過去に書いて途中で放置していた物を書いていこうかと思います。承認欲求モンスターなので、反応が良ければ続くと思います。
この世界が有名な某映画のように電子空間の作り物ではないかと思った人はいるだろうか?感覚のズレであったり、自分は実は住む世界が違うのでは?であったりの"アレ"である。
思春期の人なら何人かは心当たりがあっただろう、いわゆる厨二病というものだ。しかし高校卒業して数年経ったボク、
街を飛び交うフリフリで派手な衣装を身につけた中高生くらいの女の子二人が、刃物を振り回して互いに斬り合っている。何か映画の撮影であったり、ドッキリであったり、はたまたボクの脳が生み出した幻覚というわけでもない。
しかしソレが見えているのは周りの通行人を確認してもボクだけであり、そもそも認識すらしていなかった。
周りの建物は壊れず、その二人の女の子達が触れる人物は幽霊の如くすり抜け、実害を及ぼさない奇妙な光景に、八時間睡眠と昼寝の三時間で寝過ぎたボクの長い夢現であったのだと自分に言い聞かせその場を後にした。
「昼間のあれは何だったんだ…」
夜の居酒屋バイトが終わったのは真夜中だった。一年ほど続けている見慣れた帰路を歩いていると普段は気にしない河川敷に目が行った。黒い影がモゾモゾと動きやけに気になる。この辺りはホームレスなどもいないから、大方野犬か何かかと思ったが好奇心から近づくとそこにはボクよりも年下であろう女の子が傷だらけで倒れていた。
「ちょっと!えぇ!?大丈夫!?あ、いや救急車!119番!!!」
ポケットのスマホに手を伸ばし、焦りながら取り出して耳に近づけるようとするとその女の子の手がボクの手首を掴み、優しく呟いた。
「ねぇ、お兄さん…この世界は好き?」
「えっと…はい」
宗教勧誘で聞いたことのある突拍子もないセリフと、その女の子の可愛らしくも凛とした声に意識を奪われ、つい素に戻ってしまった。
「私もね…好きなんだ、ちょっと不満はあるけどね。こんなこと、いきなり頼むのも変なことなんだけど…私のお願い…聞いてくれる?」
「あっと…はい」
可愛らしい声が徐々に弱々しくなりながら、雰囲気に飲まれてまたしても二つ返事で返してしまった。
「私の代わりに、この世界を守って…」
女の子の手には歯車をあしらった珍しい髪留めが握られていてボクの掌に置いた。
「お願い…」
女の子は涙を流し目を瞑ると、その体を光らせ霧散させた。
「は?」
そう消えたのである。まるでさっきまで話していた女の子が夢だったかのように、蜃気楼であったかのように。しかし女の子の持っていた髪飾りが残ったことで、これが夢ではない現実であったことを証明した。
「消えた…え、女の子はどこに行ったんだよ…」
突如消えた女の子もそうだが、「世界を守って」ってなんだよ、そう言うのは僕みたいな普通の人じゃなくてもっとこう正義感に溢れている人とか…とぶつぶつとぶつぶつと独り言を喋っていると、背後から人の気配を感じて振り返る。すると先ほどのいきなり消えた女の子と同じくらいの、高校生くらいのギャルっぽい金髪の女の子がこちらの背中を眺めていた。
「はぁーい、どうもおにーさん、いきなりで悪いんだけどこの辺りで傷だらけの人を見たとかない?」
「こんばんはお嬢さん、うーんと見ていないかな。でもそんな人を見たら誰でも救急車とか呼ぶだろうから、知り合いとかなら近くの病院に行ってみるのはどうかな?」
自分でも驚くほど嘘が自然と口から出てくるな。心臓の鼓動がドクンドクンと聞こえながらも、よくもまぁ口八丁に嘘が飛び出るものだ。
「あ、確かにそうだね!そうしてみるよ、でももう夜も遅いから行っても明日だねー」
「うん、そうだね、その方がいいと思うよ、それじゃ僕はこれで。その女の子見つかるといいね、夜更かしは程々にね」
話してて分かったけどこの女の人、多分危ない人だ。何と言うか感覚的に人を見下しているような人だな。会ったことないけど人殺しとか、殺人鬼とかは多分こんな雰囲気を出しているんだろうな。
「じゃあねー」と手を振りながら女の子にすれ違いながら早足でその場をさろうとした…その時だった。
「あ、そうそう言い忘れてたけどー。おにーさん…嘘下手だね♪」
ザクリと分厚い生肉に包丁を勢いよく突き刺したかのような、あまり聞き覚えはないが生々しい音がすぐ耳元で聞こえ、左を振り返るように目線を移動させると、目算日本刀ほどの長さがあるような大きな鎌がボクの肩に深々と刺さっていた。
「はぁ!?あっ…ぐっ!!」
「アタシは"女の子"って一言も言ってないのに、どーしておにーさんはアタシが探してる人が"女の子"って知ってたのかなー?」
やべぇ…普通に口滑らせてた。というか死ぬほどいてぇ…人生でこれほど出血したことなんてあるか?いやないだろう。
「どーせおにーさんが、どこかに匿ってるんでしょ?早く教えてよー、教えてくれたらもう痛くしないし、手当もするよー?」
「分かった!!教える!教えるから止めてくれ!」
「おっけー、おにーさん話が早くて助かるよー…で?どこ行ったの?」
「その前に…手当とかしてくれない?」
「だーめ、嘘ついてる可能性もあるし、手当はおにーさんが教えてくれたらね♪」
あっマズイ、このパターンは悪役が「助けるって言ったっけ?嘘だよ!」って殺すパターンだ、映画でよく見たことある…。
何か…何かこの場を乗り切れるような何かはないのか………。そういえば目の前のギャル、いつの間にあんな大きな鎌を取り出したんだ?………まさかさっきの髪飾り…いやまさかな………でも、ものは試しか?
「そういえば…その武器ってどこから出したんだ?」
「今は関係ないでしょ?」
「いや…それが関係してるかもしれないんだよ…」
無理か?我ながら流石に苦しい嘘だと思うが…。
「ふーん?あの子の能力?ま、おにーさんに教えたところで別に減るもんでもないか…この武器はねー、"死神のアルカナ
クソ、やっぱりダメか…。短かったなぁ、ボクの人生…あー心残りいっぱいある。駄目だな、こんな時なのに今でも死にたくないって思っちゃうな。
女の子が大鎌振りかぶってるこの瞬間でも、思い出す走馬灯に彼女が出来なかったことが引っかかって気になってしまう。
"呼べ"
ん?何か声が聞こえてきたか?…いやまさか、そんなお決まりの展開みたいに力に目覚めるわけ…。
"呼べ、我が名前を…"。
やっぱり幻聴じゃないッ…イケるのか?この歯車の形をした髪飾り、イケるのか?
この際もう関係ないな…意地汚くても足掻いて、生きる…このまま死ねるもんかよッ。
「"
お疲れ様でした。
魔法少女なのに少年漫画要素が強いのは作者の趣味。どうせならオシャレに書きたいけど、オシャレ要素を詰め込むと死神バトルモノになっちゃうから程々に