ダンジョンに霞龍がいるのは間違いだろうか? 作:デキンハンザー
アイズたちと戦ってから、もう3週間ぐらいがたった。この三週間ぐらいで、いくつかわかったことがある。まず、オレは、前世のことをそんなに覚えていない。覚えていたことは、埼玉県に住んでいたこと。年齢25歳男だったこと。モンハンの知識、読んだことある漫画、その他ゲームの情報、かなり偏ったネットミーム、そして、アニメダンまち二期までの知識、アニメソード・オラトリアの知識だ。
前世の親のことは、いたということはわかるが、もう顔も名前も思い出せない。
ダンまちの知識は、アニメを4期まで視聴した記憶があるが、アニメ3期以降の記憶が頭に霞にかかったみたいに思い出せなくなる。アニメ、ソード・オラトリアは問題なく思い出せる。
ただ……アニメの知識は、かなり、曖昧になっている。キャラがどんな性格か…とかは、大丈夫だが……とくに時系列が曖昧だ。話の流れは覚えているが、いつこの事件が起きた……とかなんかは、わからない。
その代わりモンハンの知識は、かなり覚えている。特にオオナズチ関連の知識は、覚えている。だが、ここがダンまちの世界のダンジョンという以上、オオナズチの能力以外、役立つ知識はないだろう。
次にわかったことが、このオオナズチボディのことだ。このオオナズチボディ、モンハンライズのオオナズチでも、モンハンフロンティアのオオナズチでもない、ダンまちのダンジョン産オオナズチということだ。
なぜ、このボディがダンまちダンジョン産とわかったか?それは、オレの食事にある。オオナズチは、基本的に昆虫食寄りの雑食だ。なので、あの最初にあったでかい黒い蜂を食べようとした……が、ダンまちのモンスターは、身体の中心の核、魔石を砕く、または抜き取ると魔石を残して、灰になって消える。
魔石を残して、消えたモンスターを見ながらオレは思った。魔石って食えるかな??っと
まあ、この体、最低水さえ飲めれば生きていけるスーパーボディだったのだが……
オレは、魔石を見て、固形物を食べたいという欲求に耐えられなかった。消えて灰になった黒い蜂の魔石を舌で絡め取り食べた!
すると、食べて飲み込んだ瞬間、力が胸の中心から身体の隅々まで少しだが、漲り、疲れた身体が少し癒え、そして、高揚感を感じた。
最初はオオナズチになったからこう感じたと思ったがオオナズチには、鉱石を食べるという文献はモンハンにはない。そして、古龍の力が集中しているのは、角だ。もちろん、オオナズチも例外ではない。元々、魔石に身体に力を漲らせる力があるなら、なぜ、角から力が漲らず、胸の中心から力が漲ったのか?オレの胸の中心に魔石がある、そう考えるのが自然だ。
ダンジョン産のオオナズチになった、そう思ったオレは、仕留めたモンスターの魔石は、全部食べるようにした。オレの強化のために。まあ、魔石を残しても、新たな強化種のモンスターを生み出すだけだし、冒険者にオレの痕跡を残すことにもなるしな。もちろん、時々出てくるドロップアイテムも回収している。
ちなみに強化種というのは、読んで字の如く、通常のモンスターより能力が強化された個体のモンスターのことである。その強化種の誕生の仕方が魔石を食べること。つまり、魔石を食べ続ければ、ステータス的には、徐々にだが、上がり続けると言うわけだ。このダンジョンは、弱肉強食の世界、生きていくためには、強くなるしかない。どんどん食べるぜ!魔石をよお!
次にわかったことは、このオオナズチが使用できる技についてだ。結論から言うと……歴代オオナズチが使用していた技、フロンティアオオナズチを含めて、すべて使用できることがわかった。
さらに、毒を使用する技に至っては、毒の種類を変えることができた。例えば、フロンティア毒霧ブレス、フロンティアだと、スタミナ減損の毒霧だったが、転生初日にやったように、体力を減らす猛毒に変更できたり、モンハンライズでの大技、毒玉を上に乱射して周囲にバラ撒く技、あれも本来、体力を減らす猛毒なのを変更し、防御力が下がる溶解液にすることができた。
霧についても三種類使用できた。まず、通常の白い霧、これは、五感を鈍らせる弱めの毒を混ぜたものだ。もっとも範囲が広く操れた。最大範囲が24階層全域だった。
2つ目は、傀異克服個体が使っていた、赤紫色の霧だ。これは、白い霧よりも最大範囲が狭くなり、24階層の三分の二が限界だった。しかし、白い霧より、毒性が強く、霧の中にいた長時間いたモンスターは、体力を奪われ、衰弱していた。しかも、五感を鈍らせる毒も強くなっているのか、白い霧よりステルス状態のオレを発見しにくいのも特徴だ。
最後は、フロンティアG級特異個体が使用していた、紫色をした死の猛毒の霧だ。そう、フロンティア名物の即死攻撃だ!
最大範囲はオレを中心に、半径700メートルほどで、この霧に入っていたモンスターは、30秒ほど経つと突然に倒れて、こと切れていた。もちろん、この技は、冒険者がほとんどやってこない深層で試した!そんな、ロストモラルした感性はオオナズチになってもしていない。この技は、いよいよオレの命の危機が迫った時、しかも、周りに冒険者がいない時にしか発動できないな!その時まで封印決定だ!!
そして、オオナズチの戦闘において特徴的な舌を使った攻撃。これは、全力でやるとフロンティアG級特異個体の舌攻撃ができた。
試しに22階層の木を相手にやってみると、直線的な舌攻撃は貫通力が高く、木にオオナズチの舌の太さと同じサイズの穴が空き、全力でフロンティアの舌鞭乱舞を木にしてみると木がどんどん削れていき、最終的に木が倒れた。
………よし!!全力で舌を冒険者に向けて攻撃するのは辞めよう!!グロいことになる!!
あっあと、舌を使ったことといえば、アイテムを盗むことだけど、レベル3から2の冒険者パーティ相手に、いたずら感覚でバレずに盗むことができた。盗んだのは、食料、ポーション類なんだけど、びっくりしたのは、ポーションがオレにも効いたことだ。試しに自分を傷つけてポーションを試したかいがあったぜ!
ポーションの効果がわかったオレは、アニメにでてきたネームドキャラのパーティを避け、モブキャラのパーティのポーションと食料を狙う盗っ人と化した。
この時、オレは、盗みに快感を得ていたかもしれない。まあ…張り切って盗んでた。……もちろん、最低限、地上に帰還できる量は、残してね!全部根こそぎは、いってない!いってないたらいってない!!
そんな感じで盗みに精を出して10日目ぐらいかな?オレが22階層の仮拠点にしていた穴で保管していたポーションが劣化していたのは。
この時、オレはかなりテンションが下がった。まあ、せっかくの回復アイテムが、劣化して効果が薄くなっていたもの、めちゃくちゃテンションが下がった。ただ、劣化がかなり遅いポーションもあった。同時期に、同じパーティから盗んだのに、だ。それがハイ・ポーションだと知った。一本試しに使ったら傷の治りが早かったからだ。
それからは、頻度を抑えてハイ・ポーション、エリクサー、食料を盗むようにした。
これがオレが主に、3週間していたことだ。次に冒険者たちに、伝わったおれの情報についてだ。まあ案の定、オレの情報はギルドに報告され、冒険者たちに伝わった。主に伝わったのは、オレが霧を出し操ること。霧の中にいると嗅覚が鈍ること、スタミナを奪う毒を扱うこと、舌が長く器用に操ること、そして、透明になることの5つだ。
あの戦闘でオレが使った能力は、伝わっているようだ。なんでオレが冒険者側の情報を知っているのか?それは、20階層から24階層の複数のパーティから盗み聞きしたからだ。さらに、盗み聞きしたところによると、アイズたちパーティと渡りあったということでオレの推定レベルが7に設定されたようだ。さらに、オレの名前が決まったようだ。「ヴェミスドラゴン」だそうだ。
うん、まあ、まし……かな?変な厨二な名前にならなくて……恐らくヴェミスは、ヴェノムとミストを合わせた造語だろう。
うん。だが!!オレは!!オオナズチだ!!!オレは!!古龍種!!古龍目!!霞龍目下!!ナズチ科!!オオナズチだ!!決して!!ヴェミスドラゴンではない!!………ふう……すっとしたぜ!!
話を戻して、オレが盗み聞きして得た冒険者たちからの情報はこれぐらいだ。幸い、オレがポーションと食料を盗んでいることは、バレていないらしい。謎の盗難被害として上がっているらしい。バレるまで盗んでやるぜ!!
そして、今、オレは、猛烈に休暇を取りたい!!この3週間。オレは、まともに長時間、休憩をしてない。常に気を巡らせ、ステルスを発動させて、冒険者に気が付かれないよう物音に細心の注意を払いつづけ、ステルスしているのに気づくモンスターへの対処、技の検証、冒険者からの盗み………これを短時間の休憩のみで3週間続けたのだ。そりゃ休暇を取りたくなる。
なので!!オレは!!18階層に休暇にいく!!
18階層、別名『
そんな場所に休暇に行くわけです。ステルスは切れないけど、3週間ステルスをあまり切ってないため、もう長時間ステルスを続けるコツは掴んでいる。
ていうか、もうすっごく休みたい!!という訳で!!!18階層に!!いっくぞ〜〜〜!!!!
で来ました!!18階層!!アニメで知っていたけど水晶が至るところにある!!天井にも、びっしりだ!!今は、昼のようだ!!よぉ〜し!!さぁて!!端っこの人気が無い所に移動だ〜〜!!
はい!!来ました!!端っこの方の湖!!いや~、澄み切ったこの湖!!ぜひ飛び込んて入りたいけど我慢だ!周り確認!!モンスターの影!!無し!!冒険者!!無し!!よし!!波を立てないようにゆっくり~……アァァ〜〜……!!キモチイイ〜〜〜!!はあ〜〜〜〜………天にも昇る気分だ〜〜!!ついでに水分補給だ!……うめーーーーーーー!!24階層の水よりうめーー!!澄んでいるぜーー!!18階層!!最高だ!!しばらく楽しむぜーーー!!
ザワザワ………ザワザワ……
……………ん?んん~ーーッと、よく寝たぜ!!久し振りにこんなに寝たぜ!!モンスターに襲撃されずに寝たのは久し振りだ!!体力全開!!元気100%充填完了だ!!
さて、周りが騒がしいな?どこからかな?………あそこか?あの崖みたいなところ。ちょっと様子をみてきますかね。細心の注意を払って見えるところに移動だ!!
ここからよく見えるな。オレは、断崖を這って崖の上の騒動を見ていた。
なんか戦っているな。白いのが、一人で戦っているのか?相手もいないのに、勝手に吹っ飛んでるぞ?相手は透明化しているのか?
しかし、あの白いの見たことあるなと思ったら、主人公のベルくんじゃない!!
……ゑ……ヤバイ!!原作に巻き込まれる!!ヘスティアが神威を発動したら、18階層にゴライアスが降ってくる!!
あっ!!ベルくんがもう、モルドの攻撃に対応し始めた!!もうそんなに時間が残ってない!!不味い!!!
今すぐ、迅速に気付かれないように19階層の入口に急げ!!
あっ………遅かった。ヘスティアが神威を発動させた………いや……まただ!!まだ原作に巻き込まれることがないように、ステルスを駆使して隠れればいいのだ!!よし!そうと決まれば早速移動
【その時ダンジョンは哭いた】
あっ………漆黒のゴライアス降ってきた。天井もなんか赤くなってきたし、さっさと逃げ隠れてやり過ごそ……
あれ?なんかあのゴライアス、こっち見てない?オレが動いたら目で追ってない?なんで見えてんの?オレ今ステルス状態だよね!そんな能力なかったよね!!漆黒のゴライアスって、レベル5ぐらいになったゴライアスだったよね!!あっ口開けた……ってヤバ!!あれ!【
ウオオオオオオオオ!!!!
ズドン!ズドン!!ズドン!!!
ブベっ!!ドベッ!!!ボベッ!!!さ………3発も打ちやがった……オレに………
ドカッ!!
つ……ついでに着地も失敗………と
ステルスは……解除されてる。周りに冒険者は………いたよ………最悪だ………ベルくんの目の前だ………!!どうする!?どうすればいい!?一体どうすれば!!!?
いや……やめだ………後のことを考えるのはやめだ………!!今は……なぜかステルス状態のオレのことが見えたあの黒いデカブツだ………!!ゆ……許さんぞ……!!オレのせっかくの休暇をぶっ壊した挙げ句、こっちが手を出さずに逃げて隠れようとしたのに先制攻撃を仕掛け………
ウオオオオオオオオ!!!!
先制攻撃、当ててやったぜ!!みたいな咆哮上げやがって………!!!
もう周りの、冒険者の目なんか知るか!!
「ギシャャャ゙ャャ゙ヤャャ゙ヤャャ゙ッ!!!」
もう泣いて喚いても許さんぞ!!毒でジワジワと嬲り殺しにしてくれる!!!覚悟しとけや!!このデカブツがァ゙ァ゙!!!!