【完結】とある水神の半身の神話創造   作:ネシエル

22 / 43
新 第二十二話 告

一日後。

 

機械竜が復活し、旅人たちによって倒されて一晩が過ぎた。風を操り、風魔龍以上の暴風。

 

さらに、特殊金属に覆われたことで並大抵の兵器や武器も通じない鱗。龍の中、否、そもそも、生物として異質な存在を倒し朝になる頃。

 

旅人とパイモンは再びフォンテーヌへやってきた。

 

▲■▲■▲

 

パレ・メルモニア最下層。

 

旅人とパイモンは再びフォンテーヌ邸へやってきて、軽い朝食を取り、パレ・メルモニアにてフリーナと出会い、共に地下へ向かい、そこで旅人は検査を受けることになった。検査を受けるのは旅人ただ一人。

 

彼女がX線検査機に入るのを、パイモンはガラス越しに見つめる。

 

「大丈夫なの? 旅人」

 

「心配するな。フォンテーヌの科学力を信じろ」

 

心配するパイモンの声とは違い、フリーナは旅人の検査を進める。

 

X線検査機を終えた後も血液検査、遺伝子検査など、多くの検査が行われた。

 

そして、旅人は無事に検査を終える。そのまま椅子に座り、浮いているパイモンと共にフリーナが映し出されたモニターを見る。

 

「崩壊エネルギーにこれほど耐性があるなんて、すごい逸材だ。予言が終わるまで使い続けるか?」

 

「だめだよ! 旅人はそれを使って吐血したこともあるんだよ。そんな危ないものを使い続けるなんて!」

 

「いや、そこまで行ってないし……」

 

「とにかく、もうそんな危ないものを使わせるわけにはいかないんだから!」

 

「パイモン、君の意見はもっともだ」

 

フリーナは椅子から立ち、パイモンのところまで歩き、頭を下げる。

 

「でも、フォンテーヌを救うにはこれしかない。君にとって大事な人を傷つけたくないように、俺も自分にとって大事な人を救いたい。そのためにも君たちの力が必要なんだ」

 

「で、でも……」

 

「大丈夫だよ、パイモン。心配してくれてありがとう」

 

「旅人……」

 

「今までだってギリギリの戦いが多かったし、今後、もっと強い敵が現れるかもしれない。そんな敵からパイモンを守りたいんだ」

 

「う、うう……」

 

「フリーナ」

 

「なんだ?」

 

「最悪の場合、私を助けてくれる? フリーナなら、安心して任せられる」

 

「……君はひどいやつだ。わかった」

 

「ありがとう」

 

「こちらこそ。もう検査は終わった。今日はもう休むといい」

 

「うん」

 

「ところで、フリーナ。ずっと気になってたんだけど、結局、崩壊獣って何者なのだ?」

 

「さあ、俺にもよくわからない。正直言って、フォンテーヌに現れた正体不明の魔物としか言いようがない」

 

「アビスの魔物とは違うの? なんか似てるけど……」

 

「いや、両者は完全に違う存在だ。アビスの魔物は文字通り、アビスの力を動力源にしているが、崩壊獣は崩壊エネルギーを元に活動している。この崩壊エネルギーとアビスは明らかに違う存在だ。例えると、アビスがウイルスなら、崩壊エネルギーは白血球みたいな存在だ」

 

「どういうこと?」

 

「これは、俺の仮説だが、アビスは壊したいから壊すウイルスのような存在で、それに対して崩壊は有害だから殺す、みたいな感じだ。実際、崩壊獣が活動しても人的被害は一切なかった。あれほどの力を持つ存在が人を害さないなんて、あり得るのか?」

 

「確かに、変だよね」

 

「フリーナが全部、倒したから?」

 

「いくら俺でも、すべてを救うことはできない。崩壊獣が現れ、俺が最初に現場に到着したのは、事件発生から10分後のことだ。それなのに、死人が出ずにインフラ被害だけで済んだ。まるで、人を傷つけずに最初からインフラ整備を狙っていたかのように」

 

「確か、水路が破壊されてたけど……」

 

『確かに、あれほど力を持った機械竜が、誰も犠牲を出さずにいたなんて考えられない。

 でも、なんか引っかかっているような……』

 

「まあ、俺が知っているのはここまでだ。もし何か分かったら、君たちに伝えよう」




次回投稿9/5
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。