Ragnarok Onlineアイテム物語   作:アイテム鑑定士

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古の聖歌が載っている書物 約束の聖書に関するお話


約束の聖書

魔王モロク追跡から数年、異世界の調査が進み出会った異種族との交流も深まり、

商館アクアリウムも異世界との交易を行うべく、異世界の情報収集を進めていた。

ミリアは家令のエレミアに商館を一時的に任せて、ミッドガッツ駐屯地に旅立った。

そこで出会ったモロクマスター・ヌヌヌの依頼を異世界の情報収集するついでにこなして

住人との交流を深めていた。

 

ほんの数か月の調査だったのだが、異世界の過酷な環境にも慣れて来た頃気が付いたら

彼女はジェネティックになり、連れていたホムンクルスもピオレルというホムンクルスの

変異種研究をしている錬金術師により、エレノアという種類の猫耳娘に変異した。

 

それに伴い、ミリアはホムンクルスにヴェルヘルミナという名前を付けた。

名前が長いので普段はヴェルと呼んでおり、今ではミリア専属のメイド兼護衛という役割を担っている。

 

今日もミリアはヴェルを伴って異種族が集う街”モーラ”に特産品の買い付けのために来ていた。

モーラの周りは強い力を持つ魔物が闊歩しており、自力でたどり着くことは難しいが、

異世界の調査の時に出会ったイグドラシルの守護者ニーズヘッグより授かったペンダントの力で

どこにいても訪れることができるようになった。

 

買い付けが終わり、温泉に向かって歩いて隣にいたヴェルヘルミナが声をかけてきた。

 

「にゃ~にゃ~ご主人!ご飯はまだかにゃ?」

 

「さっきたべたでしょ~ヴェルちゃ~ん・・・・ってボケ老人じゃないんだから!」

 

「にゃははは!冗談だにゃ!」

 

「ん~でもおなかすいたの?」

 

「違うにゃん。なんかご主人が難しい顔していたからにゃ~どうしたにゃ?」

 

「うーんそれがね?さっき交易品の買い付けに行った時にレシア族の学者さんに

 これの調査を頼まれたのだけど・・・」

 

といって古びた本をヴェルに見せる。

 

「にゃにゃ!何とも古い本だにゃー・・カビ生えてそうだにゃ・・・

 でもそれがどうかしたのかにゃ?アイテム鑑定スキルで一発だにゃ!」

 

「ははは・・・一応は何の本でどういうものなのかは分かったんだけどね」

 

「じゃあ問題ないはずにゃ?・・・何か問題でもあったのにゃ?」

 

「古の聖歌が収録されている本ていうところまではわかったのだけれど・・・」

 

「だけど?」

 

「それを依頼者に言ったら歌ってほしいって。」

 

それを聞いたヴェルが納得した表情で

 

「にゃにゃ~・・・ご主人は歌が超絶苦手だもんにゃ~・・」

 

渋い顔でミリアが続ける。

 

「うん・・・それにこれ古いミッドガッツの文字で書かれているから読めなくて・・・

 これが成功するとモーラの特産品を格安で譲ってくれるって話だったから

 できれば成功させたいんだけど・・・・・今回はあきらめるしかないのかな?」

 

「ん~古い文字は私じゃわからにゃいからにゃ~・・・そうだ!!カレンちゃんに頼んだらどうかにゃ?」

 

「カレン義姉さまに?」

 

「カレンちゃんアークビショップだし、聖歌や古いミッドガッツ文字も見慣れているはずにゃ!」

 

ヴェルの発言を受けてカレンの存在を思い出したが、ここは異世界。しかも強力な魔物が

闊歩するモーラの地。いくら強い義姉とはいえ兄の大切な人をここまで来させるのは

と思って候補から一番最初に外していた。

だがしかし、ヴェルの言葉を受けてダメもとでカレンと念話で連絡を取ることにした。

 

ミリア(”カレン義姉さま~”)

カレン(”あらあら珍しいわね?ミリアちゃん元気だったかしら?”)

ミリア(”はい~ちょっとお願いしたいことがあって・・カレン義姉さまモーラ来れます?”)

カレン(”モーラ?いけるわよ~”)

ミリア(”ええ!? カレン姉さまモーラに来れるんですか?!”)

カレン(”ええ。よくあの人と温泉つかりにいってるのよ~新婚旅行(鍛錬)後とか”)

ミリア(”おお~!さすがカレン義姉さま、相変わらず幸せそうで何よりです。じゃあ来ていただけますか?”)

カレン(”はいはいちょっとまってなさいね~あ!温泉の前で集合でいいわよね?”)

ミリア(”はい今温泉の目の前にいますので~”)

カレン(”じゃあこれから行くわね~”)

 

待つこと数分。カレンがミリアとヴェルのところにやってきた。

カレンはミリアとその隣にいる猫耳娘を不思議そうに見ながら挨拶する。

 

「おひさぶりね~ミリアちゃん。・・・それから、そっちのかわいい子は誰かしら?」

 

「お久しぶりです、カレン義姉さま。ああ~この子は私のホムンクルスですよ~。ほらヴェル挨拶して。」

 

「お久しぶりだにゃ~カレンちゃん。今はご主人にヴェルヘルミナという名前をもらったにゃ!

 ヴェルって呼んでほしいにゃ!ちなみに昔の記憶はちゃんとあるからカレンちゃんの

 こともちゃんと覚えてるにゃ!」

 

「へぇ~!!この子があのホムンクルスなのね。最近の生命工学はすごいのねぇ。

 じゃあこれからヴェルちゃんと呼んでいいかしら?」

 

「よろしくにゃ~」

 

「はい、よろしくね~ヴェルちゃん。そういえばミリアちゃん今日の用事は何かしら?」

 

「あ!はい!え~とですねカレン義姉さま今日来ていただいたのは、この本の解読と・・

 できたらそこに載ってる聖歌を歌っていただきたいと思いまして」

 

内容を説明しながらミリアが件の書物をカレンに見せる。

書物に載っている文字と歌詞の部分を見てカレンが懐かしそうな顔になりこう答えた。

 

「ミリアちゃんずいぶんと珍しいものを持っているわね?」

 

「え?カレン義姉さまこれ見たことあるんですか?」

 

「ええ・・・これはね?古から伝わる聖歌が載っている歌集なんだけどね?

 今読める状態の物はプロンテラ大聖堂の書庫に保管されているものだけなのよ」

 

「!!そんなに貴重なものなんですか?!」

 

「まあでも聖歌隊に入るとだれでも閲覧できるものなのよ?」

 

「聖歌隊って・・もしかしてカレン義姉さま・・・」

 

「ふっふっふ~私の家は聖職者の家系だから子供のころから聖歌隊に所属していたわ~」

 

「じゃあ今回の依頼は・・・」

 

「もちろん受けさせていただくわ。」

 

「やったにゃ!ご主人!」

 

 

こうしてミリアはレシア族の学者の前にカレンを連れて行き、

カレンの歌を聞かせたところ、大変気にいった様子で他の者たちにもぜひ聴かせたい

ということで温泉の前にある講堂でカレンが歌うことになった。

 

カレンは歌集にのっている歌のうち、有名な歌、得意な歌、好きな歌をそれぞれ1曲ずつ

選んで歌っていった。

 

澄んだ歌声と力ある言葉にも似た歌詞が周囲の人々の心を癒し、力づけていくのが

袖に控えていたミリアの目にもわかる。

 

こうしてカレンのコンサート?は好評を得て幕を閉じた。

 

カレンが歌い終わり、講堂横にある東屋でミリアが用意した紅茶とお菓子を堪能しながら休んでいると

紫色の髪の変わった格好をした女の子がカレンに声をかけた。

 

「あなたの歌とてもよかった。とても心地よい、すがすがしい気分になれた。ノローキアみたい。」

 

したたらずな声で一生懸命感想を述べてくれているのがわかり、

カレンはほほえましく思い、にっこりと笑って女の子にお礼を言った。

 

「ありがとう。お嬢ちゃん。」

 

「それに・・・懐かしい力を感じた。あなたもイグドラシルの使徒?」

 

「イグドラシルの使徒?」

 

「・・・・違うみたい・・・でも確かにイグドラシルの力を感じた。特に3つ目の歌の時に。」

 

「3つ目の歌?あ~あれは古の聖職者が作った主神をたたえる歌なんだけど。何かしら加護が

 あったのかもしれないわね?」

 

「オーディン・・? ちがうあれはイグドラシルの力そのもの・・・ちょっと見せてほしい」

 

といって少女が件の書物の3曲目歌詞に手を置いた瞬間。

 

件の書物が光ってきれいな訂そうの聖書に変化した。

 

「これは!? あなたは!?」

 

「きれいなうた。またききたい。」

 

と声がきこえて女の子を探したが、既に姿はなく神聖な輝きを放つ書物が残された。

 

そこへ、レシア族の学者と交渉を終えたミリアとヴェルが戻ってきた。

 

「カレン義姉さま~ただいま~」「ただいまにゃ~」

 

「お帰りなさいミリアちゃん、ヴェルちゃん。二人とも紫色の髪をした不思議な

 格好をした女の子知っているかしら?」

 

ミリアとヴェルは紫色の髪と聞いてとある人物が思い浮かんだが・・女の子と聞いて頭に疑問符を浮かべる。

 

「はあ・・紫色の髪で不思議な格好というと思い浮かぶ人物は幾人かいますが

 女の子となると・・・どうしたんですか?」

 

「ああ・・・これ見て頂戴。」

 

 といって少女によって姿を変えた書物を指さす。

 

「え?なんですかそれ!?」「にゃにゃ?」

 

「古びた歌集よ」

 

「へ?」「にゃ?」

 

ポカーンとしているミリアとヴェルにカレンが経緯を話す。

事態を把握したミリア達はカレンを伴ってレシア族の学者のもとに向かい、

古びた歌集が紫色の髪を持つ不思議な少女によって聖書に変わったことを説明した。

それを聞いたレシア族の学者はなぜか納得した様子でこう答えた。

 

「あの方は大層歌がお好きでしたからな。そういうことならその書物はカレン殿にお譲りします。」

 

「いいのかしら?」

 

「ええ・・・ただ・・」

 

「ただ?」

 

「もしよろしければですが、時間があるときに今日のように歌ってはくださらんかな?」

 

「それは・・別にかまいませんが。」

 

「そうですか!きっとあの方もお喜びになります。ではどうぞお持ちください。」

 

といって神聖な輝きを放つ聖書をカレンに渡した。

 

 

 

 

 

レシア族の学者の家を後にしたカレンとミリアは今回の件のことを話し合っていた。

 

「ミリアちゃん・・・今回の件なんだけどなんでかわかる??」

 

「ん~多分ですけど・・・カレン義姉さまが見たのはイグドラシルの守護者ニーズヘッグ

 ・・・その残滓です。」

 

「残滓?」

 

「本物のニーズヘッグさんはロキさんとこのモーラの地で療養中ですが、力は完全に戻っていません。」

 

「守護者が療養中で力が戻っていない?」

 

カレンの疑問に答えるべくミリアはニーズヘッグとロキにあった経緯を説明した。

 

 

 

「ということは・・・ニーズヘッグから離れてしまった守護者としての力の一部があの女の子ということかしらね?」

 

「きっと、カレン義姉さまの綺麗な歌声とイグドラシルの力を感じさせるあの歌が、呼び寄せたのだと思います。」

 

「そういえばあの子ノローキアみたいって言っていたわ。」

 

「!!間違いないですね。」

 

「じゃあさっきの学者さんが言っていたあの方って・・」

 

「ニーズヘッグさんのことだと思います。アールブヘイムに住む異種族の方たちは

 イグドラシルを大切にしていますからね」

 

「そっか~・・・そういうことなら定期的に温泉につかりに来るついでに歌おうかしら」

 

「きっとニーズヘッグさんも喜ぶと思いますよ。」

 

「でもなんで3曲目だけイグドラシルの力が感じられたのかしらね~?」

 

そういいながら3曲目の歌詞と作者を見てみると作者名と歌詞の内容が変わっており、

内容が主神をたたえるものからイグドラシルを愛するものに変わっていた。

というよりむしろ元に戻ったというべきか。

 

作詞者名を見るとこう書かれていた「マーガレッタ・S」

その名前を見たカレンが声を上げる

 

「あ!!」

 

「どうしたんです?カレン義姉さま」

 

「作詞者が・・・古にもっとも強い力を持ちながら、不当な審問により異端とされ教会を

 追われ失踪した高位の聖職者です。もっとも現在では身分が回復されていますが。」

 

「え?」

 

「異端とされた理由・・イグドラシルに近づきすぎたからなのかしら?」

 

「まさか~?」

 

「まあ・・異世界があったわけですから何があったとしても不思議はありませんよ。」

 

「そうですね~・・・あ!話は変わりますが今回はどうもありがとうございます。」

 

ミリアは微妙な空気を打ち破るべく唐突に話題を変えた。

 

「え・・ええ、今回はいろいろと素敵な出会いもあって楽しかったわ」

 

「それはよかったです。これでうちの商館も異世界の交易品を定期的に取り扱うことができます。

 それで今回の報酬ですが・・・・」

 

「え?お金ならいいわよ?書物ももらったし?」

 

「というと思って!モーラ温泉家族旅行無料券(一生分)を用意させていただきました!」

 

「わ!それはうれしいわね~」

 

ミリアはカレンにチケットを渡すとこう言った。

 

「是非、兄と使ってくださいな~これなら家族が増えても使えますしね~ニシシッ」

 

「//////// もう!ミリアちゃんたら!」

 

「はやく姪か甥の顔見てみたいな~!」

 

「もーー!!ミリアちゃん!?」

 

カレンがミリアに声をかけたときにはカートブーストで遠くの方に行ってしまった後で

 

「お義姉様~お幸せに!!」と叫んでドップラー効果を付けながら去って行ってしまった。

 

まだその場に残っていたヴェルヘルミナがカレンに向かって

 

「カレンちゃん。あれもご主人の照れ隠しだから許してほしいにゃ」

 

「ふふふ・・・わかっていますよヴェルちゃん」

 

「じゃあ私もいくにゃ!それじゃあまたにゃ~」

 

カレンはヴェルヘルミナがものすごい俊足でミリアを追いかけるのを見届けながら

手を振る。ヴェルヘルミナの姿が見えなくなってから

 

「じゃあ・・・私も帰りますか」

 

モーラに満ちる光に照らされて、カレンの手の中にある聖書が彼女を祝うように光っていた。

 

 

 

 

 

<目録>

 

 

 ・約束の聖書 第一巻

 

 古の文字で書かれた聖歌集。中にはかつて強大な力を持ちながら失踪した聖職者の歌も

 収録されており、聖遺物”アーティファクト”としての力を持っていたが、

 後に何者かによって改変されたようだ。

 年月を経て異世界にたどり着きレシア族の手に渡った。改変されただの書物として

 朽ちていくところだったが、カレンの歌声で目覚めた守護者の力によりもとの姿を取り戻した。

 真の歌を読み解くものはイグドラシルの力を得ることができる。

 

管理者:カレン・E・アインツベルン

 

<感想>

・カレン姉さまもそろそろ幸せになってというか落ち着いてもらわないとね~

 甥っ子か姪っ子期待してますよ~?w

 それにしてもカレン義姉さまにあんな特技があったとは・・・・

 しかもニーズヘッグの力を呼び寄せるなんて・・ああ~そういえばこの前

 ニーズヘッグさんに会いに行ったら幼いころとてもきれいな声を聴いたと

言っていたような・・どういうことかしらね?

 




約束の聖書第一巻の説明を見て思いついた話。
ゲームでは「オーディンの力」というブースト系のスキルが使える装備品ですが
思ったのがオーディンはイグドラシルの頂上で片目をささげて力を得たんですよね~
ってことで「オーディンの力」=「イグドラシルの力」ってことで今回のお話に
なりましたとさ。


今回のアイテム説明 原文

約束の聖書 第一巻 [1]

大聖堂に伝わる神聖な歌が
書かれている古い本。
販売当時はシリーズ物として
評判が良かったようだ。
------------------------------------------
Mdef + 2
------------------------------------------
[オーディンの力]Lv 1
使用可能
------------------------------------------
系列 : 盾
防御 : 10
重量 : 50
要求レベル : 110
装備 : アークビショップ
 
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