【完結】とある水神の半身の神話創造   作:ネシエル

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新 第二十八話 洪水

朝、フォンテーヌ邸内の静寂を破り、旅人とパイモンは静かに道を歩いていた。

 空はまだ淡い朝焼けに染まっている。

 

『私の予想では、フリーナ殿は君を使って何かを成し遂げようとしている。』

 

背後から響く声に、旅人は足を止めなかった。

 

『それが私欲のためか、フォンテーヌのためか、私にもわからない。

 君たちを崩壊獣とぶつける理由については現時点では不明だが、何かしらの意味があると考えてもいいだろう。』

 

旅人は彼女の言葉を思い出しながら、歩き続けた。

 

『そう焦るな。私には遺跡の情報を持っている。フォンテーヌの予言に関することだ。

詳しいことは私の子供たちに会えば分かるだろう。』

 

▲■▲■

 

旅人は歩みを止め、パイモンの声に耳を傾けた。

 

「おい、旅人。本当に行くのかよ?だって怪しいだろう。ファデュイだよ?」

 

パイモンの不安そうな声が響く。

 

「でも、まだこの国のことも、崩壊獣との関連もわからないんだ。

 手掛かりがない以上、行ってみるしかないだろう。」

 

旅人の冷静な言葉に、パイモンは不満げにうつむいたが、

 やがてため息をついて頷いた。

 

「……わかったよ。行けばいいんだろう。」

 

再び二人は歩き出す。

 

 ▲■▲■

 

朝の店。

 

「確かこの店だったよな?」

 

パイモンが言い、二人はその店を観察する。

 すると、背後から声が聞こえてきた。

 

「君たち、やっと着いたね。」

 

驚いて振り返ると、そこにはリネとリネット、

 そしてフレミネが立っていた。

 

「リネ!それに、この人たちは?」

 

 パイモンが声を上げた。

 

「紹介していなかったか?この子は僕の妹、

 リネット。かわいいだろ?」

 

「どうも、初めまして。」

 

「この人は僕たちのもう一人の仲間のフレミネだ。」

 

「ど、どうも」

 

「君たちのことはお父様からよく聞いているよ。」

 

「リネ。お前、ファデュイだったのかよ」

 

「そうだよ。正確には、壁炉の家(ハウス・オブ・ハウス)の一員だけどね。」

 

パイモンはさらに疑いの目を向けたが、リネは軽く肩をすくめた。

 

「オイラ達に接触したのは情報収集のためだったのか。」

 

「いや、あの日は本当に偶然だったよ。

あのときの僕もまさかと思ったけどすごい偶然だったね。」

 

「はぐらかせやがって!!」

 

「それって遺跡はどこにあるの。

あ、その前に、私は旅人、こちらは非常食のパイモン」

 

「非常食と言うな。」

 

「ハハ、ほら、二人ども。

言った通り、面白い人だよ。」

 

「うん……」

 

「あ、あはは……」

 

▲■▲■

 

 

「遺跡はどこにあるんだ?」旅人が尋ねると、リネは軽く笑って答えた。

「あと数キロで着くよ。」

 

ポアソン町付近

リネ、リネット、フレミネと共に旅人とパイモンは遺跡に向かって歩いていた。

 

 突然、地面が揺れた。

 

「地震!?」

 

旅人たちは驚き、揺れに耐えながら身をかがめた。

 しばらくして揺れが収まり、彼らは立ち上がる。

 

「リネ。下から大きな声が聞こえる。」

 

「まさか。」

 パイモンは気付く。

 

「ポアソン町が危ない。」

 

 「急いで見に行こう」

 

旅人たちは走っていく。

 

▲■▲■

 

ポアソン町内部

 

町では混乱が広がっていた。

 

 洪水の声が響き渡り、住民たちは恐怖で逃げ惑っていた。

ナヴィアが黒服の護衛たちと共に、住民を避難させていた。

 

「ナヴィア!」

 

パイモンの叫び声にナヴィアは振り返り、驚いた表情を見せた。

 

「相棒、それにパイモン!何でここに?」

 

「地震を感じてここに来たんだ。今、どういう状況なんだ?」

 

ナヴィアは深刻な表情で答えた。

 

 「町に巨大な穴ができて、そこから水が溢れ出してる。今は住民の避難を急いでるんだ。

あんたたちは取り残された人々を助けてくれる?」

 

 「わかった。」

 

「僕たちも何か手伝えるだろうか。」

 

「あなたたちはフォンテーヌ人なのか。」

 

「そうよ。」

「なら、やめた方がいいかしら。

この水はフォンテーヌ人を溶かす成分が含まれているから。

あんたたちは私たちと一緒に避難誘導を。」

 

「わかった。」

 

▲■▲■

 

水没しそうな家

旅人は空を飛び、意識を失った少女を救い出した。

 

「この子が最後かな?」

 

パイモンが言ったその瞬間、遠くから不気味な鳴き声が響いた。

 巨大なクジラが水中から現れ、角を突き出しながら突進してきた。

 

「うわあああ!」

 

パイモンが叫び、旅人も身構えたが、巨大なクジラが目前に迫ったその時、

 突如として水の槍がクジラに突き刺さった。クジラは苦しみながら逃げ去り、水は急速に引いていった。

 

「フリーナ?」

 

パイモンが呆然とした声で言い、旅人は槍の降ってきた方向を見つめた。




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