場合か。やばひ、なんかシファ女史の目元に黒い影出来てるんですけど。40センチ位身長離れてるのに威圧感が半端ないんですけど!?これが伝説のポ○モンかな?
「俺新郎の人に渡さないといけないも「新郎はあなたよ。」」
…は?
なんて?新郎はあなた?御冗談を。
「ちょーっと何言ってるのかわたくしわかりませんことよオホホ…、それでドッキリ大成功看板はどこに?」
「何を言ってるのかわからないわぁ?」
「こういうのは直球に言うべきだよ、僕たち3人の結婚相手が君なんだよ。お兄ちゃん?」
左右からも挟まれとんでもない状況にフェードイン。一部の人たちが見たら喜びそうな光景だが喜ぶなら変われ。この3人の圧力やべぇぞ。今初めて圧力鍋に閉じ込められたお米たちの気持ちがわかった気がする。ごめんねお米。おこげがあるからってもう残したりはしません。
そうだ、こういう時は一旦自分より上の立場の人を呼べばいい。そう、里の長とか。あのめっちゃ厳かな雰囲気漂わせてた人ならこの意味のわからない状況を一蹴してくれってアレー?
腕組みながら満面の笑みじゃないですか。目の前のロリの目には少しも笑みを感じられないって言うのに……。
「そろそろ理解した方がいいよ。と言いたいところだけど、やっぱり鬼は鬼らしく、力で
かつての腕相撲……って訳でもなさそう。あかんこれちゃんと殺り合うやつですわね。いやはや、こんな状況漫画の世界だけだと思ってた。まぁ転生って時点で漫画の世界なわけだけどね。
「勝利条件はどちらかが降参を伝えるかどうか!もしくは相手の気絶ね」
「私達も頑張ったんだけどぉ、やっぱりお兄さんには届かなかったから、3対1で殺らせてもらうわよぉ。」
普段糸目のラドネス女史の目が開眼、あー、洗脳されそう。
「あら残念、洗脳には抵抗されてしまいましたか。」
うぇっ!?ガチで洗脳攻撃してたんかよ、怖すぎで草。いやいや草生やしてる場合じゃねぇ。これ多分本気でやらないと普通に死にそう。ガンジーも性交渉やめるやつだろこれ。いや、もしかしたら辞めないかも。
「これだから妖術は僕に任せてくれって言ってるじゃないか。これで精神攻撃系の不意打ちはもう殆ど通らないよ?全く。」
「ごめんなさいねぇ、でも洗脳は私の家系の秘術だったから、流石に通ると思ったのよぉ。」
「相変わらず化け物ね!」
えぇ…化け物はお前らやろがい、まさか挙式で戦闘するとは思わなかったぞ。
数瞬の後に3人とも動きやすい格好に着替えてるし…やだなぁ、何分耐えられるかな…。
「勝利者は敗北者を監禁して一生愛でる権利を与えるものとするわ!」
勝たねば。(即決)
いや別にロリをヤラシイ目で見ようって訳ではなく、あの3人の圧力を感じたあとだと監禁とか怖すぎてヤバい。
そう頭では考えながら同時並列に向かってくる緑髪の少女、シファの拳に対抗する。いつの間にかに周りの鬼たちは避難しており、存分に戦わせて貰えるらしい。
真正面まで到達したシファの拳をいなして他2人の行動を観測する。戦闘において重要なのは危険要素のティア分けだ。知らんけど。というわけで今溜め時間を消費しているであろうリーフィの妖力の塊を1番に、2番目にラドネスの持つ短剣を注視する。
「どこ…見てんのよッ!」ベシッ!!
「あでっ!」
足元に重い痛みをうける。どうやら不機嫌な時の足攻撃も成長しているらしい。そこは成長しなくていいんだがな。
めちゃくちゃ邪魔なシファを後方の山目掛けて、その細い身体のどこにそんな力があるねんとよく言われる膂力で吹き飛ばす。
妖力の塊を溜めきったのであろうリーフィが波○弾のようなポーズでそれを打ち出す。避けさせないためにラドネスが短剣により手慣れた動作で切りつけてくるが、攻撃は最大の防御。どこかの主人公もそう言ってたわけで、○動弾目掛けて突っ込む。
ドン引きしたような目でリーフィが見ているが、気にしない……いや、結構気にするかも。中々心に来るものがあります。そんなこんなで力こそパワーにより波○弾をかき消す。かき消せた。嬉しい。
「馬鹿なんじゃないのかい?僕の○動弾に突っ込むなんてサクヤでもしないよ…。」
「これが一番最短なんだわ。」
「ッ…、防御結界!」
あぁー、よく人間が使ってるのを見たことがあります。にしても分厚すぎるな、人間の魔力の壁なら力技で割れても、これを無理やり潰すのは今の俺の火力じゃ不可能。そう結論を出した俺は急速旋回。神風特攻隊はすげぇな、英霊よ、安らかに眠って欲しい。
「私を忘れて貰っては困りますよぉ」
勿論忘れていない。残り一秒足らずでシファが戻ってくることも頭に入っている。しょうがない、とっておきを切るか。
「軽跳躍」
そう言の葉を残した直後、僕の前から姿を消した。お兄ちゃん。待ってどこ?今まで妖術で分かってたお兄ちゃんの位置が完全に途絶える。周りを見渡しても見つからない。分からないお兄ちゃんどこどこどこどこにいったのどこどこどこどこどこ帰ってきてどこどこどこどこどこどこどこどこ追いつくからどこどこどこどこどこどこどこ待ってよどこどこどこ。
「上よ!」
シファの声で正気に戻り防御結界を上に向かせる。僕の妖力探知にも引っかかった。半径100キロ県内まで分かるのに、一体どこまで飛んだのか、というかなんでシファちゃんの方が僕より先に気づくのか。目の前の理不尽に唇を噛む。
「見えたな。」
雲を突き抜け高速で落下する俺。終端速度なんて知りません。空気抵抗を妖力で無理やり遮断したんでめっちゃ加速してます。
リーフィの防御結界が見える。確かにあれは固く、瞬間的な火力では割れないが、それは溜め時間が無い時の話だ。
10数秒、溜め時間を作ればあれを割る攻撃力に達する。波○弾には○動砲で送り返さないとな。リアル宇宙戦艦にはやっぱり浪漫を感じるお年頃だ。
残り100メートルを切ったところで波○砲をぶっぱなす。原理もクソも無い。ただの妖力の塊を放射するだけだが、物量は力だ。あまりの勢いに俺の空中落下運動が止まり、数十メートル浮上する。
さて、下はどうなってるかなーっと、これが直撃したなら流石に気絶くらいするでしょう、と、慢心していたのが間違っていたのでしょうか。
「隙ありぃ…!!!」
ラドネスゥ!?何故そこに…!!
ライダーキックのような体制で俺の体に足が衝突し、吹き飛ばされる俺。鳩尾に火の玉ストレート、言葉にし難い痛みを受け山に衝突。シファのあてつけ?
「ふぅぅ…。やべぇ死ぬかも。」
「お兄ちゃんがそんな簡単に死ぬわけないでしょ?」
かのベ○ータ岩盤のように叩きつけられた俺の顔面目掛けて拳が到来。今日数度目のシファのマッハパンチ。早いだけでなく力も強い。鬼ってすげぇや。
ドガッ!ゴキッ!バキッ!
「ちょ、痛いってやめてくれってゴブァッ」
止まる気配のない拳の向こうにただならぬ気配を感じる。リーフィだ。あれ食らったら死ぬわ。だってさ、なんで防御結界無しで波動砲食らって生存する人がいるでしょうか、いや居ない(反語)。
恐らくラドネスの影響で体が動かないし、ギリギリまでサクヤが俺の事を殴り続けている。やっと開放されたと思ったら、圧倒的な火力が目の前ですよ───
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
なんで生きてるんだ?絶対死んだと思ったのに、いや体は多大な損傷を受けているんだが、俺の肉体は元に戻るよう修復していく。
大自然の木陰に腰をかけ一切の気配を遮断して隠れてはいるんだが、数分もしないうちに見つかるだろう。だがその数分さえあれば体は元通り。素晴らしいな、本当に。
そこでふと肩を叩かれ、何事かと振り返ると、目の前に拳、では無くシファの整った顔が俺の目に写り込む。驚きで口を開けた瞬間、口が塞がった。サクヤの唇が、舌が俺の口内を蹂躙し始めたのだ。
ハム♡ジュプ♡チュパチュパ♡♡
甘美な音を木々に木霊させながら、ぺろぺろと舌と舌が絡みつく、いつの間にか押し倒され、腰には俺より20センチ近く短い足が絡みついている。
チ゛ュルウ♡♡…ウ゛♡♡………ヂュル!…チュパ♡チュパ♡♡……♡♡…♡…………♡!
「ゴッフ、息継ぎさせて!」
そう言ったら思い出したかのように顔を俺から離すロリの赤く染った顔。深呼吸しながらシファの目を見つめると、恥ずかしそうに返答してきた。
「ずっと好きだったのよ、お兄ちゃんのことが。」
突然の告白。まぁ、戦闘に移り始めてから何となく想像出来ていたことではある。そっかぁ、初恋的な感じか?
「なんで、俺を。」
「別に、気づいたら好きだったし。」
「僕も同じだよ。」
「私もよぉ」
ビクッと体を揺らして2人して同じ方向を見る。リーフィとラドネスが俺を見下ろしていた。
「抜けがけは禁止って言ったじゃないか。」
「そうですよぉ?もう私にはあれこれ言えませんねぇ?」
「うっさいわね!しょうがないでしょ抑えられなかったんだから。」
鬼は基本的に一夫多妻制だ。俺の両親が珍しいくらいで、基本的に1人の男に対して3、4人の鬼がくっつく。だから3人が俺の事を共有するのは社会の仕組み的に問題は無いんだが、はぁ、こりゃあ頑張って修羅場回避に務めないとな。
「降参だ降参。お前ら3人に囲まれて、身動き封じられて抗えるほど抵抗力無いし。妖力も完全に使い切ったよ。ほら、角も隠せなくなってきた。」
それを聞いてパァーっと明るい表情になるロリ3人。
「でも監禁は勘弁な。」
「えー?勝利条件なのに…。」
「お前らが勝手に言って襲って来たんだから、それを適用するのはちょっとばかし理不尽がすぎるぞ。」
「んぅー、でもなにかご褒美とか欲しいわぁ。」
「ご褒美ねぇ…んじゃあ俺が認められる範疇で何か1つ言うこと聞くとか…か?」
ジュル、と擬音が聞こえたのは恐らく気の所為だろう。いやコイツらの事だから気のせいでは無いのだが。
「まさかロリに落とされる日が来るとは。」
アデューおっぱいいっぱい夢いっぱいお姉さん。来世で会えたらいいな。それと来世は人間に生まれたいかも。割と強めの人間で頼むよ神様。
「あっそうだ、シファに先にやられちゃったけど、セカンドは僕が貰うね。」
「確かに順番はじゃんけんで決めたけど、やっぱり悔しいわぁ。」
そう言って俺に詰め寄ってきた顔の造形がいいイケメン女子の唇。そっか、今日結婚式か。ディープはやりすぎな気もするけど。
ジュププ…♡♡゛チュ♡♡パァ♡ァ…チュパ♡…♡……♡♡♡♡♡!♡…♡♡…♡♡………!
10数秒間舌を絡め続け、引き抜いたかと思えば舌なめずりをするリーフィ。エッチだな。ロリに興奮する背徳感と、襲われてるわけだししょうがないそれに顔だけなら絶世の美女って言われても納得出来るし云々。という考えを巡らせ頭を理解せる。
「余り物には福があるって、お兄さんも言ってましたもんね。頂きます♡」
チュル…!♡♡…♡♡ジュ♡…!パ…♡ジュ…ッ♡♡♡♡゛♡……チ゛ュ♡♡♡…ハム♡……!…♡…♡ッム♡…♡ゥ♡♡♡♡♡!♡!
なんかラドネスが最後だけ勢いがガチのやつだったが、そんなことはいい。ようやく起き上がらせてもらい、うだうだと鬼の里へ歩を進める。
相変わらず身長高いわね…。これじゃキスしにくいんだけど!という談笑を交えて幸せを感じながら、里総出で迎えできたことに驚く。
あぁ、急速的に責任感を感じてきたなぁ。俺の嫌いな言葉ナンバーワンな言葉、責任。
でもなんだか、それが眼前のロリ3人によるものなら、別に悪くは無いのかもしれない──
新婚初夜はエッチに決まってる。3人なんだからねぇ。
そりゃあもう大変ですよ。
ちなみにシファタソは純愛、リーフィタソはヤンデレ、ラドネスタソは赤ちゃんプレイです。難易度上がってくタイプのやつで草。後の新婚初夜R18は書くかもしれないし書かないかもしれない。ノリがあれば書きます(別個で)。角の伏線回収し忘れてたし
久々に脳死で物書き出来て良かった、まる。