ダンジョンに霞龍がいるのは間違いだろうか?   作:デキンハンザー

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第七話 凶報

 〜レオスside〜

 リドとの出会いから二ヶ月ぐらいが経った。22階層の仮拠点からリドたちの拠点、安全地帯(セーフティポイント)の隠れ里に来た時、小鬼(ゴブリン)やアルミラージ、獣蛮族(フォモール)などの多くの異端児(ゼノス)たちに新しい同胞だとすごく歓迎された。

 いや~、あの時はすごかった。見たことないモンスターのオレを見て異端児(ゼノス)の皆、興味津々でどういう事が出来るのかとか、特技とかあるのかとか色んな事を根掘り葉掘り聞かれた。

 その歓迎後、色んな異端児(ゼノス)たちと交流を深めながらこの二ヶ月間、なにをしていたかというと、主に3つある。

 まず一つ目は、オレの霧を使った異端児(ゼノス)たちとの避難訓練だ。

 異端児(ゼノス)は敵が多い。そうフェルズから聞いていたオレは、ある程度隠れ里の生活に慣れた頃、蜥蜴人(リザードマン)のリド、石竜(ガーゴイル)のグロス、歌人鳥(セイレーン)のレイにオレの霧を使った避難訓練をしたらどうだろう?と提案してみた。

 リドとレイはオレの意見にすぐに賛成してくれ、グロスは、新参のオレに何か言いたげだったが賛成してくれた。

 訓練の内容はまず、異端児(ゼノス)たちを4つのグループに分け、リーダーをリド、グロス、レイ、そして人蜘蛛(アラクネ)のラーニェにしてもらい、それぞれのグループを22階層の東西南北に散って、比較的22階層の中心に近いオレの仮拠点の洞穴に霧の中目指してもらう、という訓練だ。

 4回、訓練を行ったがレイのグループはレイの反響定位(エコロケーション)を使い、4回とも一番最初に仮拠点に到着した。モンスターとの戦闘をこなしながらだ。他のグループは、最初は時間が長くかかっていたが回数をこなして4回目の訓練では、レイのグループとの差異はほぼ無く到着していた。

 これで、オレの霧の中で異端児(ゼノス)たちは、かなり動けるようになった。更にリドを始めとした戦闘を得意としている異端児(ゼノス)は霧の中でオレとの連携もできるようになった。いい成果になったと思う。

 2つ目は、フェルズが隠れ里に来た時にこの世界の文字、共通語(コイネー)を教えてもらうことだ。

 オレは言葉を話すことができない。異端児(ゼノス)との意思疎通は問題ないが異端児(ゼノス)たちの願いは、人間たちとの共存。その願いを叶えるためには共通語(コイネー)を覚えて損はないと思った。

 フェルズに共通語(コイネー)を覚えたいと伝えたら聞き耳を立てていた周りの異端児(ゼノス)たちも覚えたいと言い出して、それを了承したフェルズが来るたびに共通語(コイネー)勉強会が開催された。

 共通語(コイネー)は、前世で言う英語に似ていてオレは意外と早めに覚えることができた。早めに覚えることができたオレは、他の異端児(ゼノス)たちにフェルズと共に共通語(コイネー)を教えていてふと気付いた。

 オレ、体に文字を表示、できるくね?、と

 オオナズチは、外皮の色を様々な色に変化させることができる。この能力を応用すれば外皮を白色にし黒字で共通語(コイネー)を表示すればその場で筆談できる。

 このことに気付いたオレは、暇さえあれば練習をした。そして、一ヶ月後、オレは外皮に文字を表示出来るようになった。異端児(ゼノス)たちに文字を表示出来るようなったと報告したら自分のように喜んでその夜は宴になった。これで人間とコミュニケーションが取れるぜ!

 そして3つ目、それは………

 

 

 

 

 ブモオオオオオオォォォォ!!!!

 

 

 黒いミノタウロスの異端児(ゼノス)、アステリオスの武者修行についていくことだ。

 実は、オレと一番親しい異端児(ゼノス)は、アステリオスなのだ。

 なぜ親しい仲になったかというと、初めてアステリオスに会ったとき、オレの強さをアステリオスは肌で感じたらしい。そして開口一番にオレに手合わせを申し込んできた。

 最初は断ろうとしたんだけど……アステリオスの真剣な眼差しになぜか了承してしまった。

 そして始まった手合わせ、最初は霧を使わず純粋に透明化能力と肉弾戦で手合わせ行ったが、アステリオスが全力を見せてくれと頼まれた。霧はまだしも、毒はヤバいとオレは能力を説明して止めたんだけどアステリオスはそれでも使ってくれと懇願してきた。

 悩んだオレは、スタミナを減らす毒と防御力をダウンさせる溶解液の二種類の毒と白い霧を使い、手合わせに臨んだ。

 霧を使い奇襲を仕掛けアステリオスを翻弄し、毒を浴びせた。しかし、アステリオスは毒をくらっても笑って見せ、霧にも素早く順応し斧でオレにカウンターを食らわせた。

 そのカウンターを仕掛け、成功させたアステリオスは、オレに近しい実力の持ち主と確信したオレは楽しくなってしまい調子に乗ってフロンティアオオナズチの技も使ってまあまあ本気で手合わせをした。

 そんな手合わせを小一時間していたら傍から見たらアステリオスと殺し合いをしているように見えたらしく、リド、レイ、グロスの3人に手合わせを止められ、アステリオスと一緒に3人に仲良く長時間説教を受けてしまった。

 3人に説教を受けたあとアステリオスと一緒にポーションで傷を癒しながら互いの事を語り合った。そして意気投合して仲良くなったというわけだ。

 そして今絶賛アステリオスは、深層にてモンスターの大群に無双している。

 いや~すっごい。モンスターがそのへんの塵のようにどんどん吹っ飛んでいく。まるで黒い嵐のような暴れっぷりだ。

 

 

 ブモオオオォォォォ!!!

 

 

 あっ、最後のモンスターを斧で両断した。オレは労いの言葉とバックパックのポーションをアステリオスに渡すために近づき声をかける

 

 「クルルル!クル!クルルルル!」

 (お疲れ様!はい!ポーション!)

 

 「すまない、レオス、礼を言う」

 

 そういってオレからのポーションを飲み、傷を癒やすアステリオスにこれからのことを聞く

 

 「クルルルルル……クルルルル?クルルルルルルル?」

 (アステリオス……これからどうする?そろそろ隠れ里に戻らないとじゃない?)

 

 「……もうそんな時間か……戻るか……」

 

 「クル!クルルルル!クルルルルルル!」

 (よし!じゃあ背中に乗れ!隠れ里まで体を休めておきな!)

 

 「あぁ……助かる。」

 

 そういってオレの背にアステリオスが乗った。それを確認したあと、リドたちと合流するため、透明化を発動し、背に乗るアステリオスを翼と尾を立てて壁を作って隠しながら隠れ里に向かった。

 

 

 

 

 

 

そうして隠れ里に戻ったんだが……

 

 「クルルル……?」

 (遅くね……?) 

 

 「……確かに遅いな」

 

 かれこれ半日以上、この合流地である隠れ里でアステリオスと2人で待っている。いくらなんでも遅すぎる。もしかしてリドたちに何かあったのか?しかし迎えに行ってもすれ違いになったら意味ないし……このまま待つ方がいいのか?

 そんな風に考えていると隠れ里の出入り口から音が聞こえた。帰ってきたのか?

 

 「キュ〜〜!!キュキュ!!キュ!!」

 (いた!!2人だ!!大変だ!!)

 

 「バウバウ!!バウバウ!!バウ!!」

 (アステリオス!!レオス!!大変だ!!)

 

 隠れ里に帰ってきたのは、一角兎(アルミラージ)異端児(ゼノス)、アルルと黒犬(ヘルハウンド)異端児(ゼノス)、ヘルガの2人だった。2人とも非常に焦っている様子だ。本当になにかあったようだ。

 

 「落ち着け……」

 

 「クルルル……クルルルル?」

 (そうだ2人とも……なにがあったの?)

 

 アステリオスと一緒に2人に落ち着くようにいってみるも2人は落ち着かず、まくしたてるように言う。

 

 「キュキュキュ!!キュ〜〜〜!!」

 (ハンターがラーニェたちを襲ったんだ!!)

 

 「何……!」

 

 「バウバウ!!バウバウ!!バウバウ!!」

 (殺されたんだ!!攫われた仲間もいる!!早く助けないと!!)

 

 「クルル?!キシャャャァァ!!」

 (何だと?!リドたちはどうしてる!!)

 

 「キュキュ!!キュ〜〜〜!!」

 (ハンターを追って行っちゃった!!早く追いかけないと!!)

 

 ほんとにヤバい状況だ!急がないと!

 

 「キシャャャ!!キシャャ!!キシャャャ!!」

 (早く背中に!!急いで上に行くぞ!!道案内、頼む!!)

 

 「キュ!」

 (うん!)

 

 「バウ!」

 (わかった!)

 

 「ああ!」

 

 アステリオスがポーションが入っているバックパックと両刃斧(ラビュリス)と雷の斧型魔剣を背良い、更にアルルとヘルガを両脇に抱え跳躍しオレの背中に飛び移りる。そしてオレに声をかける!!

 

 「レオス!いけ!!」

 

 キシャァ!!キシャャャァァァァ!!!!

 わかった!!無事でいてくれ!!皆!!

 

 オレは全速力で向かう。仲間のもとに。

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