四代目カラクリ吉右衛門伝   作:於涼

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♦ 世紀末の魔術師の巻≪後編≫

 

 

 メガネ少年がとっても恐ろしいが、それはそれとしてヒミツの地下室というものは幼心がくすぐられテンションが上がる。

 

 わあ、この張板の扉、地下側からも開けられるじゃん!とレンガを軽く叩いていると、またメガネ少年の視線が突き刺さる。

 

 ……余計なことはしないでおこう。

 

 

 地下へと下る階段はかなりの長さだった。途中開けた通路に出たが、それでもエッグが収められていると思われる部屋は現れない。岩肌を掘った階段と通路の連続、その様相はまるで炭鉱だった。地下室どころかRPGのダンジョンマップのような規模の大空間だ。……まさか香坂氏が一人で作ったわけじゃないだろうな?

 

 作るのに何年かかるかオレが思考を飛ばしていると、いつの間にか一同の話題はその香坂氏についてのものになっていた。

 

 「曾祖父は1900年のパリ万博に16歳でからくり人形を出品し、そのままロシアへ渡ったと聞いています」

 

 「なるほど……1900年といえばまさに世紀末ですな」

 

 夏美さんの説明に深く頷く毛利探偵。

 

 「子庵くんのひいお爺様と深い交流があったそうで、その縁からずっと整備をしてくださっているんです。そういえば……子庵くんのひいお爺様にも何か二つ名がなかったかしら?」

 

 夏美さんの無垢な問いにオレは内心汗を垂らす。

 オレ自身は大したことのない若造だが、”カラクリ吉右衛門”の名は大きいのだ。こんなに美術品の専門家が集まった場でその名を出せば面倒なことになるのは決まっている。お得意様にはむやみに話さないということが暗黙の了解となっているのだが、ずっと海外暮らしだった夏美さんはその辺りに疎いようだ。

 

 「うちの曾祖父は香坂氏ほど著名ではありませんよ。それにあれは二つ名とは少し違いますし……」

 

 オレは曖昧な言葉を並べた。

 別に間違いではない。有名だったのは高祖父であり曾祖父ではない。

 

 

 

 秘宝へと近づく高揚感と、殺人鬼の影からの緊張感。それらが混じり合った異様な雰囲気の中、ふと脇道から石が転がり落ちるような音がした。

 

 「ボク、ちょっと見てくる!」

 

 と、飛び出すメガネ少年とそれを追いかける黒羽。

 

 ふと、背後で人が動いた気配を感じた。オレの横にいた泥棒もどきのおっさんも反応したのか、後ろを振り向きその気配の後を追おうとする。

 

 「おっさん、どこ行こうとしてるんだ?」

 

 「い、いま青蘭の奴が出て行ったんだ!あいつ、お宝の在処に気づいてこっそり独り占めしようとしているに違いない!」

 

 「まさか、アンタじゃないんだから。物落としたことに気づいて拾いにいってるとかじゃないの?すぐ戻ってくるさ。放っておきなよ」

 

 不満そうなおっさんをなだめつつ、オレは先ほどオレたちが通ってきた道を見つめる。

 

 ふーむ。今このタイミングで単独行動をしたのはメガネ少年と青蘭……あのショートヘアの女性か。そしてこのおっさんも動きかけたが、先ほどからの小心者っぷりから見るに堂々と事を起こす勇気はない。なら、怪しい奴は明らかだ。

 

 

 しばらくするとメガネ少年と黒羽が何故か少年探偵団の子どもたちを連れて戻ってきた。何やら別の入口を見つけて入ってきたらしい。まさか城外の塔にもあったとは……城の中の図面しか見てなかったから思いつかなかったや。

 

 一瞬こちらを向いた黒羽に目配せをする

 黒羽は僅かに目を見開いたが、すぐに表情を戻し一同の先頭として歩き出した。

 

 

 「「「ずんじゃかずんじゃかじゃーん!!!」

 

 効果音まできちんと再現した子どもたちの愉快な歌声。先ほどまでの緊迫感がウソのようだ。子どもってすげえ。

 

 そんなこんなでしばらく道なりに進んでいると、突き当りに出た。行き止まり……という訳ではなさそうだ。壁には双頭の鷲、ロシア皇帝の紋章が描かれている。その鷲の頭上には宝石で装飾された王冠。よく見るとその宝石部分には薄いガラスがはめ込まれている。

 

 香坂喜市が”魔術師”と呼ばれた所以、それはガラスが持つ光を透過、屈折の性質を活かした細工にある。そんな彼の代名詞がわざわざはめ込まれているならば……

 

 

 「白鳥さん!あの双頭の鷲の王冠にライトの光を細くして当ててみて!」

 

 香坂氏の存在なんて今日知っただろうに、瞬時に答えを導き出すメガネ少年。

 黒羽が言われるままに懐中電灯の光を向けると、当然床、天井と今いる空間ごと揺れに襲われる。そして絵の手前の床が下がり、階段が現れる。

 

 「なるほど……この王冠には光度計が組み込まれているってわけか……!」

 

 黒羽の感嘆にオレは小さく頷く。

 誘われるがまま、オレたちが階段を降りると、今までのただの通路とは明らかに異なる、ドーム状の天井となっている空間に出た。

 

 その空間の奥に鎮座するのは木製の棺。

 

 その棺には先ほどの壁画と同じく双頭の鷲が描かれ、見るからに重厚そうな錠が施されている。合点がいった、という様子で夏美さんが鞄から取り出すのは、蔵掃除の際エッグの設計図とともに見つけた大きな鍵。

 

 案の定、錠は簡単に解け毛利探偵の手により棺が開けられる。

 

 棺に封じられていたのは一体の遺骨と、その遺骨に抱かれるように安置された赤いエッグ。鈴木財閥が所有しているものより一回り小さく、そして金細工により絢爛な装飾がされている。間違いなく設計図によって存在を示唆されていたもう一つのメモリーズ・エッグだ。

 

 そのエッグの中には、鈴木財閥のものと同じく精工な模型があるのかと思いきや、まさかの空。しかし、中に溝があることから二つのメモリーズ・エッグはそれぞれ別物なのではなく、二つで一つの作品だということが分かった。

 

 それが分かったタイミングで、黒羽が鈴木財閥所有のエッグを鞄から取り出した。

 

 「こんなこともあろうかと、鈴木会長から借りてきたんです」

 

 なんていけしゃあしゃあと言っているが、恐らくその言葉には語弊があるだろう。上部の決定で警察の方でエッグを調査したいから……なんてそれらしい理由をでっち上げ鈴木会長から受け取ったのだろうが、それは”借りた”と言えるのだろうか?

 

 そのエッグが”鍵”である筈だから持ってきて欲しいと頼んだのはオレだが……相変わらず手際のいいことだ。

 

 実際に赤いエッグの中に鈴木財閥のエッグをはめ込むと見事ぴったり。しかしそれ以上のことは起きない。

 

 

 エッグは確かに素晴らしいお宝だが、2代目が"思い"と表現するには違和感がある。エッグにメッセージか何か彫られていると思ったのだが……

 

 

 「セルゲンさん!そのエッグ貸して!!」

 

 と、メガネ少年が声を上げる。怪訝な顔をする毛利探偵を黒羽が抑え、ロシア人の大男がメガネ少年にエッグを手渡す。

 

 メガネ少年は部屋の手間にあった台座に懐中電灯をはめ込むと、その上にエッグを置いた。

 

 すると、ロウソクの灯りが消された暗がりの中、エッグが眩い光に包まれる。徐々に外側の赤いエッグが透け、内側のエッグの中身……7人の家族が団欒する様子を表した人形が映し出された。

 

 「ネジも巻いていないのに、皇帝一家の人形がせり上がっている!!」

 

 「エッグの中にも光度計が組み込まれているんですよ……!」

 

 一同が驚愕する中、エッグの仕掛けはまだ終わらない。

 エッグ内にはめ込まれた小さなガラスが光を複雑な軌道で反射させ合う。そして、その光がエッグの頭頂部に辿り着いた時、一直線となって外へ、ドーム型の天井へと放たれた。

 

 

 「「「……!!!」」」

 

 

 天井に広がるのは数多の人影。

 

 「これは、ニコライ皇帝一家の写真です!!」

 

 それらは、王族とは思えないほどに和やかに時を過ごす家族を写したものだった。

 皇帝夫妻と4人の皇女、そしてひどく幼い皇子。

 

 ロシア革命の際、命を落とした悲劇の一家の、かつて確かにあった平穏の日々。”メモリーズ・エッグ”と呼ばれるに相応しい光景だ。

 

 十数枚ある写真の中に、一枚だけエッグの製作者である香坂氏が写っていた。その隣には清楚なドレスを着込んだ外国人の女性。

 

 

 「あれは……ひいお婆さま!?」

 

 

 

 

 そうか……

 

 夏美さんが呟いた時、オレは自身が2代目からの言伝を果たせたことに気がついた。

 

 香坂氏の隣にただずむ女性。その顔は他の写真に映る皇女の一人と瓜二つだ。香坂氏の妻……つまり夏美さんのひいお婆さんはロシア皇女だったのだろう。革命の際、香坂氏とともに日本へ渡り結婚。密か子孫を残していたと。

 

 彼女が世を去ってしまった時、まだ革命の火は収まりきっておらず香坂氏は万が一にも妻の遺体が悟られぬことを望み世から隠した場所に埋葬した。だが、香坂氏にはもう一つの願いがあった。出自故に決して口にできなかった妻の生きた記録。自分が死んでしまえば完全に世から失われてしまう"思い出"。それを、どうか子孫だけにでも遺したい、と。

 

 だから、エッグの片割れは世に出し、もう一つのエッグの場所を示す道標とした。いつの日か、ロマノフ王朝の秘宝が滅せられるべきものではなく、歴史的遺産として捉えられる頃、誰かに妻の墓と彼女の"思い出"を見つけ出してもらえるように。

 

 

 んで、2代目はどこまで知っていたのか知らなかったのか、早世してしまった友人のこの願いを叶えるため"カラクリ屋"としての言伝をオレに遺したというわけか。ったく、こんな大掛かりな秘密を丸投げするとは。ほんとにウチの先祖は子孫使いが荒い。

 

 

 世紀末の魔術師によって生み出された、愛と幸せに満ちた光景。

 

 ロマノフ王朝の遺産を狙っていただろう専門家たちでさへ、これが夏美さんの手にあるべきものだということに反論しなかった。

 

 これでめでたしめでたし……としたいところだが、この結末に水を差す無礼者が1人だけ……。

 

 

 

 「危ない!!!」

 

 

 メガネ少年の叫びとともに銃声。

 

 

 「ちっ、もう動いたか!」

 

 城を出るまですら我慢できないとは。節操のない奴だ。だが、こちらとしても都合がいい。わざわざオレの舞台(ナワバリ)で事を起こしてくれたのだから。

 

 オレは身を伏せながらもポケットに忍ばせていた銃を取り出し、硝煙を纏う人影……”スコーピオン”へと向ける。発砲するのは実弾はもちろん、トランプでもなく……鳩。

 

 視認できないだろう速度でホー太郎が人影を横切り、羽を広げUターンをし、小さな鉄の鉤爪が取り付けられた足を人影の衣服へと引っ掛ける。

 

 

 銃声に夏美さんが驚き身をふらつかせた隙に、彼女の手からメモリーズ・エッグをスコーピオンは奪い取り、逃走しだした。

 

 凄まじい反射神経でその後を追い出すメガネ少年。

 オレと黒羽は目を合わせ、頷き合いメガネ少年に続いて棺の間を飛び出した。

 

 

 「おい、子庵……お宝盗まれて逃げられてるってのに随分と楽しそうな顔をしてるじゃねえか」

 

 「まあ。だってこの城の防犯設備をフルに使える滅多にない機会だからな……!」

 

 オレはイヤホンを耳につけながら階段を駆け上がる。

 流れてくるのはスコーピオンと黒羽が化けた警官……いや、変声機を使ったメガネ少年の会話。

 

 

 『なぜ……仕掛け扉は封鎖したのに!別の出口があったとしても速すぎる!』

 

 『地下側から開けるボタンの場所に目途がついていたもので。あの、整備士の少年のお陰でね……』

 

 ん?ああ……

 オレが地下への階段を降りる時に触っていたレンガのことか。あの時、メガネ少年オレのことめっちゃ見てたからな。

 

 

 『その手にあるオイルを巻き、起こした火事で目撃者である私たちを殺し証拠を隠滅。……そういう計画だったんでしょう?スコーピオン。……いや、青蘭さん?』

 

 

 メガネ少年の問いに高笑いで答えるスコーピオン。奴の正体はあの美人な女性だったわけだ。メモリーズ・エッグが発見された暁には奴が現れることは読めていた。だから、作戦としては城をでる直前に取り押さえる予定だったのだが、放火までしようとしているとは……オレの貴重な仕事場を燃そうってことか!?こうなればこちらも強引な手段を取るしかないな。

 

 

ホー太郎は現在スコーピオンのジャケットの背後についている。ホー太郎のカメラから送られる光景は甲冑が立ち並ぶ広い空間。先程訪れた「騎士の間」だ。

 

 階段を登り切り、オレたちは執務室へと出た。

 

 「スコーピオンは騎士の間の方に向かっている。オレは天井の仕掛けを作動させに行くから、お前は奴の誘導を頼んだ!」

 

 「りょーかい!」

 

 黒羽にインカムを投げ、オレは執務室を飛び出し二階への階段を上る。そして向かったのは「貴婦人の間」。ここは「騎士の間」の真上にあたる。

 

 騎士の間の間取り、家具配置を思い返しつつ、ホー太郎の映像からスコーピオンの立ち位置を推測。

 

 「キッド、あと7歩ほどスコーピオンを10時の方向に誘導できるか?他より丸い兜の甲冑の手前あたりだ」

 

 『ちょうど名探偵が奴の逃げ道を防いでるから、奴は後方に下がるしかない。オレのトランプ銃の威嚇射撃で動かす!』

 

 黒羽にそう指示を出しながらオレは床のカーペットの下に隠されたダイヤルを右に回す。小学生が銃を持った殺人鬼を前に仁王立ちしていることにはもうツッコむまい。

 

 ホー太郎の視界がぶれた。スコーピオンが動いた証拠だ。

 

 

 『今だ!』

 

 

 黒羽の叫びを合図にオレはダイヤル横の張板を強く叩く。甲高い金属音とともにホー太郎の視界には刃物の先が迫りくる。が、すぐに暗転。

 オレが作動させた、天井に結びつけられた刃物が降り注ぐおっさんが引っかかったものと同様の仕掛けに対し、スコーピオンは身体を倒れ込ませることで刃先を避けたらしい。だが、

 

 「それでいい……!」

 

 突然の事にまともな受け身も取れていないはずだ。つまり、奴が銃を持っていようが今すぐには体勢を整えられない。オレはダイヤルを次は左に回す。そしてまた張板を強く叩く。

 

 

 『ゔう……』

 

 ゴオンっと鈍い金属音が響く音に、スコーピオンの力ない声。

 

 

 『おし!命中!!』

 

 黒羽の歓声に、オレは額の汗を拭う。

 銃を使う……それも上空を飛ぶ黒羽を撃ち落せるほどの腕を持つスコーピオンに生身で立ち向かうことは黒羽の身体能力をもっても危険だった。だから、利用したのだ。この城に香坂氏と二代目によって仕込まれた”防犯装置”を。

 この城はどこもかしこに罠が仕掛けられているわけではないが、「騎士の間」の場合だと飾られている甲冑の中でも特に貴重な古いフランス式のものの付近にだけ、強固な防犯装置が備え付けられていたのだ。

 

 

 

 

 オレが急いで「騎士の間」へと向かうと、そこには異様な光景が広がっていた。

 

 高級そうなカーペットがオイルでベトベトになり、飾られた甲冑はいくらか倒れ割れてしまっている。だが、一番異様なのは頭に”金だらい”を乗せ倒れ込んでいる美人さん……もといスコーピオン。泡を吹いてすっかり意識を飛ばしている。そしてそれを遠巻きで眺めているメガネ少年と黒羽。

 

 

 「死んでる……?め、コナンくん…流石にみぞおちにあの威力のサッカーボールは……」

 

 「えっ!ボクのせい!?いや…あの急に降ってきた金だらいの当たり所が……」

 

 底に『成敗』と刻まれた金だらいを指差し、必死に弁明をするメガネ少年。どういう状況?

 

 

 話を聞くに、金だらいと同時に、メガネ少年渾身のサッカーボールの一撃がヒットしてスコーピオンがうんともすんとも言わなくなってしまったらしいのだ。脈をとってみた限りは命に別状はなさそうだった……今のところは。後遺症とかは、ちょっと分からん。

 

 「僕はスコーピオンを署まで連行する。コナンくん、このメモリーズ・エッグはキミから夏美さんに渡してくれないかい?」

 

 「う、うん……」

 

 黒羽がメモリーズ・エッグをメガネ少年に手渡し、スコーピオンを抱え上げようとする。

 

 「あっ、オレも運ぶの手伝いますよ!」

 

 そうオレはもっともらしい事を言って、黒羽とともに城を離れた。……メガネ少年の突き刺すような視線がすごく痛いのだ。

 

 ワイヤーでスコーピオンを後部座席に締め上げてから黒羽は運転席に、オレは助手席へと乗り込む。これで無礼者には大人しくしていてもらおう。

 

 

 

 「……助かったよ。お前のおかげでオレは夏美さんに香坂氏の”思い”を伝えられた」

 

 「いいってことよ!世紀末の魔術師一世一代の魔術が見れたしな……あれが最高の報酬だったぜ!」

 

 黒羽は心底そう思っているという風に、大きく息を吐く。

 確かに、メモリーズ・エッグに仕掛けられた秘密は、あまりにも儚く、美しく、そして愛に溢れていた。二代目の言伝を読んだ時には、こんなに壮大なものが待ち受けてると思いもしていなかった。

 

 名工の技術力とその強い思いに対して素直に感動を覚えると同時に、オレの胸にくすぶるもう一つの感情もあった。

 

 

 「最高の魔術だった。だけどさ……ちょっとずるいって思ってしまったんだ」

 

 「ずるい?」

 

 顔を傾げる黒羽。大の大人の恰好でその仕草は違和感がすごい。

 

 「夏美さんに対して嫉妬したんだよ。絡繰師を曾祖父に持っていることは一緒。だけど、向こうはあんなに素晴らしい遺産があるのに、オレん家といえば遺されたのは捨てるに捨てられない危険な魔改造屋敷と潰れかけの店、あと借金。なんだろうな……この違いは」

 

 分かってる。カラクリ屋が金目的で営まれていたわけではないこと。常に世のため人のために技術を提供してきたってこと。だけど、そのためのツケがオレにいっぱい回ってきてるんだ。一つや二つぐらい、文句を言わせて欲しい。

 

 「うーん。オレはオメーとこのひい爺さんもオメーに良いモン遺してくれたと思うけどな」

 

 「良いモン?」

 

 黒羽は今の顔には似合わない、満面の笑みを浮かべる。

 

 

 「オメーのひい爺さんは自分の子孫に仕事を引き継がせたかったのもそうだろうが……この”宝探し”を味わって欲しかったんじゃないか?」

 

 

 「ええ……そんなガキじゃねえんだから……」

 

 「実際オメー、結構楽しんでたじゃねえか」

 

 まあ、否定はしきれないが……

 だけど諸々の労力と見合ってるかっていうと……

 

 

 

 まだ腑に落ちないところはある。オレの中に■■はずっと巣食っている。

 だけど今回の件、少しは”カラクリ吉右衛門”の名に見合った働きができたんじゃないだろうか?

 

 また一歩、進んだんじゃないだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あっ、そういや言いそびれてた。名探偵の正体は高校生探偵の工藤新一な」

 

 「はあ!??」

 

 

 

 そんなこんなで、100年前と100年後、二つの世紀末が入り混じる宝探しは幕を閉じた。

 

 

 

 

 





世紀末の魔術師完結です。

いや、ホントにここまで読んでくださりありがとうございました!正直まあまあマニアックな題材で自分の需要を満たすためだけに書き始めたものをこんなに読んでもらえると思っていませんでした。

リアルが忙しくなりそうなので、次の投稿は間が空きそうです(2週間~1ヶ月ぐらい?)

ここまで書いてちょっとまじっく快斗、キッドの登場回、劇場版全部拾っていくのはとても無理だなあと感じたので大幅に絞っていこうかなと思ってます。どの作品が優先度高いか……というか需要があるか知りたいので、もし希望がある方がいれば活動報告の方に書き込んでいってください。
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