モンスターハンター オーガ   作:銭形

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翼竜に運ばれ、オーガは大蟻塚の荒れ地に到着するやいなや、探索を開始する。 

 

 (調査対象は蟻塚だったか。 とりあえずは探索ルートを辿ればいいだろう。)

そう考え、荒れ地の奥へと進んでいく。 森林を越え、あたりに緑が少なくなってきたところで、オーガは足跡を発見した。

 

(この三つ指の足跡、サイズの割にかなり深くまで窪んでいやがるな。この特徴、先に狩ったプケプケと同一。 こいつも例の異常なモンスター、興奮して力んでやがるのか? 

とりあえずはこいつを追跡するか)

オーガは足跡を導虫に追いかけさせる。 

 

その道中で、オーガは ″ソレ” を見つけた。 

 

 「!! コレはッ!!」

オーガは近づいて跪いて観察する。

(この足跡!! おそらく同種のものだろうが、デケェ!! 他のどの足跡よりも大きさが二回り以上 深度に至っては10倍以上も窪んでやがる!! なるほどな こいつが異常個体か 

狩猟対象が決まったな そしてもう一つ今までの足跡を見るにあの深さが通常だ この足跡の持ち主はまるで重戦車のような武装だろうな。)

 

オーガは立ち上がり振り返る。オーガの後方に″ソレ”の持ち主が現れた。

 

 「やはりデケェ、16、いや17mを超えるか 重戦車というのも控えめな表現だな」

オーガがモンスターと対峙する。

 

土砂竜 ボルボロス

 

ボルボロスが威嚇をするがオーガは当然全くひかない。それを見て、ボルボロスから汽笛のような音が響く。 その太い脚に力を溜め、突進を放つ。通常個体ですら岩を粉々にする威力。いわゆる金冠と呼ばれる個体が放つそれは通常個体が放つものとは格が違う。この突進をオーガは真っ向から迎撃、拳と突進がぶつかる。

 

    ガキン!!

 

とても生物同士がぶつかったとは思えない、重い金属音が鳴る。 

 

(硬ェ!! しかもそれだけじゃねえ 俺の打撃を受けて脳が揺れた気配がしないだと!!)

 

両者はそのまま力比べへと移行する。さすがはオーガ、己よりもはるかに巨大な相手に対し互角以上の比較べ合い ボルボロスの頭部とオーガの拳、徐々に徐々にボルボロスが押されていく。だがここは大蟻塚の荒れ地。訪れたばかりのオーガに対し、ボルボロスはここでの戦闘に適応している。 地の利は相手側にあった。ボルボロスの巧みな身体操作によって、オーガは砂に足をとられてしまう。

  (クッ!!)

そのまま膝をついてしまったオーガに、ボルボロスは息つく暇もない攻撃、体を大きく震わせて泥をばらまく。

粘着性の泥がオーガの全身にまとわりつく。そのまま大きく振りかぶって、頭突きを繰り出す。オーガは唯一自由に動く右手一本で跳び上がり、回避する。ボルボロスの頭突き跡は隕石のクレータに匹敵する規模。まさしく規格外である。

 

(あの跡、随分な威力だ。それにこの泥、粘着性が段違い、ただの泥ではないな。ただ立っているだけでも体力が吸われていくのを感じる。)

 

「まあ 俺には効かんがな」

 

フン と一声 全身に力を込める。 急速な筋肉の膨張により、泥が吹き飛ぶ。向こうの世界で烈海王が行った汗を吹き飛ばす行動を、泥 しかもボルボロスの粘着性のものを吹き飛ばして見せたのだ。 走り出し脚にローキックを食らわし、崩そうとするが身にまとう泥によってショックが吸収されてしまう。オーガがその場を脱出したその場に、ボルボロスは体を揺らし泥をまき散らす。

 (なるほどな。 胴体に攻撃を放っても泥によって吸収される。 唯一泥をまとっていない頭部には生半可な攻撃じゃあ通じねぇというわけか)

 

 「ならば 攻撃を利かせてやろう。」

 

腰を落とし両手を大きく広げる。髪が逆立ち、暴力的な貌をする。

この世界にきてオーガは初めて構えを作る。背中に現れるは鬼の貌、オーラによるものか背後が揺らめいている。それの脅威を感知したボルボロスは己の持つ最大威力の攻撃 すなわち突進を選択する。荒れ地に汽笛が鳴り響くき、トラックをはるかに超える質量とスピードがオーガに襲い掛かる。

 

(貴様の頭蓋を砕くにはただの打撃 殴るように打つのではない、ハンマーのように砕く打撃が必要だ。打撃の質を変える。)

 

    メキャ!!

 

 

先ほどの激突とは音が変わる。なにかが砕けた音、砕けたのはボルボロスの頭蓋であった。見るからに罅が入り、傷は脳にまで至っているだろう。命が消えるまでに時間はかからない。しかし認められなかったのはボルボロス、己に立ちふさがるもの全てを砕いてきたこの頭が砕けるはずがないと。

文字通りの最期の一撃、オーガの拳と交わり、再び音が変わる。

 

    グシャ!!

 

先ほどの音が砕けるものであるとしたら今回の音はすでに壊れているものを砕く、止めの音。オーガの腕が肘のあたりまで頭にめり込む。致命傷であろう、まもなくボルボロスの鼓動は動かなくなった。

 

 「久々に満足したぞ。 俺の腕が痺れてやがる。こんなことはいつ以来だ。この世界にはこれ以上がいるのか? 

…いたな あの龍 ゾラマグダラオスといったな、あいつとヤリてェ!!いつか遭遇したら次の機会は二度と逃さん。 

…こいつを運ぶのは少しばかり面倒だな。 そういえば総司令(アイツ)が言っていたな。狼煙を上げりゃあ、解体班が来るんだったか。今回はそいつらに任せるとするか。」

 

荷物を持たないオーガは、当然狼煙のための木材も持っていない。しかし乾燥した木材は周りにはあふれるほどある。その木材に拳を擦らせ、摩擦熱によって火をつける。狼煙を完成させた後、オーガは蟻塚へと足を向ける。幸か不幸か、このあとは何にも遭遇することなく、拠点へと帰還した。

 

 

 

 

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