バーボンなオリ主と降谷さん【現在公安ルート連載中】   作:ラムセス_

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孤独を思えばこそ

 

 前回までのあらすじっ!

 

 私とベルモットの熱愛報道!Danny'sでのコナン君との不幸な邂逅!広まる勘違い!不当に子供達に非難される私!!!

 

 こうして振り返るといい事ないな、今日…。

 

 それはともかく。

 ベルモットがウィンクして、コナンくんに対して手を振った

 それで彼女が誰か、コナンくんは瞬時に分かったのだろう。

 多分事前に組織の気配を感じ取った灰原さんからも忠告を受けていたのもあるかもしれない。

 

 コナン君はむっつりとして子供達を叱りつけた。

 

「オメーら、帰るぞ!安室さんは仕事中だから邪魔すんな!」

「えーーー!!!でも浮気ですよ!?」

「歩美気になる!!」

「ふふ、気になるなら後でおしゃべりしましょう。でも今は帰ること。食事が冷めたら悲しいわよ?」

 

 ベルモットの優しい言葉に、子どもたちは納得とはいかずとも理解はしたらしい。

 「はーい」とやや膨れて言った。

 せっかくの温かい料理も冷めてしまっては美味しくなくなるし、何より行儀が悪いと分かっているのだろう。

 やっぱりこの子らも小学一年生としてはかなり行儀がいいんだよな。

 

 去り際にコナン君がチラリとこっちをみて「まさか本当に…?」みたいな顔をした。

 もちろん、それに関しては笑顔の圧を強めてそれを返事代わりとする。

 絶対その顔、「ベルモットと恋仲って本当だったのか」の顔だろ。

 あるわけないだろそんなの。降谷さんが憤死してしまうわ。

 

 などと考えていた次の瞬間。

 きゃああああああ!!!と奥の部屋から悲鳴が聞こえてきた。

 

 どうやら事件があったようだ。

 思わず悲鳴の方に目を向ければ、倒れ伏した人が一名と、その傍で悲鳴をあげている知人らしき人が数名。

 気配感知に反応がないということは、すでに倒れ伏した人は死んでいるのだろう。

 

 ものすごい反応速度で駆けつけたコナン君が「触っちゃダメだ!!」と同席者に注意する。

 というか、今ワープみたいな速度で駆け付けてなかったか?

 

 加えて捜査一課の千葉刑事と白鳥警部が集まって死体を見分し始めた。交通課の苗子さんを添えて。

 うーん捜査一課の現着が早い。

 

 まぁ先ほどコナン君が出現した段階で、こうなる心の準備はできていた。

 降谷さんが「本当に彼の死神具合は半端ないな…付近の殺人事件全部吸い込んでるとしか思えない」などとコメントを残す。

 

 もう料理を食べ終わっていたこともあり、ベルモットに視線を向けて問いかける。

 

「どうします、面倒なことになる前に帰りますか?」

「そうね。事件の方は彼が解決するでしょうし、私たちはこの辺でお暇しましょう」

 

 頷きあって席を立つ。

 子供達にはおしゃべりはまたの機会ということで。

 どうせ後日私が問い詰められることになるだろうし、別にいてもいなくてもええやろの精神だ。

 

 そのまま気配を消して、騒然とするDanny'sの店内からするりと出ていく。

 駐車場はすでに暗く、煌々とした駐車場の灯に照らされて車がぼうっと浮かび上がっている。

 

 愛車である白のRX-7に乗り込み、私は座席に腰を下ろした。

 

「いつものホテルの前でいいですか?」

「………ありがとう、キティ。そして残酷な人」

 

 ベルモットが耳元で囁くように肩を寄せる。

 吐息が触れそうな距離。

 静かな車内でお互いの気配だけが伝わってくる。

 私の頬に指を這わせて、ベルモットはキスにも似た仕草で顔を近づけてきた。

 

「貴方は私の心を知っていて、それでいて絶対にそれに応えることはない。まるで遠い星に手を伸ばすように、求めはこぼれ落ちていくだけ」

「僕はこの世の誰であろうと色良い返事をすることはありません」

「わかってるわ」

 

 しばらくの沈黙。

 そして「……分かってるの」と彼女は切ない声を落とした。

 

 私もまたベルモットの白い首筋へと手を伸ばして、できる限り淫靡な雰囲気を作ろうと努力した。

 彼女の満たされぬ気持ちに謝罪するように、私は艶やかに微笑んでみせた。

 

 手の甲に彼女の肌のなめらかな感触が伝わってくる。

 私のタコだらけのごつごつした手で触るのは可哀想だ。

 指先だけでなぞるように触れて、彼女の手を取って指を絡める。

 溶けてしまいそうな肌の温度だけが鮮烈に心を穿つ。

 

 ……。

 というか降谷さんポプテピピックみたいな顔でキレるのやめてくれないか。

 「俺の身体で許されざる関係に出るのはやめろ」?

 いや出てないじゃん断ってんじゃん。

 

 私にゴスゴス肘打ちもしない。仕方ないでしょこのぐらい!

 仕方なくない?全年齢で許される程度にしろ?

 ほなあかんかぁ……。反省反省。

 

 と、そろそろ内心の降谷さんが暴れ出したあたりで、私に突き刺さる視線を感じ取った。

 

 ………ん?視線?

 

 RX-7の窓からDanny'sの店内を覗くと、コナン君と子供達がひしと窓に張り付いてコチラを伺っていた。

 何やら興奮した様子で騒ぐ子供達、心底げんなりした顔の灰原さん、呆れ返るコナン君。

 きっとこの角度だとベルモットと私がキスしたように見えたことだろう。

 

 こら、事件に集中しなさい君たち!!

 

 ベルモットが楽しそうにころころと笑った。

 

「あら、覗きなんておませな子達ね」

「これ後で絶対碌でもない追及を受けるやつですよ……ベルモット、貴方どうやって責任取ってくれるんですか」

「ふふふ、ごめんなさいねキティ」

 

 至極上機嫌そうに謝って、ベルモットはシートベルトを付けてから「出してちょうだい」と言った。

 大人しく私もアクセルを踏む。

 車はするりと動き出し、子供達の視界から消えていく。

 

 あの心のない触れ合いで彼女の心が満たされることはない。

 だが、彼女の永劫の孤独を思えばこそ、何かしてやりたくなるのが人情というものだろう。

 

 夜の街を走るRX-7が、都市の光を反射して硬質に煌めいていた。

 




・子供達の脳内
安室さん!女優のクリスと付き合ってるのに謎の女性と浮気してる!フケツ!!

・灰原さん
潜入捜査官が組織幹部と爛れた一夜の関係を持ったのね…。

・コナン君
安室さんってゼロさんの許し無く恋愛しなさそうだし。
ベルモットが何か欲しい情報でも握ってたのかな…ベルモット相手にロミトラとか安室さんもやるよなぁ…。
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