バーボンなオリ主と降谷さん【現在公安ルート連載中】 作:ラムセス_
筆力が落ちてきたのでもしかしたら投稿を隔日にするかも。
老化がひどい…。
あれから、スイーツ巡りを終えて帰ると殺人事件が起きていた挙句すでに解決していたりと忙しない状況であった。
さすがはコナン世界。と言うかコナン君の死神具合。
犯人を連れたパトカーと帰りにすれ違うとか、速攻事件速攻解決にも程がある。
また、服部君とイチャラブしたと主張する大岡紅葉の挑発などが和葉ちゃんに刺さるなどサスペンスラブコメディ要素も満載。
人の殺された現場でイチャラブできるのは普通に心臓に剛毛が生えているが、それはこの世界なら普通かもしれない。
とまぁ、そこまでは平和だった。
問題はその後に噴出した。
京都に赴いた一週間後のことだ。
何故か大量の報道陣に囲まれたベルモットが、偶然出会った私を見るなりしまった!と言う顔をしたのだ。
報道陣はどう見ても外国の方が多そうだ。
白人などアメリカから日本まではるばる出張してきた人員のように見える。
「クリス、こっちへ」
「っキティ!」
咄嗟に路地裏に引き込んで姿を見られないように自身も身を隠す。
素早く持っていた上着をベルモットに被せてやり、簡易的な変装とする。
ベルモットを見失ったらしい報道陣がわっと駆け出すのを尻目に、私はゆっくりとベルモットをエスコートした。
騒ぎ立てられることを好まない彼女が報道陣に追尾されているのは可哀想だったからな。
「ベルモット、大丈夫ですか?」
「………」
黙りこくったまま、ベルモットが英字ニュースを見せてきた。
その英字ニュースが映るスマホの画面を読んで、私は素直に仰天した。
なんと、アメリカの報道雑誌に「ハリウッドの大女優クリス・ヴィンヤードが熱愛か!お相手に迫る!!」などと私との食事会の様子を激写されてしまっていたのだ!
そのまま大手チェーンレストラン「Danny's」に身を寄せて詳しい話を聞くことにしたが、道中私もベルモットも無言だった。
気まずいと言うか、お互い普通にそう言う関係では無いので申し訳なさが先に来るというか。
なんとなく狭苦しい店舗内で、私たちは向かい合って席に座り、居心地悪げにメニュー表を広げた。
ベルモットが視線を逸らしながら口を開く。
「ごめんなさい。迷惑をかけてしまって」
「僕こそ全く気づくことができませんでした。気配に聡い僕が気づくべきだったのに……」
Danny'sのトイレで先ほど、ベルモットは軽く変装を完了させた。
カメラの目を誤魔化すためだ。
今は見知らぬ美しい日本人女性の姿をしている。
ベルモットが憂い顔で大きくため息をついた。
今後を思えば私も憂鬱さは変わらない。
気配に敏感なはずの私が気づかなかったのは、まぁある程度は理由がある。
というのも、ベルモットは割と常に悪意に晒されているのだ。
ハッと息を呑むほど美しいかんばせに豊満な肉体は悪意に晒されやすい。
そのため、私としてもそう言った手合いとの見分けがつかないのだ。
………とはいえ、所詮は言い訳だ。
降谷さんも厳しい顔をして今後の動きについて考え込んでいる様子。
私は慎重にベルモットへと問いかけた。
「今後についてですが、どう動きますか?今のところ僕の素性はバレていませんので、誤魔化すのが一番楽かとは思いますが」
「この際だから正式な恋人として発表するのはどうかしら?」
ベルモットがおどけるようにウィンクした。
おおっと降谷さん素早くオエー鳥。
過去最速のタイムだったかもしれない。
「嬉しいお誘いですが、お互いにとって危険すぎます。なんとか誤魔化す方向でいきましょう」
「残念。……冗談ではあるけれど、そこそこに良い提案だと思ったのだけれど」
ベルモットは少しだけ傷付いた顔をして、そのまま話題を逸らした。
彼女が私を好いているのは分かっているが、そうした関係はお互いのためにならない。
だから私がそれに応える事はないし、ベルモット自身も応えて欲しいとは思っていない。
「それより、何この野暮ったいレストランは。もう少しなかったの?」
「ははは。高級レストランと比べると細やかな点は劣るかもしれませんが…その手のレストランに入るとマスコミに見つかるかもしれませんから」
「……そうね。忘れてちょうだい」
超高級な食事に慣れているベルモットには、この手のチェーン店は食事に耐えうるところでは無いのだろう。
どうしても違いが目について顔を顰めている。
しかしながら大衆受けする料理というのも侮れないもので。
むっつりとしながらスパゲッティを口に含み、「これはこれでアリね」と納得したように頷いたようだ。
と、その時のこと。
「あ、安室さんじゃないですか!」と幼い声が一つ。
振り向けば、ジュースを持った光彦君がニパッと笑ってこちらを見ていた。
「光彦くん!奇遇だね、ここからだと映画の帰りかな?」
「そうです!仮面ヤイバー対コスモ探偵ギンガザ・ムービー!」
「ああそれ、評判いいみたいだよね。女ヤイバーの子が可愛いって」
「そうなんです!安室さんも見に来ればよかったのに!」
「今回は用事があって一緒に見れなくて残念だよ。そうだね、僕もせっかくだし機を見て別途見に行こうかな」
光彦くんはニコニコと「それが良いと思います!」と力説した。
仮面ヤイバー映画がよほど楽しかったようだ。
隣のベルモットが微笑ましそうににっこりした。
「そう言えば見ましたよ!あれ安室さんですよね!ハリウッド女優と熱愛だって、コナンくんがニュースを教えてくれました!」
「あー……」
コナンくんが英字のネットニュースを見ていて、それを少年探偵団も聞いたのだろう。
いや、日本の一部メディアは日本語訳した記事を出していたから、それを見たのかもしれない。
面倒臭いことになった。
そこに「光彦なにやってんだー!」「料理届いたよ光彦くん!」と歩美ちゃんと元太君もダイナミックエントリー。
すっかり席は騒がしくなってしまった。
ふと、今気付いたように光彦くんくんはベルモットの方へと視線を向ける。
「そう言えばそちらの人は……ま、まさか!浮気ですか!?ハリウッド女優さんを差し置いて!?!?」
ピシャーン!と雷が落ちた顔をして光彦君がのけぞる。
もはや収拾がつかないんだがコレ。
ベルモットは相変わらずニコニコしてるし、誰かなんとか言ってくれよ。
「さっき太閤名人が警視庁交通部の苗子さんとデートしてましたし!白鳥警部も由美さんと、小林先生も千葉刑事と食事してました!こ、これは…!浮気のビッグウェーブ…!」
「誤解だからね!?」
そんなビッグウェーブは捨ててしまえ!
私は割と投げやりに笑顔を引くつかせた。
というか浮気多いな。多分誤解なんだろうけどどうしてこうも知り合いばっかが同じDanny'sに集まるんだ。
歩美ちゃんが「やだーー!!!」と顔を真っ赤にして眉をハの字に下げ、元太くんが「フケツだぞ!」とストレートに私を非難してくる。
「あのね、あのね、違うんだよ、彼女はただのクライアントで…」
「おいオメーら、いつまでやってんだ。料理さめちまうぞ」
そこで満を持してコナンくんの登場である。
みんなまとめて帰ってくれ。
コナン君はこてりと小首を傾げ、私を見て「安室さん!?」と素っ頓狂な声を出したのだった。