【完結】とある水神の半身の神話創造   作:ネシエル

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真 第三六話 破壊の律者

フォカロルスの意識空間は、どこか劇場を思わせる幻想的な空間だった。

 

空は淡い水色に染まり、宙には椅子が漂っている。

 

見渡す限り、不思議な光景が広がっていた。

 

ヌヴィレットはその場に立ち尽くし、周囲をじっくりと観察していたが、

 

やがて、目の前に一人の少女がいることに気づいた。

 

彼女は凛とした姿勢で立ち、幻想的な衣服を身にまとっていた。

水神、フォカロルスである。

 

「フリーナ……いや、違う」

 

ヌヴィレットは口を開く。

 

「誰だ。君は?」

 

「僕、僕の名はフォカロルス」

 

少女は答えた。その瞳には迷いがない。

 

「最高審判官ヌヴィレット。時間がない。

キミにしかできない。今すぐ僕を殺してほしい」

 

その言葉は不意にしても重たく、ヌヴィレットの胸に刺さった。

 

 

 

▲▲

 

 

黄金の間では、旅人とポセイドンが激闘を繰り広げていた。

 

旅人は稲妻の力を借り、

高速で移動しながら氷の剣を生成し、

その剣に炎をまとわせてポセイドンに向かっていく。

 

ポセイドンもまた、水の剣、

すなわちパルチザンを手に応戦する。

 

剣と剣がぶつかり合い、火花が散る。

旅人は巧みに剣の隙間を狙い、

素早く飛び上がって斬りかかるが、

ポセイドンは神速の速度で槍を繰り出し、

連続突きを繰り返す。

 

旅人の氷の剣は砕け散るが、

旅人はすぐさま氷元素を使って吹雪を巻き起こした。

 

雪煙が舞う中、旅人は風の力で視界を確保しようとする。

しかし、そこにポセイドンの姿はなかった。

 

 

「いない…」

 

旅人が呟くやいなや、その瞬間、背後から何かが迫っている気配がした。

反射的に振り返ろうとしたその時、

ポセイドンの強烈な蹴りが腹に炸裂する。

 

「ぐはっ…!」

 

旅人は激しく吹き飛ばされ、

天井に叩きつけられた。

 

天井全体にひびが入り、

彼女は力なく床へと自由落下していく。

 

ポセイドンは地面にひれ伏す旅人を冷たく見下ろしていた。

 

「小細工で神に通用すると思ったのか」

 

ポセイドンが嘲笑するように言い放つ。

旅人は荒い息をつきながら、それでも立ち上がろうとする。

 

ポセイドンはさらに言葉を重ねた。

 

「もっと、声を聴くのだ。頭ではなく心で、衝動を受け入れろ。

例えそれが平行世界の力であったとしても、

星の海を旅してきたキミにとって摩訶不思議な存在ではない」

 

 

旅人は床に手をつき、再び立ち上がった。

 

「今頃、フォカロルスはヌヴィレットに自分を殺すように頼むだろう。

神の心がない今、エネルギー生産する機関は俺が作った機械のみ。

いくら、俺の不正を暴かれてもエネルギー利用権は俺にある以上、

意味がない行為だ。」

 

 

「ヌヴィレットなら、例え機械がなくても自力でエネルギーを扱えるはずだ」

 

強く言い放つ。

 

ポセイドンは冷ややかに笑う。

 

「ああ、だが、それはヌヴィレットの意思だ。

彼にはそのような決断をすることができない。

伊達に400年もの間、共に過ごしているからな」

 

「そうか…」

 

旅人が静かに答えたその背に、純白の翼が生え、光が包み込む。

白い翼はしなやかに鞭のように振るわれ、ポセイドンに向かって飛びかかる。

ポセイドンは反応しきれず、攻撃をもろに受けて大きく吹き飛ばされた。

 

立ち上がった旅人は、虹色に輝く新たな翼と、頭に輝く王冠を身につけていた。

まるで銀河のように広がる巨大な角を持つその姿は、

もはや人間のものではない。

黒く染まった瞳には赤い眼光が鋭く輝いている。

 

「そうか、やっとわかってきたな」

 

ポセイドンは呟いた。その言葉が終わると同時に、

どこか機械的なノイズのかかった声が空間に響く。

 

煙が晴れ、そこに立っていたのは、

純白のパワードスーツを身にまとったポセイドンだった。

顔を隠し、素肌を一切見せない鉄壁の鎧が、

神の力と技術の融合を象徴しているかのようだ。

 

 

 

「さて、まずは教育からだ」

 

 

 

ポセイドンは冷たく告げ、再び戦いの幕が切って落とされた。




次回投稿11/7

もうすぐ完結します。
予想は2~3話くらいです。
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