ある日私はふと気付いた。
それは自分の修行に夢中になりすぎてこの住まいを一切と言っていいほど知らないということだ。
別に呪力の操作に喋り方などの修行はこの寝室でできることだ。よって私はトイレのときなど最低限のときにしか外に出ていないわけである。これでは立派な引きこもりになってしまう。それに襲撃されたときのためにもこの離れの構造は熟知しておく必要があるだろう。
今までは自分の能力を高めることだけを考えてきたが、子どもの力でできることでは所詮たかがしれている。たとえ襲撃されたとしてもなすすべなく殺されてしまうだろう。
よって私は早急にこの離れの構造を把握し、狙われやすい場所、反撃しやすい場所、逃げやすい場所などを見つける必要がある。そしてもし襲撃があった場合にどのように対応するかを考えることが必要となる。
やることが山積みだけど頑張れ私ー! ファイトだよー!
という訳で現在離れを散策中です。あまり気にしていなかったけど、この離れかなり広い。一般的な日本家屋よりもでかいってどういうことよ。
少しこの離れの周りを回ってみたけど、ここ完全に隔離された陸の孤島だ。多分禪院家所有のどこかの山にあるんだけど、かなり標高の高い場所だ。探ってみた感じだとここらへん一帯に結界が貼ってあって、少なくともその内側には人っ子一人いない。多分監視とかはいるんだろうけど、干渉は最低限にするために遠くから大きな異変がないか確認する程度なんだろう。人が来るのも一日三回、食事のときだけ。それも毎回違う人が一人だけ。
よっぽど私に干渉することを恐れていると見られる。少しでも私との接触を減らして危険を減らしたいらしい。流石に見た目とか身体機能の問題だけでここまで怖がる必要はないのに。
ハッ!
体が成長してきたらこの広大な土地で体術の修行が気兼ねなくできるのでは!?
基本的に私の扱いは触れるな危険。よって私に関わる者はいない。ならばバレずに修行ができるはず!
結局最後に物を言うのはフィジカルよ。呪力を込めて殴る。それがシンプルにして最強の一撃だと思うんだよね。ああ、早く修行できる歳にならないかなあ。
大発見〜! いやはやこんな素晴らしいものがこの建物にあるなんて思ってもみなかったよ。片っ端から部屋を開けて中を漁っていたら一部屋それはもう素晴らしい部屋があった。なんと、大量の本があったのだ。子どもの絵本なんかもあったけど、何と言っても一番の収穫はコレ!
呪術についての本!
この部屋を見つけた時点で呪術関連の本を探してありとあらゆる本を漁っていたらそういう本を集めたスペースがあったのだ。これはもう読むしかないって思ったよね。なにせこれまで独学で修行してきたわけだけど、一個人の考えたことがこれまでの長い歴史の積み重ねに勝てるわけがないのだから。これで修行が更に捗るに違いない。
やるぞ〜!
あ、あとなんか落花の情について記されているっぽい本があった。できればそれも習得したい。
視覚がないのに本が読める理由はまた今度。