星空の魔法少女   作:ヒィーィジヤロラルリーロロロー

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本当はもう少し早く書き上げるつもりだったけど遅くなってしまった…

steamが悪いんだぞ?

今新しいゲームは何も買わないつもりだったのによぉ

買っちゃうと他の事ができなくなるから買わないって言ったもんな?

なのに、なんでsteamサマーセールなんてすんの?そんなのまで安くされたら 買うこと我慢できないよ

もう買うしかなくなっちゃったよ

でもいいよな?ちゃんと他の趣味もやるからさ…(3敗)


夢界探査

 

マイアと共に台風の夢界に入った日から早数日。

 

 

「あっつい…干からびる…。」

 

 

今日は俺一人、ギラギラと照り付ける太陽の下で汗に濡れて肌に纏わり付く服と()()()()に煩わしさを感じながらもノロノロ歩く。

 

目的は1つ。魔法使いの重要な仕事の一つ、見回りである。

 

本来ならばマイアも来る予定だったのだが…今朝になってマイアから「外せない用事ができちゃった!埋め合わせはまた今度!」という連絡が有り、テレーズもどうせいつか一人で仕事するのだからいい機会だと判断したらしく、いい経験になるだろうと俺一人見回りに放り出された。

 

おまけに、「いつでも戦えるよう、念のために女の子の姿で行きなさい」というありがたいお言葉までセットで頂戴してしまい、今の俺はこのクソ暑い中を小さくなった歩幅で炙られながら歩くハメになったのである。

 

魔法使いになった日以来一度も一人で夢界の対処などしていないというのに、あまりに酷い仕打ちである。新人教育という概念は魔法使いには存在し無いのだろうか…。

 

 

「さて、テレーズが見てこいと言っていた最初の場所は…。」

 

 

渡されたメモに書かれている場所は3つ、その一つ目は────

 

 

()()ねぇ…確かにそれらしい場所だな。」

 

 

街の中心から少し離れた場所に有るこの神社には俺も何度か来たことが有った。

 

この地域では大きめのこの神社では夏祭りや初詣などの季節の行事の時、周辺から大勢の人が集まる。

 

石造りの階段を上り鳥居をくぐった先に有る境内はその時期になると沢山の屋台が並び、人がの活気と笑顔でそれはそれは賑やかな景色になる。

 

俺も毎年家族で初詣や夏祭りに来ているのだが…、確かに神社という物は人々が願いや夢を祈る場所である。人々の()()()()()()を核にする夢界と往々にして相性が良いのだろう。

 

 

「とりあえず軽く散策するとしようかな。」

 

 

日差しを反射する忌々しいコンクリートではなく石畳の道と砂利の敷かれた境内は、風に揺れる木々と静謐とした空気感はどことなく涼しげな空気をしている。

 

夢界を探して境内のそれらしい所を見て回りながらもテレーズが言っていた事を思い出す。

 

 

「近寄れば俺でも気配で分かる筈。なんて言ってはいたが…。」

 

 

そもそも気配ってなんなんだよ…そんな曖昧なものに頼れと言われても非常に困るのだが…。

 

 

一通りぐるっと境内を回って見たが今のところそれらしい気配も無く、残すは本殿から少し離れた場所に有る小さな社のみである。

 

 

「ここで最後か…軽く見て何もなければ次に……っ!?」

 

 

社に近づいたその時、悪寒と言うべきか何か落ち着かないような感覚が俺の体を襲う。

 

……テレーズが言っていた近づけば気配で分かると言うのはとはおそらくこのことなのだろう。

 

なんにしても、付近に夢界が有るだろうというのは分かったのだ。まずはここに来た目的を果たすとしよう。

 

 

「さーて、一体どこに有るのやら…。」

 

 

道の方には見当たらない、かと言って周りの森に入るほど距離は感じない…とすると。

 

 

「有った…で、()()がお目当ての物だな。」

 

 

こじんまりとした社の裏手、少し人目につかないその場所に探し物を見つけた。

 

それは先日見たものと同じく、宙に浮く渦だった。しかし、決定的な違いが一つ。

 

それは────

 

 

「小さいな…。」

 

 

その()()()である。先日の夢界は人の背丈ほどの大きさの渦だったが、今目の前にある渦は精々が人の頭程度のサイズである。

 

テレーズ曰く殆どの夢界はこれが標準サイズで、ヌシが発生する程大型化する方が異常なのだとか。…もしや、短期間で2回も大型夢界に入ってる俺の方がおかしいのか?

 

まぁ、それがイレギュラーだとか考えるよりも今は仕事を優先しよう。

 

 

「確か。小型の夢界は中に手を突っ込んで魔力を放出すればすぐ壊れるとか言ってたな。」

 

 

得体のしれない渦にいきなり手を突き入れるのも怖いので、軽く中でも覗いて危なくないか確かめるか…。

 

とりあえず、渦に顔を寄せて内部を恐る恐る覗き込んで見る。

 

中に見えるのは…なんかイケメンとか美人っぽい人影か?

 

おそらくだがこの夢界は「彼氏or彼女が欲しい!」みたいな願いが核になった物なんだと思う。そういえばだがこの神社に恋愛成就を司る神様を祀った小さな社が有るだとか聞いたことが有ったがそれがこの社なんだろう。

 

何にしても直接的な危険はなさそうなので腹を括って手を突っ込んでみる。

 

 

「えいやっ…うわっ、なんかゾワッとした…」

 

 

悪寒で少し腰が引けたが、とりあえず夢界を崩壊させる準備は整ったので、テレーズの教え通りに体の中の魔力を意識しながら外に放出するイメージで腕にぐぐっと力を込める。

 

すると、体から少し何かが抜けるような感覚と共に魔力が放出するされ、軽い破裂音の後に空気の抜けるような音を響かせて夢界は内部から崩壊した。やって見れば案外あっけないものである。

 

 

「さて…ここはもう大丈夫そうだし、次に向かうとしようかな。」

 

 

…いや、せっかく神社まで来たわけだし、帰る前に軽く参拝だけはしておくか。

 

そうして、()()()()()()()が軽く神に祈りを捧げたら、ようやく次の場所を目指してまた歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

「ここが2ヵ所目の場所ねぇ…。」

 

 

────神社から場所は変わってここは商店街。

 

この商店街は街の中心に近く付近に駅も有るというのに、俺が幼い頃は寂れていたのだが、数年前、起死回生の策として打ち出したご当地ゆるキャラがインターネット上の一部でヒット。この機を逃すまいと名物グルメの開発やイベントをしたりと、その頑張りによって今では商店街はこの町の立派な観光名所である。

 

テレーズ曰くこういった人の集まる場所も夢界が発生しやすい傾向にあるのだという。

 

能書きはこれぐらいにして、とりあえずここに来た目的である見回りを始めよう。

 

 

「そこのお嬢さん買ってかない?安くしとくよぉ!」

 

「…?あぁ…俺か。ありがたいですけど今はやめときます~。」

 

 

声を掛けられたときに女の子扱いされるのは全く慣れない…事実、今の俺は女の子なのだが。

 

店先で声を掛けられてやんわりとお断りしたり、気になる店を軽く覗いたりしながらもたっぷり数十分掛けて商店街を端から端まで夢界が無いか探っていく。

 

しかし、人通りは有れども夢界の気配はさっぱりである。おそらくここは()()()という事であろう。

 

 

「無いならそれに越したことはない。が、このまま次へ行くのも少し味気ないし少し休憩してからにしよう。」

 

 

この商店街にはアーケードが有り直射日光が入らず立ち並ぶ店屋から漏れ出る冷房の冷気も有るのだが、それでもまだ暑い。どうせ商店街まで来たのだ次へ行く前に少し冷たい物でも食べて行こう。

 

どうせなら夏っぽくかき氷とか良さそうだ。そういえば、少し戻った場所に駄菓子屋が有った筈だ。そこならきっとかき氷も有るだろう。

 

来た道を少し戻って見ればあった今や絶滅危惧種であるレトロな佇まいの駄菓子屋と、軒に吊るされた白地に赤で“氷“の旗。

 

俺の記憶は正しかったようだ。早速中に入るとしよう。

 

 

「すいませーん。かき氷ひと「いらっしゃいませですわ~!!!!!!」…。すいませんやっぱりなしで。」

 

 

なんかエラいキャラの濃い店員が居た気がして思わず店を出てしまった…。

 

しかし、今のは俺の聞き間違いの可能性も有る。今日は暑い中歩いていたのだ、きっと疲れているのだろう。ここはさっぱりとかき氷を食べて疲れを癒そう…。

 

 

「いらっしゃいませですわお客様。先ほどは入ってくるなり突然踵を返して一体どうなさいましたの?」

 

「暑さが見せた幻覚で有って欲しかった…。」

 

 

レトロな駄菓子に入ってお嬢様(?)が店員やってたらそれはもはやコントだろ…。俺は間違えてコンセプトカフェにでも入り込んだのかと思って店を見渡すが内装はいたって普通のレトロ感漂う駄菓子屋である。

 

改めて彼女の事をよく見れば、その所作には隠し切れぬ気品が漏れ出て、着ている服も素人目にも仕立てが良い物だと分かるし、前髪を眉の上で切りそろえた長い黒髪はよく手入れしているのが分かるほどに艶を放っている。

 

その姿はあまりに場違い。なんでこんなのがの駄菓子屋で店員やってるんだよ…。

 

 

「そのお顔は…わたくしがなぜこんな駄菓子屋で働いているのか疑問。という顔ですわね?」

 

そんなに驚きが顔に出ていたのか、お嬢様(?)は聞いても居ないのに自信満々に話を始めた。

 

 

「こほん…。それではひとつ自己紹介をいたしましょう。わたくしの名前は【金時(きんじ)アトラ】。栄えある【金時グループ】社長の一人娘ですわ!」

 

「金時グループ?…まさか、()()()()!?」

 

 

金時グループと言えばこの国のアミューズメント産業から映像業界まで牛耳っている、誰もが知っている大企業の中の大企業である。彼女の言っていることが事実だとしても、そんな大企業の社長令嬢がなぜこんな場所に…?

 

 

「ここは、わたくしが個人的な趣味で買い取って経営しているお店でして、普段お店は元の権利者のおばあさまにおまかせしているのですが本日はお体の調子が優れないとお聞きし、それならばとわたくしが代わりに店番をしているのですわ。」

 

「彼女もお年を召しておりますし、末永くお元気でいて欲しいですわね。」

 

「は…はぁ、そうですか…。」

 

 

理由は分かったがわざわざお嬢様がやることでは無いのでは?ヘルプ呼んだら大企業の社長令嬢がわざわざやって来るのはもはやフットワークが軽いとかそういう次元の話じゃないだろ。

 

 

「そんなお嬢様に店番ができるのか?そういった疑問もおありでしょう。ですがご心配なく!わたくし店番も問題なくこなせますわ!確か、かき氷をご所望でしたわね?わたくしが金時グループの財力をフルに使って世界中の名水から選び抜いたお水で作るこの店のかき氷は絶品ですわよ!さぁ!フレーバーはどうなさいますの!?」

 

「じゃ…じゃあメロン一つください…。」

 

「まいどありですわ!おひとつ300円ですの。」

 

案外リーズナブルな価格設定だな…。

 

「あっ、電子マネーもクレジットもタッチ決済もご利用いただけますわ。」

 

レトロ駄菓子屋(このナリ)でそういうの使えるんだ…。

 

 

 

 

「またのお越しをお待ちしておりますわ~。」

 

 

休みに来たはずなのに何故だかどっと疲れたな…。それでも、このかき氷に罪は無い。せっかく買ったのだし堪能するとしようか…。

 

ちなみにだが、金時グループの財力を持って選び抜いたと豪語していたかき氷の味は普通に絶品だった。

 

 

 

 

 

さて…そろそろ最後の場所へ行くと────テレーズから着信?

 

画面に映るデフォルメされたレトリバーのアイコン。メッセージではなくなぜ電話で連絡を…?なにかあったのだろうか?思考する間も掌で震え続ける端末。とりあえず実際に話を聞いてみるしかないようだ。

 

 

「はい、スバルです。なぜ突然電話を?」

 

「緊急事態よ。大型の夢界が発生したわ。あなた一人に任せることになってしまうけれど、直ぐに向かってちょうだい。」

 

 

電話口のテレーズの声に少しだけ焦りの様な物を感じるが、それだけ事は急を要するという事だろう。マイアの居ない今、俺一人でどこまでできるか分からない。

 

しかし、それでも行かなくては。誰かを守ること、それが()()使()()だから。

 

 

「…分かりました。それで、夢界の場所は?」

 

 

 

 

 

 

 

「場所は───貴女に渡したメモの3か所目【須売流山(すまるさん)展望台】よ」

 

 




chips
魔法使い

強い願いや想いを持ち、それを魔力に変えて自在に扱うことができる者の総称。
古くからその存在は歴史の影に有り、奇跡と聖者。霊力と巫女。呪術と呪術師。時代と場所によってその名を変えては夢界の脅威から人類を守護してきたそれは、現代では魔法使いと魔力と呼称されている。

その力と姿は個人の持つ願いや想いを強く反映したものであり、その願いや想いが強いほど扱える魔力は多くなる。
しかし、願いや想いを元にする関係上、扱える魔力の総量は年齢と共に衰えていく傾向に有る。
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