バーボンなオリ主と降谷さん【現在公安ルート連載中】 作:ラムセス_
私は警察病院に忍び込んでいる。
裏口から警備員の目を掻い潜りするりと侵入。
内部の人員の動きをソナーのように壁越しで完璧に把握し、位置取りを行う。
するすると蜘蛛のように進んでいけば、目的地である直美・アルジェントの病室はすぐに見つかった。
彼女は助け出されてから検査入院で一日ここに滞在する手筈となっている。
扉の前には見張りの警官が立っていたが、素早く意識を落としてトイレ個室の中に縛って置いてきた。
あの様子では私の姿すら見ることもできていまい。
寝静まった彼女の個室へと入り、私はまず監視カメラを破壊すると同時に彼女の様子を確認した。
気配から寝ていることは把握済み。
あんなことがあったのだ。疲れ果てて眠ってしまっても仕方あるまい。
カメラは私の姿を捉える前に射出した巻取り式ワイヤーの金具を当てることで壊した。
小技なのだが、監視カメラの破壊はこれが一番手早いのだ。
ナースコールを取り外し、さらりと手が届かないよう傍に退ける。
私は彼女の額に手を当てて、そっと耳元で囁いた。
「ごきげんよう、直美・アルジェント」
「………?……ッ!?!?」
彼女の反応は劇的だった。
驚愕に絶叫をあげようとしたので、そのまま額においていた手でハンカチを彼女の口へと放り込み、押さえて塞ぐ。
それでもなお懸命にもがくので、私は極力優しく彼女を拘束した。
そして組織の用意した鉄爪で頬をそっとなぞり、うっそりと笑う。
「もしかして、安心してました?もう大丈夫、もう逃げ切ったって」
「!」
「潜水艦からの大脱出劇、お見事でした。うんうん。感動的でしたよ。拍手を送りたいぐらいだ」
みるみるうちに彼女の顔が絶望に包まれていく。
血の気が引き、今にも気を失ってしまいそうに唇が青い。
私は心を鬼にして言葉を続けた。
「ところで、組織は老若認証の処分を決定しました。つまり、あなたには消えてもらいたいって意味ですけど」
「……!」
「よかったじゃないですか。これで父親と同じ場所に行けますよ。頑張りの甲斐がありましたね」
爪で布団ごと服を切り落として、彼女の肢体につー…、と一筋の傷を残していく。
溢れた血が布団を赤く染める。
「ここから二つに捌いていきましょうね。安心してください。僕、料理は得意なので」
「! ッ、ッ!?」
「ああ、暴れないで。手が滑ってすぐに殺してしまいそうになるので」
早くもカメラを意識した立ち振る舞いに飽きてきた私は、任務を早めに終わらせるべく彼女を拘束する手を少しばかり緩めた。
すかさず直美・アルジェントはめちゃくちゃに暴れ、その手が私の首のカメラを捉えるよう上手く動く。
がしゃん、と手がチョーカーについたカメラに当たって映す方向が変わる。
成功だ。
私はまた拘束を強くして彼女を締め上げた。苦悶の声が病室内にこだまする。
「ええと、まずは生きたまま薄皮を剥いで……血抜きとしましょうか。臓物も腐敗の原因なので引き摺り出しておきましょう。あなたはどんな味付けが好きですか?塩派?甘辛派?」
「ッ、ッ、ッ」
「うーん、面倒臭くなってきましたね。もういつも通り適当に臓物を出すことにしましょう。じゃあ行きますよ?……よい、しょっと」
彼女の腹に大きな爪痕を刻むとともに、持っていた血袋を彼女の腹の前で破裂させて疑似臓物をカメラの前に広げてやる。
パン、という袋の破裂する音と腹を裂かれる痛み、そして血飛沫に彼女は気を失ったようだった。
涙でぐちゃぐちゃの顔がごとりと私の肩に寄りかかってくる。
女性の体にこんな傷をつけるのは気が引けたが、これも命優先の結果。
生きてるだけでもありがたいと思ってくれ。
「ふふ、ふふふふふ」
演技派な私は堪えきれないと言った様子で笑ってみせてから、臓物を握りつぶした。
そしてうっとりとした様子でそれを彼女の頬になすりつける。
はい、ジン向けサービスシーン終わり。
撤収撤収。
たぶんこれならジンも五つ星スタンディングオベーションで評価してくれるので、今回で落ちた私の名誉も回復するはずだ。
なんとなくしょっぱい気持ちになりながら、返り血でぐっしょりの体のまま部屋を後にする。
入り口前で隠れて待機していた風見さんに、降谷さんが目線だけで合図をする。
今頃ジン達はパシフィック・ブイに攻め入って逆にロケランを撃たれて沈められている頃だろう。
ピンガがどうなるのかは知らないが、原作以上にジンのヘイトを稼いだあの男が潜水艦爆破のことを教えてもらえるとは到底思えない。
つまり、世はすべてこともなし。
ピンガも意外と面白い奴だったので死んでしまうのは心残りだが。
小さきもノが命ヲ散らすは世の常なレば。
多少のことは仕方ないと言えるだろう。
降谷さんの口数が相変わらず少ない。ただ黙って、こちらを心配そうに見ているだけだ。
なぜ彼の心境が分からないのか、何故不可解な感覚を覚えるのか。
爪でカリカリと掻くような不安が胸を去来する。
そうして、私の老若認証を巡る任務は幕を閉じたのであった。
ジンニキ「……フッ」(大⭐︎満⭐︎足)(これだよこれ)(スリザリンに一億点)