Ragnarok Onlineアイテム物語 作:アイテム鑑定士
ポーションピッチャーが使えるアイテム?悪魔の下僕
それと悪魔の従者のお話
中秋のころ 交易都市 アルベルタ
メルティは数年前に創設されたアルベルタ自警団(通称:クライシスバニー親衛隊)の隊舎でため息をついていた。
この自警団は港の治安維持と祭りやイベントの企画など、アルベルタの青年団としての役割もあり、血気盛んな若者の受け皿としても機能している。
ちなみに出資者はメルティの姉が取り仕切る商館”アクアリウム”である。
メルティは自警団兼青年団の団長を務めており、隊の皆から「姉御」と
呼ばれ愛されている。
というのも隊員のほとんどはかつて存在した謎の魔法少女=メルティによって
更生した者たちばかりだからだ。
つまり、他に並ぶもののない実力をもち、近頃母や姉のような美女の片鱗を見せ始めた彼女は、自警団に所属する隊員の恩人兼アイドルのようなことにもなっていた。
そんな彼女がため息をついているところ見ると、絵画のようにみえて
隊員たちも「いい目の保養になる」としばらくの間放置していた。
(全くひどい奴らである)
いい加減ほうっておくのも悪いと思った隊員の一人が、メルティに声をかける。
「あねご~どうしたんですかい?そんなため息ばかりついて」
「ああ・・エリオさん・・・なんというかね~今年の収穫祭どうしようかな~って・・」
「収穫祭?それならいつも通り商人ギルドと協賛でやるって決まってたじゃないですか?」
「そうなんだけどね~ミアちゃんがね?」
「ミアちゃん・・・ああ!去年パンプキンクイーンになった子ですね?でもあの子って…」
「そうなんだよね~ミアちゃん屋台から出禁もらっちゃったから・・」
収穫祭の出会いから数年、メルティは毎年ミアと収穫祭を回って数々の伝説を残してきた。
去年などミアがカボチャパイ早食い競争で優勝してパンプキンクイーンとなったが、
規定数の倍以上も平らげてしまい、収穫祭の屋台商人から出禁を食らってしまったのだ。
ミア曰く「妾の胃を満足させられぬところなどどうでもよいのじゃ!」と涙目で叫んでいたが
今年はミアの大好きなカボチャを使ったお菓子が食べられないと嘆いていた。
メルティはそんな親友のために何とかしようとしていたが、方法がわからず途方に暮れていた。
それがさっきのため息をついたアンニュイな姿である。
「まあ、さすがにあの量は俺もどうかと思いましたがね?それでどうするんですかい?」
「しょうがないから私たちでお菓子のお店できないかなって思ったんだけど・・」
「ん~でも俺たちは力仕事や荒事は得意だけどお菓子作りなんてなかなか・・」
「そうだよね~?やっぱり私が何とかつくれるように「それだ!!!!」え?」
「姉御お手製のお菓子なら絶対売れます!!間違いなく!多少形くずれててもうれます!てか俺が全部買います!」
「あははは・・・おおげさだな~エリオさんは。ん~でも私レシピなんてわからないよ?」
「ですよね~・・・」
そんな会話をしていたら隊舎の扉を開いてパトロールをしていた隊員が駈け込んできた。
「大変です!!姉御!街の南方カプラ付近にジャックが現れました!」
「街中にジャック!?・・・被害は出ているの?」
被害状況を隊員に聞くと何とも言えない表情をして答えた。
「それが~特に被害はないのですが・・道行く人に怪しい勧誘をしているそうで・・」
「勧誘ぅ~?」
「何でもおいしいカボチャケーキを出すパティスリーで働く気はないかと・・・」
「エリオさん!」「姉御!」
メルティとエリオは渡りに船と早速その怪しいジャックのもとへ向かった。
どうやらまだ道行く人に勧誘をしているがうまくいっていないようだ。
メルティが声をかける。
「あの~ジャックさん?おいしいカボチャケーキを出すパティスリーで働けると聞いたのだけど?」
「おお!私に声をかけてくれる方がいるなんてなんという僥倖!もしかしてあなたたちは
働いてくれるのですかな?」
「ええ・・まあ・・・でもそのかわりもう町の人に変な勧誘しないでね?」
「もちろんですとも!・・さあさあ!こちらでお話をいたしましょう!
あっ!申し遅れましたわたくしヘッドハンターと申します。
今回のお話を受けてくださりありがとうございます。
まずは仕事内容と勤務場所からですな!・・・」
怒涛の勢いでメルティたちに説明を行い、勤務地である
ニブルヘイムに飛ばされてしまった。
こうして怪しいジャック「ヘッドハンター」の怪しい話術にはまり、
ニブルヘイムにあるパティスリー「キッコ・モストロ」で働くこととなった。
ニブルヘイム
ヘッドハンターから飛ばされた先は死者の街ニブルヘイムにある
パティスリー「キッコモストロ」。
死者の街というだけあって当然お店のスタッフは店長のブラックをはじめ皆魔物である。
当然お客さんも魔物なのだが・・・店員はともかくとして、どういうわけか人間が
働いていても襲ってくる気配が全くない。
「だってぇ~ここのケーキのほうがおいしいしぃ~」とはとあるサキュバスの言
異様な光景に圧倒されながらも、メルティたちがブラック店長から強引に契約書にサイン
させられて任せられた仕事は害虫駆除だった。
どうやら資材を管理する倉庫に害虫が出ており定期的に駆除が必要であるようだ。
メルティが害虫駆除担当のデュラハンの「デュラさん」に倉庫に運んでもらった
早速スキルで一掃しようと思ったが、物品を壊さないため魔法の類は禁止されており
仕方ないので物理で退治していった。
規定数を駆除してブラック店長から初給料をもらった時、従者を連れたVip待遇の客が来たらしく、
何か失礼があってはいけないとブラック店長にすべての責任を押し付けられたメルティが、
スクウォッシュ作のカボチャケーキを持っていくことになった。
メルティがVipルームに入ると見知った顔が高い魔力を持ったフクロウ紳士の格好をした従者を
2人連れており思わず声が出てしまった。、
「え? ミアちゃん!?」
「な?!メルティ!?」
はじめは動揺したメルティだが数年付き合ううちなんとなく疑問に思っていたことが
氷解してミアにこう答えた。
「いらっしゃいませ!ミアちゃん。スクウォッシュ先生作のカボチャケーキお待たせしました!
やっぱりミアちゃんは人間じゃなかったんだね~」
「え?!・・え~!?!? なんでそんなに落ち着いておるのじゃ!?メルティ!?」
正体がばれて、友情を失うとまで思っていたミアは落ち着いているメルティに疑問を返す。
「ん~だってミアちゃんといると不思議なことがいっぱいあったな~って思ってたけど
妙に納得しちゃって。それに・・私とミアちゃんが親友なのは変わらないから。」
「メルティ・・・・ありがとう。」
メルティの言葉にミアが涙を浮かべながら答える。
「もう相変わらず泣き虫だな~ミアちゃんは~。これからもよろしくね?ミアちゃん。
あ!そうだ!このカボチャケーキは昔二人で食べたやつだよ!しかも出来立てだから
もっとおいしいはずだよ~」
そういってメルティがミアにカボチャケーキを切り分けて勧める。
「これは・・・おいしいな・・でもなんだかちょっとしょっぱいけど・・・幸せの味がする」
ミアはカボチャケーキを食べながらそう感想を述べた。
「よかった~」
ミアがカボチャケーキを食べる様子をうれしそうに見ながら、メルティが答える。
カボチャケーキを食べて少し落ち着いたのか
「そういえばメルティなぜこのようなところにおるのじゃ?」
「え~っとねアルベルタに怪しいジャックが現れて・・・」
メルティがミアにこの店で働く経緯を説明した。
「なんと!・・ひとこと言ってやらねば!「まって」ぬ?」
「いいんだ。私が働きたくてここに来たんだし。それにね?」
「何じゃメルティ?」
「ん~なんでもない・・・まだ秘密。そうだ!今年の収穫祭も絶対来てね?」
渋い顔をしてミアが答える。
「む~・・・だが収穫祭は屋台が出禁になってしまったではないか?」
「ふっふっふ~メルティさんに任せなさい!その辺は何とかするからまた一緒に回ろうよ!」
「まあおぬしがそういうなら。」
そのあとミアと話をしながら楽しい時間を過ごし、退出して廊下をあるいているとフクロウ紳士の従者から
メルティに声がかかった。
「メルティ殿」
よく聞くとマーカスの声だと気づいたメルティ答える。
「え~と・・もしかしてマーカスさん?」
「ほっほっほ・・やはり気づかれましたか」
といって見知った老紳士の姿に変わる。
「メルティ殿、お嬢様のこと・・・ありがとうございます。」
「そんなマーカスさん・・ミアちゃんのこと大好きですし。」
「・・・やはりあなたを選んでよかった。メルティ殿。我々からあなたにお贈りしたいものがございます。
ケント!ここに来なさい。」
マーカスがもう一人の従者を呼ぶと緑の紳士服を着たフクロウ従者が現れて
若い執事に姿を変えた。
「先ほどは挨拶もせず失礼いたしました。御嬢さん。私はミア様にお仕えする従者”ケント”でございます。」
「どうも!初めましてケントさん」
「ふふふ・・・私のようなものにまでそのように接していただけるとは・・マーカス様が気に入るのもわかりますな」
「ではケントよ。良いな?」「わかりました。マーカス様」
といって高密度の魔力が2つ集まり、2枚のカードがメルティに差し出された。
「これは我々の魔力を込めたカードです。あなたを直接お守りすることはできませんが
きっと役に立ってくれるはずです。」
そういってマーカスからカードを受け取るとメルティのつけていたハート形の宝石が光って
受け取ったカードが吸い込まれていった。
「なんと・・・メルティ殿はいろいろなものに加護を受けているようですな。」
「ははは・・・まあ・・・・そうみたいですね。」
マーカスとケントはにっこり笑いながら
「「これからもお嬢様をよろしくお願いします。メルティ殿」」といって姿を消した。
ブラック店長に満足してもらえたことを伝えて、LOD様ではないがミアの名前を出した途端
諤々と震え始めて知り合いだと言ったら・・・なぜか平身低頭されて待遇が改善されたという。
さらに補助に助手を付けるからといって小さな空飛ぶデビルリングのような従者をもらった。
これにより、冒険者経験のないエリオさんには少々きつかったのがわかったため
先にアルベルタに戻ってもらい、自警団の収穫祭に向けた準備をしてもらうことにした。
こうしてメルティはニブルヘイムのパティスリー「キッコ・モストロ」でスクウォッシュから
お菓子作りを習得してアルベルタに戻り、無事に収穫祭を迎えることができた。
晩秋 交易都市 アルベルタ
さて収穫祭が始まり、メルティ率いる自警団は”メルティお手製”のカボチャを使ったお菓子を出す
「キッコ・モストロ アルベルタ支店」を開業して大いににぎわった。
メルティお手製というだけで若い男性が大量に購入するだけでなく、メルティの器用さと
スクウォッシュ直伝の腕がものをいい老若男女問わず大人気となり、商人ギルドが出した
屋台の売り上げが成り立たなくなるほどだった。
これには商人ギルドは頭を抱えたが、メルティが出した一つの条件をのむことにより
状況は解決した。
今年も仲良く収穫祭の屋台を回るメルティとミアの姿がアルベルタの各所で見られたという。
あと、ニブルヘイムでつけてもらった助手がメルティを気に入ったらしくメルティの周りを
守るようにうろつくようになり、親衛隊の男どもから嫉妬をされまくったという。
また、隊舎にちょくちょくミアが姿を現すようになり、新たな親衛隊ができつつあるのだとか。
祭りの後しばらくして
アルベルタは収穫祭が終わってから治安がさらによくなり、一つの名物ができた。
悪魔の従者を連れて数多の魔法を駆使する魔王が出没する。
昼夜問わず激しい光を伴った雷の柱が立ち上り、敵を屠っていく様は
正に魔王!いや・・冥王であると・・・
冥王少女リリカルメルティ・・・はじまりま・・・・・せん。
<目録>
・悪魔の下僕
ニブルヘイムにあるパティスリー「キッコ・モストロ」でブラック店長から
もらった助手。メルティの荷物運びやお菓子作りの助手をしていた。
メルティがアルベルタに帰る時も一緒についてくるほどメルティのことを
気に入った様子。
管理者:メルティ・E・ゼファーシルト
<目録2>
・電流の優しい心
・素早い傷ついた心
マーカスとケントからもらったカードがハート形の宝石に取り込まれて
できたアクセサリー
マーカスとケントの力を宿しているためかオートスペルで
「ロードオブヴァ―ミリオン」が発生する。
管理者:メルティ・E・ゼファーシルト
<感想>
最近・・・メルティ関係で商人ギルドから苦情が来ることが多くなったような・・
でもまあそれはメルティのほうで何とかやってるみたいだし大丈夫でしょう。
でもね・・・夜な夜な商館の廊下でメルティが持ってるウサギのぬいぐるみと
小っちゃいデビルリングみたいなのがすごい勢いでバトルしてるのをよく見るんだけど・・
もうね・・慣れたわ。
最近のうちの合言葉は「またメルティか!!」
私のキャラから着想を得てお話にしてみたかったのです。
収穫祭のお話の続きをかいてみたかったかつ悪魔の下僕とかけて
悪魔の従者であるマーキスとケントについても書きたかったのです。
でも一番書きたかったことは~・・・・・
冥王少女リリカルメルティです(ヲイ)
ちなみにケントとマーカスの正体は
オウルヴァイカウントとオウルマーキス。
ミアはピアメット
あるギルドダンジョンのモンスター構成から着想を得た話です。
2019/05/26 誤字修正