バーボンなオリ主と降谷さん【現在公安ルート連載中】   作:ラムセス_

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降谷零に成り代わったが原作がクリアできない
が好評だったので独立化しました。
https://syosetu.org/novel/355751/

前話はこちらに格納してあります。


FBI連続殺人事件③

 

 現在、FBIは工藤邸に集まって作戦会議を開いていた。

 

 話題はひとつ。黒の組織の幹部、バーボンの対策である。

 

 組織幹部のバーボンとは、数々のNOCを屠ってきた最悪の殺し屋にしてジンに忠実な猟犬だ。

 以前にFBIに送られてきたバーボン作のスナッフフィルムは、そこにいた捜査官たちを絶句させたこともある。

 凶悪極まりない殺人鬼。連続殺人犯。

 

 そして、元公安のNOCでもあったという俄かには信じ難い経歴を持っている男でもあった。

 

 そんな魔の手が日本にいるFBIに及んでいるのだ。

 一旦本国へ退却するという意見すら出たが、未だ結論は出ていない。

 

 ジョディは重苦しい沈黙の漂う室内で、慎重に口を開いた。

 

「シュウ、あなたが見つかったら間違いなくウルフドッグに殺されるわ。貴方はあの来葉峠でキールの手によって殺されたはずなんだから」

「そうだな。彼の立場では殺さざるを得んだろう。だからこそこうして手間な変装をしてまで身を隠しているわけだが」

「……奴は普通の潜入捜査官じゃない。危険なの。私はあなたが心配なのよ、シュウ」

「わかっているさ」

 

 軽く答える赤井秀一に、ジョディの不安は増してゆくばかりだった。

 赤井はジョディの言葉など何も聞いてはいないし、彼が語ることもない。

 彼が単独行動の常習犯なのは、周りが自分の思考速度についていけないことを疎んでのことだとジョディはとっくの昔に気づいていた。

 

 ジョディは静かに歯噛みして、両の拳をそっと握りしめた。

 

 と、その時。

 きい、と扉の開く小さな音がして、室内の視線が一気にそこへと集まった。

 どうやら家主が帰ってきたようだ。

 

「ジョディさんに…FBIの人たち?どうしてここに?」

「あらクールキッド。帰ってきたのね。おかえり」

 

 背中にランドセルと若干不気味なぬいぐるみを背負ったのは、この家の家主の親戚である江戸川コナンであった。

 

 訝しげな顔をしたクールキッドにことのあらまし……すなわち、FBIで使っている暗号が組織にバレたらしいことを話す。

 するとすぐにそれがただならぬことで、連日の不審な外国人の死体と関連があることに気がついたらしい。

 

 やはり埒外に賢い子だ。これが本物のギフテッドという奴なのだろう。

 将来的に米国に渡ってその力を存分に磨いてほしいとジョディは思っていたが、それはおそらくこの場に集まる捜査官の総意でもあるだろう。

 

 「それより」とジョディは咳払いして視線を横にを逸らした。

 

「ジムからの連絡はまだ無いのかしら。志願して暗号の場所へ行ったっきりみたいだけど」

「……それなら、たぶんさっきビルの屋上から落下して救急車に運ばれていったよ」

「なんですって!?」

 

 驚愕に思わず叫べば、彼のクールな瞳と視線がかち合う。

 どうもクールキッドはそれを伝えにここに来たらしい。

 しかも自力で暗号を解読し、その場所と時刻を突き止めた上で。

 

 話は急転直下、クールキッドと同じように自力で暗号を解いたものが組織側にいるものと考え、暗号を使って逆に釣りを行うことで方向性が決まった。

 

 下手な装備ではウルフドッグに正面突破で破壊されてしまう。

 そこで、米軍から取り寄せた手榴弾やC-4なども使って確実に仕留めることとした。

 暗号の作成係はジョディが担当することとなったため、すぐさまそれに取り掛かる。

 

 全員で決めた釣り出しのポイントを暗号に盛り込み、メールを送付した。

 

 

 

 

 

 FBIのメールを傍受して、目の前の画面がカクカクとした文字に切り替わる。

 

 一目見た瞬間、暗号の制作者が今までと違うことに気がついた降谷さんが「あの女教師、しくじったな」と深層心理で舌打ちした。

 

 今までヘボン式だった暗号は、小学校教師をしていたジョディ先生の勘違いによって綴りに違いが出てきてしまっていたのだ。

 

───FUと書くべき場所がHUになってしまっている。間違いなくRUMに拾われますね

───ちっ、使えないFBIめ。誰か一人でもダブルチェックぐらいしなかったのか

 

 鋭く舌打ちする降谷さんの顔は苦り切っている。

 それも当然だ。

 なにせそのFBIを殺さなければならないのはおそらく私たちなのだ。

 

───実働部隊はおそらく運転が得意で逃走に有利となるキャメル捜査官。下手をすればキャメル捜査官を僕らが殺さなければならなくなるかと

───今から頭が痛いな。まぁ、あの大男の腕ならうまく逃げ切ってくれるとは思うが

 

 FBI相手にしてはやや優しい評価におや、と私は首を傾げた。

 案外キャメル捜査官の腕を評価しているのだろうか。

 

───ゼロ、キャメル捜査官と面識ありましたっけ。

───前にキールの件であの男の運転を見る機会があったからな。中々真似できない腕だ。

 

 珍しく人を認めるような発言だ。

 予想外のことに私はパチクリと目を瞬かせた。

 気恥ずかしげに降谷さんが視線を背ける。

 

───別に、俺だって坊主憎けりゃ袈裟まで憎いってわけでも無いしな。赤井が特別なだけで

───意外ですね……袈裟どころか敷地内の砂利まで憎いものだと思ってました。

───こら

 

 降谷さんに嗜められて私は少しばかり肩をすくめた。

 

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