虚弱先生の青春物語   作:不透明な水滴

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一体なに68なんだ………。


正体不明の四人組

 

 翌日、アビドス対策委員会会議室にて。

 時刻は昼を過ぎ、ここら一帯が砂漠であるアビドスでは一番の猛暑となる瞬間、外の温度も体感だけで三十度を優に超えていると感じる。

 

「……それでは、アビドス対策委員会の定例会議を始めます。本日は、先生にもお越し頂いたので何時もより真面目な議論ができると思うのですが………」

 

「は〜い☆」

 

「もちろん」

 

 電気を付けずとも会議室全体所か、学校全体に太陽光が降り注ぐ。そんな中、今日が初めての定例会議だ。

 各席に着くと、私は正面ホワイトボードに立つアヤネの隣に立った。何時もより、そんな言葉を聞いてセリカが小言を云う。

 

「何よ、いつもは不真面目みたいじゃない………」

 

「うへ、よろしくね〜、先生」

 

「よろしく、ホシノ」

 

「それでは、早速本題に入ります」

 

 そう云い手を叩くアヤネは、セリカ救出を終え今最も重要な問題、学校の借金返済についての議論をしようと話を切り出す。

 借金の金額は変わらず九億を超え、十億へと近付いている。その返済をどう止めるかを挙手式で聞いていくと、早々にセリカが手を挙げた。

 

「はい、一年の黒見さん。お願いします」

 

「……あのさ、まず苗字で呼ぶの辞めない?ぎこちないんだけど」

 

 苗字で呼んでいる事を指摘するセリカに、アヤネは身体を少し強ばらせた。普段は呼んでいないのだろうか、それとも普段から呼んでいるからこそ、そろそろ辞めないかと云う指摘なのだろうか。

 

「せ、セリカちゃん……?でも、せっかくの会議だし……」

 

「いいじゃ〜ん、おカタ〜い感じで。それに今日は珍しく先生もいるんだしさ」

 

「珍しくと云うより、初めて」

 

 私が居る事によってアヤネは珍しくも苗字で呼ぶようにしているらしい。その事を知りアヤネをじっと見てみると、既に所持品として持ち歩いていた小さな手帳で頭を抱えていた。別に恥ずかしい事も無いだろうに。

 意外過ぎたアヤネの反応に静寂が流れる。事の事態を理解したセリカは慌てつつも話題を戻そうと手を着き立ち上がった。

 

「……と、兎に角!!対策委員会の会計担当としては、現在我が校の財政状況は破産の寸前としか云いようがないわっ!このままじゃ廃校だよ!みんな、分かってるよね?!」

 

「うん、まあね〜」

 

「毎月の返済額は、利息だけで七八八万円!私達も頑張って稼いではいるけど、正直利息の返済も追いつかない」

 

「り、利息だけで七八八万……か」

 

 聞けば聞く程、彼女達の心の根がどれ程に強いのかを思い知らされる。普通に考えて、ただでさえ膨大で理不尽な利息に、こんな誰も居ない街で返そうとしているんだ。

 毎日、会えば会う程彼女達には驚かされてばかり、何度彼女達に『ここに居る理由』を尋ねても、彼女達は同じ答えだけを返していた。それだけ、ここに居たい理由があるのだろう。

 

「これまで通り、指名手配犯を捕まえたり、苦情を解決したり、ボランティアするだけじゃ限界があるわ。このままじゃ、埒が明かないってこと!何かこう、でっかく一発狙わないとっ!」

 

「でっかく………って、例えば?」

 

 今だけでも相当頑張っている様だが、それにも限界がある。だから今こそ大きなチャンスを掴めば借金返済も夢じゃないと、セリカは云った。それは一体何なのかアヤネが聞くと、セリカは待ってたと云わんばかりにバッグからある紙を取り出して私達に見せてきた。

 

「これこれ!街で配ってたチラシ!」

 

「これは………?」

 

「どれどれ……?」

 

 ホシノは渡されたチラシを指でなぞりながら口に出す『ゲルマニウム麦飯石ブレスレットで貴方も一攫千金』提出元はミレニアムサイエンススクールの疑似科学部と云う部活。文字配列、文字の色、ギラギラと装飾され見てみるだけで目が悪くなりそうな背景、部活名、全てが信用に値しいない様なチラシだった。

 

「そうっ!これでガッポガッポ稼ごうよ!この間、街で声をかけられて、説明会に連れていってもらったの。運気を上げるゲルマニウムブレスレットっていうのを売ってるんだって!」

 

「………………」

 

 あのシロコが困り果てる顔を浮かべながらも、いつも通りと云わんばかりの表情でもあった。そう、これは明らかに怪しいを通り越し逆に清々しい程の詐欺チラシ。それをまるで本当に効果があるかの様に話しているセリカもまあ、大概だ。

 

「これね、身に着けるだけで運気が上がるんだって!で、これを周りの三人に売れば……皆んな、どうしたの?」

 

「却下〜」

 

 そう云いホシノはビリビリにそのチラシを破り捨てた。ホシノが云うにはもう随分と前からその疑似科学部は廃部になっており、今まで出してきた商品もマトモでは無く、過去にはそれが原因で事件する起こっており、その結果廃部に繋がっている最早救いようの無い程の部活だったらしい。

 元のミレニアムサイエンススクールはこのアビドスからマンモス校だけで云えば一番遠い学園、そんな学園の廃部している部活が何故こんな場所に居るのかも疑問だが、そんな事普通知っている訳が無い。

 

「えーっ!?何で?どうして!?」

 

「セリカちゃん……それ、マルチ商法だから………」

 

「儲かるわけない」

 

「へっ!?」

 

 そんな事知らずとも、それが普通じゃない商法だと云う事はセリカ以外全員が分かっている事だ。

 

「そもそもゲルマニウムと運極アップって関係あるのかな……こんな怪しい所で、マトモなビジネスを提案してくれる筈なんてないよ………」

 

「ちなみに、ゲルマニウムは取ろうと思えば結構すぐ取れる鉱石だよ〜」

 

「そっ、そうなの?私、二個も買っちゃったんだけど!?」

 

 ホシノの云った通り、今調べて見たらゲルマニウム鉱石は特にアビドス自治区内だと結構大量に取る事が出来る。もしこの商法が正しければ、既にアビドスは返済を完了していただろう。

 

「セリカちゃん、騙されちゃいましたね。可愛いです☆」

 

「………!!」

 

 確かにノノミの云う通り、可愛いと思うが、余りの衝撃と騙された事による悲しみで耳も垂れ、見ただけで悲しそうな雰囲気が伝わってくる。そうとなれば流石に可哀想が勝ってしまう。後日、商品を返品しよう。

 

「え、えっと……それじゃあ、他に意見がある人は……?」

 

「はい!はい!」

 

 セリカの悲劇が終わり、次に移行した瞬間狙ったかの様にホシノが今日所か初めて会った時から一番の元気を伝えながら手を挙げた。

 

「えっと……はい、三年の小鳥遊委員長。ちょっと嫌な予感がしますが」

 

「うんうん、えっへん!我が校の一番の問題は、全校生徒がここにいる数人だけって事なんだよね〜。生徒の数イコール学校の力。トリニティやゲヘナみたいに、生徒数を桁違いに増やせれば、毎月のお金だけでもかなりの金額になるはず〜!」

 

「そうなの?」

 

「そうそう!だからまずは生徒の数を増やさないとね〜、まずはそこからかな。そうすれば議員も輩出できるし、連邦生徒会での発言権も与えられるしね」

 

 ホシノの云う言葉は他校との比較、そう云われれば確かにこの学校の弱点は手数と人手の少なさ。幾ら個人の実力が高かろうが、団体戦を強制されるこの学校全体の借金では余り活かす事は出来ない。だからこそ、今人口を増やせば良い。そう云った提案だった。

 

「鋭い指摘ですが……どうやって?」

 

「簡単だよ〜、他校のスクールバスを拉致ればオッケー!」

 

「はい!?」

 

「拉致って……!?」

 

 サラッと物凄い事を云う。

 拉致をする事に全員が驚きの表情を浮かべる。そこでどうやって拉致を遂行するのかの説明を始めた。

 

「登校中のスクールバスをジャックして、うちの学校への転入学書類にハンコを押さないとバスから降りられない様にするの。うへ〜、これで生徒数がグンと増えること間違いな〜し!」

 

「それ、興味深いね。ターゲットはトリニティ?それともゲヘナ?ミレニアム?狙いをどこに定めるかによって、戦略を変える必要があるかも」

 

 理論上は可能な作戦にシロコも乗ろうとするが、早急に辞めて欲しい。

 

「シロコは本当にしようとしない!ホシノも変な冗談はやめてね?シロコ本気にしちゃうから!?」

 

「事態がややこしくなる前に、他に意見がある人は!?」

 

 話題を持たせない様何とか私とアヤネで持ち直し、会議を再開した瞬間、直前バスジャック作戦に加担しようとしたシロコが提案を出そうと手を上げた。

 

「……はい、二年の砂狼シロコさん」

 

 次の瞬間、壁に掛けてあった自分の銃を取り出し構えながら、シロコは真剣な表情のまま案を出し始めた。

 

「銀行を襲うの」

 

「はいっ!?」

 

「……………」

 

「確実かつ簡単な方法。ターゲット選定済み。市街地にある第一中央銀行」

 

「……シロコ?」

 

「五分で一億は稼げる。はい、覆面も準備しておいた」

 

 そうして袋から取り出したのは、ニット帽らしき物をくり抜いて一から五まで番号の付いた色つきの物。セリカやシロコの様に獣耳のある生徒は頭部辺りにもう二箇所穴が空いてあった。

 

「いつの間にこんなものまで………」

 

「うわ〜、これ、シロコちゃんの手作り〜?」

 

「わあ、見てください!レスラーみたいです!」

 

 一人一人がニット帽を持つと、市販で売っている様なものとは思えないニット帽だ。となれば、手作りだろうか。

 

「いやー、いいねぇ。人生一発で決めないと。ねえ、セリカちゃん?」

 

「そんなわけあるか!!却下!却下ー!!」

 

「そっ、そうですっ!犯罪はいけませんっ!」

 

「……シロコ?やって良い事と悪い事、区別は付けれるね?」

 

「…………ん」

 

 犯罪行為は如何なる理由があろうと駄目だ。悪に手を染めた時、戻る事は不可能になる。口では簡単に云えようとも、情報はその事を見逃す事は無い。そうなろうとした時、何処までも厳しく躾なければいけない。

 あくまで先生として、罪を負わせないよう少し云ってあげると、聞き分け良く直ぐにシロコは覆面を脱いだ。

 

「せ、先生……顔が怖いです」

 

「そう?でもこのくらいじゃないと絶対にシロコは辞めないからね。お灸を据えてあげないと。それで、ノノミも何か言いたそうだけど、何か提案があるの?」

 

「はい、私もあります!」

 

「……疑う訳ではありませんが、変なものじゃないですよね?」

 

「もちろんです☆」

 

 そう立ち上がったノノミは、堂々笑顔で胸を張り云った。

 

「アイドルです!スクールアイドル!」

 

「あ、アイドル!?」

 

 突然過ぎる提案にアヤネは声を上げた。

 アイドル。それは全ての可愛いを掻き集めた様な存在。幾ら何でもとは云え、流石に今急にアイドルを始めてもこの場所的にも見てくれる人は少ないだろう。本当に残念だが。

 

「そうです!アニメで観たんですけど、学校を復興する定番の方法はアイドルです!私達全員がアイドルとしてデビューすれば……!」

 

「……ちょっと見たいな」

 

「せ、先生まで!?」

 

 だが見たいか見たくないかで云えば、勿論見たいに決まっている。見たくない訳が無い。

 

「却下」

 

「え〜見たかった……」

 

「いくら先生でもダメなものはダメだよー、まあ、いつかは見せてあげれるかもね〜」

 

 そうホシノが期待を持たせてくれる。

 正直その可能性すらも零に近いと思っていたから可能性があるだけで相当な得だ。

 一瞬にして却下をされたが、その言葉を聞きホシノをじっと少しの期待を乗せ見つめた。

 

「ほ、本当?」

 

「うん、多分ね〜」

 

「あの、そろそろ結論を………」

 

 かれこれ会議を始め一時間近く経っており、もうそろそろ結論を出さなければ時間的にも厳しいと感じたアヤネが結論付けを催促すると、ホシノが思い切り手を挙げた。

 

「それじゃ先生に任せちゃおう〜。先生、これまでの意見で、やるならどれがいい?」

 

「えっ!?これまでの意見から選ぶんですか!?も、もう少しマトモな意見を出してからの方が良いのでは!?」

 

「大丈夫、先生なら間違いないって」

 

「ど、どこからその自信が……?」

 

 自信満々に私へ選択肢を渡すホシノ。その選択肢の中にはアイドル、バスジャック、銀行強盗のみ。

 普通に考えて全部おかしい上に成功する確率は一握り、本来であればもっとマトモな案を出してからの方が良いが、時間が時間。これ以上時間をかけてはこの先の予定に支障が出る。だから、ここから選ぶしか無い。

 

 アヤネは勿論の如く止めに入るが、ゴリ押し気味にホシノが選択場へと持っていく。つまり、ここからは私の判断で決まる。

 

「アイドルにしよう」

 

「せ、先生!?」

 

「バスジャックや銀行強盗よりかはマシでしょ?それに大丈夫!私が絶対に成功させるから!」

 

 私だって欲望のまま云っている訳がない。そこまで考えてはい無いがそこまで考える必要も無い程にこれアイドルしか選択肢がなかった。バスジャックや銀行強盗は普通に犯罪、そう考えればアイドルは犯罪でも無ければ立派な職業の一つ。既にキヴォトスでもやっている人は居るだろうし今からやっても遅くは無い。

 

 私が手を貸せば少なからず失敗は有り得ない。そう何とかアヤネに云い聞かせると、アヤネも少し納得しそうな雰囲気になった。

 

「た、確かにそう……ってそう云う問題ではなくて!」

 

「あははは〜!よし、決まりー!それじゃあやろっか!」

 

「楽しそうですね☆」

 

 その一瞬の油断が禁物、それを聞いたホシノ達は直ぐにでもアイドル活動を始めようと立ち上がった。

 ノノミは提案者と云う事もあり喜ぶ事は分かるが、まさかホシノまで乗り気だと思わなかった。だが、勿論賛成派だけが居る訳では無い。

 それを聞いたセリカは本当に良いのかと立ち上がり止めに入る。

 

「ほ、ホントに!?これでいいの?」

 

「任せて、アヤネも、私に………」

 

 正直他に選択が有れば余裕でそっちを取っているが、選択肢があの三つならこれ以外選べなかった。それに見たかったと云われれば見たかったから。

 少しの不安と期待を乗せ任せて欲しい、とアヤネの方を向き云おうとした時、アヤネがプルプルと顔を下に向け震えていた。それは何かによる怒りと簡単に予想出来、今まで以上の恐怖を肌身で感じた。

 

 顔を上げたアヤネの顔は笑っていたが、何よりもその後ろには鬼と云わざるおえないものが取り憑いており、その笑顔すらも恐怖を加速させている。

 

「……い」

 

「あの、アヤネ……?」

 

「いいわけないじゃないですかぁっ!!!」

 

 学校中に響き渡る大きな声と共に机を思いっきりひっくり返される机は天井に当たるレベルで吹き飛び、浮いた拍子に皆んなの置いてあった文房具が全て吹き飛んだ。その時、全ての光景がスローモーションで見えていた私は思った。

 

 アヤネもしっかりしたキヴォトス人なんだな。と。

 

 その後、余りにふざけ過ぎた私達がどのぐらい怒られたのか分からないし覚えてもいないが、頭が嫌に痛くなる程怒られた事だけは覚えてる。

 

︎ ✦︎︎

 

「いやぁー、悪かったってば。アヤネちゃ〜ん。ラーメン奢ってあげるからさ、怒らないで。ねっ?」

 

「奢るのは私だけどね」

 

 別に嫌じゃないが。

 丁度昼頃、会議を終えた私達はアヤネの機嫌を良くするべく柴関ラーメンへとやって来た。

 結局アイドルも却下となり、また一からのやり直しとなってしまったが、正直それで良かった。アヤネには苦労を掛けてしまったと少しの申し訳なさが残る。

 

 ちっとも悪く思ってなさそうな口調で謝られるアヤネは『怒っていない』と口にはしているが、その頭には見えない様で何かに怒りマークの様なものが浮かび上がって見えた。

 

「怒ってません……」

 

「はい、お口拭いて。はい、よくできましたね〜☆」

 

「赤ちゃんじゃありませんからっ」

 

 変にあやされアヤネも変な気持ちになったのか、怒り口調も無くなりいつも通りのアヤネが戻って来た。その時、怒り状態と通常の間にあった一瞬のまた別のアヤネの口調と声が異常なまでに可愛らしく感じ、思わず口から零れてしまった。

 

「……かわい……ぁ」

 

「………先生?」

 

「な、なんでもない……ごめん」

 

 またあの説教地獄は見たくない。

 口を抑えアヤネから視線を逸らすも、視界の端からじっとアヤネが見てきているのが分かる。誰か止めてくれないかと願うも届かず、たった数秒の筈なのに一時間ぐらいに感じた。

 そんな会話をしまた皆んなでラーメンを食べていると、テーブル席の道側からバイト服を着たセリカがやって来た。

 

「……何でも良いんだけどさ。なんでまたウチに来たの?」

 

「バイト姿のセリカが見たくて来ちゃった」

 

「な、何云ってんのバカじゃないの!?」

 

「ツンデレだね」

 

「マジで殴るわよ!!」

 

 反応が良いとついちょっかいを出してしまう。そろそろ本気で殴られそうだ。辞めておこう。

 セリカの云う通り、別に柴関ラーメンここじゃなくとも良い。だが、ここ、変な安心感がある。何故だか知らないが。それとセリカの服装が見たかったのもまた事実。と軽口叩きあっていると、勿論今日も営業はある。突然店のドアが開いた。

 

 一瞬だけ全員の目線がドアへと向かう。大将も見ると、セリカに目線で合図を送った。

 

「あ……あのぅ……」

 

「あ、お客様だ、行ってくる」

 

「行ってらっしゃい」

 

 そのままセリカは向こうに行ってしまった。

 視線を戻すと、いつも通り会話をしている皆んなが座っている。内容は会議の話。結局解決策は出せていない為、ここでもしなければいけない。

 

「……最悪銀行強盗も視野に入れておかないと」

 

「ん、任せて」

 

「シロコはあんまり自我を出しすぎないようにね」

 

 変な冗談を云えばシロコは本気でそれを実行しようとする。余り冗談は云えない。

 そのままラーメンを食べ、会議を続ける皆んなを見ていると、セリカが行ってから数分後にドアら辺で異質な謝り方をしている声がずっと耳に入ってきており、流石に顔だけを出して見てしまった。

 状況は謎の四人組、アビドス生徒ではない。資料の時に見た感じ、ゲヘナの生徒だ。その人達とセリカの会話を聞いていると何故か熱い感じの会話をしていた。

 

 その後、セリカがその四人を皆んなの裏側に着かせ、四人組の会話を盗み聞き出来る様にしてくれた。何故なのか、何かに理由があるのかと変に思っていたが、そこからは少し引っかかる様な会話を聞いた。

 

「でも全財産を叩いて人を雇わなきゃいけないほど、アビドスは危険な連中なの?」

 

「……アビドス?」

 

 その会話は明らかにアビドスを狙っている人達の会話だった。

 ここからは選択肢は二つ、一つはそのまま無視して皆んなの姿を拝んでいるだけか。二つはあの四人組に話しかけ、あわよくば情報を聞き出すか。

 

 アビドスを狙っていると云う事は、借金やヘルメット団達と何か関わりを持っている可能性が高い。そうなれば、これは絶好のチャンスとも云える。

 考えている内にセリカが注文されたラーメンを一つ持っていき、そこからはラーメンについて褒めていた。まるでさっきの会話が無かったかの様に。

 

 その瞬間、それを裏で聞いていた皆んなはそれを共有すべく食べた人達全員に感想を聞くべく話かけに行ってしまった。

 

「……仕方ない、今回は無しにしよう」

 

 私も選択肢を一度捨て私も軽く顔を出し、皆んなの会話を聞いていると、皆んなと嬉しそうに話している赤髪の子の隣、そして向かい側の奥に居る二人がな何かに気付いた様にコソコソと話している。

 よく見れば、アビドスの皆んなは全員アビドスの称号を付けている。夢中に話しているせいで気付いていないようだったが、感の良さそうな二人だけは気付いたようだ。流石にここで戦闘でもされては大将も困ってしまう。その為話してる皆んなにバレない様、二人に視線を向ける。

 

「……ん?」

 

 赤髪のリーダーらしき子は皆んなとの会話に夢中、何故かその向かいに居る紫髪の子もリーダーの子に夢中だった為、二人だけが私の存在に気付き、警戒している。

 口元に人差し指を持っていき、しっーの形を取ると、二人は少し驚いた顔をした後、直ぐに表情を戻した。私も隙を見せない様表上は余裕そうな顔を見せる。本当は襲われれば一瞬でお陀仏だから恐怖心で一杯だが。

 そろそろ会話も終わる頃だ。これ以上居たらいつバレるかも分からない。

 

「ホシノ」

 

「……ん?あぁ……分かったよ」

 

 ホシノだけに聞こえる声量で呼び、少し指示を出すと直ぐにホシノは動きを始めた。

 ある程度話に区切りが着くと、ホシノは直ぐに手を叩き、皆んなに声を掛けた。

 

「ほら、そろそろ行くよ〜。この人達も暇じゃないんだし、おじさん達もやることあるから」

 

「たしかに、そうですね!そろそろ行くとしましょうか!」

 

 そう云い、皆んなが外に出ていくが、私が考え指示を出している間に随分と皆んなはリーダーの子と仲良くなっており、何故か別れる事が惜しいと思える様な別れ方をしていた。




柴関ラーメン食べてみたい。エイプリルフールにネタ動画として投稿された公式のラーメン広告、あれ実際にあってもいいと思うですよ。と思って調べてみたら過去に本当にやった事あったんですね。私は三周年の時に始めた新参者なのでまだまだブルアカの歴史については浅いですわ。でもいつか簡単お手軽柴関ラーメンが実現すると信じています。私は
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