Ragnarok Onlineアイテム物語   作:アイテム鑑定士

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※このSSはラグナロクオンラインの二次創作 ファンフィクションです。
設定はねつ造が多々あります。

今回はイフリートリングと呼ばれるペアリングについてのお話


イフリートリング

ミッドガッツ王国随一の商都

アルベルタ

 

さまざまな国・地域とつながる港をもち、ミッドガッツ王国の貿易の中心と言える場所である。

この街に千年の歴史を持つ商館がある。

名を”アクアリウム”

 

 

商館の歴史は現在の商人ギルドと同時期までさかのぼり、創始者は”大戦”の生き残りという。

また、初代商人ギルドマスターとも言われていた人物である。

 

その人物から数えて67代目の当主 

ミリア・エリス・ゼファーシルト・シルフェニアは悩んでいた。

 

「はぁ、ご先祖様の蔵から出てきた”これ”・・・どうしようかしら?」

 

彼女の目の前には、1組のリングがあった。

一般的なリングとは違いそれぞれ赤い宝石と青い宝石が埋め込まれ、環には神代の文字で

呪が彫られている。

 

「まさか”ヴァルハラに到達”<転生>したものしか使えないなんて・・・。

 ここにきて商売しかしてこなかったのがあだになるとは。」

 

ミリアは本日何度目になるかわからないため息をつくと、執務室の窓から見える

アルベルタ港を見下ろした。

 

と、彼女の末の妹が扉を開けて突入してきた。

 

「おねーちゃーん!おやつできたって~!!早く来ないと食べちゃうよー!」

 

「あ!いくいくーまって~」

 

「お姉ちゃん今日のおやつはシャルルのシフォンケーキだってー」

 

「ひゃっほうぅ!!しゃるるのけーき!たのしみ~」

 

多くの商人を取り仕切る商館の主とは思えない軽いノリで食堂に飛び出していくミリア

彼女もまた年頃の女の子・・・甘いものには弱いのである。

 

執務室には長い年月経ても変わらぬ輝きを放つ1対のペアリングが残された。

 

 

***************************************************************

 

数刻後・・・めったに食べることのできない極上のデザートを平らげ、再び執務室に戻ったミリアは目の前のペアリングの扱いについて思案を巡らせていた。

 

「あ!」

 

ぽむっと手を叩く。

 

「兄さんがいたじゃない!影が薄すぎて思い出せなかったわ」

 

全くひどい妹もいたものである。

彼女の兄は商売の才能はなかったが、異常な身体能力と生来の影の薄さもあってアルベルタを飛び出し、アサシンギルドに入った猛者である。

本人いわく「俺は母さんに(無理やり)鍛えられただけだ!」とのこと。

だが本人がドM・・もとい鍛錬バカのためどんなスパルタでもこなす変態である。

 

なお、この兄妹の母親はプロンテラ騎士団のルーンナイトであり、後進を育てる教導騎士の位にあるが、現役時代は天然系アイドル→転生→クールビューティ鬼軍曹へ進化した特殊な経歴を持った人物であるのだが・・・・

そのお話はまたいずれ。

 

 

ミリアは、当の兄が最近”ヴァルハラに到達”<転生>”し、「必殺技<ソウルブレイカー>ができるようになった」とか自慢していたことを思い出していた。

 

「思い立ったら全力で!!」が信条の彼女は、早速兄を呼ぶことに。

さっそくWIS(念話)を試すが、呼び出しはしているものの全く通じる気配がない・・・

 

「さて、どうしましょうか?…居場所はわからないし、WISは切ってるし

 とりあえずカレン義姉さまに喚んでもらおうかしら」

 

 

ミリア(お義姉さま―!!聞こえてますかー!!)

カレン(ミリアちゃん?なにかしら?)

ミリア(うちのヘタレ兄に用事ができたので喚んでいただこうと思いまして!ハイ!)

カレン(・・・ミリアちゃん・・・たとえあなたのお兄さんだとしてもあの人をばかに    するのは癪にさわるわ~)

ミリア(あ!いえ・・やだなー冗談ですよー冗談w お兄ちゃん大好きの照れ隠しで     すって―・・あははははは・・・)

カレン(あらそう?それなら今回は大目に見ますけど次からは気をつけなさいね?)

ミリア(イエス!ユアハイネス!)

カレン(・・・で、あの人を喚んでほしいとのことだけど・・何かあったのかしら?)

ミリア(あー・・うちの倉庫からまたおかしなものが出てきまして~流通させようにも転生者しか

    使えないものだったので兄に試してもらおうかと。)

カレン(困ったわねえ・・あの人今任務中なのよ。)

ミリア(あ~それで・・・)

カレン(ちなみに転生者ならだれでもいいのかしら?)

ミリア(そうですね。転生上級職ならだれでも装備できるみたいです)

カレン(じゃあ・・代わりに私が試してもいいかしら?)

ミリア(え!?お義姉さまがですか?でもお義姉さま万年平プリーストでいいっ   

    て・・・)

カレン(あー去年ねえ、あの人と3回目の新婚旅行に行ったときに転生してね。

    でぇそのあといろいろあって♡ いまはアークビショップなのよ~)

ミリア(えぇぇぇ!?!?早すぎないですか?・・いろいろと・・・)

カレン(文句はあなたのお兄さんに言ってちょうだい。あの人のスパルタで

    こんなことになったのだから)

ミリア(はぁ・・・あの兄は・・でもまあ手間が省けました。お義姉さまお手数ですが

    ”アクアリウム”にある私の執務室に来ていただけませんか?)

カレン(わかったわ・・ちょっと待ってなさいね。直通ポータルで向かいます)

ミリア(承知しました~お待ちしています)

 

待つこと数分

 

ミリアの執務机の前に転送用の魔法陣出現し、

光とともにすこし露出度の高い法衣に身を包んだスタイル抜群の女性が現れた。

 

「こんにちは、ミリアちゃん」

 

「こんにちわ~、わざわざすいません、お義姉さま」

 

軽くあいさつを交わすと、ミリアは本題に入るためこう続けた。

 

「早速お義姉さまには、このペアリングを試していただこうと思います。」

 

「ペアリング?」

 

「はい、ご先祖様の目録によるとそれぞれでも効果を発揮するが、2つ同時に装備するとさらに強い効果を発揮するそうです。」

 

「へぇ~ということは婚約指輪の類ではないのね?」

 

「そうですね、どちらかというと精霊の指輪”スピリチュアルリング”に近い種類のブースト系の装備なのではないかと」

 

「それで名前と使用方法はどうなっているのかしら?」

 

「ハイちょっと待ってくださいね、今確認しますから」

 

ミリアはペアリングの収められていた箱に入っていた紙を取り出すと、

 

「え~と・・なになに、<赤い宝石の指輪は”リングオブフレームロード”、

 青い宝石の指輪は”リングオブレゾナンス”という。

 トール火山の精霊が生み出した宝具である。この二つの指輪を手にしたものは精霊の 加護によりさまざまな災厄から身を守り、強大な敵を砕く力を手にするだろう>・・・・

なんだかとても胡散臭いですね」

 

「まあ、昔のものですし多少大げさな部分があるでしょう。それでどうやって使うのかしら?」

 

「はいはい、続き読みますね<使用方法・・・①指輪をはめる②モンスター殴るor殴られる

 ③きっと何かが起きるよ!!以上!> ・・・は?ナニコレ?」

 

一枚目の仰々しい文言とくらべ、使用方法を記したメモはかわいらしい丸文字で書かれており、内容の適当さに思わずミリアもツッコミを入れてしまった。

 

「つまり、攻撃をしたときと攻撃を受けたときに効果を発揮するということね」

 

「まあそういうことなんでしょうねえ・・・となると手ごろなモンスターで試してみますか?

 討伐指定になっているものなら文句も言われないでしょうし。」

 

「ええ、そうしましょう。とりあえず時計塔のアラームでも叩いてきます。」

 

 

 

時計塔

シュバルツバルト共和国とミッドガッツ王国の国境にある街

アルデバランにある名所旧跡である。

 

時計塔には管理者と呼ばれる機械仕掛けのモンスターをはじめ、時計を模したモンスターが徘徊している。

また、地下と地上に階層がありさまざまなモンスターが闊歩している危険地帯である。

 

そんな時計塔の地上3階層目に怒声が響き渡る。

 

 

「アハハハハハ!!!潰れなさい!!ねじが飛んでるわよこの筋肉ダルマがぁぁ!!」

 

・・・・カレンである。

 

彼女は聖職者の家系出身で、両親とも修羅という拳で語るのが普通の家に生まれた。

そんな彼女は両親を反面教師にして、穏やかに信仰に生きようと代行者<モンク>ではなく

神官<プリースト>の道を選んだ。

 

腕力があまり強くなかったのもプリーストになった理由でもあったが、類まれなる魔力と知識によりエクソシストとして活躍していた。

 

だが、彼女に転機が訪れる。

とあるアサシンギルドとの合同任務でミリアの兄に出逢ってしまったことだ。

 

ドMなミリアの兄に、眠っていたカレンのS気質が刺激され目覚めてしまったのだ。

その後、本当にいろいろあって彼女たちは結婚した。

そこまではいいのだが、問題なのは新婚旅行と称してミリアの兄に付き合って苦行を続けるうちに身体能力が鍛えられ、さらに性格が完全に女王様として完成してしまったことだ。

 

なお、大聖堂に礼拝に来る一部の信者には「ビショップクイーン」、後輩たちには「お姉さま」と呼ばれていろいろな意味で大人気である。

 

それがこの姿である。

「無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!!当たらないわよこのポンコツ目覚ましがぁー!!」

 

神速の拳が目覚まし時計型のモンスター<アラーム>を粉砕していく、彼女の周りには

青い閃光(デュプレライト)がまわっており、拳に合わせて閃光がアラームに飛んでいく。

通常2つの光が飛んでいくが、あまりにも早すぎて無数の閃光が飛んでいくように見えるため、

だれが言い出したのか<ライトニングプラズマ>とかいう技名をつけた。

彼女の義妹曰く「そいつ絶対しし座だと思う」とのこと。

 

アークビショップである彼女が使うことができないはずの<気弾>と<爆裂波動>を

まといながら次々にアラームを粉砕していく。

彼女の気迫<プレッシャー>だけで潰れてしまうものもいた。

 

さらに・・・

 

「イくわよ? 喰らいなさい!」

 

ただでさえ見えない拳がさらに早くなり・・・

<ソニックブロー>を放っていた。

 

瀕死のアラームが一矢報いようとカレンに攻撃を当てた。

 

「痛いわね!!この・・・」

と彼女の全身が光り、防御術<アスムプティオ>が発動していた。

 

「あら?この法術は習得していないはず・・・これも指環の効果かしら?」

 

さらにアラームの攻撃を受けるとアラームが毒状態になり周りに毒をまき散らして倒れた。

 

「あれはべナムスプラッシャー!?そんな効果もあるのねこの指輪・・・

 さてとそろそろ本気を出しましょうか・・・」

 

 

彼女が閃光の爪を装着してアラームの群れに突貫すると・・・

 

アラームたちに大量のメテオストームが降り注ぎ・・

さらにサンダーストームとライトニングボルトがアラームに落ちて

さらにメテオストームを呼び寄せる。

無情な自動発動術(オートスペル)がアラームたちを襲っていた。

 

ともかくその日の時計塔3Fはアラームの悲鳴?が鳴りやまなかったという。

 

あるアラームが「あれは人間じゃねえ 災厄だ 何を言ってるのかわからねえが-----」

と意味不明なことを時計塔管理者に報告しており、時計塔のモンスターたちを困惑されていた。

 

アラーム?「あ~でもなかなか気持ちよかったです・・・また来てくれないかなー・・じょうおうさま・・」

カレンはあらたなる信者を増やしていた。

 

 

 

翌日 

アルベルタ 商館「アクアリウム」 ミリアの執務室

 

 

執務室の扉がノックされ声がかかる。

「ミリアちゃんいるかしら~?」

 

「あっお義姉さま。どうぞ入ってください。」

 

扉を開けて中に入ると彼女が椅子に座ってお茶を用意しながら待っていた。

 

入ってきたカレンとお茶を楽しみながらしばらく談笑した後、ミリアが首尾を訪ねる。

 

「それで・・・・どうでしたか?」

 

「そうね~。アラームをいっぱい殴れていいストレス解消になったわね。」

 

とカレンはちょっと的外れな返答をかえすと

 

「あはは・・・相変わらずすごいですねぇって・・そうじゃなくて!指環のほうですよぅ。」

 

「はいはい。 そうね~さまざまな自動発動術(オートスペル)が発動したわね。

 支援系から攻撃系、補助術、攻撃技。転生しないと使えないものもあったわね・・・」

 

「転生スキル!?」

 

転生スキルときいてミリアは驚いたが、同時にこの指輪の危険性を認識してしまった。

 

「あ~あと阿修羅覇凰拳も出たわね。」

 

「阿修羅ぁー!?」

 

「びっくりしたわよー?私がアークビショップじゃなかったら精神力切れで危なかったかもね?」

 

「それはすみませんでした・・・そんな危険なものとは・・・」

 

「まあそういうことも見越してのアラームだったから問題ないわよ?それに旦那様との

 新婚旅行<鍛錬>のほうが激しいし♡」

 

と若干のろけながら答える義姉に感謝しながら、この指輪の処遇について考えていた。

やはり先祖の蔵から出てきたものだと思いつつ、案の定かなり危険なものだった。

歴史があり、先祖代々冒険者を輩出してきた彼女の家系の蔵は貴重なものから危険物まで

多くの品が眠っている。

 

ミリアは目録を作るとともに売れるものは売ろうと当主になってから活動しているが、

今回は流通させるにはあまりにも危険なものであることがわかってしまった。

 

「よし!決めた!」

 

「どうしたの?ミリアちゃん。」

 

「そのペアリングはお義姉さまにあげます。」

 

「あら。いいのかしらこんな貴重なものを?」

 

「いいんです。私が持っていても使えません。それに流通させるには危険すぎます。

 お義姉さまなら使いこなせそうですし。あっ!兄と二人でつけて結婚指輪の代わりにしてもいいですよ?」

 

「なるほどね。結婚指輪か~いいわね♡」

 

「ちなみにどっちがどっちを付けるんです?」

 

「決まってるじゃない!私がフレームロードであの人がレゾナンスよ♡」

 

「はぁ・・・やっぱり・・・」

 

「あ!でも私が両方はめてあの人と鍛錬するのもありね。実は私のお母さまたちが

 夫婦げんかに阿修羅使ってたの憧れてたのよね~」

 

・・・・なんとも危ない発言が飛び出す義姉にあきれながら、彼女にしては珍しく兄の心配をしてしまった。

 

「えーと一応兄も人間なので・・・お手柔らかに」

 

「大丈夫よ?あの人なら嬉々として飛び込んでくるわ♡」

 

ミリアはもう勝手にしてほしいと思いながら、

 

「ハァ・・・そうですか。それはお義姉さまに任せますから。一応お義姉さまと兄で

 管理してください。ただ一つだけ守ってほしいのはそれは市場に出さないでくださいね?

 危ないですから。」

 

「わかっています。これの危険性は昨日きちんと認識しましたし。じゃあうちに代々伝える

 家宝にでもしましょうか。」

 

「そうしていただけると助かります。あ~それと今回の報酬もお渡ししますね?」

 

「別にいいのよ??指環をいただいちゃったし。」

 

「いえいえ、今回はなかなか危険なお仕事でしたし、ぜひ受け取ってください。」

 

といってミリアは机から今回の報酬を取出しカレンに手渡す。

 

「ありがとう。ミリアちゃん4回目の新婚旅行<鍛錬>の資金にするわね。

 またこういうことがあったら声をかけて頂戴。」

 

「はい。何かあったらお手伝いいただけると助かります。」

 

「それじゃあそろそろ行くわね?あの人が今日任務から帰ってくるのよ♡」

 

「幸せそうで何よりです・・・ではまた。兄によろしく伝えておいてください。」

 

「じゃあまたね~」

 

ワープポータル越しにカレンが返事しながら消えていくのを見送り、ミリアは窓の外に映る貿易船を眺めながら背伸びをした。

 

「さ~てと今日も目録作成がんばりますかー!!」

 

 

<目録>

 

イフリートリング

 

・リングオブフレームロード <物理攻撃命中時にスキル発動>

・リングオブレゾナンス   <攻撃被弾時にスキル発動>

 

装備可能者:上位二次職 3次職

 

両方はめて物理攻撃をする、攻撃を受けるとさまざまなスキルが発動

 

稀に阿修羅覇凰拳が発動することがあり、精神力切れを起こすため

並みの冒険者では生命の危機に陥る可能性がある。

 

上記の理由により市場への流通は不可とする。

 

管理者:カレン・エリス・アインツベルンお義姉さま

    (とお兄ちゃん)

 

<感想>

お兄ちゃんたちの結婚指環にちょうどよかったかも。

S属性と<リングオブフレームロード>=カレン義姉様と

M属性<リングオブレゾナンス>=お兄ちゃんだし(笑)

 

 




初投稿ですが、これからよろしくお願いいたします。


2018/05/29 微修正 ちょっとずつちゃんとしたSSに改稿予定
2019/05/25 設定をそろえるため修正。
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