転生したら禪院家の女でした   作:苦鳴

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休息

 皆さん、一つ大事なことをお忘れではないでしょうか。

 

 五条悟に出会ってしまうという予想外の出来事があり、その衝撃が大きすぎて私も先程まで忘れてしまっていた。

 流石に五条悟の衝撃には勝てなかった。

 

 

 

 

「はあ、甚爾さんは今どこにいるのでしょうか?」

 

 そう、あのギャンブル中毒の私の護衛のことだ。ちゃんと護衛してくださいねと頼んだはずなのに全然近くにいない。きっとさっき言っていた通りに舟に行ったのだろう。

 

 ……仕事しろよ。

 

「とりあえず近場の賭けができる場所に行きますか。」

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 というわけで私は今、廃病院から最も近い合法的な賭けができる場所である競輪場に来ていた。最初は競艇場に行こうと思ったのだけど流石にそんなに離れた場所にいないだろうという考えからこちらにきた。もしいなかったら近くの賭けができる場所を合法違法問わずに全て探すつもりだ。

 

 

 

 

 

『ワアー!!』

 

 

 

 ……キレそう。

 

 

 

 

 うるさいな。日中から酒も飲んでいる。そのせいで嗅覚も使えないし聴覚も使えない。人数が多すぎるから全員確認するという手も使えない。

 

 

 これ、どうやって探せばいいのさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ピンポンパンポーン。〇〇市からお越しの禪院甚爾様。お連れの方が出口でお待ちです。出口までお越しください。ピンポンパンポーン。』

 

 これでよし。もしここにいるならばきっと反応して私のところに来るだろう。探せないならば自分から来て貰えばいいのさ。

 

 ……流石に来るよね? 無視しないよね?

 

 

 

 

 

 そんな考えは杞憂であり、ちゃんと私のところまで来た。明らかに不機嫌そうだけど護衛ほっぽり出したあなたが悪いでしょ。自業自得さ。

 

「呼び出してんじゃねえよ。俺はここにいるからテメェはどっか行きたいところに行ってろ。じゃあな。」

 

 

 

 ………

 

 

 

「いや、いやいやいやいや!?」

 

 あまりの物言いに思わず硬直してしまったけど、甚爾さんが帰ろうとするのを感じて引き止める。いくらなんでもそれはないでしょ。あんた私の護衛でしょうが。それなら私にも考えがある。

 

「これは報酬に大きく響きますね。」

 

「よし、何処いきたい? 何処にでも連れてってやる。」

 

 うっわあ、露骨。単純だなあ。

 

「そうですね……。」

 

(せっかく外に来れたわけだし、特別な所に行ってみたい。となるとどんな所があるだろうか。)

 

「じゃあ、温泉に入ってみたいです。」

 

 やはり日本人なら温泉だろう。前世でもあまり入ったことはなかったけど、とても良いものだった。叶うことなら日帰りでもいいから日々の修行の疲れを癒やしたい。

 

「温泉? ちょっと待ってろ。」

 

 そう言うなり甚爾さんは何処かに電話をかけ始めた。一体何処にかけているのだろうか? 温泉旅館に日帰りの確認とかかな?

 

「ああ、そういうことで。よろしく頼むわ。」

 

「よし、行くぞ。」

 

 甚爾さんがドカドカと歩き出したので、おいていかれないように急いで追いかける。……ちょっと歩くの速すぎじゃない!? そこはさり気なく子供に合わせましょうよ!!

 

「で、先程の電話は何だったのですか?」

 

「直毘人のジジイに泊りがけになるからその許可をくれって頼んだんだよ。」

 

「え、泊まって良いんですか?」

 

 てっきり日帰りのは温泉に行くのだと思っていたから驚いた。でも、楽しみだな。

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

「ああ〜。気持ちいい。」

 

 温泉最高! 音を楽しむことはできるから露天風呂もいいなぁ。明日の朝も入りにこよう。甚爾さんに感謝しなくちゃ。




温泉行きたいなあ……。
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