【完結】とある水神の半身の神話創造 作:ネシエル
嵐が荒れ狂い、大雨が降り注ぐ空の下、旅人とアカシックが対峙していた。
鋭く輝く剣と槍が互いにぶつかり合うたび、
嵐はさらに勢いを増し、海は激しく揺れる。
「こんなことをして本当にフォンテーヌが救われるのか?」
旅人が叫んだ。
アカシックは冷然とした声で答える。
「救うか救わないかの問題ではない。これしか方法がないのだ。
天理から与えられた運命に逆らうためには、
世界を滅ぼす意志が必要だ。」
旅人は剣を握りしめながら反論する。
「それが崩壊獣を放ち、自分の民を害することなのか?」
「そうだ。フォンテーヌ人自らが犯した罪だ。
それなのに、私の半身であるフォカロルスがすべての罪を背負い、命を懸けたのだ。
ならば……」
アカシックの瞳に憤怒の色が宿る。
突如、アカシックが上空に浮かび、旅人を見下ろした。
アカシックは槍を力強く握りしめる。
「民も命を懸けなければ、不公平だろう。」
彼女は一瞬の間を置き、叫ぶ。
「来い!
その瞬間、空間が歪み、崩壊が始まった。神の槍は暗闇に閉ざされ、
銀河の光が一瞬垣間見えた。周囲の風景は崩れ、
次々と飲み込まれていく。
「何だ……?」
旅人は驚きに目を見開く。
「防げよ、第五降臨者。」
アカシックが槍を構えた。
旅人は咄嗟に背中の六枚の虹色の翼を広げ、
前方に巨大な魔法陣を描いた。
「翼よ!」
「天地崩壊……
アカシックが放つ槍は暗黒の力を帯び、旅人の放つ光のビームと激突した。
その衝撃は
▲▲
遠く離れた意識の空間で、
ヌヴィレットが何かに気づいたように顔を上げた。
「この揺れ……まさか。」
フォカロルスが深刻な表情で呟く。
「始まったのだ。最悪の予想が的中した。」
「外で何か巨大な存在が動き始めたのか……」
ヌヴィレットは重々しい口調で応じた。
▲▲
槍と光の衝突が空の雲を吹き飛ばし、朝の青い空と太陽が一瞬顔を出した。
しかし、すぐに暗雲が空を覆い尽くし、黒き雷が海面に直撃した。
旅人は異変を察知し、辺りを警戒する。
「あれは一体……」
アカシックが海を指しながら答えた。
「予言の自己修復機能だ。天理が眠りについた今、予言は自ら修復し使命を果たそうとしている。
しかし損傷が激しすぎるため、受肉という形で補おうとしているのだろう。」
その言葉通り、海水が形を取り始め、
やがて七つの首を持つ巨大な龍の姿が浮かび上がった。
アカシックは龍に向かい飛んでいく。
「それは皮肉のつもりか……まあいいだろう。」
アカシックは槍を構え直した。
「これで終わりだ。」
槍で龍に向かって投擲する瞬間
その直後、アカシックの体に亀裂が走った。
「な、何だと……!?」
力を失った彼女の身体は糸が切れた人形のように空を舞い、真っ逆さまに海へと落ちていった。
「天理め……」アカシックは呟きながら、
海中へと沈んでいった。
彼女の姿は、深い海の闇に消えていった。
次回投稿11/16日
すみません、3話では足りなかった