歩き始めて数十分、やっと目的の建物が見えてきた。見るからに棄てられた建物、回りには草が生えていて足の踏み場も無い状態・・・
「うわ~、これ中に入れなく無い」
いや、無理に入ろうと思えば入れるよ・・・何たって生えてるのは草だ、だけどさぁ・・・ハードル高くないですか?令和の時代に生きる自分にはちょっと・・・いやだいぶ高いよ・・・え?何が駄目だって、それは・・・虫だよ虫!言わせっなよな!
[キュウィ~ン]
葛藤している横で、妖精さんはどこから出したのか、草刈機を使って草を刈っていた・・・そんな逞しい?妖精さんに賞賛と拍手の嵐を心の中でを贈っていると・・・。
『・・・』
にょきっと?軍手を渡された・・・
「あ!ありがとー」
お礼を言い渡された軍手を装備、妖精さんが刈った草を運び一ヵ所まとめる。ちなみに先ほど気が付いたのだが、いつの間にか妖精さんの数がかなり増えていたが、まぁ、そう言う物かと思い作業を続ける。
草を刈る事、一時間弱・・・足はパンパンになり腰にも深刻なダメージを負いながらも、ある程度の草刈りが終わった。集まった雑草はかなりの量になったが、処分は妖精さんがやってくれると言うので、ここは彼らのお気持ちを尊重して建物の中を拝見しに行こう。
近くで見る建物は、蔓やら何やらでボロく見えるが建物自体はそれほど劣化していない、と一緒に着いてきた妖精さんが言っていた。で、メインの中はと言うと以外と綺麗で掃除すれば直ぐにでも使える様だった。ちなみにここの建物はどうやら自衛官の宿舎だったのようで広い食堂に広いお風呂・・・そして極めつけに無数にある部屋・・・まぁ何が言いたいかと言うと・・・
「あの~、妖精さん・・・もしかして、ここも直ぐに掃除とか言わないよね?」
『・・・』
「何で無言で掃除道具をこっちに渡そうとするの?ねぇ?妖精さん!よく考えて、さっき草取りしたばかりだよね」
『・・・』
「いや、妖精さん?今の君は妖精さんが出してはいけない圧を出していますよ・・・妖精さん?バケツをつき出してこっちに近付いてこないで・・・」
「妖精さん!・・・イヤ!来ないで・・・」
「ぎゃ~~~あ」
~それから数時間後~
「掃除はもう嫌だ・・・」
そこにはあっちこっちの、筋肉が悲鳴を上げて動けなくなった人間が、居たとか居なかったとか・・・それは、妖精さんのみぞ知ることであったとさ・・・めでたしめでたし・・・
「めでたくな~い」
叫ぶのがやっとの私は日頃からの運動不足を呪うのだった。
硫黄島の島内はフィクションです。