【完結】とある水神の半身の神話創造   作:ネシエル

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新 第十七話 模擬戦。水神の実力

特殊合金で覆われた特別な演習場。

 

そのすべてが冷たく硬い銀色の金属で構成されている中、唯一異なるのは、右側の壁の上部に設置されたフロントガラスだ。

 

金属に囲まれたこの場所で、唯一の透明な部分がそのフロントガラスであり、演習場の全体を見渡せるようになっている。

 

「体の調子はどうだ?」

 

「問題ない。むしろ、体が軽くなった気がする。」

 

今、この空間に水神フリーナと旅人だけが存在していた。

 

「具合が悪いところがあったら遠慮なく言ってくれても構わん。」

 

「大丈夫。私、一度あなたと戦ってみたかったんだ。」

 

最強の魔神。岩王帝君、雷電将軍に続く武神の名を関する神。

 

カーンルイアにて、フリーナに救われ、500年間昏睡状態に落ちた。

 

雷電眞曰く、影よりも強いと言わしめる力。ぜひ、お手並み拝見したい。

 

「そうか、じゃあ始めよう。」

 

フリーナは人差し指をまっすぐ伸ばして銃の銃口を表現する。何気ないハンドガンポーズを旅人は見つめ、そして、人差し指から水鉄砲を発射した。

 

ビューという音と共に軽いソニックブームを起こし、初速は音速という即死技。

 

銃弾よりも早く旅人の脳天をぶち抜くが、フリーナに用意された神の目のおかげでスローモーションのように見えるため、殺人水鉄砲は体を左によけたため直撃を免れた。

 

回避した水鉄砲はそのまま後ろ側の壁に穴を開け、貫いた。

 

「やるね。」

 

この模擬戦。対崩壊獣専用の人工「神の目」。通称、律者コアの運用を試すべく、旅人とフリーナはやっている。

 

邪眼と違い、体の害はないようだが、実感する限り、特に体に悪影響はないようだ。

 

「うむむ。」

 

捻り、隙を見せたところを見逃さずフリーナは腹にパンチをするが、それを察知した旅人は事前に剣で防御した。

 

フリーナは素手で殴ったにも関わらず、血は流れず。逆に旅人の剣に刃こぼれが発生した。

 

「風刃!」

 

いったん距離を取るべく風を使い、後ろに飛び退く。

 

「おっと」

 

フリーナの体勢を崩したところを旅人は攻撃するため、雷元素を使って高速移動で追撃する。

 

水の剣(パルチザン)!」

 

フリーナは空中で水の剣を生み出し攻撃。旅人はそれを躱す、躱す。

 

左右、上空から降り注ぐ水剣の雨中(うちゅう)で、旅人は神の目の影響で強化された反応速度と視力により、スローモーションのように見え、以前より拡大した身体能力で最短距離を駆け抜ける。

 

「とった!」

 

フリーナは振りかざす剣を―

 

「甘いね、キミ。」

 

水で生み出した剣で応戦。

 

体に水元素をオーラのように纏わせ、足を踏むごとに地面は砕け、音速の行動をした。

 

「はああああ!」

 

水の激流の如く。圧倒的な暴力を退ける旅人は切り結ぶ残像の中で、フリーナの剣に走る軌跡の中で水のエフェクトが見えた。

 

『水元素を纏わせ、行動する際に、元素を放出し、あの爆発的な瞬発力を得たのか。』

 

終始、苦戦し、防御を強いられる。旅人は戦いの最中にその仕組みを理解した。

 

『重い。滝に打たれたみたいだ。ならば―』

 

「何、炎だと!」

 

炎を出し、ジェット噴射で応戦。

 

以前ではありえない能力。旅人はまだ、ナタに行っておらず、炎神の七天神像にも触れていない。

 

だが、炎の元素力を利用した推進力は同じく音速の斬撃を放ち、フリーナに対抗した。

 

『アルカイルの話では、旅人は5種類の元素力しか使えないと聞いていたが、なるほど、これは予想外の収穫だ。』

 

フリーナは喜び、その結果を噛み締めた。

 

「氷河!」

 

氷元素を使用し、凍らせる。かつて、渦の魔神の妻を凍らせた申鶴の氷元素を上回る威力。フリーナの動きを完全に封じた。

 

水元素のブーストのせいで余計に凍ってしまい、完全に仇となった。

 

「我ながら素晴らしい性能になった。」

 

「これで―」

 

顔以外は氷漬けになり、完全に身動きが取れなくなったフリーナに対し、旅人は追撃するため剣を振りかざす。

 

急所を外し狙うは―

 

「なっ!」

 

氷は砕け、素手で剣を掴んだ。

 

「もう、俺に勝ったつもりか?だとしたら、なめられたものだ。」

 

剣は掴まれたところからひび割れが伝わり、バラバラに破壊された。

 

震破(グラッシュ)!」

 

腹にパンチを受け、空間に罅が走り、衝撃波が放たれた。

 

「た、旅人!」

 

放った衝撃は部屋全体にひび割れを走らせ、上部にいたフロントガラスもすべてを壊し、旅人はそれに耐えきれず、壁に激突して気絶した。




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