一話 ちょっと昔話をしよう
ここはとある会社の管理室、そこには複数のモニターが置いてあり、様々な場面が映し出されていた。そんなモニターの前に座りながらその様子を眺める女性が一人。
「……ジョシュア、中央本部でピエロが出現、新人を二名連れて鎮圧に向かってくれ。レリックは脱走した『規制済み』の対処、案山子には新人を何人かぶつけて倒せそうならそのまま倒してくれ、無理なら一度下がって回復」
まぁ、その女性って言うのは俺なんだけどな。昔だったら俺は自分が女性だって認められなかっただろうなぁ。
「よしっと、今のところはこれで良いか」
「流石に10年もしていたら支配人生活に慣れてきたか?トラベラー」
「アン先輩!まぁそれなりに、だけどやっぱり現場で活動してた分違和感が」
この人は俺の上司のアンジェラだ。本家の方では敬語を使っていたしAIだったんだけど何故かこの世界では人間だ。もちろんアンジェラだけじゃなくセフィラたちも人間…の筈なんだけどなんでか10年前と姿が変わらない。ここの創設者である人がL社に所属している間はある特異点を使って時を止めているとか何とか。だから寿命で死ぬ事がないらしい。まぁ俺はアブノーマリティだからなどっちにしろ寿命じゃ死なないけど。
「それと研究の方だがこっちも今のところは順調だ。カルメンが変な事をする前に止める必要があるが…止められる気がしないからな。いっそ好きにさせてしまえば良いと最近は開き直っている」
「マジか」
血の風呂みたいなアブノーマリティがこっちの世界でまた生み出されるのか。
どうして血の風呂みたいな、なんて言ってるかと言うとこっちではアブノーマリティが誕生してる理由や性格が本家と若干違う。血の風呂はカルメンがケチャップをぶち込んだ風呂にコギトを注入して生まれたらしいし、アブノーマリティが職員をしてるしで、なんとも不思議な世界だ。
どうして俺がこんな事を知ってるかと聞かれると、俺は転生したらしいからだ。どうして転生したのかは知らないけど、この世界の俺の体に入り込んで暫くは三人で生活をしていた。今では自分の体を持ってるがこの体の元になったのが“ゼロ・ドリーム“と言う名前のこの世界の俺、最初はゼロ以外名前が無かったんだけど途中から不便だってことで俺が名前を付けた。
俺の名前が
そうして一つの体を共有しながら活動していると遂に!自分だけの体を手に入れた訳だ。体を手に入れた時はテンションが上がってこの世界で有名なハムハムパンパンって言う店で食事をしたんだけど、アン先輩、マル先輩、ホドの三人と相席になり速攻で正体がバレた。ただ三人とも俺とアビスがどんな感じに体を得たのかは分かってなさそうだった。
体を得てからは色んな経験をしたかな、俺の所に居た職員にソックリだと思っていた相手は同じようにこっちに転生?していた俺の職員本人だったのが何人も居た。アブノーマリティは画面越しの俺を認知していたのも居たし。
知らないアブノーマリティが居たし俺もトラウマを刺激されてクリフォト暴走を起こしてアブノーマリティになったしで凄い日常だった。あぁそうそう!並行世界に行ったこともあったかな!そこでは色んな俺たちと出会ったよ。
「ほんと、色々と経験したよなぁ」
「何を黄昏ている?まだ業務は終わっていないぞ」
「あ、そうだったそうだった」
一日では語り尽くせないほどの思い出が沢山ある。だからそんな思い出をまた作っていく為にも。
−−−強くなっていかないとな!