Ragnarok Onlineアイテム物語 作:アイテム鑑定士
対高防御用武器 錐(きり)についてのお話
ミッドガッツ王国 商都アルベルタ
多くの国・地域へとつながる貿易港をもち、商人ギルドを有する商業の街。
港には今日も多くの貿易船が、交易品を載せて行き交っている。
そんな港の光景を懐かしそうに眺める男がいた。
「あ~・・ここの港は昔よりこんな広くなったのか。ここ海の上だったのになあ。
ミリアのやつ相当いろいろ手ぇだしたんだなー」
みると港から前方に見える商館まで整備された街道が敷かれている。
「せっかくここまで来たんだし、みんなに挨拶くらいはしていくか。
メルティは元気だろうか・・」
といって男は目の前の商館に向かった。
商館アクアリウム
ミリアの執務室
新人のメイドがミリアに面会者の取次確認に来ていた。
「ミリア様、’レン’とおっしゃる方が面会を求めておりますが、いかがいたしましょう?」
「’レン’?レンてどこのレンかしら?どんな方でした?」
「はい、すらっとした顔立ちに銀髪の長い髪の引き締まった体・・・イケメンでした!」
「イケメンて・・・あなた・・でもレンてどこかで聞いたことあるような―?」
(”全くひどい奴だな?お前は・・・・”)
メイドとミリアしかいない部屋から第三者の声が響く。
「誰!?姿を現しなさい!」
叫びながらミリアは机の下にあるスイッチを押す。
(”フフフ・・もう少しメイドの教育をしたほうがいいんじゃないか?
ここまで侵入するのはすごくかんた・・・「大丈夫ですか!?お嬢様!!」「ぐは!!」
部屋に突入してきた妙齢のメイドが目にも止まらない動きで
声の聞こえてくるほうに衝撃波飛ばすと銀髪の男が姿を現した。
「ミユキさん!!・・・・って・・・ああ~~~!!レイナード兄さん!!」
「あ!さっきのイケメン!!・・・・え?」
「はぁ・・・・坊ちゃん・・・・」
「おう・・・ただいま・・・」
数刻後
ミリアの目の前で数時間ほどレイナードが正座させられて説教を受けている。
「坊ちゃん・・・・あれほど”クローキング”を悪用してはいけないと言っているでしょう!?
ましてやこのような悪戯に使うとは!!下手をすると私はあなたを
手にかけるところだったんですよ!?だいたいあなたにこれを教えたのは・・・・」
ただ説教するだけかと思いきや諭すように、時には涙をうかべながら兄に言葉を投げかける女性と
「すみません・・はい・・ごめんなさい・・もうしません・・許してください・・・・・」
うつろな目で繰り返し謝罪を述べるレイナード。
さきほどからレイナードにつらつらと説教している女性はエリス家のメイド長であり、
レイナードとミリアの教育を担当していた女性である。
名をミユキ・ツキムラ 天津出身で天津の文字で書くとの名前は”月村 美由紀”という。
黒髪が印象的な細身の美人で、年齢はXX歳なのに20代前半の若さと美貌を保っている。
港に用事で出かけると、いまだに男から声をかけられて困っているらしい。
そんな彼女だが・・・実はアサシンギルド上位幹部の資格を持っている。
すなわち、ギロチンクロスなのである。経緯は定かではないが、先祖代々
商館アクアリウムには諜報防止と警備のためにアサシンギルドから人材が送られてきていた。
多分「ファフニールの宝物庫」に入っている”なにか”を守るためと思われるが。
ミユキはそんな人員の一人だったのだが、ミリアの母と意気投合し、メイドとして働くこと
にしたらしい。ミユキのいる間はアサシンギルドも代わりの人材をよこすのをやめている。
今ではミリアたちの育ての親でもあり、ミリアたちの姉?と言える人物である。
「ミユキさ~ん。そろそろ兄さんも反省してると思うから・・そのくらいで・・ね?」
「・・・・仕方ありませんね。坊ちゃんもう二度と執務室でこんなことしちゃダメですよ?」
「ハイ・・ミユキサン」
ミユキが仕事に戻るため退出していくと、執務室にはレイナードとミリアが残された。
「はぁ・・・災難だったわね?兄さん?」
「全くだ」「・・・自業自得だけど」
「・・・すまん。」
「ところで今日は何の用事で戻ってきたの?」
「お!忘れてた。このたび俺”ヴァルハラに到達”<転生>しました!!」
「!!おおー!!おめでとう兄さん。(これで目録作成もはかどるわ―)」
「・・・でなんだ・・その・・ファフニールの宝物庫から装備もらいたいなーと。
任務も厳しくなっていくからさ。」
「なるほどねー好きなの選んでいってね。できれば転生職専用装備とか
目録作成が捗るんだけど。」
「りょーかい。じゃあ適当に探してくるわ―。」
商館アクアリウム 地下3F
ファフニールの宝物庫
レイナードはいくつか転生職専用の防具は見繕ったが、手に馴染む武具が見つからず
悩んでいた。すると後ろから声をかけられた。
「坊ちゃん・・武器をお探しですか?」
「!!・・・ミユキさん。はい・・片手剣や刀身の長いものはいいものがあるのですが
手になじむ短剣がなくて・・。」
「でしたら・・・こちらをお使いください。」
といってミユキが細いとがった刃のついた短剣をレイナードに手渡した。
「これって・・・ミユキさんの!」
「私の代わりにあなたを守ってくれますよ。今度の任務は ”異世界”アッシュ・バキュームでしょう?」
「ミユキさんのところにも話はいってましたか・・・でもいいんですか?」
「いいんですよ。坊ちゃんの成長を見れましたからね?私の本気の一撃を受けても
気絶せずにいられるなんて・・・だいぶ成長しましたね。」
ミユキの言葉にレイナードはこの上ない喜びを感じると同時に、ミユキに弟子入りした時の出来事を思い出していた。
10年前
母からの厳しい訓練の成果で同年代で並ぶ者のいない技量をもつようになり、アサシンとして任務をある程度任されるようになっていたレイナードは、事前情報もきちんと揃えずにアルベルタの住人から聞いたタートルアイランドへ遺跡調査に向かってしまった。
島に上陸すると、凶暴なウサギ型の魔物「スプリングラビット」を軽くいなし、問題なくいけると思い島の奥にある遺跡まで入っていった。
遺跡内部1層目にはカメ型の魔物が闊歩しており、動きも遅く勝てると思ってしまった
レイナードはカメ型の魔物に攻撃を仕掛けた。
始めのうちは難なく避けていた攻撃も、1発2発と受けていくうちに動きが鈍り
カメを模しているかなのか、魔物の耐久力も異常に高くいつまでたっても倒れる気配がない。
なんとかギリギリのところで1体倒すと、周りからカメ型の魔物が集まり囲まれてしまった。
レイナードが己の死を覚悟した時。
「アサシンが情報もそろえずにいきなり奥深くまで突っ込むなんて・・
失格ですよ?坊ちゃん。」
懐かしくも頼もしい”姉”の声がきこえた気がしたとおもうと、鋭い衝撃波がカメ型の魔物を襲った。衝撃波で魔物がひるんでいる間に、巨大な気の刃がカメ型の魔物を一撃で屠っていく。
あれだけ苦戦した魔物がほんの数十秒であたりから一掃されていた。
「まったく・・・あなたのお母さまといい無茶をするのが血筋なんでしょうか?
坊ちゃんとりあえずアルベルタに帰りましょう。」
といって蝶の羽を渡される。
目の前で展開された怒涛の攻撃の威力に圧倒されてレイナードは、蝶の羽を無意識で使用してカプラ前に帰還したが、そのままふらふらとアルベルタの港を彷徨っていると声をかけられた。
「こんなところにいたんですね?坊ちゃん。なかなか帰ってこないから心配したじゃないですか。」
「なあ・・ミユキ姉さん・・・さっきのあれはなんだったんだ?」
「・・・あれは鍛錬を重ねたアサシンが”ヴァルハラに到達”<転生>すると使えるスキルです。」
「アサシンでもあんなことができるようになるのか…」
「ええ・・武器の届く距離まで近づいて殴るだけじゃないんですよ?
もっともあのカメをあんなに簡単に倒せたのにはまだ秘密がありますが。」
「え?」
「秘密は”これ”です。」
細長いとがった棒状の刃のついた短剣を取り出して見せた。
「変わった形の短剣だね?これにはどんな効果が?」
「これは”錐(きり)”っといって、硬い魔物ほどよくダメージが通る武器です。
先ほどの気刃にはこの武器の効果が乗っていたため、もともとの威力から
さらに上乗せされています。」
「おお!じゃあそれがあれば俺でも・・・」
「無理ですね」「え?」
ミユキが持っていた短剣の効果をきいてレイナードは希望を持つが、すぐさまミユキから否定されて疑問の声をあげる。
「あなたは俊敏性は高いですが、まだまだ技巧も力もありません。たとえこれがあったとしても、あのカメと渡り合うのは不可能でしょう。」
「そんな・・・」
「それに、事前の情報をおさえるという諜報活動の基礎もできていない・・・・
頭もよくないですね?」
「うぐ・・・じゃあどうすれば・・?」
「仕方ないので・・・私が坊ちゃんを鍛えます。正確に言うとアサシンの基本を全部覚えてもらいます。」
「!!・・・姉さんが?」「いやですか?」
「よろしくお願いします!先生!!」
現代
商館アクアリウム 中庭
訓練場
ミユキから錐を譲り受けたレイナードは早速中庭の訓練場に来ていた。
周りにはミユキをはじめ、ミリア、メルティと家にいた暇人?がギャラリーとしてみている。
「ミユキさんとメルティはともかく、ミリアは仕事いいのか?」
「いいの!私だけ仲間外れっていやだし!」
「おにいちゃんがんばれ~」
よくわかっていないメルティがレイナードの応援をする。
「あはは・・・頑張るものじゃないんだけどなー」
「坊ちゃん、わたしに鍛錬の成果みせてみなさい!」
「了解です!先生!」
姉妹の応援を受けてレイナードが気合を入れる。
イメージするのは、あのカメの魔物を一瞬で屠った巨大な気刃
それを目の前の大岩に向けて放つ。
「ソウル・・・ブレイカ―――!!」
鋭い紫色の超特大気刃が、大岩を一瞬で消滅させてしまった。
「おおーー!!すごいすごい!!」
メルティの楽しそうな声と
「ちょ!・・ええ!?」
ミリアの困惑する声
「まだ粗削りな部分はありますが、合格点でしょう。ちゃんと使いこなせているようですね?」
それにミユキの講評が続く。
「あははは。先生はやっぱり厳しいなあ。でも合格点をもらえただけ良しとしようか。」
結果は満点とはいかなかったかが、ミユキに合格点をもらえたことで
満足したレイナードは、ミユキたちに挨拶してそのまま任務に旅立っていった。
異世界 アッシュ・バキューム
マヌク地方
ブラディウムという異常に硬い未知の鉱石で構成されたゴーレムが闊歩し、
異種族の巨人”サファ族”の街マヌクへ向かう人々往来を妨げている。
レイナードは調査隊の露払いとして同行し、迫りくるブラディウムゴーレムをなぎ倒していた。
怒涛の活躍を見て同僚がレイナードに
「レン!お前凄いなーあの硬いのをばっさばっさと屠っていくなんてよー
いったいどんな魔法使ってんだよ?」
「ふふふ・・日々の鍛錬のたまものというやつだな。まあ強いて言うなら姉の愛ってやつだ!」
「お前は・・嫁さんもいるのに・・本当にシスコンだな!くそぅ!リア充爆発しろ!」
ちょっと離れた場所でレイナードがメテオストライクを放った。
辺りにメテオストライクの爆音が響く。
「爆発してやったぞ~!」「うるせぇ!!この野郎!」
<目録>
・錐(きり)
硬い材質でできているものにダメージがよく通る
細長い硬い刃の短剣
アサシンとして一人前になった証として、ミユキ姉さんから兄さんへ譲られたもの
管理者:ミユキ・ツキムラ⇒レイナード・E・アインツベルン
<感想>
ミユキ姉さんがすごい人だってわかってたけど・・・お兄ちゃんも結構すごかったんだね・・
それにしてもお兄ちゃん・・別れが惜しいからってミユキ姉さんに抱き着くのは・・・
カレン義姉さまがやきもち焼かなきゃいいけど・・・
アサシンクロスで久しぶりにプレイしていたら、思いついたお話
錐は昔ものすごく手に入れるのが大変で苦労しました。
今回の説明原文
錐
細いながらも驚くほど硬く尖っている錐。どんな防具のすき間でも突くことができる。
相手の防御力が高いほど与えるダメージが増加する。
系列 : 短剣 攻撃 : 80
重量 : 60
武器レベル : 4
要求レベル : 36
装備 : ソードマン系 マジシャン系 アーチャー系 マーチャント系
シーフ系 ソウルリンカー 忍者系
2019/05/26 誤字修正