転生したら禪院家の女でした   作:苦鳴

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初投稿なので温かい目で見てください。

大体一話千文字ほど

一週間に一度のペースで投稿する予定です。


転生
転生したらしい


 ――ああ、私は死ぬんだな。

 

 ただ漠然とそう思った。

 

 死への恐怖は不思議と感じられなかった。ただただ自分の命が消えていく。そんな感覚を味わっていた。

 マンションの八階から落とされて、重傷だというのに痛みは感じられない。きっと死ぬという感覚に痛みが上書きされて感じることがないのだろう。痛いのは嫌だから、その点は助かったな。

 

 目はぼやけていて殆ど何も見えないし、耳も殆ど聞こえない。遠くで誰かが何かを話しているのが聞こえるけど、誰かが救急車でも呼んでくれたのだろうか。

 

 そのこと自体はありがたいことだけど、きっとわたしはもうすぐ死んでしまうから無駄になってしまう。

 

 顔は分からないけど、誰かが私の顔を覗き込んでいる。きっと私のことを心配してくれているのだろう。ああ、いや、私を突き落とした誰かの可能性もあるのか。まあ何にせよ、どうせ私は助からない。眼の前にいる誰かを気にするだけ時間の無駄だろう。ただ、人が死ぬところを見せてしまうのは申し訳ないな。

 眼の前にいる人が心優しい人ならば、心の傷として残らないといいのだけど。

 

 

 

 

 死に近づいていく中で、私はぼんやりと自分の人生を振り返っていた。

 

 小学校、中学校とそれなりに仲の良い友達ができて、高校に入って、少し遠い学校に入ったからか知り合いは誰もいなくて、それでも夢に向かって勉強も対人関係も全部頑張っていた。

 恋人ができたことは一度もなかったし、告白したことも告白されたこともなかった。もっと言うと誰かを好きになったことだって一度もない。

 私の人生は刺激的な人生ではなかったけど、それでも楽しく過ごしてた。

 決して誰かに突き落とされるほどの恨みを買うようなことをした覚えなんてない。少なくとも私はそう思っている。私の人生はきっとありふれたもので、物語になんてできないようなものだったはずだ。

 

 平凡なありふれた人生。

 

 

 

 ―――そうだったはずなのに。

 

 ―――なぜ私は殺されなければいけなかったのか。

 

 ―――私が何か悪いことをしたとでもいうのか。

 

 ―――まだ二十歳にもなっていないというのに。

 

 ―――親孝行なんてできてないのに。

 

 ―――夢も叶えられていないというのに。

 

 ―――まだやりたいことが沢山あったというのに。

 

 

 ―――なのに、どうして死ぬことが出来ようか。

 

 

 

 ―――死にたく、なかった。

 

 

 ―――もし、来世があるというのなら、今世ではできなかったことをやり尽くしたい。

 

 

 

 そんなことを願って私は息を引き取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして私は気づいたら赤ん坊になっていた。

 

 ―――は?




今日は二話投稿します。
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