バーボンなオリ主と降谷さん【現在公安ルート連載中】   作:ラムセス_

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14番目の標的

 

 無事に宮野明美と宮野志保の引き合わせは成功した。

 

 やったぜ!ミッションコンプリート!!

 内心で降谷さんと2人でパリピみたいに肩組んでハイタッチしつつ、宮野姉妹の再会を祝った。

 

 再会の後、彼女達は順調に失った時を取り戻し始めているらしい。

 こちらが支給した足のつかない端末で頻繁に電話し、対面で会う日程もすでに決まっているようだ。

 ここから先は安全のため風見が音頭をとることになっている。

 

 コナン君には私が公安所属であると伝えていないが……今後、話す必要性が出てくるかもしれない。

 その布石のために風見と接触させるのも悪くないからな。

 

 また、灰原さんも多少トラウマが改善したようだった。

 私が近付くと怯えるのは変わりないが、逃げずに会話はしてくれるようになったからだ。

 

 めちゃくちゃ引けた腰で「バッグ……ありがと」とそっけなく話しかけてくれる様は私達としても感動ものだった。

 恐怖にびくつきながらもおずおずとこちらを見上げ、小動物のように近づく姿。

 

 その時の内心の盛り上がりよ。

 あまりの盛り上がりに、心理の底で2人して豪華絢爛なシャンパンタワー具現化してたわ。

 

 ちなみにNo.1ホスト役は私。狂ったように貢ぐ客役が降谷さんの即興劇も始まった。

 ちゃんとシャンパンタワーはライトアップしてある。

 何故か貢ぐ女性に対する解像度高い降谷さんが、前髪を手でクルクルさせながら「透君はさ、子供は…何人がいい?」とか裏声で聞いて来たりもして、2人して謎テンションで爆笑していた。

 腹捩れるから不意打ちは止めてくれよ!!!

 

 と思ったら突然「俺が実際に言われた怖い女語録〜」とかいってドンドンぱふぱふやり始めたから恐怖の方が勝った。

 イケメンって辛いんだな…。

 おいたわしや降谷さん…そんな虚無の顔で読み上げるべき語録の内容じゃないぞソレ。

 

 謎にしんみりした空気でシャンパンタワーの酒を降谷さんと分け合う内心よ。

 偽物の酒だから酔えないんだけど、気分だけでも酒を飲みたい雰囲気だったし。

 

 とまあ、そんな愉快な日々を過ごしつつ。

 少年探偵団の世話も最近は積極的に行なっている。

 阿笠博士より体力がある、ということで暇を見つけてはキャンプに付き添ったり、子供たちの遊び役になったり。

 本職の探偵であるのも手伝って、子供達もいろいろ私から話を聞きたがった。

 

 血生臭いことを言わないか後ろで監視してるコナン君が、厳しい目線でこっちを見てたりはしたが。

 どうせ旅行先で死体とエンカウントするんだから話ぐらいいいと思うんだがなぁ。

 

 なに?人間の暗殺方法とか語り出すんじゃないかって心配してた?

 ……さすがに言わねーよ子供相手にそんなこと。

 しかも私は正面戦特化だから暗殺は苦手な方だし。

 

 などと異議申し立てをしたら余計に厳しい目で見られることになった。

 

 そんなこんなで本日。

 今日は阿笠博士とともに保護者として少年探偵団と航空博物館に行く予定だ。

 灰原さんも共に来ている。

 歩美ちゃんとはそこそこ仲が良いようで、隣同士座って歩美ちゃんが何やら話しかけている。

 子供達の話を聞く灰原さんの表情は優しい。

 

 さて、寝坊したのか阿笠博士はなかなか来ない。

 待ち合わせの駅には古い備え付けのゲーム機が置いてあり、暇に任せてそれに飛びついたのは歩美ちゃんだ。

 

 タロット占いゲームとかいう時代がかった機体で、結果表示は「Aの予感」。

 

 そこで私はピンと来た。

 ああ、コレ劇場版2作目、14番目の標的か!

 Aの予感が何かは覚えてないが、降谷さんに聞けば「キスって意味だろ」とサラッと答えてくれた。

 マジでいつの時代の機械なんだよ。

 

 14番目の標的は、事故によって味覚障害になってしまったソムリエが犯人の一作だ。

 海洋娯楽施設アクアクリスタルが派手に爆発したり、ターボエンジン付きスケートボードが活躍したりと昔の作品ながらも作品の基礎は出来上がっている。

 内容もアガサ・クリスティのABC殺人事件の流れを汲んだ推理モノだ。

 

 たしか、毛利探偵が刑事を辞めた理由の回想が入るのも今作だったか。

 

 事件中ずっと刑事さんがいるから動きづらいが、海洋娯楽施設アクアクリスタルが爆発するのは確実だ。

 私の身体能力であれば、多少とでも助けにはなるだろう。

 

「どうかしたのかよ?」

「いや。また忙しくなりそうだな、と思ってね」

 

 怪訝な顔のコナン君に私は濁した回答をした。

 もろに原作知識だから話すわけにはいかないし。

 

 コナン君は訝しげにしつつも追及を避け、ぼやっと少年探偵団の方を目で確認する。

 

「そういや、あんたは飛行機の操縦とかはできるのか?」

「一応ひと通りはできるよ。流石に旅客機は触ったことないけど、セスナぐらいなら飛ばしたこともあるし。古い機体もいろいろ触ってるよ」

「へー。組織もそういうの使うんだな」

「使うのはどっちかと言えば……まぁいいか。うん」

「いや気になるから言えよ」

「ジンって意外と面倒臭がりだから、僕にセスナ運転させて現地に向かうことも多いよ」

「え、マジか。お前ジンの小間使いしてんのかよ」

 

 コナン君はウゲェ、と言う顔をして嫌がった。

 失敬な、ジンの小間使いは黒の組織の情報がたくさん入ってスパイとしては中々良い位置なんだぞ。

 

 というか古い機体をよく使うのはルパン達の方なのだが、まあ今言わなくても良いだろう。

 どうせ将来的にバレることになるんだし。

 

 白昼堂々コナン君とどうでもいい黒の組織談議としていれば、灰原さんにキッと睨まれてしまった。

 コナン君とちらっと視線を交わしてから黙り込む。

 灰原さんに怒られたくないしな。

 

 お口にチャック、お口にチャック。

 

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