先生救済委員会編   作:サクリファイス raurua

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「注意」
先生元虐待児概念を含みます。
作者は先生レベル79の新参者です。
最終編までしかストーリーを読んでおりません(続きは追々読んでいきます)。
キャラの解像度が低めではありますがそれでも良い方は読んでいただけると幸いです。


これが「先生」の日常(其の1)

連邦生徒会によって設立させられた組織、超法規的機関「S.C.H.A.L.E」。そこに顧問として勤務しているのが私、「先生」だ。

学園都市キヴォトスの中、数えきれない学校の数えきれない生徒たちの困り事、頼み事、悩み事等々を解決するため日々奔走している。さ、ら、に、シャーレの執務室戻ってからは大量の書類作業...。

こんなじゃあ割に合わないよというレベルの給金しかもらえないものの、生徒たちの喜んでいる顔を見れればそれだけで十分だった。

 

「眠...。」

ここだけ10倍の重力があるのではないかと思うぐらいに床に張り付いた体をなんとかたたき起こし時計を確認する。

5:30、だいたい三時間ぐらいの睡眠をとれた。

朝の身支度を整え相棒のエナジードリンクを片手にモモトークを確認しようとした瞬間、

『KAITEN FX Mk.0プラモデル抽選販売決定!!』

ムム?!

「これは...。欲しいな~、お金どれぐらい残ってたかな。」

独りごとをつぶやきながら電子マネーの残高を確認する。

168465円。お金の使い方は千差万別、一か八かの抽選販売。

買 う し か な い。

値段は...150000円、もし抽選に当たればモヤシ生活か。

ウキウキしながら必要事項を入力し、趣味の時間はひと段落させた。

「早瀬さんにバレると叱られるだろうな。」

そう呟きながら頭に浮かんでくるのは、趣味にお金を使いすぎたが故、ユウカに叱れたことだった。

どうやって隠そうかと考えながらモモトークを眺める。

通知99+。

「先生」としての朝はこの大量のモモトークの確認から始まる。誰の何の要件を優先的に解決する必要があるのかを判断し、巡回方法を考える。今日はゲヘナとトリニティへ行くことになりそうだ。というのもゲヘナのスケバンとトリニティのチンピラが抗争を始めようとしているらしい。ゲヘナ風紀委員会委員長の空崎さんからとティーパーティの桐藤さんからの連絡だった。

飲み終わったエナジードリンクのボトルをゴミ箱に捨て、トボトボと執務室を後にした。

『今日のカフェの開店は夕方頃からになります。』

シャーレに併設されているカフェの管理も私が行っている。今日は帰ってくるのが遅くなりそうだけど夕方までには帰らないといけないな。

 

 外に出ればいつも通り、そこかしこで銃声、爆破音など鳴り響いていた。

「最初に来たときは驚いたけど、今はもう慣れたもんだな。」

日光が目に刺さる。今日こそは早く寝よう。

駅に行くためにはまずバスに乗る。そのためにバス停へ行く途中だった。

明らかに悪さをするのに適している路地裏から、悪意を孕んだ怒号が聞こえた。

生体反射顔負けのスピードで現場へ駆けつけると、カツアゲ?か何か、とりあえず数人で一人に詰め寄っているところだった。

全てのこういったことに対処する余裕はないけど、目についたしまったものはきちんと解決しよう。

「何があったのかな?とりあえずその銃を下ろそうか。」

「お前誰だよ?!って先生じゃねぇか。」

声の発生源は誰かとふりむいた不良たちの目に映ったのは「先生」。

「そうだよ。『先生』だよ。」

「先生は関係ねぇだろ!引っ込んでろ。」

「先生は皆の先生だ。悪いことをしていればそれを正す努力は惜しまないし、困っている生徒は助けなくちゃ。と言っても正しいことなんて人それぞれだけどね。でも、人を傷つけるようなことをするのはダメだと思うな。」

「黙って聞いてりゃ、ごちゃごちゃうるせぇんだよ!」

銃口はいつの間にか先生の方を向いていた。

私が打たれてしまうと確実に重傷を負ってしまうが、ここはこの子たちの良心を信じることにしよう。(と言っても以前腹部に一発喰らわせられたんだが。)

「さっさとどけ、撃つぞ?」

「銃を下ろしなさい。何か不都合があったなら私が話を聞くから、とりあえずその子からは離れて。」

怯えた瞳でこちらを見ている生徒は必至でこちらに助けを求めている。

とりあえず、これで安全が確保できるといいのだけれど。

「お?じゃあ先生金くれんの?」

ああ、お金か、やっぱりカツアゲだったのか。

「あげるかどうかは一旦置いといて、とりあえずその子から離れて。話はそれからにしよう?」

苛々が高まってきたのかついに

「先生、自分の立場分かってんのか?たかが数発撃たれただけ死ぬアンタがどうしてそう堂々とアタシらと公平に交渉してるわけ?武力的に考えて、そっちが黙って言うこと聞く側だろうが。」

などどいい始める不良。

それで引く程度じゃあ「先生」は務まらない。

「撃ちたいなら私を撃てばいい。でも君たちにそれができるかな。所詮いつもの抗争は傷を負わせるか気絶させる程度。本当に人を殺したことはないだろう?人を殺したらどんな感情になるか知っているかい?」

奇妙なほどに普段通りの先生の口から出た言葉はとんでもないものだった。

「何言ってんだ?死にたいのか?」

こうして文句を言っているが、不良たちの顔は困惑と恐怖に染まっていた。

「生徒のために死ねるなら本望さ。それに私の代わりなんて幾らでもいる。」

これは何を言っても無駄だと悟ったのか、

「ああ!!もう勝手にしろ。ほら、行くぞ。」

と不良たちは去っていった。

今回銃を撃たせなかったのは彼女たちの良心じゃない、人殺しになることへの恐怖だ。これで制したとこでなんの教育にもなっていない。負の感情に頼ざるを得ない自分が情けないな。

「ああ、そこの君、大丈夫だったかい?何か取られたとか、どこか怪我したとか...。」

へたり込んでいたその子を顔を覗き込むようにして問いかけるも、その顔は依然としてひきつったままだった。

「ん~と、どこか痛むのかな?近くに病院ならあるよ。」

「いえ、大丈夫です。」

スパっと切られたな。

「え~と、じゃあなにか取られちゃったとか?」

「いえ、なにも。」

じゃあどうして、そんな顔をしてるんだ。なんでこっちを見てそんな悲しそうな顔をするんだ。

まあ、無事だったらならそれでいいか。

 

「じゃあ、気を付けてね。」

「はい。先生もお気をつけて。」

軽く別れの挨拶をし本来の目的地へ向けて再び歩き出す。

やはり、交渉の材料に自分をかけるのはいい。円滑に交渉が進む。

私が死んだとて、どうせ代わりの先生が来る。だからいいんだ、自分を出汁にしていけ。

それで生徒たちの学園都市での生活が快適になるのなら。

本人は気づいていない様だが、歩きながら、いつの間にか手袋を外し、爪を噛んでいる。

ストレスからくるのか小さいころからの癖なのか、はたまたその両方なのか、手袋の中に隠れた指先はガタガタの爪しかなかった。

ハッと気づいたようで慌てて口から手を離すとそそくさと手袋を嵌めなおす。

街中なのに何してんだか。外での振る舞いに気をつけろ、私。

にしても、今日は少し脅しすぎた。人を殺す感情などしらなくていい。あれだけ憎かった人間でさえ、見殺しにしただけでも未だに拭えぬ不快感がこの胸を支配しているのだから。

恐怖による支配は自分が一番嫌いだっただろうが。

脳内で一人反省会をしながら、バス停へ向かっていく先生であった。




次回
「先生」の日常(其の2)

ルート分岐どれからいく?(票が多かったものから書いて次話で再アンケします)

  • worst end
  • bad end
  • true end
  • happy end
  • happiest end
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