【完結】とある水神の半身の神話創造   作:ネシエル

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新 第三十四話 黄金の城

ヤヌスの門

 

水中に広がる静寂の中、門がゆっくりと開いた。

旅人とヌヴィレットは、流れる海流に従い、

その門の奥へと進んでいった。

 

「ヌヴィレット、ここで合っているの?」

 

旅人は水の中で、静かに声を発した。

 

「おそらく、この先にある結界を破壊できるだろう」

 

ヌヴィレットは答える。

彼は腕を軽く振ると、水流を操り、

迫り来る巨大な落石を粉々に砕いた。

 

旅人はその様子を見て、内心驚きながらも声を漏らす。

 

『あれだけの落石を一撃で破壊して、水流にも全く影響を与えないなんて…』

 

「やはり、水龍の話は本当だったんだ。」

 

「私にとっては、呼吸と同じくらい簡単なことだ。

もうすぐ、着くぞ。」

 

二人は流れに乗り続け、ついにトンネルの出口へとたどり着き、

海流から解放された。

 

 

■■

 

 

海底に沈む黄金の城

 

トンネルを抜けた二人の目の前には、海底にそびえる黄金の城が現れた。

長い時を経てなお、その外装は崩れず、苔に覆われることもなく、

まばゆいばかりの輝きを放っていた。

 

「綺麗…」

 

旅人は思わず呟く。

 

ヌヴィレットもその光景を見つめ、頷いた。

「文献にあった通りだ。これはかつてフォンテーヌで栄えた大帝国、

レムリアの残骸だろう。

伝説によれば、神王レムスが黄金の輝く船とともに建国したと言われている。

これほどまでに原型を留めているとは、驚きだ。」

 

「じゃあ、結界の発生源はここで間違いないの?」

 

旅人はヌヴィレットに確認した。

 

「ああ、あの城が中心となって周辺の海に渦を巻き起こしているはずだ。

私ですら突破できない渦潮を作り出す何かが、

この城にあるのかもしれない。」

 

 

▲▲

 

 

黄金の橋

 

二人は水中に沈む黄金の橋を泳いで渡り、城へと向かう。

道中、海底に眠る多数のヴィシャップたちが視界に入った。

 

「なんで、こんなにたくさんのヴィシャップがいるの?」

 

旅人は欠伸をしながら、

ぐったりとしているヴィシャップたちを眺め、

ヌヴィレットに尋ねた。

 

「私も噂でしか知らなかったが、

恐らくここは海の魔王の領域だろう。」

 

「海の魔王?リネたちが言っていたけど、

それって架空の存在じゃなかった?」

 

旅人は怪訝そうに問い返す。

 

ヌヴィレットは首を振る。

 

「いや、海の魔王は実在する魔神だ。

海の魔神フォルネウス。

今ではその存在すらほとんど知られていないが、

確かに存在していた。」

 

「フォルネウス…」

 

旅人はその名を口にする。

 

「だが、私も彼あるいは彼女には会ったことはない。

ただ、その名を聞いたのは私と同じ龍からだ。

フォルネウスは、天理の命を受け、多くの魔神や龍を

処刑した残虐な神だと言われている。

しかし、一方で、自身を信仰する者には慈悲深く、

居場所を失ったヴィシャップたちを保護していると聞いていた。

まさか、その場所がここだったとはな。」

 

▲▲

 

黄金の城の前

 

ついに、二人は黄金の城の前に立った。

城は荘厳で、その存在感に圧倒される。

 

「ここにフォルネウスがいるの?」

 

旅人は不安げに尋ねる。

 

ヌヴィレットは静かに首を振った。

「わからない。魔神戦争の後、ほとんどの魔神が滅び、

生き残った者たちは七神の支配を拒み、闇の外海へ逃げたと聞いている。

もしフォルネウスがいないのであれば、死んでいるか、

あるいは逃げたかもしれない。

だが、今は結界を制御する端末を見つけなければならない。」

 

 

▲▲

 

黄金の城の中

 

二人は城の中に足を踏み入れた。

ヌヴィレットは旅人のびしょ濡れになった服を乾かしながら、

城内を探索した。

 

「海水は入ってこないみたいだね。」

旅人が周囲を見渡しながら言った。

 

「何らかの結界の効果だろう。

レムリア帝国が滅んでからすでに数千年が経つが、

内部は驚くほど綺麗なままだ。」

 

ヌヴィレットはその美しさに目を奪われながら答えた。

 

そして、二人はついに城の中心にある玉座の間にたどり着いた。

上を見上げると、

そこにはフォンテーヌの水神フリーナが座っていた。

 

「二人とも、随分と遅かったわね。」

 

フリーナは微笑みながら言った。

 

「フリーナ…」

 

旅人はその姿を見て驚きの声を上げた。




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