★書籍発売★追放転生貴族とハズレゴーレムの異世界無双――隠し機能がチート過ぎ――え!?ゴーレムが倒した敵の経験値も俺に入るの!?   作:鏡銀鉢

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主人公様の記念碑を立てよう! やめてぇ~!

「いいんじゃないかな? せっかくの厚意は受け取らないと失礼だし、高等部はクエストで遅刻、早退、欠席は認められているじゃないか」

 

「まぁ、それはそうだけど」

 

 俺は気後れした顔で視線を逸らした。

けれど、その先ではノエルとハロウィーが優しい笑みを浮かべてくれていた。

 

「何を遠慮するラビ。此度の事は貴君の功績だ。胸を張って歓待されるがいい」

「そうだよ。ラビはもっと、偉そうにしていいぐらいなんだから」

「……」

 

 ハロウィーに励まされて、俺は拍手をやめない町の人たちに目を配った。

 

 俺のスキルで、これだけ大勢の人が喜んでくれた。感謝してくれた。

 

 今、俺の胸の中に湧き上がるのは、素直な喜びだった。

 

 俺の働きで誰かが救われ幸せになり感謝される。

 

 前世ではついぞ知ることのなかった達成感と充実感に満たされて、俺は自然と笑みが浮かんだ。

 

「みんな、ありがとうございます」

 

 拍手がさらに大きくなった。

 

「ばかやろう、ありがとうはこっちの台詞だろ!」

「なんでお前さんが感謝してんだよ!」

「ほんと、謙虚な奴だぜ!」

「そこがいいんだけどな!」

「元貴族らしいけど、そうは見えないよな」

「あんな天才を追放するとかシュタイン家は何を考えているんだ?」

 

 次々浴びせられる賞賛の声に俺が照れていると、神官さんがみんなの拍手を制するように、手をかざした。

 

「皆さん、私達の英雄に拍手をありがとうございます。そして、町の人達の生活のみならず、この教会と女神像を救ってくれた事を感謝致します。私はこの場を以(もっ)て、ラビさんの名前を刻んだ記念碑を作ることをお約束致します!」

 

 再びの拍手、そして歓声に俺は絶句した。

 

「ッッッ~~いや、その! 記念碑って、それはやりすぎじゃないですか!?」

 

「やり過ぎなものですか。今日、この町は貴方のおかげで生まれ変わったと言っても過言ではないのですよ!」

 

「そ、それは……」

 

 たじろぎながら、言葉を呑み込んだ。

 ここで否定しても、空気が悪くなるだけだろう。

 感謝と名誉は素直に受け取るつもりだったけど、これは想定外だ。

 

「さぁ皆さん、祝宴の準備です。とはいっても、今からでは大したことはできませんが」

 

 そこで、俺も腹を決めた。

 

「いえ、これからの生活もあるんですから、ここで贅沢は禁物です。食材は俺が提供しますよ!」

 

 そう言って、俺は礼拝堂の外に出ると、ストレージからテーブルと、そして今までイチゴーたちが狩りまくってきた魔獣の肉を取り出しまくった。

 

「さらにこれが本日の目玉商品! ドレイザンコウの肉、一トン分です!」

新たに取り出し並べられたテーブルの上にドカンと乗っかるドレイザンコウの肉塊に、みんなは感嘆の声を漏らした。

 

「二〇〇〇人いても一人五〇〇グラムは食べられますよ。既に切り分け済みなのでどんどん持って行ってください!」

 

 次の瞬間、本日最高潮の歓声が沸き上がった。

 

   ◆

 

 時計がないので体感でおよそ一時間後。

 

 教会を中心に、町中が焼肉パーティーで大盛り上がりだった。

 

 俺の3Dプリンタスキルで作ったバーベキューセットに木炭と火種を投入。

 

 金網の上にドレイザンコウの肉を載せ、ジュージュー焼いていく。

 

 あとはみんなが自宅から持ち寄った野菜や芋も焼き、酒を飲めや唄えやの大騒ぎだった。

 

 俺も、教会の庭で一緒に楽しませてもらう。

 

「ドレイザンコウの肉うまっ」

「わたしこんなおいしいお肉食べたことないよ。幸せぇ」

 

 俺もハロウィーも、笑顔の口の中は肉汁と唾液でいっぱいだった。

 

「しかしよかったのかラビ。こんな高級な肉をご馳走になってしまって」

「とどめを刺したのはノエルだろ? 遠慮することないって。それにまだ全体の一割も使っていないし、本当に価値のある内臓には手を付けていない」

 

 俺はちょっと黒い笑みを見せた。

 

「うむ、そういうところはしっかりしているようで何よりだ」

 

「ていうかやっぱり、ドレイザンコウの素材を売ったらお金はみんなで分けたいんだけど?」

 

「それはいいよ。クラウスもいらないって言っていたし、わたしはレベルが上がっただけで満足だよ」

 

「私もだ。そもそも、ラビのスキルがなければ全身を持ち帰るのも難しかったしな」

 

「う~ん、じゃあ俺から何か装備品を贈るよ」

 

「「え?」」

 

 ハロウィーとノエルの顔が、赤く固まった。

 

「俺のスキルで作った武器性能の確認も含めてさ。魔法石を配合した剣と弓を今度作るよ」

 

「そ、それはいいな。一生の宝物にしよう」

 

「いや、改良するたびに持ち替えてほしいし、強度テストもかねてむしろどんどん使い倒してくれ」

 

「ラビさん」

 

 不意に町長が声をかけてきた。

 口調が軽くて、少し酔っているのが分かる。

 

「今日は本当にありがとうございました。貴方ほどのゴーレム使いに来ていただけて感謝の極みです」

 

「シュタイン家の人たちに聞かせたいな」

「まったく、どうしてラビさんのように立派な方が追放されたのかわかりませんな」

 

 ノエルと町長さんの言葉に、俺は謙遜した。

 

「そう言ってくれると助かりますよ。あと、アイテムボックススキルのことは秘密にするようみんなに言ってくれますか? 偏見を向けられるかもしれないので」

 

「えぇ、もちろんですとも」

「ラビ」

 

 町長さんが頷くと、クラウスが声をかけてきた。

 

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本作の単行本2巻は明日、オーバーラップより発売です!

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