バーボンなオリ主と降谷さん【現在公安ルート連載中】   作:ラムセス_

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これ書くのに1時間しか掛からなかったししっかり休めたな!(強弁)
文字数少なくてすみません…。


瞳の中の暗殺者①

 

 警察官が謎の人物に撃たれ、次々亡くなっているらしい。

 

 マスコミが世間を賑わし、やれ恨みによる犯行だとか、やれ警察組織に対する挑戦状だとか騒いでいる。

 これには降谷さんも難しい顔で黙り込むばかりで、私としてもコメントしづらい。

 

 たしか、劇場版『瞳の中の暗殺者』だったか。

 犯人を目撃した蘭ちゃんが記憶喪失になってしまう話で、トロピカルランドでの犯人との追いかけっこが印象的な作品だ。

 

 そんな中で連絡を受けたのは白鳥警部の妹さんの結婚お祝いパーティーのご招待だ。

 

 白鳥警部とは時々食事に行く仲で、推理手法の話だったり佐藤刑事への片思いの話であったりとをよく駄弁っていた。

 最近はとくに高木刑事が佐藤刑事に粉かけてるとかで、刑事部全体を敵に回しているらしい。

 佐藤刑事も人気者で大変だなぁ……。

 あと高木さんはそれ冤罪だと思うので許してやってくれ。

 

 会場にやってくれば、既に米花プラザホテルの大ホールは厳しい顔の警察官でいっぱいだった。

 捜査会議か何かか?

 新郎新婦もこれじゃ可哀想だろ。

 

 華やかなパーティドレスに身を包んだ園子さんと蘭ちゃんが「あ、あの事件以来ですね安室さん!」と声をかけてきてくれた。

 

 蘭ちゃんには毎日のことだし一言挨拶し、園子さんには少々礼儀正しく「お久しぶりですね、園子さん」と微笑む。

 資産家令嬢と仲良くなって損はないからな。

 

 しかしながらイケメンにキャーキャーいうのが常の彼女は、前々から私にはあまり近付いてくれないのだ。

 

 何がいけないのかなぁ、などと思いつつすごすご去れば、後ろから小さな会話が聞こえてきた。

 

「いい男よね、安室さん。優しくて何でもできて、推理力も抜群で」

「でも園子いつもみたいに色々言わないじゃない。なにかあったの?」

「あの人、いつも一歩引いてるっていうか、近付いてくれるなオーラが出てるのよね。人嫌いなのかしら」

「そう?凄く接しやすくて気さくないい人よ?」

「そりゃ表面上はね。まあ、あれだけ顔面が良けりゃ色々苦労もしてるはずよね」

「そうなんだ…知らなかった」

 

 と、そういう訳らしい。

 

 間違いじゃないんだが、多分苦労した人嫌いは降谷さんの方だ。

 私は仕事的に深過ぎるプライベートな付き合いはあまり持たないようにしてるだけだからな。

 むしろ人との会話は好きな方だ。

 

 しかし、私達の人物像をそこまで的確に察知されてしまうとは、相変わらず流石の一言だ。

 やはり弟子入りも考慮すべきか。

 

 どう女子高生に弟子入りする成人男性という事案を問題にならず自然に見せるか思案していると。

 佐藤刑事が大ホールを出ていくのがちらりと見えた。

 その後を追ってするすると会場を後にする此度の真犯人──風戸京介の姿も。

 

 ふむ。

 私は2人の後を追ってひとけの少ないトイレ周りの廊下にそっと身を隠した。

 

 その時。

 遠く爆音が響き、会場のある階の電気が消えていく。

 電気周りの設備を爆破したのだろう。

 

 暗闇の中でサイレンサー付きの銃を取り出す風戸が私の夜目によく映る。

 

「その銃で何をする気ですか、風戸さん?」

「ッ!?」

 

 風戸は振り向きざまに拳銃を乱射。

 素人にしてはいい反応だ。

 

 3、4発銃撃されたが、軽く全弾警棒で壁へと弾きあてる。

 この程度なら脅威でも何でもない。

 サイレンサー付きということでか多少弾速が上がっているが、ライフルと比べたら誤差でしかないからな。

 

 私は視界に何の問題もないが、犯人である風戸さんは夜目も利かないのだろう。

 舌打ちして逃げようと踵を返す。

 

 その、瞬間。

 

 風戸が懐から誤って取り落としたのは、小さめの一つの爆弾であった。

 「あっ!」という焦った声。カチッというスイッチの入った音。

 恐らくは手榴弾以上大規模爆破以下の威力を持つであろうそれが、床に跳ね返ってこっちに転がってくる。

 嘘だろそんな偶然あるか!?!?

 お前原作では持ってなかっ……。

 

 瞬間察する。これは間違いなく死ぬ距離だ。

 時間がない。死ぬ。

 着地を気にする余裕すらない。本気でまずい。

 

 なりふり構わず全力で横に飛ぶ。

 

 爆破。熱。肌を焼かれる痛み。

 

 そのまま爆破で壁に叩きつけられ、頭を強かに打ちブラックアウト──したが、魂たる私に気絶はない。

 

 「がっ!?」と悲鳴をあげて意識を失った降谷さんを尻目に、なんとかズルズルと床を這って周囲を確認する。

 風戸は爆発に乗じて逃げ出したようだ。

 爆音を聞いて警察官達が血相を変えてホールの扉を蹴り上げたところで、ちょうど停電も復旧して廊下に光が戻る。

 

 これで、私が意識を失っても問題はないだろう。

 

 肉体を無理やり動かした反動で魂が軋んでいる。

 消耗が激しい。

 

「安室さん!!」

「無事か安室ッ!!?」

「こな……」

 

 毛利探偵とコナン君が来たところで、いよいよ安心して力が抜ける。

 ああ情けない。

 こんなの五エ門先生に知られたら再修業決定だ。

 

 

 床に倒れ込み、爆発による傷と火傷とを晒したまま、私は体の操作権を手放した。

 

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