Ragnarok Onlineアイテム物語   作:アイテム鑑定士

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相手を切りつけると自動で雷の魔法が出る両手剣
シュバイチェルシャベルについてのお話。


シュバイチェルシャベル

魔導科学の国 シュバルツバルト共和国

浮遊都市ジュノー

 

魔導技術により大陸の一部を浮遊させて土地の確保と災害対策を行うという、

通常では考えられない方法で建設されたシュバルツバルト共和国の首都である。

 

また、技術立国を支える最高学府”セージキャッスル”を始め、各種研究・教育機関を

擁する学術都市でもある。国の研究機関としては珍しく、国籍を問わず学びたいものには

門戸を開いており、各国から魔導科学を学ぶために優秀な学生が多く留学している。

 

今回はとあるアカデミーに所属する学生が主人公のお話。

 

 

シュバイチェル セージアカデミー

研究棟 魔導科学研究室

 

 

ミッドガッツ王国からの留学生であるフェイトは、今日も自身の論文テーマである

”武器に対する魔力と自動発動術<オートスペル>の永久付与”の実験のため

研究室にこもっていた。

 

「ハァ…また失敗ね・・・」

 

ため息とともにフェイトの疲れた声が空しく響く。

 

彼女はアカデミーでも優秀な学生として知られており、特にセージの三大技能

<属性付与>、<オートスペル>、<フリーキャスト>についてほかに

右に出るもののいないくらいの使い手である。

 

故に彼女はアカデミーの卒業論文としてこの3大技能に関するテーマを選んだ。

 

彼女の中で理論はもうほぼ完成しており、あとは実機を作成して証明するだけなのだが

あと一歩のところでうまくいかない。

 

属性付与とオートスペルの付与に成功しても一定時間立つと消えてしまったり、

魔力の永久付与には成功するがオートスペルが全く発動しなかったり。

 

どうしても魔力付与とオートスペルの永久付与の両立がうまくいかない。

 

 

彼女は基本に立ち返るため、<属性付与>と<オートスペル>について考えていた。

 

<属性付与>

・属性原石と呼ばれる魔力を内包した石を触媒として既存の武器に属性変換魔力を

 付与する魔導技術

 属性魔力は触媒から取出し、属性の定着に魔力を使用する。

 魔力は属性付与使用者のものを使用する。

 しかしながら、魔力は一定時間立つと武器から霧散してしまうため、付与した属性が

 消えてしまう。

 

<オートスペル>

・使用者はまずフリーキャストという同時に複数の行動をできる技能を

 身に着ける必要がある。

 

・見た目上は攻撃中に自動的に魔法が発動しているように見えるが

 実際は詠唱しながら攻撃をしている。

 故に使用者の負担が大きく、発動させるために長い詠唱はできない。

 オートスペル用に最適化された簡略スペルを使用している。

 そのためセージ技能のオートスペルで発動する術には高位の魔法が存在しない。

・簡略スペルを発動させるためには使用者自身の魔力を使用する。

 

以上の結果から彼女が出した答えは以下のようなものである。

 

<魔力付与>

・武器に触媒を仕込み、武器全体に魔力を循環させることにより

 属性魔力の霧散を防止する。

 

<オートスペル>

・武器に簡易スペルを刻み、攻撃時の魔力の揺らぎをトリガーとして

 循環する魔力を使用してスペルを発動させる。

 

 

上記の結果から作成した実験機は予想通り

しばらくすると魔力が消失してただの武器に戻ってしまう。

 

現在の課題として以下の2点

・効率の良い魔力循環の触媒を設置する。

(魔力減衰率を0または回復させるため)

・オートスペル使用の際の魔力減衰を補う機構を搭載する。

 (単純に減衰した魔力を回復させる)

 

しかしながら、どうしてもよい触媒と減衰を補う機構ができない。

どんなに循環効率を上げても必ず魔力損失は起こるので

いつかは必ずただの武器に戻ってしまう。

 

代替案としてゲフェンタワーで売っていたイエローウィッシュポイントを

カートリッジとして魔力消失の度に交換するものを作成したが

それでは永久付与ではないので取り下げた。

 

しかしながら相変わらずいい触媒も魔力回復機構も思いつかず

どうにも煮詰まってしまった。

 

「ん~少し休息が必要かしらねぇ…あー海が見たいわ~」

 

ちょっとした現実逃避のつもりで海の見える故郷のことを考えていたら

唐突に思い出した・・・本家の倉庫の存在を。

 

「!!あそこなら何かいいものがあるかもしれないわね!」

 

 

フェイトは思い立つとすぐに最低限の準備をして、

気が付いたらイズルード行きの飛行船に乗っていた。

 

ジュノーから2時間ほどの空の旅を経て、ミッドガッツ王国のイズルードへ

イズルードから高速船で彼女の実家のあるアルベルタへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

商館”アクアリウム正門前”

 

あたりはすっかり暗くなっていたが、まだまだ目の前の商館は

人々が集まりにぎわいを見せていた。

 

そんな人々の様子を見ながら商館の裏口に回り、門をたたく。

すると鍵が開いてメイド服を着た女性が迎えてくれた。

 

「お帰りなさい、フェイト。

 長旅でお疲れのところ悪いけれど、執務室に行ってあげて。

 ミリアちゃんがまってるわ。」

 

「ただいま!ヴェル。執務室でいいのね?」

 

「はい、お願いね?」

 

勝手知ったる他人・・もとい従姉妹の家。

フェイトは早速ミリアのもとに向かった。

 

 

執務室の扉をノックする。

 

「ミリア入るわよ?」

 

室内の人物も懐かしい声に気を緩めて返事を返す。

 

「ど~ぞ」

 

「ただいま~!!ミリア!元気だった?」

 

「お帰りなさい。フェイト。 ん~まあぼちぼちね。」

 

「あなたがそういう時は景気のいい時だから安心したわ。」

 

「まぁねぇ♪っと・・・・

 そういえば急にうちの倉庫に用があるということだったけど

 どうしたのかしら?」

 

「それがさ~・・・・・」

 

フェイトはミリアに今の自分の研究のことを説明する。

 

「なるほどね~魔導器に使う触媒と魔力機構ねえ・・・・確かにあの蔵だったら

 何かありそうだけど・・」

 

「見せてくれるだけでもいいのよ?自分で解析して実現させるから。

 まあもらえるならほしいけどね?」

 

「フェイトが使う分には何も問題ないから持って行ってもいいよ。

 ああ~でもいちおう持ち出す前に私に見せてね?」

 

「ありがとう!ミリア。でも今回の論文は普及技術として発表したいから

 それほど危険なものは使わないつもり。一応持ち出すときにはミリアも

 立ち会ってくれるんでしょ?」

 

「そっか、それならそんなに心配しなくてもいいかも。まあ念のためってことで。

 調査は明日から?」

 

「そうねえ・・・もう日も暮れちゃってるしそのほうがいいかな。

 もっとミリアと話したいし。」

 

「それじゃあご飯食べながらいろいろききたいな~」

 

「そうね私も何も食べずに来ちゃったからね~」

「あ!ごめんねフェイトもう準備はできてるから・・」

「冗談よw早く食堂いきましょ?」

「はいはい」

 

二人連れだって食堂へ向かう。

この日の夜は近況報告から昔話やらいろいろと盛り上がったようである。

 

翌日

商館”アクアリウム” 地下3階 ”倉庫”入り口

 

 

正式名称は「ファフニールの宝物庫」というのだが、ミリアたちはその仰々しい名前を嫌い、単に”蔵”とか”倉庫”と呼んでいる。

 

実際にはその名にふさわしく大戦のころに作られており、結界が何重にも張られた

シェルターにもなる宝具級のものなのだが。

現代ではなんでも入って、セキュリティがしっかりしている便利倉庫と化している。

 

その倉庫の入り口の扉についている宝玉に触れるとロックが解除され、扉が開く。

ミリアの代に入ってから、この蔵のロックはミリアが許可したエリス家の近親者ならだれでも開けられるようになっている。

 

よってフェイトはこの宝物庫の中身を何でも持ち出し可能だが、商館で最もセキュリティシステムが働いているミリアの執務室を通らねばならないため、実質無断で借用するのは不可能である。

 

まあもっとも本人にもその気はないようだが。

 

「さてと~まずは触媒になりそうなものを探しましょうか」

 

とフェイトは持ってきたイエローウィッシュポイントに魔力を込めた。

 

そうするといくつか反応が返ってきた。

 

フェイトは倉庫の中から反応を示すものを一通りピックアップして袋に入れて

ミリアのもとに持ち込んだ。

 

「ミリア~とりあえず倉庫から目に見えて反応があったもの端から持ってきたんだけど。

 見てくれないかしら?」

 

「わ!すごい量ねえ・・その袋の中身が全部そうなの?」

 

「そうよ~?とりあえず可能性があるものは全部持ってきたわ。」

 

といって大机の上に物品を並べていく

 

だが想像と違い貴重な物品はすくなく、消耗品や原石、貿易品など一般的に流通している

ものが多数を占めている。

 

そんな中一つだけ変わった結晶があり、ミリアがまだ見たことのないものだった。

どうやら魔法具のようである。

 

「フェイトが持ってきたのはほとんど流通品だから持って行ってもいいわ。

ただその石についてはちょっと待ってもらえないかしら?」

 

といってミリアはフェイトに、先ほど結晶を指さしながら答えた。

 

「あら、これがある意味本命だったのに。仕方ないわね~」

 

といってあきらめようとしたが、

 

「待ってフェイト。ダメとは言ってないから。」

 

「え?」

 

「私が倉庫の目録を作ってるのは知っているわよね?」

 

「ああ・・・そういえば!じゃあ目録作りに協力すれば・・・?」

 

「そういうこと。」

 

「じゃあまず何をすればいいのかしら?」

 

「え~とね・・そういうのには大体ご先祖様のメモがついてることが多いのだけど

 何かなかったかしら?」

 

「ああ!これがそうなのね?」といって

羊皮紙で書かれたメモを取り出してミリアに渡す。

 

「やっぱりあったのね・・・え~と

 <この魔法石はもとはイズルード海底都市の祭壇に捧げられていた石である。

  発見当時都市はもう放棄されていたため、使用方法等は不明である。

  高密度の魔力を内包していたため遺跡発掘品の一部として接収したが、際限なく水を

  生み出すために保存方法に苦労した。ゲフェンの協力で現状の形にする

  ことができた。>

 

 なるほど。まあ例によって使用方法不明だけど貴重品のようね。」

 

 「そうみたいね?」

 

 「でもフェイトは、これ扱えると思ったから持ってきたのよね?」

 

 「ええ、この結晶石からは水の魔力を感じたの。だけどその力が減衰することなく

  ずっと一定のままで、魔力を込めるとさらに力が増すという特性を持っていたのよね~

  これを参考に触媒を作れそうかなって。」

 

 「なるほどね・・今はきちんと保存できてるみたいだし、これを参考にする程度なら

  いいか・・・それの管理はフェイトにまかせるね?」

  

 「ありがとう、ミリア。しっかりと管理させてもらうわね。」

 

 「よろしく~」

 

 「そういえば私が持ってきた物のリストと効果の一覧は作れるかしら?」

 

 「大丈夫。ほとんど流通品だし明日までには。」

 

 「よかった・・魔力反応を頼りに選んだから詳しくはわからなかったのよね~

  それとゲフェンから古い魔法書を取り寄せることができるかしら?」

  

 「ゲフェンの古い魔法書?」

 

 「そのメモに”ゲフェンの協力で”ってあったじゃない。だから何か資料が

  あるんじゃないかと思って・・・」

 

 「なるほど。じゃあ情報網に引っかかるものがあれば取り寄せておくわね?」

 

 「お願いね。・・・じゃあ明日リストができるまでは久しぶりの休暇を楽しむと

  しましょうか・・・」といってフェイトはそそくさと結晶石を持って執務室を出て行った。

  

絶対明日の朝まであの結晶で実験する気満々だと思いながら、フェイトの背中に向かって

 

 「しっかりやすみなさいよ~!!」と声をかける。

  

一人残されたミリアは大机に残された物品を見て

  

  「はぁ・・・・面倒だけどちゃっちゃと終らせますか。」

  

といってWIS(念話)でリスト作成のための人材を呼ぶ。

  

  ミリア(ヴェル~ちょっといいかしら?)

  ヴェル(何でしょう。ミリアお嬢様)

  ミリア(今回は身内向けの仕事だから、フランクでいいわよ?)

  ヴェル(身内向けの仕事?ああ!フェイトの件ね?ミリアちゃん)

  ミリア(そそ!フェイトに渡す物品のリスト一緒に作ってほしいなーって)

  ヴェル(ああ・・・またあの子はミリアちゃんにそんなことを・・わかりました。

      すぐに向かいますから少しまっててくださいね。)

  ミリア(はいは~い)

 

合流したヴェルの力もあり、1時間ほどでリストは作成されてフェイトに手渡された。

しかしながら、物品の数が尋常ではなかったため、「ミリアに負担をかけすぎだ」とヴェルに数時間ほど説教を食らって実験どころではなかったという。

 

 

 

2日後

 

商館”アクアリウム”庭園内

 

フェイトは久しぶりの休暇を満喫したあと、急いで実験に取り掛かるため、

帰りはカプラの空間転送サービスを利用することにした。

しかしながら、ジュノーへ向かう空間転送サービスはアルデバランからしか

出ていないということが分かったため、ワープポータルを使って

アルデバラン経由で帰ることとなった。

 

当初はカレンを呼ぼうと考えていたが、なぜかメルティが

アルデバラン行きのワープポータルを使えるということで、

メルティにお願いすることにした。

なんでも”お友達に会うため”に修得したとのこと。

 

「それじゃあポータル出すよ~フェイトおね~ちゃん。」

 

「お願いね?メルティ」

 

「は~い」といってメルティがワープポータルを出現させる。

 

「それじゃあみんな!いろいろありがとう!それとミリア!

 完成したら実機を一番最初に見せてあげるからたのしみにしてなさいね~ 」

 

「がんばりなさいよ~!楽しみにしてるから~!」

 

ワープポータルにフェイトが入り姿が消えてゆくのを見送る。

 

今回ミリアは大分フェイトのために骨をおったが、

フェイトの論文が完成すれば魔導器が比較的安価で作成が可能となる。

大好きな従妹の研究に協力してあげたいと思いも当然あったが、

アルベルタの商人としてこのような案件に乗らないのはないだろうと思いもあり、

商館の総力を挙げて協力した。

 

後はフェイトの頑張り次第・・・彼女なら絶対に成し遂げるという思いとともに

ミリアは執務室に戻るのだった。

 

 

 

シュバルツバルト共和国 首都ジュノー

 

シュバイチェルセージアカデミー

フェイトの研究室

 

ミリアからもらった物品のリストとゲフェンから届いた古い魔法書読みながら

使えそうなものをピックアップしていく。

 

天津からの交易品の中にあったもの

・風鈴石

・疾風の苦無

・風の霊符

 

龍乃城との交易品にあったもの

・猫目石

 

ミリアから届いた古い魔法書の記述に結晶石の作成方法が載っており、

記述をもとに用意したもの

 

・オリデオコン

・岩の心臓

・古い魔法陣

 

古い魔法書によると結晶石は魔力を固定する効果がある魔法具のようだ。

神鉄オリデオコンと状態固定化の効果があるゴーレムの心臓で合金を作り、

古い魔法陣を刻むことで結晶石は完成する。完成した珠の中には魔力媒体を

格納することができる。その結果内包したものの魔力が固定化されるようだ。

 

 

疾風の苦無は風の魔力が宿っているが、これは大気中の風の精霊を

風の霊符により常に集めて魔力を纏わせているらしい。

 

風鈴石とは忍術と呼ばれる精霊魔術に近い術を使用する際に必要な触媒で、

風の力を内包する宝珠である。しかしながら材質の問題で術の発動

とともに壊れてしまう。

 

ミリアの資料によると、うちの先祖が風鈴石の製法を手に入れていたようで

古い魔法書と一緒にレポートが添えられていた。

 

 

猫目石は風の力を内包する宝石で風の矢を作成する際の材料となることは知られている。

また風の魔力の吸収効率が高いことがわかり、風鈴石の新たな材料として

使えることが分かった。

 

 

以上の結果から最もうまくいっていたイエローウィッシュポイントカートリッジ

の実験機に改造を施すこととした。

 

まず刀身に魔力循環とオートスペルの簡易スペルを刻み

風の霊符の術式を刻む。意外にも霊符の術式と魔力循環の相性がよく、

風の精霊が魔力循環の術式を回路のように走り回るため、

風の魔力を集めつつ刀身に風属性を付与することが可能になった。

そのかわり、術式を刻むため刀身が想定の2倍になり、両手剣と呼ばれる長さまで

伸びてしまったが。

 

さらに残念なことにスペル発動の魔力までは完全には補えないようで、

オートスペルの発動率が極端に低下してしまうことになった。

 

そこで、イエローウィッシュポイントの代わりに風鈴石を内包した結晶石を

使うことにより、魔力増強を図った。

 

高い風魔力を得ることができる猫目石製の風鈴石を内包した結晶石により、オートスペルで疲弊した風の精霊への魔力補給が可能となり、魔力維持に成功するようになった。

 

かくして・・魔導器は完成したのである。

 

 

フェイトは早速ミリアに報告するためWIS(念話)を飛ばす。

 

フェイト(ミリア!!できたわ!できたのよ!)

ミリア (フェイト!?・・・できたって?・・ああ!!ついにできたんだね!?)

フェイト(早速見せたいんだけど今いいかしら?)

ミリア (もちろん!でもどうやってくるの?)

フェイト(あー帰った時にカプラサービスで帰還場所をアルベルタに変えておいたのよ)

ミリア (なるほど!じゃあ執務室で待ってるわね?)

フェイト(すぐ行くから!)

 

数分して執務室の扉がノックされる

 

「ミリア!来たわよ!」

 

かなり興奮気味のフェイトが執務室に突入してくる。

中にはミリアとメルティが待機しており、

「待ってたよフェイト!それが例のもの?」

 

フェイトが抱えている細長い包みを指さしてミリアが尋ねる。

 

「早速見て頂戴!」

 

といって長い刀身のサーベルを取り出す。

 

「おお~!すごい!長い!かっこいい!!」

メルティが出された物品を見て歓声を上げる。

 

「お~ずいぶんと大きな剣になったのね?」

 

「あはは・・・ほんとは私が使うつもりだったんだけど術式の都合でこの長さに

 なっちゃった。テヘ」

 

 「てへって・・でもまあ両手剣でも騎士団からの需要は高いと思うし大きな成果ね」

 

 騎士団(母)と大きなつながりのあるミリアはついつい商人目線で答えてしまう。

 

 「まあねえ、わたしじゃ満足に触れないからポリン相手ぐらいにしか

  試してないんだけどね。だから・・・ちょっとフェリス伯母さまの協力が

  必要なのだけどいいかしら?」

 

 「そう来るだろうと思ってもう母さんには話を通しておきました。

  もうすぐ騎士団から人が来るはずよ。」

 

 とちょうど執務室の扉がノックされ、ヴェルから声がかかる

 

 「プロンテラ騎士団よりサー・エイミーがご到着されました。

  お通ししてよろしいでしょうか?」

 

 「ほらね?」「ナイス!ミリア!」

 

 「お通しして頂戴。」

 

 数分後

 応接室

 

 「今日は急なお願いにもかかわらず、ご足労いただきありがとうございます。」

 

 「いえいえ、いつもお世話になっているフェリス教官とミリアさんのお願いなら

 これくらいどおってことないですよ~」

 

 「ははは、ありがとうございます。エイミーさん」

 

 「いえいえ、ところでそちらの方は?」

 

 「あ!紹介が遅れてすいません。私の従姉妹でエイミーさんに試してもらう

  魔導器の製作者のフェイトです。」

 

 「初めまして、サー・エイミー、シュバイチェルアカデミー所属 

  フェイト・E・レンバルトです。本日はご協力いただきありがとうございます。」

 

  と紹介を受けたフェイトが挨拶する。

 

 「ほう!ミリアさんの従姉妹ということはフェリス教官が言っていた姪御さんは

  あなたのことかしら?」

 

 「え~と伯母さまはなんといっていましたか?」

 

 「「あれほど頭が切れて冷静さと熱い情熱を持つ娘はなかなかいない。あの子が

   私の娘だったら最高の騎士になっていただろうに・・・」と」

   

 「(伯母様…)あはは・・それはちょっと買かぶりすぎかなー?」

 

 「でも今まで教官の訓練に音を上げずにすべてこなせたのはあなただけだったと」

 

  若い女騎士から若干尊敬のまなざしを向けられてフェイトは少し困ってしまう。

 

 「あ~あれはなんというか・・・えーっとまあ私のことは置いておいてですね?」

 

 「おっとすいません。話がそれてしまいましたね。それで件の魔導器とは

  そちらでしょうか?」

 

 といってエイミーが完成した魔導器を指さす。

 

 「そうです。本日エイミーさんにはこの魔導器を試し切りを

  行っていただきたいと思います。場所は中庭に移動して行いましょう。」

  ミリアがエイミーの質問に答えつつ今日の趣旨について説明する。

  

 「なるほど魔導器とありますが見た目は一見すると装飾剣に見えますがどのような

  魔法があるんです?」

  

 「この剣には風属性の魔力が永久付与されており、オートスペルで

  ライトニングボルトが発生します。」

  

  とフェイトが魔導器について解説する。

  

 「風属性付与はわかりますが、ライトニングボルトですか!私も魔剣の使い手に

  なれるんですねぇ。フェリス教官の魔剣にあこがれてたんですよ~楽しみだなぁ」

  

 「では早速お願いできますか?」

 

 「はい!すぐにいきましょう!」

 

 

 こうして行われた試し切りにより合格以上の成果が得られ、

 後日騎士団からミリアのもとに魔導器の発注が想像以上になされ、

 ちょっとした好景気に沸いたとか。

 

 

 

 

 

 

 数か月後

 

 作成した魔導器とその論文は最高学府セージキャッスルに受理されて、

 フェイトはシュバイチェルセージアカデミーを見事に首席で卒業した。

 

 後にフェイトが作成した魔導器は、フェイトが所属していたアカデミー

 ”シュバイチェル”の名をとり、"シュバイチェルの魔導剣"<シュバイチェルシャベル>

 として各国に普及していくことになる。

 

 フェイトが作成した第一号機はミリアの手に渡り今も商館”アクアリウム”の

 倉庫に眠っている。

 

 

 <目録>

 

 

 ・シュバイチェルシャベル<第一号機>

 種別:両手剣

 装備可能者 剣士系職業

 

 

 シュバイチェルアカデミーを卒業したフェイトが作成した魔導剣

 風の属性魔力が永久付与されており、攻撃時の魔力の揺らぎを利用して

 オートスペルでライトニングボルトレベル3が発生する。

 

 現在はフェイトの論文をもとに”シュバイチェルの魔導剣”として

 世界各国の騎士団・警備隊に普及している。

 魔法にあこがれる剣士が好んで使っているんだとか。

 

 

 <感想>

 ・フェイトの論文が完成して本当によかったわ。

  それにうちもだいぶ潤ったし、いいことづくめ!

  私もお手伝いしたかいがあったというものね。

  

 でもさ~名前”シュバイチェルシャベル”って”シュバイチェルの魔導剣”を

 シュバルツバルト公用語に変えただけじゃない・・・フェイト・・




アイテムの説明文から盛大にふくらました与太話。
 これが真相だったらいいなあ
 
 
 ちなみにRO内でのシュバイチェルシャベルの説明文は下記の通り。
 
 
疑似刀形式のサーベル。風属性を持っている。
攻撃時、低確率でライトニングボルトLv3が発動する。
系列 : 両手剣 攻撃 : 160
重量 : 160 属性 : 風
武器レベル : 4
要求レベル : 48
装備 : ソードマン系

2018/05/29 微修正
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