バーボンなオリ主と降谷さん【現在公安ルート連載中】   作:ラムセス_

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100万ドルの五稜星終

 

 それからすぐ、福城聖という人物が逮捕されたという一報を耳にした。

 

 私はよく知らないが、どうやらあの銃撃戦の時にコナン君達を体を張って助けてくれたらしい。

 つまり、コナン君の恩人というわけで。

 一応証拠に不十分な点があったらしく、遠くないうちに釈放されるそうだが。

 

 対して。

 私たちは北海道警察からこってり絞られてた。

 

 「死んでたかもしれないんだぞ!」「こんな危険行為で周囲の人間が怪我をしたら責任取れるのか!」などなど。

 公安に回されるからかお説教も控えめだったが、それでも長時間にわたった。

 そしてその後は公安の担当者に変わり、ぺいっと警察署から放り出された。

 公安の回りくどいおかたい言い回しを要約すれば「大人しくしてろ!!!」とのこと。

 

 とはいえ、私も服部君もコナン君も、3人揃ってむっつりするだけで反抗的な態度であった。

 

 というわけで。

 そうして、現在は近くのカフェレストランに身を寄せている。

 騒がしい店内は子ども連れや観光客でいっぱいだ。

 そこで私たちは各々少し遅い昼食を取っている。

 私はスープカレーを頼んだ。具沢山で実に美味しそうだ。

 

「あー、何もいまいちしっくりこぉへんやんけ!やっぱ良衛さんのところにいくしかないやろな」

 

 むむむと服部君が唸り、ため息をつく。

 

 良衛さんとは、宝のありかを示す6本の刀のうち、2本を所有する民間人だ。

 そして宝の破壊のためなら殺人すら厭わない、ちょっと厄介な方である。

 

 うーん、そろそろ無粋だがネタバラシをせねば事態が混沌を極めかねない。

 私はコーヒーを含みに汲みながら、おずおずと口を開いた。

 

「ところで君たち。僕、今まで黙ってたことがあるんだけど」

「?なぁに、安室さん」

「なんや、そんなけったいな前置きしおって。はよ言うてみ」

 

 私はやや目線を逸らして背を背もたれへと預けた。

 

「斧江圭三郎の残した宝の在り処と宝の正体、知ってるんだよね、僕……」

「なんやてぇ!?!?!?」

 

 ガタッ!!と椅子から立ち上がり、「なんで知っとるんや、というかなんではよ言わへんねや!!」と怒られてしまう。

 そりゃそうだ。

 私も言う機会を逃してからだんだん心苦しくなってきたからな。

 

 「いやぁ、僕は君たちが襲撃されるまで別行動していたし。君たちが必死で調べてる横でネタバレをするのは良くないと思って…」などとモゴモゴと口ごもってしまう。

 二人からジト目で睨みつけられ、私はゴホンと咳払いした。

 

「えーっと。まず何で知ってるかって言うと、ルパンから聞いたからだ」

「っ、つまりもうお宝は盗まれとるっちゅうわけか!?」

「いや。宝は盗まれてないよ」

 

 斧江圭三郎の残した宝は三度狙われている。

 一度目は初代怪盗KID。

 彼はその宝をそのまま盗まずに残しておいた。

 二度目はルパン三世。

 彼も初代怪盗KIDの意思にならい、宝をそのままにした。

 そして三度目が今。

 カドクラ、斧江拓三、福城良衛さんの三勢力が入り混じる混沌だ。

 

 まぁ、今ではカドクラと斧江拓三が逮捕されたから、あと残るは良衛さんだけだが。

 

 そうして、宝の在り処の解き方、暗号の構成などをつらつらと説明していく。

 これらは皆前にルパンが涙ながらに酒の席で語ったものだ。

 あんなにワクワクした仕掛けを解いていったのに、最後の宝がアレ!!!とぐずぐず嘆いていたのが思い出深い。

 

 難しい顔をして服部君が眉間に皺を寄せた。

 

「ルパンが……それで、宝の正体は何やったんや?」

「昔の暗号機だよ。巨大なカラクリ装置。今となってはスマホ一台にも劣る、歴史的遺品さ」

「戦況を一変させるような……なるほど、嘘は言ってないってわけだ」

 

 コナン君が納得して頷く中、「なんやそれ、肩透かしな宝やな」と正直な意見を服部君が出す。

 

「ルパンはたいそうガッカリしたらしいよ。そりゃ函館山の観光資源にはなると思うけど、宝としてはゴミでしかないからね…」

「ははは…それで、場所がわかってるならそのまま警察に教えておこっか。また宝を狙ってこんな事件が起きても大変だし」

「せやな。ルパンの言ってることが正しいかの確認も兼ねて、刀の所有者の良衛さんにも伝えるとするか」

 

 というわけで、道中電話で北海道警察の西村警部に服部君が電話すれば。

 「……それ、マジならえらいことだぞ。一体どうやってあの国際指名手配犯のルパン三世と連絡を取ったんだ」と凄まれてしまった。

 

『すぐに署に来い!』

「いやぁ、ルパンの言ってることが本当か確かめるために良衛さんちに向かっとるとこで…」

『そんなのはウチでする!ったく!面倒ごとしか起こされねぇな!!』

「いいやないか。宝の在り処と正体もわかったんだし、お手柄やん」

『俺が上に提出する報告書のことももうちょっと考えてくれよ…』

 

 などと西村警部の嘆く声が漏れ聞こえてくる。

 たしかにルパンから聞きましたよー!が真面目に通じる報告書なんてないわな。

 

 ひとまず、以前に公式にルパンと面識のあるとされているコナン君がルパンから聞いたと言う体でいこう。

 

 そのような話をヒソヒソとしながら、私はちょっとばかり目線を逸らす。

 

 これ署に蜻蛉返りだな。

 また説教されるのかな…いやだな…話巻いてくれないかな……。

 ともぞもぞ考えていたら、「そうだな」と全然気のない降谷さんの返事が返ってきた。

 降谷さんは内側の武家屋敷の居間で取り込んだ過去のニュース番組の記憶を見ながら、まったり寝そべって煎餅を食べている。

 

───説教代わってくれてもバチは当たらないと思います!!!

───断る。俺はここでゆっくりしてるからお前は大人しく怒られてこい。

 

 ばりっと煎餅の二袋目を開けて降谷さんが新聞を広げた。

 

───この………この引きこもり!!

───はっはっは、聞こえんな。あー、せんべいはやはりエビ味が至高だな。思っただけで菓子作り放題。これだから内側は良いところだ

───太ってしまえ!!!デブゼロになったら笑ってやりますから!!

 

 と、醜い言い争いをしながら、私たちは迎えの警察車両が来るのを待ったのであった。

 




・斧江圭三郎の宝
函館市の新たな観光資源!!として湧いているらしい。

・福城良衛
この後、斧江財閥の宝が何か知って絶望して自首する人。
TVカメラが押しかけてきた頃には全てが終わっていた。
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