Fate/Next Stage 番外編 ホワット・イフ...?もしもヒュドラの毒が強すぎたら? 作:ShadowShop
海辺の拠点にて焦りまくる少女の影1つ……
「(ヤバい…ヤバいわ!使い魔から最悪な知らせが……あのバケモノとアーチャーが来るの!?無理でしょ!)」
「早く逃げないと……でも、どこへ?バーサーカーのマスターはイカれてたし……ブツブツ」
「む!どうしたのだ!キャスターの元マスターよ!」
「ラ、ランサー……いえ、ちょっと立ち眩みがしただけよ……オホホホ……」
「そうか!御身は我が主の同盟者故、何かあれば気兼ねなく相談したまえ!」
「えーっとそれなら……コホン……1つ質問いいかしら」
「良いとも!」
「貴方の主の為に何処まで自分の信念や願いを曲げられる?」
朗らかな気配が消え緊張が走る
こちらを見据えるランサーの眼差しは鋭く槍先を向けられているかのような圧を感じさせる。
「それは…………」
「…………………変なこと聞いてごめんなさい」
「いえ、雪華綺晶殿。私を何をすれば良いのですか?」
迷いなき眼差し
あぁ、この臣下は本当に忠義の戦士なのだと感心する。
「ありがとうランサー。安心して貴方のマスターの為の行動よ」
バーサーカー陣営の拠点
「おっ!また来たよあの監督官!」
「今度は面白い提案してくれるかな!バーサーカー!」
「今日はお誘いに来たわ。こちらのランサーと
一緒にね」
「貴殿がバーサーカーのマスターか……そして、気配は感じていたがやはり貴公であったかもう一人の”アイアス”よ」
「へぇ~!バーサーカーの真名知ってんだぁ〜」
目をキラキラさせながらランサーを観察する
気がつくと雪華綺晶達の周囲には無数の氷の礫が浮かび上がり逃げ道を無くしていた。
「悪いけどさっそく本題よ。私達と同盟を組みましょう」
「えー!つまんないなぁ!もう殺っちゃおっか?バーサーカー?」
「雪華綺晶殿……」
「大丈夫よランサーここまでは想定してたから……」
「何?いま」
「じゃあ面白いこと教えてあげるわ」
「ん?なにぃ〜?」
「後、”3秒後”に試練が来るわよ」
「は?」
次の瞬間”上空”から怪物が落下する。
ドゴオオオオオオオオン!!!!
「ゴホゴホ……ご、ごめんなさい!お家壊しちゃって!」
「マスターちゃん。それ小脇に抱えられながら言っても意味なくね?」
「アハ!なになに!?良いじゃん良いじゃん!乱戦ってやつ?もっとやりたかったんだよね!」
マスターの高揚に合わせバーサーカーが臨戦態勢に入る。
「GRRRRrrrrr!!!」
「雪華綺晶殿!私の後ろへ!」
「頼んだわランサー!」
「誘い込まれた感じするけどこれこそ試練の醍醐味ってやつよね」
舌舐めずりをしながらマスターを降ろしこちらも臨戦態勢へと入る。
「まずは味見から!」
いつの間にか生えていた大蛇の尾でランサー、バーサーカー構わず薙ぎ払う。
しかし
「GRRAAA !」
「無駄だ!」
2人のアイアスによりその尾は止められる。
「ヤバ!全力なのに全然耐えるじゃん!そそる〜……だったら」
アサシンはその尾を”自ら切り落とし”高速で雪華綺晶と海井 若斗へ凶手を伸ばす。
「Gaaa!!」
「スゴイ速度だね!バーサーカー」
「ヒッ!(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!?!?)」
「無駄だと言っている!この私がいる限り!雪華綺晶殿には指一本触れさせはせん!」
「やるねぇ〜流石はギリシャメンズ♡」
「アサシンのお姉さん頑張れー!」
「試練与えといて応援するのはいいの?まあ、やる気出るしいっ!じゃあ、そろそろ踏破しちゃいましょうかね」
ランサーへ狙いを定めその槍を蛇行しながら避けていく
「ここかしら!宝具の使い所は!」
「不味いわ!ランサー宝具が来るわよ!」
「ならばこちらの方が速い!宝具開放!【ポセイドン・メイルシュトローム】!!!」
海神の一撃がアサシンの胸元を水流とともに貫く。
「ゴフッ……計画どおり♡」
「何!?耐えるだと!」
「アタシの不死性舐めちゃダメよ」
「宝具【不死殺しの毒】(デッドエンドヒュドラー)!」
死の口づけがランサーを襲う。
「グアアアアアアア!!!」
しかし、その目は死んでおらず槍を握る力は衰えを知らない。
「もう一人のアイアスよ!今だ!」
「GRRRRAAAaaaaaaa!!!!」
巨剣がアサシンの首を落とすべく振り落とされる
ガキン!
金属音と共に刃が首筋で止まってしまう。
「宝具でも無い粗末なもので乙女が傷つけられるかってーの!」
「ヤバいねぇ!バーサーカーの攻撃宝具は今使えないし〜!ハハ!やっぱ面白いな〜!」
「悠長なこと言ってないで何か無いのバーサーカーのマスター!」
「うーん、相性良いのは水使ってるランサー出しなぁ……」
???「ならば今こそ共闘の時だ!」
いつの間にか海井 若斗の背後へ見知った顔がある。
「ロキ!?なんでここに!眠らせておいたはずなにに……」
「私は快眠っ子でね。夜しっかり眠っている分日中はあまり寝ないのだよ!」
「(そんなアホみたいな理由で……)」
「さて、このまま我が魔道具で強制同盟と行ってもよいのだが提案だ」
「えー?面白いの?」
「面白いとも!共に神話の怪物の鱗を破壊する挑戦のお誘いだ!」
「ふ~ん」
「その反応はやるという事でいいな?」
ニコニコしながらロキが尋ねる
「まあ、めちゃくちゃワクワクしてるの感じるし面白そうじゃん!どうするの?」
「簡単なことだ!君の魔術でランサーの水流を強化しつつその水流自体をバーサーカーが纏うのだよ!」
「無理に決まっているでしょ!?大体どうやってその水流を纏いながら攻撃する気よ!」
「さっき君は”今”は攻撃宝具を撃てないと言った。ならば防御系統から攻撃系統への変換が必要ということだろ?」
「へぇ~オッサンスゴイね!大正解!」
「フッフッフそうだろそうだろ!その防御宝具で水流を纏いそのまま攻撃宝具へ移行するのだ!」
「そ、そんな荒唐無稽な事できるの!?」
「故に挑戦だ!だが、やれるとも!私も補助に回るが雪華綺晶殿!キミの力も貸して欲しい!」
「ハァ…死なば諸共って奴ね……ここまで来たらやってやるわよ!」ヤケクソ
「じゃあ行くよ〜!楽しくなってきた!」
「バーサーカー!宝具連続開放!令呪もあげるから思いっ切りやって!」
「ランサー!令呪を3画持って命ず!毒に抗い!大海の力を増し!私に勝利の誉れを与え給え!」
「マスター!クッ……このアイアス!主従の役目を果たさせていただく!!!行くぞ”アイアス”!」
「GGRRAAAAAAA!!!!!ハァアアアアア!!!任せろ”アイアス”!!!!」
3人の魔術師により増幅した水流がバーサーカーへ移っていき、水流をアイアスの花弁が巨剣へと纏わせていく。
ギャリギャリギャリギャリ!!!
鱗が切断されていく。
「アサシンのお姉さん!」
「コフッ……やっぱ余裕なんて全然ないよねぇ……」
やっぱり死力を尽くして来る英雄2人はキツかったかな?
アタシなんかに試練の突破なんて似合わないんだ
もうゴールしてもいいよね?
「…………なんていう、処女臭い……
乙女振る年齢(とし)はとっくのとうに過ぎてるんだよおおおおおおお!」
「ここにいるアタシは!試練でも!怪物でもない!」
「数多の英雄の逸話を彩り英雄足らしめた!
英雄『ヒュドラ』だあああああああ!」
「我は死毒を操りし者!我が毒に数多の英雄は倒れ地に朽ちる!なればこそ!その毒を制し我は!」
「倒れず!朽ちず!乗り越えよう!!!」
「宝具開放【途絶えぬ百頭】(アンリミテッド・ナインライブズ)!!!」
かつてギリシャの大英雄ヘラクレスが自身との闘いで魅せた技法。
目にも止まらぬ連撃が拘束するランサーとバーサーカーを襲う。
「「”アイアス”の名に賭けて貴様を倒す!」」
「ヘラクレスくらいの知名度になってから出直せえええええ!!!!」
アサシンの連撃が2人のアイアスの霊基を破壊し尽くす。
アサシンの胸にはランサーによる大穴が空き、鎖骨の下、心臓に当る位置ギリギリのところまで刃が迫った跡が残っていた。
「ふっ、私達の敗北のようだ」
「あ~あ負けちった〜途中まで面白かったのに満足しきれないな〜」
「ゼェゼェ(もう無理!回路が焼ききれそう何だけど!?なんでこの二人は涼しい顔してんの!?)」
「アサシンのお姉さん!傷大丈夫!?」
「マスターちゃん……見たまんま致命傷だけどギリ勝ったぜ。どうよ」
「スゴかったよ!上手く表現できなかったけど物語の主人公みたいだった!」
「でしょ〜?年の功で踏ん張った甲斐あったわ」
「でも、まだ終わりじゃないぜ。見てんのはわかってるんだからさっさと出てきてよオッサン達」