★書籍発売★追放転生貴族とハズレゴーレムの異世界無双――隠し機能がチート過ぎ――え!?ゴーレムが倒した敵の経験値も俺に入るの!?   作:鏡銀鉢

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錬成スキルではなく3Dプリンタスキル

「みんな、あいつを逃がすな! ストレージ送りにするんだ!」

『わかったー』

 

 イチゴーたちは川から上がり、ビーバーへ襲い掛かる。

 

 多対一の光景はちょっとイジメに見えなくもなかったけれど、今はそんなことを気にしている時ではない。

 

 一分と経たずにビーバー型魔獣はストレージ送りになり、素材が手に入った。

 

 すかさずウィンドウを開いて、配合を選択。

 そして俺は目を見張った。

 

「ビンゴ!」

 

 ブルー・ビーバーの前歯×1!

 

 魔獣の素材に【!】マークがついている。

 気持ちを前のめりにして画面を操作。

 素材をイチゴーに配合すると、新たなダイアログが表示された。

 

『再構築スキルが使えるようになりました』

 

 我知らず、俺はガッツポーズを取っていた。

 

 川から上がりながら足の汚れと水気をストレージに送りつつ、ストレージから出した靴下と靴を履いた。

 

 ストレージ一覧の中で、魔法石に視線を留めた。

 

 イチゴーたちが男子たちをシバキ倒していた時にゴゴーが見つけてきたアレだ。

 

 そして、腰から剣を抜いてイチゴーに指示を出す。

 

「イチゴー、俺の剣と炎石を使って、魔法アイテムを作れるか?」

『つくれるよー、ほのおのけんだねー』

 

 ウィンドウに、俺の剣の写真が表示された。一見同じなようで、剣身の根元に炎石がはめ込まれている。

 

「よし、プリント開始だ」

 

 俺がスキルを発動させると、イチゴーがえいっとばかりに謎のポーズをした。かわいい。

 

 俺の手から剣が、ストレージ内から炎石の在庫が一つ消えた。

 

 代わりに、剣の鞘が青いポリゴンに覆われた。

 

 ポリゴンが消えた時、空っぽの鞘には新しい剣が収められていた。

 

 剣身の根元に赤い炎石がはめ込まれたそれを引き抜くと、少し魔力を流し込んでみる。

 

 途端に、剣身の根元から剣尖にかけて、ボゥと炎が奔った。

 

「おぉ!」

 

 仮にも伯爵家育ちの俺は、魔法効果を持った道具、魔法アイテムには慣れている。

 

 だけど、自分の手でそれを生み出したというのがちょっと感動だった。

 

 なんというか、中学校の技術の時間で初めて本格的な工作に成功した時のような満足感がある。

 

「……」

 

 そして作れば、使ってみたくなるのが人の心だ。

 俺はヒートソードと命名した剣を手に、近くの枝葉を見上げた。

 

「よっ」

 

 剣を上段に振り上げてから跳躍。

 頭上の枝を切り払った。

 

 切断時の摩擦、抵抗感は最小限で、まるでカッターで紙を切っているようだった。

 

 焦げ臭い匂いと白煙を上げて、ぽとりと枝が落ちた。

 

 手に取ってみると、切断面は黒くなっていた。一部、タバコのようにオレンジ色の炎を灯しているけれど、すぐに消えた。

 

 剣が持つ切れ味に加えて、対象を加熱して焼き切る効果が付与されているようだ。

 

 あまりの性能に、思わず息を呑んだ。

 

 ――凄い。熟練の錬金術師や鍛冶職人でないと作れない魔法アイテムをこんな一瞬で作っちまった。

 

 だけど、本当に俺が作りたいのはこれじゃない。

 再構築スキルに期待するのは、もっと別のものだ。

 

「イチゴー、これから俺の指定したものを再構築スキルで作ってくれ」

『わかったー』

 

 俺は、ストレージ内の木と土から、生前俺の家にあった現代的で上質な家具を想像した。

 

 すると、ウィンドウの中に3Dモデルが表示された。

 

「よし、プリント開始だ」

 

 俺がスキルを発動させると、イチゴーがまた、えいっとばかりに謎のポーズをした。やっぱりかわいい。

 

 すると、俺がゴーレムを生成するのと同じように、地面から青いポリゴンが五つ出現。消失したあとには、椅子、テーブル、チェスト、ベッド、机が残っていた。

 

「よし、思った通りだ」

 

 ガッツポーズを両手で作った。

 これは凄い。

 

 これなら令和の商品を無限生成して億万長者も夢じゃない。

 

 と、思いかけてかぶりを振った。

 

 現代知識無双系は異世界転生のあるあるだけど、現実は違う。

実際、それをネタにした作品もある。

 

 便利で凄い=売れる、ではない。

 

 どれだけ凄くても見慣れない怪しい商品を、人は欲しいと思わない。

 

 実際、かのエジソンも電球を発明した時に売れなくて苦労したと動画サイトで見た。

 

 電気が無く、照明=火の社会に、いきなりガラス玉を見せてこれが光るんですと言ったところで一般人には理解されなかった。

 

 蒸気機関車も、馬も無く勝手に走る車を怪しみ、最初は利用者が少なかったらしい。

 とある漫画で言っていた。

 

 人はいい商品ではなく、みんなが持っている商品を欲しがる。

 つまりはそういうことだ。

 まして俺は元貴族の平民。信用が無い。

 

 仮に現代商品を売るにしても、それは俺が有名になり社会的信用を勝ち得てからだ。

 それに……。

 

「イチゴー、スマホを作ってくれ」

『むりー』

 

 メッセージウィンドウにはエラー文で『レベルが足りません』とある。

 再構築スキルは、レベルと素材に応じて何でも作れる、だ。

 

 レベルに応じて、というだけあり、十一レベルの俺では、複雑な電子機器は作れないらしい。

 

 ――魔法石からヒートソードみたいな魔法アイテムを作って売ればお金にはなるけど、父さんが貴族への復帰を認めてくれるほどの大金を稼げるかはわからない……。

 

「精密機械ほど複雑じゃなくて、この世界の人たちが知っていて、3Dプリンタの強みを活かせるもの……イチゴー、再構築スキルで作れるジャンルを一覧にしてくれ」

 

 俺の言葉で神託スキルが起動。

 ウィンドウに表示されたイチゴーの顔アイコンの下に、写真と名前が表示されていく。

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3Dプリンタ技術が進んだ未来ではあらゆる2次元キャラのデータが販売され、それをコンビニの3Dプリンタにスキャンさせればあらゆるキャラのフィギュアをその場で作ってくれると予想されるようです。その場で作るから在庫切れの心配もなし。

早くそんな未来が来てほしい。

そうすれば私は好きだけどフィギュア化されていないキャラとか機体のフィギュアが手に入ります。

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