近所のガキに滅茶苦茶にされる話   作:句点

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近所のガキと鬼ごっこをする話

朝、未だ少し肌寒さで体を震わす朝、太陽の暑苦しさが体を苛める朝、木々が枯れ始め独特な雰囲気を醸し出す朝、雪が降り積もり布団の温かみをより一層感じられる朝。

俺は前世地球の朝、それも四季によって性質を変える日本の朝が好きだった。だが、それでも1つだけ、幾度も期待し請い願ったが1度たりともやってこなかった朝がある。

 

 

そんな、我が人生において頂のようなもの。そう言っても過言では無い朝を今日、苦節50年、遂に迎えることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(俺の生涯の友(息子)が寝起きと共におんにゃにょこの口に含まれる朝がやってきたぞ───)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《報告》不適切発言を確認。年齢制限による規制に基づいて上記の文章を削除します。

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

快調。一時の至福で気分がリフレッシングな俺は、その肢体の端から端までがまるで10代前半かのようにエネルギーに満ち溢れている。それも目の前で眠るロリ達による影響。僥倖。

 

 

嬉しい限りである。俺、既婚者になります。

長らく独り身を貫いてきた俺だが、その長く苦しい戦いを終え遂にその手に握られたエルドラド。

 

 

そう思っていた時期が私にもありました。

 

 

「毎日毎日毎日毎日!3人の相手キツイわ!髪の毛だって白くなりつつあるんやぞ!…リーフィタソが自分の髪色と似てきたからって悪い笑みしてるのも怖いし、、、。せや、暫時雲隠れと洒落込みますかぁ!」

 

 

そうして決行された逃亡計画。

果たして、こんな至極自分勝手な行動を取る主人公を、最強鬼畜ロリはどう追い詰めていくのか。

 

 

世界を揺るがす(物理)命懸けの鬼ごっこ、始まり始まり(暗黒微笑)

 

 

────────────────────────

 

 

「え?お兄ちゃんの行方が分からない?」

 

 

朝、お兄ちゃんのお父さん。……お義父さんから一通の手紙の内容を知らされた。曰く、君が1番信頼できるかららしい。うぇっへっへ、正妻の座はこのシファが握ったわね!

 

 

拝啓 我が愛しの性欲モンスター達へ。

 

貴方達の相手を1人でこなすのは、この肉体の強度では些か辛すぎます。

しばらく1人で過ごすことで精神の安寧と、肉体の回復を優先させて下さい。

 

あと探さないでください。

 

君たちが大好きな性奴隷より。

 

 

そう書かれた手紙を読んで、顎に手を当て思案する。

──流石に多すぎたか…。

 

かねがねお兄ちゃんから伝えられてはいたのだ。多すぎるから回数を減らして欲しい、と。

 

 

でも減らせなかった。リーフィちゃんかラドネスちゃん。どちらかが我慢出来なくなってお兄ちゃんのこと襲っちゃうし*1、それがトリガーになってみんなでお兄ちゃんのこと襲っちゃうから。

確かに自分でも多いんだろうなとは思っていた。

 

 

このような現実に直面すると思うことがある。快楽とは恐ろしい。辛いものは我慢できても心地よいものは我慢できない。これもこの世の理ではなかろうか。

 

 

だから、これはいい機会だと思って、リーフィちゃんとラドネスちゃんにも伝えて説得しよう。そう思ったところで唐突に意識外から悲鳴が上がる。

 

 

キャーァァアアアア!!!

 

 

「何事!?」

「居ない居ない居ない!お兄ちゃんがどこにも居ないよ!!僕をおいて逃げちゃったの!?なんで探知に引っかかっらないんだよ!?──」

 

 

ガタゴトガタゴトと天井の上から激しい音が降り注ぐ。

リーフィちゃんだ。あの子は私たちと違って肉体戦闘をしないからか、精神的に不安定な部分が多々観測できる。今回の癇癪もその表れだと、私は冷静に判断できた。

 

 

「主人の家を守るのは妻の務め。お兄ちゃんが安寧を得て帰ってきても、お家が不穏じゃ意味なんか無いわ!」

 

 

胸に手を当てそう呟きながら歩き出して、幼なじみでもあるリーフィちゃんの元へと向かう。少しづつ部屋の中から聞こえる音が大きくなっていき、扉を開けた瞬間最高潮に。耳の中に、普段男の子のようなかっこよさを持つリーフィちゃんからは一変たりとも想像できないような声が響く。

 

 

が、しかし数秒を経て場に静寂が広がり始める。リーフィちゃんが私を見て落ち着きを取り戻したようだ。

 

 

「あぁ…シファちゃん……!!お兄ちゃんが居なくなっちゃった…。いつもの散歩道にも居ない。探知が効かないの!」

「落ち着いてリーフィちゃん、一旦深呼吸しよう?ね?」

 

 

物が散乱した部屋の中で、目から雫を流し、ボサボサの白い髪に手を当てるリーフィちゃんの、小柄な背中を擦りながら諭す。

 

 

「お兄ちゃんは今、お出かけしているのよ。少しの間ゆっくりしていたいんだって。手紙を見て?」

 

 

お義父さんから受け取った手紙を広げ、リーフィちゃんの方に向けて見せると、先程まで顔色の悪かった表情が、急激に赤く染っていく。プスプスと、妖力を媒質として煙が上がっていた。

 

 

「……恥ずかしいな、これは。……でも性欲モンスターは酷いんじゃないかい?ふふっ、まるで豚人(オーク)じゃないか…。」

「お兄ちゃんのメッセージが見れて安心したみたいね。良かったわ。」

 

 

先程まで荒れ狂っていた膨大な妖力の波が、今では嵐の前を思わせるほど静まり返っている。それだけ心身共にリラックスできたようで、シファも強ばっていた肩を落とした。

 

 

「まだ、安心できないわよぉ。」

 

 

知らぬ間に背後に立っていたラドネスちゃんに声をかけられ、2人して体をピクリと震え上がらせる。ラドネスちゃんの、その体格とは相反するドロリとした声質が、私たちの少しばかりの恐怖心を刺激した。

 

 

「安心…できない……?」

「お兄さんはしばらく家を離れるんでしょう?正確にいつまで居ないのかは伝えられていないけれど、2、3日で心が休まるほど楽な生活はしていなかったわぁ。多い時は一日に5回戦もして、昨日の夜眠る前なんてお兄さんの妖気が著しく減少していたじゃない。」

 

 

それに、とラドネスは一言置いて、

 

 

「お兄さんの妖気は膨大。最大値だけで言えばリーフィちゃんの20倍近く。その量を取り戻すためには少なくとも1週間……いえ、2週間位の休息は必要となるでしょう?そして、一番の懸念点はお兄さんの心境よぉ。リーフィちゃんの探知に引っかかっらないってことは、この集落の属する国にはもう居ないわぁ。それでここ以外の国が──」

「帝国と、商業国家…かな。」

 

 

この星には観測された大陸が3つ存在する。ひとつは私たちの居住する鬼の里の有る大陸。その大陸の南と、東に1つずつ大陸がある。

まぁ大陸の話はそんなに問題ではなくて、私たちの住む大陸には3つの国が存在する。名前は忘れたけど、私たちの集落も領地として含まれている、宗教の盛んな王国。それと王国の北に位置し、魔物の活発地帯故に軍功序列制を敷く帝国。最後に比較的他大陸の近くに位置し、様々な文化が入り乱れる商業国家。

 

 

「帝国は無いわよね。」

「えぇ。あそこじゃ気が休まるどころか、逆にすり減らすことになるわぁ。」

 

 

帝国はその国の様式から、その地にいる者に厳格な行動を求める。北に行くほど魔物が強くなる法則が近年提唱されたのだが、領土が全大陸最北端の帝国では、領内に魔物が侵入してきた時に全ての国民が戦えるよう訓練が義務付けられている。

 

 

「じゃあ、商業国家かしら。」

「さすがにお兄さんと言えど、海まで渡るとは思えないわぁ。リーフィちゃんみたいに飛べる訳でもないから。」

 

 

ふぅー、とラドネスは一息ついた後、最も重要な部分を伝えることを決心したようで、真剣な目付きになる。

 

 

「商業国家の特色。それはやっぱり、娼館じゃないかしら。」

「「…ッ!!」」

 

 

一気に部屋の中の緊張感が高まる。物が散乱しているなど気にならないほどに、空間がざわつき始めたのだ。

 

 

「心身を休ませるって…そういうことなの……?」

 

 

確証は無い。だが、そうでは無いなんて確証も勿論、無い。

部屋の中で立ちつくす3人に、ピリピリとしたものが張り詰める。その目には何かを決心したように見え、ロリ3人は顔を合わせて頷き合う。

 

 

「僕達も追いかけないとね。」グッ

「もし浮気なんてしてたら、一生繰り返さないように監禁して理解(わから)せないと…!!」ウンウン

「今行くわぁ。」ニコニコ

 

 

サンニンノ ヤンデレキシツガ ニダンカイ ジョウショウシタ!

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

うーん、久しぶりに脱力感の無い朝を迎えた気がする。腰が軽いねぇ!最高だねぇ!!

白くなりつつあった髪の毛を、ちゃぁんと黒く染めた後、事前に予約しておいたホテルに向かう。里を飛び出してから3日。肉体は徐々に健やかさを取り戻していた。

 

 

最初は追いかけてくるかなーって心配もしてたけど、3日来ないならもう心配する必要もありゃせんだろ!って訳で、今日は体でも動かして遊ぼうかなー?

 

 

今更であるが、ここは異世界。俺の知らないものが山ほどあるのだ。知らない遊びだって沢山有るのではなかろうか。子供たちと球技でもして、めちゃめちゃ無双してやろうかな、と考えていると。

 

 

「すいませぇん、チラシどぉぞぉ〜。」

 

 

何やらピンクの主張が激しいホテルを通り過ぎると同時に、入口付近で宣伝をしていた露出度の激しい女性から広告を受け取る。まぁ、そのなんだ。いわゆる風俗ってやつだ。

一応王国にも風俗店はあったのだ。そこで初めてを迎えようと色々吟味してみたのだが、結局俺のぱぅわーに打ち勝てる女性は見つからなかったもんで*2、半分諦めていたんだがな。

 

 

だからどこか諦念に包まれながらそのチラシを広げたのだが、む?帝国の屈強な男たちと共に歩んできた女性が登場、だと?帝国、少しだけ覗いたことはあるが、確かにあそこの人たちは他の国の人間に比べてひと味もふた味も強さの平均値が違う。

 

 

それに、帝国はどちらかと言えば女性のが強くなる傾向があるのだ。これはこの世界の北の人間の特性なのかどうか、分からないのだが。鬼の里もわりかし帝国の近め、要は北に位置するため、おんにゃにょこ達が強い。だからもしかしたら俺の力に耐えられる人間も存在するかも?

 

 

いやいやいや、何を言っている俺。俺、既婚者になりました。まだ結婚して1ヶ月も経ってないのに*3浮気するだなんて、結婚した者として、いや、人間として失格じゃないか。全く。

 

 

でもおっぱいいっぱい夢いっぱいのお姉さんには未だ憧れを捨てられていない自分もいる。広告に描かれる女性のナイスバデーと来たらもう、圧巻よ圧巻。

 

 

分かっている、自分が屑だなんて分かっている。最近ロリ趣味に目覚めてきている事も分かっている。だがしかし、駄菓子菓子*4、浪漫なのだ、男の。捨てられないのは男の性。許せサ〇ケ、これで最後だ。

 

 

両目をかっ開いて、目の前に聳え立つ建物の位置を暗記する。夜、いい雰囲気で来店しよう。ゴメンなロリ達。

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

決心してから5時間ほど経過。

俺の中である一つの考えが頭の中を支配していた。

 

 

──さすがにこれは良くないわ。向こうから見たらNTRやんけ、冷静になって考えたら脳破壊だもんな。許せサス〇、これは無いわ。

 

 

まだ俺には一線を超えない心の強さがあった。安心した。

あっぶね、それに仮に娼館入って、あのロリ共が俺の体から女の匂いとか嗅いだらガチで殺されるかもしれんのよな。特にリーフィタソ。あれは心中とか考えてても違和感がない。おー怖w。

 

 

ワロてる場合か。

 

 

「気分転換に飯を食おう。」

 

 

良質な衣食住には良質な精神が宿る。

人間生活の基礎を磐石にすれば、俺の汚い性観念も多少は浄化されるだろう。

 

 

ちなみに昨日の朝、甘味の美味い隠れ名店を発見した俺は、2日連続でそこに通うことにする。

 

 

「らっしゃいやせ〜」

 

 

看板娘のお姉さんが席に案内してくれて、メニュー表を渡してくる。2つ折りにされていたものを開くと、文字だけではあるが容易にその食事を連想させることの出来た。これを作った人はプロ文系だな。語彙力が語彙語彙してる*5

 

 

商業国家はその名の通り商業でブイブイ言わせてる国だ。故に様々な文化がなだれ込み、文化の坩堝とも言われている。料理においては特に顕著で、大陸内の帝国料理や王国料理。他大陸から来たであろう、文面だけで想像出来る洋風料理のようなものや、極東から来たとされる和風料理等々。実に吾輩の収集癖を刺激するものとなっている。

 

 

「昨日はフルーツピザ食ったからな、今日は極東料理が食べたいところさんだ。うぅむ、これとこれ貰えますか?」

「かしこまりました〜。」

 

 

今日頼むのは、海鮮丼と杏仁豆腐のようなもの。この世界でも極東には生魚を食う文化があるらしい。どうせなら行ってみたいものだ。

 

 

10数分ほど水を嗜みながら待っていると、忙しなく動き回る看板娘タソから海鮮丼が届けられた。

 

 

The海鮮!って感じの飯だな!ktkr。この世界に爆誕してからというもの、日本料理みたいなものは山の幸しか食ってこなかったから、久々の海の幸にテンションが爆上がりングだ。

 

 

注目の一瞬。店員さんから受け取った、20年以上ぶりに持つお箸を器用に動かし、赤身の魚と米を口に運ぶ。

 

 

───美味い!!

こう、なんというか下に乗った魚がトロトロと溶けるような感じ。過去に食った黒毛和牛とかもこんな感じだった気がする。食ったの20年以上前だけど。

にしても美味いな、ゲシュタルトが崩壊ングするほど美味である。故郷の味ってサイコー!

 

 

そんな感じで良質な食事を楽しんでいると、何やら誰かに見られているような…そういう視線を感じた。

 

 

窓の外か?

いち早く視線の元を特定し目を向けると、

 

 

「っえ?なんかおるねんけど…。」

 

 

頭隠せてないし尻も隠せていない、橙色の髪の毛を手繰り寄せながら窓にへばりつく。ロリの中でも出てるところは出ているラドネスタソが、こちらをまじまじと見つめている。おっぱいが窓にあたって潰れているのがエッチだ。

 

 

店員さんも気付いたようだが、その異質さから動けずにいる。

 

 

しょうがないか。

 

 

「店員さん、あの子俺の連れなんですけど入れて貰ってもいいですか?」

「えっ?わっ……かりました…。」コンワク

 

 

そういって窓とは反対側の出口に向かって出ていく看板娘タソを見送る。妖艶さを含む満面の笑みでラドネスタソがやってくるのは、数分後のことだった。

 

 

────────────────────────

 

 

「探すなって言ったはずなんだが?」

「えぇ?でもぉ、心配になって来ちゃった〜!クンカクンカ、まだ他の女と交わってないようで安心ねぇ」テヘペロ

「てへぺろ笑、じゃないねん。残り二人も来てんの?」

「3人で商業国家を手分けして捜索してたんだけどぉ、ここってこの大陸の最東端じゃない?東側を私が、中央をリーフィちゃんが、西側をシファちゃんが探してるから。だからまだ私にしか見つかってないんじゃないかしらぁ?」

「うわっ、リーフィタソが真ん中かよ…。」

「探知に引っかかったらものすごい勢いで向かってくるでしょうねぇ。」

「ここも3日持つかどうか…。」シンコク

「まだ帰らないのぉ?」

「お前らのせいで帰りたくないっていう最大の事実を忘れんなよ。」

「やぁねぇ。それはお兄さんがクソザコナメクジ♡なのがイケナイんじゃなぁい?」

「………」イラァ

「……あは〜♡」

 

 

耐えろ、耐えるんだ俺。目の前に居るのはメスガキ赤ちゃんプレイとかいう謎性癖を押し付けてくる性欲モンスターやぞ…。たとえ良質な食事と休息を経ても、元々俺が勝てる土俵ではないんじゃ。搾り取られて負ける未来が見える!見えるぞぉ!*6

 

 

それにコイツら3人が通信できてて、既にリーフィタソやシファタソが向かってきてる可能性はある。くっそ、それなら一日すら持たねぇよなぁ。

 

 

しゃーない、当初の予定よりは幾分か前倒しになるが、とっとと極東方面に逃げるとしようか。

 

 

────────────────────────

 

 

「なぁ、ラドネス。」

「ッ!?……なぁに?」

 

 

お兄さんが私のことを呼び捨てで呼んでくる。こういう時はいつも、大事なことを伝える時か或いは、夜を共にする時の呼称方法。下腹部がうなりだし、股が本能的に湿ったきた。

 

 

「急に居なくなってごめんな?」

「心配したわよぉ。」

 

 

お兄さんと喋っていて違和感は無いか、逐一確認しながら応答する。お兄さんに従順な女の子を演じ、少しでも性交への壁を薄くするのだ。

 

 

「でも、俺はもう少しここでゆっくりしていたい。だからまだ帰るつもりは無いんだ。」

「そう…なのねぇ。」

 

 

そうか、まだ帰ってくることは無いのか。と、少しだけ残念ではあるが、別に吐血するほどまだ深刻では無い。

 

 

「でもな、急に3日も控えるとなんだかこっちも辛くなってきてな。」

「!」

 

 

キタキタキタキタキタキタキタキタキタ━━ヽ(´ω`)ノ゙━━!!

 

 

「今日の夜、お前と一夜を共にしたいんだ。」

「分かっ…たわ……!」ニッコリ

 

 

よぅし!お淑やかな感じを出しつつ受け入れるような顔で答えられたわぁ!私の天才!演技で世界取れるわねぇ!

 

 

「じゃあ、今日の夜はどこに向かえばいいのかしら?」

「あぁ。このホテルのこの号室に行ってくれるか?」

 

 

お兄さんから、手書きでホテルの場所と部屋番号が書かれた紙を渡される。あっ、お兄さんの匂い。下着のヌメヌメする部分が広がっているように感じながら、私はお兄さんに了承の意を示した。

 

 

「んじゃあ、夜まで自由にしていてくれ。」

「えぇ。」

「俺は会計を済ませてくる。」

 

 

───────────────────────

 

 

あぁ…もう見つかってしまった…。RTAちゃうねんぞ、全く。

うっ…財布の中の硬貨が絶妙に足りない…。一足りない妖怪は即刻帰って欲しい。

 

 

俺が見てきた異世界転生ものの作品では、あまり紙幣は利用されず、硬貨しか無いもんだと思っていたんだが、何故だかこの商業国家には紙幣制度が成り立っている。まぁ軽いもんな、紙だし。もちろん偽造できないように魔法の力ってスゲー!もしてるし、国から偽札を見分ける貴重な魔道具も支給されてるらしい。金儲けに関しては支援を惜しまない素晴らしい国であることが伺える。

 

 

「っと、これで足りるよな。」

「はーい、ちょうどです。」

 

 

看板娘タソの声を聞いて財布を閉まっていると、凄い見つめられていることに気づいた。いや自意識過剰か?でもこんだけ見つめるのも珍しいし…、昨日はなんともなかったんだが。ん?よく見たら俺のこと見てるわけでもないのか?

 

 

「どうかしました?」

「あぁ、いえ。お連れのお客様は…?」

 

 

どうやらラドネスタソのことを気にしているらしい。

 

 

「はぁ、ラドネスが何か?」

「んと、なんだか視線が引き込まれれれれれれれれれれ──」

 

 

うぉっ!?なんやびっくりしたやないかい!

看板娘タソの目の焦点が忙しなく動き回っている。当たりを見渡せば同じように狂ったように目を回す人達が。おいおい、顔からスープ被ってるやつまでおるやん。えぐぅ…。

 

 

この店内の中で、たった2人を除いて人々が混乱に苛まされていた。そう、2人だけ。考えるまでもなく原因に目星が付き、振り返る。

 

 

「どうしたよラドネス?身内だからと言ってテロ行為を擁護するつもりはないぞ?」

「うーん、おかしいわねぇ。本当はお兄さんだけにかけてみた洗脳なんだけど、お兄さんから跳ね返った上に拡散しちゃったわぁ。私も今はレジストできているけど、数分も持たなそう。」

「マジかよお前嘘だろお前。間接的に俺のせいでもあるのかよ困ったな。で、解除条件は?お前が自由に直せないってことは、俺が矛を収めるトリガーになるんだろ?」

 

 

ラドネスの鬼としての能力は、洗脳催眠特化型らしい。なんか、天邪鬼の家系?っていうのをはるか昔に聞いたな。先祖代々、その特異な能力と鬼本来の戦闘能力も併せて、暗殺者家業として大成していたとか。

 

 

そんなプロ催眠ロリータのラドネスだが、何故か俺に十八番が通用しないせいで最近は自分で解除できない代わりに効果が莫大な精神攻撃を開発していた、とシファタソから聞いている。マッドサイエンティストじゃねぇか!

 

 

「こういうのは相場が決まっているでしょお?」

「相場…ねぇ。」

「キスよキス。簡単でしょ?3日もご無沙汰だったから、お兄さんを見つけてちょっと耐えられなかったのぉ。私がお兄さんにキスされない限り永遠に続く精神攻撃。ほら早く、わ私もちょっとそろそろげげ限界かもももも──」

 

 

(´º∀º`)ファーwだっる。後始末のことなんも考えずにやるだけやって自滅しやがった。しょうがないからキスするけどさぁ、公衆の面前でやるのは恥ずかしいところさんなわけで、打つべき手は1つ。

 

 

「認識阻害。」

 

 

妖術ってのは便利だ。魔法が大気中のマナを活用して、元素だとかエネルギーだとか磁力だとか、ある程度化学や数学に則った力であるのに対し、妖術や呪術なんかは存在しない法則を謎の力により生み出すことの出来る、学者の中にはこれこそ本当の魔法の力だ。と言う輩も居る。

 

 

尤も制限だとかは色々あるんだが、種族によって変わるのか、鬼族の妖術制限はかなり少ない。*7人間が使うとただの劣化魔法だが、鬼が使うと便利な小手先アイテムになってくれる。

 

 

さて、そんな妖術は、基本的に人とか動物に干渉する力であることが多い。身体能力強化とかはかいこうせんとかも打てるが、催眠とか洗脳とか、そういう特殊攻撃の方が妖力効率が良く、研究も後者の方がされてきた。

 

 

そして今回俺が使った認識阻害。至ってシンプル、耳と目を塞ぐだけの力。リ〇ロでいうところのシャ〇クが近いだろう。で、俺が今懸念してる公衆の面前っていう状況を簡単にひっくり返せるのが、この妖術。無いなら勝手に私有地を作ればいいじゃない。って感じだ。*8

 

 

さて、ここからほんへに参りましょう。

諸君らは王子様のキスなんてものに遭遇したことが有るだろうか。いや無い(偏見)。だって現代社会でこんな状況になる訳ないだろボケナス。え?なってる人も居る?末永く爆発しろ。

 

 

俺も爆発するやんけ墓穴掘ったわ。

……んな事はどうでも良くてですね、まさか俺が眠り姫の目を覚ます王子様になるとは思わなんだ。もっとエッチな雰囲気で経験したかったが、悩んでる間にも周りの人間はさらなる高みへと進んでいく(壊れていく)

 

 

はいチュー

 

 

ちゅぱちゅぱ♡

 

 

「っは!」ビクンビクン

「正気に戻ったかラドネス。」

「…え、えぇ。さっきまで族長*9に永遠とキスを迫られる悪夢を見てたんだけど、解放してくれて助かったわぁ…。」オドオド

 

 

ほぉ…。認識阻害の中でこんなことが起こってたのか。これはかなりの罰ゲームになるな。もうちょっと焦らしても良かったかも。

 

 

「っと、そろそろ客も催眠が解け始めるぞ。この修羅場の後始末どうにかしろ。」

「あらぁ…これちょっぴり反省ねぇ。私リーフィちゃんほど妖力量多くないから、全部戻すの大変だわぁ。」

「そうかいそうかい、これに懲りたら今後はもっと安全なやり方を模索するんだな。じゃ、俺はこれで。」

「あぁ、待ってぇ…!いけずぅ……!」

 

 

待つわけないやんけ。なんてったって俺はこれから逃げるんだからな。この大陸にはもう居られねぇ。海を渡るしかねぇな!

 

 

せや!ラドネス俺が予約したホテルで待ってるだろうし、俺の変わりにデリヘル嬢寄越したろ!いつもむさ苦しい男ばかり相手してるだろうから、たまにはレズもいいだろう!ハッハッハ。気分が踊るねぇ!

 

 

意気揚々と笑いながら駆ける主人公を、たまに出現する変人かのように横目で観察する通行人たち。主人公がこの大陸で観測されたのは、それが最後だった。

 

 

ちなみにデリヘル嬢を送り付けられたラドネスは、困惑しながらも一夜を共にした。しかし裏切られたことによりより一層、レイプ願望が強まったという。ちなみにちなみに、主人公のバックに入っていた帝国女性の風俗チラシを見つけて、後に合流したシファとリーフィと共に、見つけた瞬間奴を犯し尽くすことを誓いあった。

 

 

────────────────────────

 

 

出港〜!!

 

 

前略、お父さん。今、俺はこの世に生まれて初めて船に乗っています。大陸を一周するらしい大きな大きなお船。木造船ながら、魔法技術によって鋼鉄の鎧と化した戦艦並みの威光を放つ漁船の中、1人悲しく俺は樽の中を満喫しています。

 

 

どごぞの海賊かよ。

数分前、忍びながら航行中の船に飛び移り、進路先に極東をがあるのを確認して満足気に頷いたのはいいが、寝る場所がねぇ。故に仕方なく樽に入り込んだんだが、暇すぎる。

 

 

あーどーしよ、ほんまやることない/パカッ\んだが。うん?

 

 

「「えっ…??」」

 

 

しまった…侵入10分で見つかってしまった。

絶賛目と目が合って好きだと気づく訳もなく、2人して困ったような顔を向け合う。結構可愛い。ロリじゃない。残念ながらお姉さん感が無いので対象からは外れるが……、いや、最近あのロリ共のおかげで(せいで)年下も行けるようになってきたからな。蒼い髪に青い目、暗めの服と綺麗に整えられた小さめのポニーテール、夜にあったらかっこよさと可愛さのダブルパンチで、思わず2度見するんだろうが、お生憎様。初顔合わせが樽から始まる異世界生活。これフラグに出来るか?出来そう。

 

 

「えっと……どちら様ですか?」

「あー、住所有定無職の自宅警備員です。」

「あっ…そうですか……。」

 

 

すっ、と最初から何も見ていなかったかのように樽に蓋をする青髪少女。そもそも旅に出ている時点で住所有定出ないことに気づきながら、されるがまま光が遮られる。

 

 

「なんか最近こんなのばっかりだな。」

 

 

目を閉じながら最近の記憶を掘り起こす。踏んだり蹴ったりな生活がずっと続いている。良質な生活どこいったねん。

 

 

ひゃっ!?

 

 

先程の青髪少女の声が聞こえる。

 

 

「おっと、これは失敬失敬、まさか見つかるとは思ってなかった故、拙者気が緩んでいたでござる。」

 

 

何事だ?

頭の上の樽の蓋を開けて左を見ると、青髪少女が開けたであろう左隣の樽の中から、男にしては随分と長髪の……腰に刀を挿した気丈夫が佇んでいる。

 

 

隣人で草。同じ考えで漁船に忍び込む奴とか居るんやな我ェ。ちょっと感動した。君は樽に忍び込むフレンズなんだね。ゴキブリかな?

 

 

「拙者火の国からこの大陸に漂流してきた武士の1人でして、この大船が我が故郷も通過するっちゅうことで、相乗らせていただいた次第。何、物騒なものを腰に携えてはいるが、危害を加えるつもりは毛頭ないでござる。」

「えぇ……いやでも確証がないし。」コンワク

「ふむ、確証、と言われましても。隣の唯ならぬ者を敵に回して生きて帰れる自信が無いでござるからな。」

「唯ならぬ者…?」

 

 

うわっ…そこで俺に話向けるのキツイっす。

青髪少女が疑心の目でこちらをチラチラとみているじゃないか!そりゃあそうだ。目の前に居る武士とやらは筋骨隆々。所作一つ一つが戦人のそれだ。素人目の俺でもわかる。

 

 

対照的に俺の体は、どう見てもヒョロガリ。武士と組手なんかしたら1秒も持たぬ間に負けてしまいそうな、外見だけで見ればそう見えてしまう。だからこそ俺の実力を見極めてきたこの侍もかなり手練な訳で………

 

 

っと、青髪少女が混乱、というか反応出来ずに居る。日常生活の中に突然二人も不審者が現れたらそりゃぁ、ねぇ。海の女と言えども怖いだろうなぁ。

 

 

場を沈黙が支配する中、とりあえず極東の島国まで送って欲しい、という侍の声が上がるまで、俺たちのコミュ障然は効果を発揮し続けるのであった。

 

 

*1
自分も耐えきれていないのは棚に上げている

*2
今でも性交時だと興奮して力の加減を間違えてしまう。相手が鬼なら大丈夫だけど、人間さんなら不味いよぉ!

*3
1ヶ月で主人公の妖気を絞り尽くすロリはやはり性欲モンスター

*4
懐かしい

*5
は?

*6
某大佐のような脳内再生

*7
その代償としてに鬼は殆ど魔術を行使できない。

*8
ここまでの脳内説明時間脅威の0.2秒

*9
おじいちゃん




短編のくせに長くなりそうな予感。

見ていただいてありがとうございます。のんびり更新していきます。
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