転生したら禪院家の女でした   作:苦鳴

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昨日投稿し忘れてた。申し訳ない。


枯葉、剣士

 我流簡易領域、それは私の強力な手札だ。術式の中和を可能とし、領域内に入り込んだ対象に自動迎撃を行うプログラムまで備えた便利な技だ。悟の術式は既に解析済みだし完全に中和するのにさほど時間はかからないだろう。

 

 ただ、そんな事をしてはつまらないから今だけ中和の効果を停止させている。自動迎撃のプログラムも今回は使用禁止だ。

 

 その代わりにその二つを禁止する縛りを結び、簡易領域の範囲を拡大、感知能力の強化を行なった。

 

 展開した簡易領域の範囲は半径約三メートル。範囲よりも感知の精度を上げることに注力することにしたため少し狭いが、縛りによって拡大されているから及第点といったところだろう。

 

 これにより領域内のことは手に取るように分かる。相手がどのように動くか、筋肉の動きはどうか、心臓の動きはどうか、呪力の動きはどうか、呼吸のリズムはどうか。

 

 それらを正確に把握し、次の動作を予測する。

 

 人の体というのは意外と正直なのだ。それだけの情報があれば次にどう動くか予想するのはそう難しいことではない。問題があるとすれば、戦闘中では私の脳の処理能力が追いつかない可能性があることだ。ただでさえ戦闘中は考えることが多いというのにそんな大量の情報を一度に処理することは困難だ。

 

 幸い、私は脳のスペックも高いらしく、今まで困ったことはないし、これからもそうだろう。思考の速度をどれだけ速くしようとも脳には大したダメージは入らない。呪力で脳を保護しているからなのか、天与呪縛のお陰なのか定かではないが、私にとっては好都合だ。念の為、常に脳に反転術式を施しているから万が一もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 悟は自らもその効果を知る絳禰の十八番とも言える技術が発動されたことにより、警戒を最大まで上げた。二人で修行をしている時にあれの厄介な点は全て把握している。恐らく、この術を開発した絳禰の次に詳しいのは悟であろう。

 

 それゆえに、下手に領域内に踏み込むことができなくなった。もしあの領域の中に入れば、反応することが不可能な速度の攻撃が即座にお見舞いされることは確実だった。

 

 だが、その脅威を知っているのは悟一人のみ。相方である夏油傑はこの術の効果を何も知らない。今はこの術を警戒して様子見をしているが、そのうちとりあえず試してみようと思うだろう。

 

 よって、悟がするべきことは情報の共有。それにすぐさま気づき、声を上げて情報を伝えようとするが、絳禰が動くのが先だった。

 

 気づいた時にはもう既に悟の目の前に木刀が迫っていた。瞬きをしたタイミングで予備動作なしで加速。首元へと神速の右片手一本突を放った。

 

 普段であれば術式を使用して防ぐところだが、これは術式禁止の模擬戦。いくらなんでも防御で術式を使えばバレてしまう。つまり悟は正面から受けるほかはなく、喉元を穿たれた。

 

 悟の超人的な反射速度を持ってしても呪力による防御はほとんど追いつかず、強烈な一撃を喰らう。常人であれば今の一撃で戦闘不能となるであろうが、そこは流石神童、踏ん張ってみせた。

 

 今の一瞬で悟が一撃を受けたことに夏油傑は動揺したが、このまま悟が落とされ、自分との一対一になれば勝機はないと判断し、絳禰の追撃を止めるために襲いかかる。

 

 策もクソもないただ呪力を目一杯込めた人間など容易く屠れるであろうほどの蹴りを放ち、少しでも動きを止めようとするが、それは全て読まれていた。

 

 接触箇所へと呪力を集中させ、その蹴りを微動だにせず受け止めた。全身に回している強化をその一点のみに集中させたことで、圧倒的な防御力を得た絳禰に、夏油傑は静かに驚愕する。

 

 呪力集中させることで防御力を上げ、敵の攻撃を防ぐ。こう言うと簡単に聞こえるが、それはとてつもない難易度である。

 

 背後から迫る相手の攻撃を読み切り、接触する場所を正確に予測するなど、普通であれば不可能である。そして、全身の強化を一点に集中させるということは、当然他の部分の防御力は下がる。防御力が下がるということは怪我を負う可能性が格段に上がるため、恐怖心が生まれることもあるのだ。

 

 夏油傑の蹴りをただ体で受け止めただけのため、五条悟への追撃はなんの問題もなく行われた。

 

 左手に持った木刀を横薙ぎに振るい、後ろへと倒れていく五条悟の体を捉える。

 

 が、かろうじて意識があったため無下限の術式を発動し、体を大地へと引きつけることでギリギリ回避する。そして大地へと叩きつけられたことにより意識が完全に戻る。

 

 大地へと両手をつき、両足を綺麗に揃えて勢いよく胴に蹴りこんだ。それと同時に夏油傑が先程防がれた反省を生かして一撃ではなく連撃を見舞うつもりであった。

 

 だが届かない。

 

 簡易領域の中に入っている夏油、五条の両名の動きは完全に読み切られ、二人の勢いを利用して同士討ちさせる。

 

 その後も果敢に攻めるが、ヒラヒラと舞う落ち葉のように触れることすらできない。攻撃は流され、回避され、こちらの攻撃を利用した反撃までされる始末。

 

 絳禰は格闘戦を主体とした戦い方であり、二人はどちらかといえば術式を多用する傾向にあった。二人とも格闘戦は得意ではあったが、それにかけてきた時間が違うと痛感させられていた。

 

 術式が使えればこうはならない。戦術も変わるし対応しなくてはいけないことも増える。だが、それを抜きにした際の差が如実に現れていた。天与呪縛により強化された肉体を呪力で強化するという反則じみたことをする人間が相手なのだ。最低、技術だけでも同等である必要があったのだ。

 

 そしてこの状況にイラついたのか、五条悟は術式を起動する。

 

「術式順転——」




実は呪術の才能よりも剣とか格闘戦の方が才能が圧倒的に上。それで呪術があんななのは天与呪縛と転生とかいうチート行為のせい。
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