バーボンなオリ主と降谷さん【現在公安ルート連載中】   作:ラムセス_

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休みのつもりだったけど書けたから来た!!!


ルート分岐A:大泥棒と神秘
純黒の悪夢①


 

 知らせは突然にやってくる。

 

 ある夜中の3時ごろ、緊急の電話が入った。

 

「降谷さん、緊急事態です!組織の人間が警察庁に侵入し……NOCリストを奪って逃亡した模様!」

「なっ……それは本当か風見!?」

 

 背格好は暗くてよくわからなかったが、長髪を後ろで一つにまとめた恐らくは女性。

 細身だが運動能力は高く、捕えようとした警官が数名軽傷を負ったらしい。

 

 間違いなくキュラソーだ。

 唐突に、突然にもたらされた純黒の悪夢到来の知らせに、私たちはざっと血の気の引くような心地がした。

 

 馬鹿な。どうして私達に何の連絡もなかった。

 原作通りなら事前に情報をつかんでいた公安が先回りして待ち構えていたはずだ。何かの掛け違いで私達が出払っていたというのでもない限り、連絡が来たならすぐにでも対応できたことだ。

 いや、違う。

 公安は私に連絡をあえてしなかった。

 

 私が黒の組織に鞍替えしている、という噂が以前から出回っていたことは理解している。

 バーボンの残虐行為に非難が集まっていたことも承知の上。

 とするなら……公安が裏で組織に私たちを処分させようとしている可能性は、残念ながら否定できない。

 

 電話を切り、私たちは大急ぎで思考を巡らせた。

 

───糞、黒田管理官は俺たちのことを理解していると思っていたが…もっと上からの指示か?それとも外圧か?

───なにはともあれ、すぐにでも行方をくらませるべきでしょうね。行先はルパンのアジトが安牌かと。前に留置場に入られたことを踏まえるに、公安の保護下も安全ではない

───銃弾や毒等ならお前が対処できるが、放火の恐れもあるしな…そうしよう

 

 降谷さんの声は苦り切っている。

 それも当然だ。己の所属する公安から自らが切られた可能性が出てきたのだから、これで何も感じないほうがおかしい。

 

 実際問題、組織が本気になれば私を殺せなくもない。

 原作プラーミャが行ったように街ごと吹っ飛ばすほど爆弾を仕掛けるもよし。何も知らない人間に放火させるもよし。

 なりふり構わなければ、居場所が分かっている相手なら意外と圧倒的強者でも殺すことが可能だ。

 だからルパン達は所在を明かさないし、常に居場所を転々としている。

 

 近場のルパンのアジトをするりと思い返し、簡単な夜逃げの準備をしようとしたその瞬間。

 ピピピピピピ、と着信音が耳に甲高くがなり立てる。

 組織から支給されているスマホの着信音だ。

 これには組織が独自で開発した暗号化アプリ等が入っており、意外と便利に設定されている。

 

 組織の一存で位置情報が獲れるようにもなっている辺り、まあまあ扱いづらい機体ではあるけれど。

 

 やや憂鬱なまま電話に出れば、「よぉ、ウルフドッグ」と相変わらず上機嫌そうなジンの声が漏れ聞こえてきた。

 

「ジン……どうしました?こんな時間に。また急な任務でも入りましたか」

『そうだ。とはいえ、この間のイタリアンマフィアの件は災難だったな。あれはテメェのせいじゃねぇから気にするな』

「ありがとうございます。貴方の口添えのおかげで助かりました。お礼のウイスキーは気合を入れましたが、味はどうでしたか?」

『は、気にするなっつってるのに律儀な野郎だ。最高だったぜ、てめえがよこした土産のつまみによく合う』

「それは良かった」

 

 知る人ぞ知る個人経営の地酒の類だからな。

 ルパンが前飲んで「こりゃサイコー!」と満足している様子だったので買ってみたのだが、あたりでよかったよかった。

 

 しかしこの滑り出しはどういうことだ?

 順調そうな感じだが、キュラソーが第一報の連絡をしくじるとも思えない。

 組織に貢献してくれたお礼に丁寧に葬ってやるとかそういうアレだったりするのだろうか。

 

『にしても、テメェは本当に災難続きだな』

「と、いいますと?」

『さっきキュラソーに日本警察の持つNOCどものリストを持ってこさせたんだが、そこにお前の名があった』

「ッ!……それは、僕を疑っているという事でしょうか」

 

 ジンは私の問いかけに「はっ」と軽く鼻で笑った。

 

『まさか。サツ共も上手いこと仕組んだもんだ。奴らにリストを狙っていることがばれたんだろうが、俺たちにウルフドッグを処分させようとはな』

 

 なるほど理解。完☆全☆勝☆利ってやつか。

 ここまで決定的な証拠が出て疑われないんなら、もう私に怖いものなど何もないな!

 降谷さんが「当然の結果だな…」みたいなしたり顔でうなずいてるけど、貴方さっきメッチャ顔真っ青だったやんけ。

 

『キュラソーの奴も悔しがっていたぜ。ガセを掴まされたとな』

「それは……キュラソーの方は大丈夫なんですか?NOCリスト奪取ともなるとかなりの重要任務のはず。任務失敗ともなるとその責は馬鹿にならない」

『そりゃ奴の責任だ。テメェも迷惑料ぐらいとってもいいだろうぜ』

 

 もしラムから処分命令が出たらお前が引き裂くか?と楽しそうに笑うジンに、ちょろいやら申し訳ないやらで複雑な表情になってしまう。

 すんません兄貴……私がNOCなのは本当なんでさぁ。

 

『だが、サツ共も馬鹿じゃねぇ。恐らくリストをもっともらしくするために本物のデータも混ぜているはずだ』

「……彼らがそこまでするでしょうか。混ぜられたものは間違いなく命を落とすというのに、なにかにつけて消極的な公的機関がそんな大それたことをするとは思えません」

『それほどまでにテメェという存在の価値はデカいということだ。それに、似たような手を前に仕掛けられたことがあったしな。テメェも関わったデカい国がらみのアレだ』

「ああ、なるほど」

 

 某国が仕掛けてきたNOCリストの事件でも槍玉に挙げられていたのか、私。

 そりゃあの国ならするだろうが、平和な日本でそれはねーよ。

 ……いやあるな…あったわ……。

 

『で、だ。疑わしきは罰せよ。連絡のあったほかの4人、キール、スタウト、アクアビット、リースリングは処分することにした』

 

 キールが死んだ!この人でなし!

 いや冗談言っている場合じゃなくて、本気でまずい。

 

『出番だ、ウルフドッグ。奴らの息の根を止めてやれ』

「かしこまりました」

 

 

───逃がせるかどうかは五分五分ですね

───まったく、嫌になるな

 




土日はお休みでござる
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