虚弱先生の青春物語   作:不透明な水滴

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ドラえもんとペロロ様、現実世界にいてほしいのは皆さんどっちですかね。私はもちろんドラえもんの体をした顔ペロロ様のドラペもんですね(?)


記憶のカケラ

 

 ラーメンを食べ終わった後、学校に戻り暫く経つ。

 その日は会議の続きを―――と考えていた。そんな中突然、アヤネがタブレットを持ち出し全員に訴えるかの様な大きな声で報告が入る。

 

「皆さん!報告です。校舎より南十五km地点布巾で大規模な兵力を確認!」

 

「まさか、ヘルメット団が?」

 

「ち、違います。ヘルメット団ではありません!」

 

 アヤネが現場の監視カメラをタブレットへ表示させ私達に見せる。そこではボロボロの服装をした日雇いの傭兵だという事が分かった。

 ホシノ曰く傭兵は雇うだけでも相当高い、つまり最近制圧したヘルメット団では資金や時間が足りない。と云う事はヘルメット団以外の誰か。分かる事は、間違いなく対策委員会を狙う者、学校を狙う者だと云う事。

 

「それじゃあ、行こうか」

 

「準備は出来てる」

 

 私が云うよりも早く、皆んなは既に武器を持っていた。

 私達の街、と云える程この街に愛着のある対策委員会は、ここで見捨てる様な真似はしない。

 

︎ ✦︎︎

 

『前方に傭兵を率いている集団を確認!』

 

 アビドス門前で傭兵を連れてきた集団を発見。既に近くまで迫ってきていた。そして明確な道筋で来ていると云う事は、やはり狙いはこの学校だろう。門の前に出ると、複数の兵士、そしてずっと警戒していた柴関ラーメンで見た例の四人組。

 四人組の真ん中に居るリーダー的立ち位置の子は何処か申し訳なさそうな顔をしながらも直ぐに銃を構えるられる姿勢でいた。

 

 次の瞬間、セリカが一番に声を荒らげた。

 

「あんた達……!誰かと思えばあんた達だったのね!!ラーメンも無料で特盛にしてあげたのに、この恩知らずっ!!」

 

「あははは、その件はありがとね☆それはそれ、これはこれ、こっちも仕事でさ」

 

 帰ってから一番に情報を探した、ゲヘナに在住するゲヘナ生徒。地域問わずの何でも屋を営んでいる。名を『便利屋』何でも屋、と云う事は誰かの依頼だろうか。セリカが怒鳴ると便利屋の一人、浅黄ムツキが反論する。するともう一人の子、鬼方カヨコ隣に立ち、銃を構える。

 

「残念だけど、公私はハッキリ区別しないと。受けた仕事はきっちりこなす」

 

「……なるほど、便利屋だったんだ」

 

 便利屋、リーダーは陸八魔アル。ラーメン屋でもその話を少しだけ聞いた。どんな依頼でもされたらやる何でも屋。

 

「もう!学生なら、他にも健全なアルバイトがあるでしょ?それなのに便利屋なんて!」

 

「ちょっ、アルバイトじゃないわ!歴としたビジネスなの!肩書きだってあるんだから!」

 

 アルバイトと云われた事が嫌だったのか、焦りと怒りを露わにし反論する。アルバイトでは無い証拠にと嬉しそうに自分達の肩書きを話す。

 

「私は社長!ムツキが室長で、カヨコが課長……」

 

 そう一人一人嬉しそうに紹介していると、横に居たカヨコがため息をついた。

 その後ろでは紫髪の子、伊草ハルカが嬉しそうな表情から一変、少しだけ悲しそうな表情を浮かべていた。

 

「はぁ……社長。ここでそういう風に云っちゃうと、余計薄っぺらさが際立つ」

 

「誰の差し金?………いや、答える訳ないか」

 

 答える訳も無いと自己完結した瞬間、シロコはリロードを済ませ、即銃を構える。

 それを引き金に、一触即発の空気が流れた。静寂の波が静まる瞬間、アルが悪魔らしい表情で云った。

 

「ふふふ、それは勿論……企業秘密よっ!」

 

 アルが手を前に出すと、徴兵達と便利屋達が一斉に攻撃を仕掛け走る。

 

「来るよ!」

 

 校門の裏へ隠れタブレットを起動し、全体のマップを確認する。見慣れた校庭を映し出され、肉眼で状況を確認する

 

「障害物はこっち側にある、これだけでも十分だ」

 

 戦闘にまだ慣れず毎度の如く脳を無理に回転させ、誰をどこに設置し、どんな行動を取らせ攻撃するか、考える。

 

「敵が多い……体力が尽きる前に何とかしないと」

 

 だが、傭兵達も便利屋も想像以上に耐え、戦況は一生平行線となる。戦力差があれど数で押されれば戦況は変わらない、生憎徴兵側の個々戦力は低く、逆に便利屋側はカヨコが指示を出しているのも相まって戦力が高い。

 やるなら、便利屋との一騎打ち。それだけだ。

 

︎ ✦︎︎

 

 徴兵を倒そうにも便利屋が妨害する。それなら方法は二つ。一つは便利屋だけに集中し徴兵達の妨害が出来ない戦闘を行う。アビドスと便利屋の戦いに着いてこれる徴兵は今この場には居ない。ならばそんな状況を作れば実質的な一騎打ちとなる。

 もう一つ、妨害すらも乗り越え徴兵達を倒す。リスクは高いが、一度一騎打ちとなれば戦力は私達の方が上。その代わり相手を弱い訳では無い。徴兵達を倒す間にダメージを食らうかもしれないしダウンもさせられる可能性がある。

 

 ――――どうする。私はどっちを選べば良い。

 

「どうすれば………いや!待てよ……?」

 

 状況を見てみれば、ホシノとセリカはにはハルカ。ノノミとシロコにはムツキが相手をしている。そこの間に徴兵達は入っていない。

 徴兵達にはあからさまにやる気が無い。その上指示も出されず呆然としている。いや、向こう側の指示では便利屋達を動かす事で手一杯なんだ。私は四人、対してカヨコは徴兵も含めれば二十人は超える。それじゃあ全員に指示も出せない。

 

 恐らく、私達側の戦力が削れた時にでも使うつもりなんだろう。ならば、私達はこの二対一の状況を利用してやる。

 

︎ ✦︎︎

 

 ハルカとセリカが見合う。警戒を強めるセリカの後ろには余裕綽々に見つめるホシノの姿があった。

 直後、ハルカが攻めに入る。一直線へ走り出し、セリカへと一気に近付いた。その動きを見るセリカ。セリカが思っているよりも遅く感じた速度に対応を始める。

 一直線へ走るハルカに銃弾を浴びせ、足止めを狙おうとした瞬間、セリカの想定していない動きを見せた。十二発の内七発の命中、それに一切の減速も見せず、瞬きすらしない行進に気をもっていかれる。

 

 セリカを後退しようと後ろに下がる。それはハルカにとっては隙を晒す瞬間。一瞬にして懐へと入り込み、頭に向けて躊躇の無い引き金が引かれる。

 身体よりも狙われた頭が反射的に早く下がる。放たれたショットガンの銃弾はセリカの頭を掠め、後退を許した。

 

「セリカちゃん、交代」

 

「っ了解」

 

 次にホシノが前へ出る。普段離さず持っている盾を地面に置き、身体を軽減させたホシノは音の様に消える。

 ハルカが消えた事を認識した時、ホシノは既に後ろへ周り拳を振り上げた。気配を感じ振り返る頃には拳は目の前、次の瞬間、その拳はハルカの頭部へ勢い良く衝突した。

 ホシノ自身、軽くではあったが手応えを感じた。その時点で既に終わりだと頭の中では考えるも、現実は違う。拳が押される様な間隔、その一瞬ホシノの額にも汗が落ちた。

 

 瞬間、乱射される散弾達。四方に撃ち乱れる銃弾にホシノも下がるが、その合間を縫いホシノの目の前まで入る。コブシに握り、お返しと云わんばかりに拳は放たれた。

 校庭に響く金属の音、ハルカの拳は突然現れた盾に塞がれ、その奥でホシノは微笑んだ。

 

「残念だったね」

 

「っ……!」

 

「ん……?これは……!」

 

 余裕の表情を浮かべるホシノに、再び違和感が襲う。

 盾が常に押され続けている。それもどんどんと強く。ハルカの拳は止まる所か威力と速度は高まり、一瞬体勢を崩した瞬間飛ばされる様にセリカの元へと戻された。

 

「先輩、大丈夫?」

 

「うん、まあね……それより、あの子、結構面倒そうだね」

 

 伊草ハルカ、一年生にして実力は二年にも劣らず、常に力は向上し続けている生徒。

 その圧倒的な耐久力と痛みを怖がらない性格、そして相手の動きを初見で見切れる才能。どれを取っても申し分ない実力者だ。それをこの一瞬で教えられた。初めて見た時と、今戦っているとでは雰囲気も変わる。相当時間のかかるヤツだと、ホシノを予想を立てた。

 

「さぁ〜って、セリカちゃん。ここからは少し耐久戦だね」

 

「そうね……覚悟しなさい、あんた!」

 

「……アル様の為に、死んでくださいっ!」

 

︎ ✦︎︎

 

 バッグから爆弾を複数取り出し、互いに見合う。

 会話を挟む必要も無い。次の瞬間、正面に居るノノミが弾幕を浴びせる。

 ミニガンの合間をすり抜け、ムツキはノノミへと高速で近付いた。そこの間にシロコが入り込み、近距離戦へと持ち込まれる。ムツキは小柄な分ヒットボックスが小さく、シロコの蹴りや銃弾を難無く避けシロコの急所を探し続ける。

 隙を見たノノミがシロコの後ろからミニガンを乱射する。その撃つ瞬間を見たムツキはシロコを通り抜け、ノノミよ真後ろへ現れた。

 

「っ!」

 

「一本貰うよ〜♪」

 

 シロコが近付こうとした瞬間、周りの爆弾が爆発し、視界を狭める。

 煙が辺りを覆い、その黒い煙がノノミの視界を塞ぐと同時、目を細めさせる。警戒を強めようと意識するが、無意識の内に一瞬、瞬きの為目を瞑った。

 次の瞬間、ノノミの腹部に強い衝撃が走る。

 

「っぐぅ……!」

 

「またまだっ!」

 

 一撃を何とか耐えたノノミも、再び腹部へ蹴りが入ったその瞬間、強い衝撃が身体を吹き飛ばさせた。

 ノノミを受け止めるべく即座に着地時点へ着く。シロコはノノミを受け止めようと両手を広げノノミを受け止める。それでも二人で少し遠くまで飛ばされるてしまった。それても受け止めたシロコは兎も角、ノノミはほぼ無傷で耐え抜き、ノノミは感謝を伝えた。

 

「ありがとうございます。シロコちゃん」

 

「大丈夫。それより、来るよ」

 

 二人で歩くムツキを見つめる。

 ムツキは笑顔でバッグを置くと、再び爆弾を投げた。二人は同じ方向へ避け、爆弾を回避する。

 避けた先、予想を的中させるか如く先回りしていたムツキは銃を至近距離で構えた。その時、ノノミが決死の覚悟である行動へと出る。

 

「こうなったら……!」

 

「っまじ……!?」

 

 ムツキが二人の中で実力の高いシロコを狙おうとした瞬間、真後ろでノノミがミニガンを振り上げた。

 振り返った時には遅く、百kgを超えたミニガンがムツキの後頭部へ振り下ろされ、その衝撃で地面に大きな穴が形成された。

 煙が立ち、影が煙の向こうに現れる。そこをすかさず二人は猛攻撃し、煙を掻き消す程の弾幕がその影を撃ち抜いた。

 

 煙が無くなる頃、そこにはムツキの姿が無かった。周りを見渡すと、徴兵達の居る場所に、ムツキが降りた。

 その時、ムツキの後ろからもう一人、二人の前に現れる。

 

「ムツキ室長、どうやら随分と苦戦しているようね?」

 

「あ、アルちゃ〜ん……ぺっ、まあ、ちょっとね〜」

 

 重機の衝撃と弾幕が効いたのか、ムツキは小さな血溜まりを口から地面に吐き捨てる。

 アル。その名を聞いた時二人の気も少し引き締まった。その名は、この便利屋において一番の重要人物。

 

 赤いコートを肩に乗せ、赤い髪をなびかせる。スナイパーを扱うその赤い銃はゲヘナの中でも相当な代物。便利屋の一番の実力者、陸八魔アル。

 アルとムツキの周りには徴兵達も群がる。先生の指示を待ち、本当の戦いが今始まろうとしていた。

 

「さぁ……第二ラウンドといきましようか?」

 

︎ ✦︎︎

 

 戦いはややセリカ達の優勢となり、このまま行けば勝てそうな状況。そんな時、少しよろけたハルカの肩を誰かが支えた。

 

「大丈夫、ハルカ?」

 

「あ……だ、大丈夫です!」

 

「あんたは……?」

 

 白い髪に黒のメッシュ、便利屋の一人に居た実力者の一人。鬼方カヨコ。戦闘と同時に後ろに下がった姿を見ていたから戦力としてでは無く、恐らく先生と同じ作戦や指示を行う人物。

 二人を囲う様に徴兵が現れる。カヨコ達の後ろを見ると、少し離れた所でシロコ達も同じ状況になっている事が分かった。

 わざわざ二手に別れて処理しようと思ったが、思ったよりも戦いに慣れている。先生の指示も分散し、一回の指示に一瞬のフリーが生まれてしまう。それに加え相手の指示役は今目の前に居る。

 

 自分達が追い詰めていると思っていた状況は、思ったよりも自分達の方が追い詰められていた。

 その時、ホシノは考え付く。

 

「セリカちゃん、このままじゃジリ貧で負けちゃう。一旦皆んなと合流しよう」

 

「合流?そんな事、私達がさせる訳―――」

 

「勿論、君達も全く同じ状況にさせたげるよ」

 

 刹那、悠々と話していたホシノが光の様に姿を消す。

 全員がホシノが消えた事を認識した瞬間、ハルカの身体が突然向かいのシロコ達の所まで高速で吹き飛ばされた。

 一秒にも満たない景色、それがホシノのやった事だと気付いたカヨコはハルカに心配の目を向けながらも警戒を強めたその時、カヨコは数秒前のホシノの発言を思い出す。

 

 合流。同じ状況。そうとなればハルカと同じ様に後ろから吹き飛ばされる筈。

 カヨコは今セリカとホシノがいた場所から背を向けている。今のハルカの動きを見た感じ、同じ様に後ろから衝撃が走る筈だ。

 カヨコは振り向くと同時、真後ろに蹴りを入れる。だが、それは空を切った。

 

「考察は良い感じなんだけど、まだまだ想像力が足りないね」

 

「っ!後ろ―――」

 

 予想は良かったと振り向いた時、また真後ろからホシノの声が聞こえた。

 カヨコが反応した瞬間、ホシノはカヨコのフードを掴み勢いを付け、同じ様に投げた。抵抗出来るレベルの速度では無く、奥を見るとその吹き飛んだ拍子にアルの背中へダイレクトアタックしていた。

 

「よし、それじゃあセリカちゃん。おじさん立ちも行こっか」

 

「う、うん……と云うか、先輩ってそんなに力持ちだっけ?」

 

「ん〜?まあ、色々とね」

 

 二人がシロコ達の元へと走り出す。

 気付けば空もオレンジ色となり、少しづつ風が冷たくなっていった。皆んなが揃うと、状況は最初に戻った。

 互いに譲る事の無い平行線が続き、時間との戦いにもなってきた。そんな戦いの末、ついに学校の下校チャイムが鳴り響く。このチャイムは同時にバイトや派遣は定時の合図ともなっており、チャイムと同時に徴兵達が銃を下ろした。

 

「……あ、定時だ。今日の日当だとここまでね。後は自分達で何とかして。皆んな、帰るわよ」

 

「え?は、はあ!?ちょ、ちょっと待ってよ!!」

 

 傭兵達は聞く耳を持たず、何事も無かったかの様に日常会話をしながら散り散りになっていった。

 その姿を見てアルは腕を振りながら怒号を上げた。

 

「こらー!!ちょっ、どう云う事よ!?ちょっと!帰っちゃダメー!!」

 

 一人の掛け声から皆んなの解散へと続き、アルの声も虚しく傭兵達は一斉に居なくなっていく。チャイムがなってから数分後、ついに便利屋達しかいなくなってしまった。

 

「………」

 

「こりゃヤバいね。まさかこの時間まで決着が着かないなんてね。アルちゃんどうする?逃げる?」

 

 正直アビドス達も便利屋達も余り徴兵達に強さや面倒さは無かった。別に居なくてもいい程に。それでも居なくなる事は都合が悪いのか、アルの中で逃げようにも逃げれない空気感と今すぐにでも逃げ出したい気持ちがせめぎ合っているのか、アビドスの目の前で堂々と悶えた。

 その結果、都合の悪い事だけは避けたいと思い逃げることを選ぶと、アルは私達に指を指し声を上げた。

 

「こ、これで終わったと思わない事ね!アビドス!!」

 

「あはは、アルちゃん。完全に三流悪役のセリフじゃんそれ〜」

 

「うるさい!逃げ……じゃなくて、退却するわよ!」

 

 追いかける間も無く、アルの退却の言葉と共に便利屋も一瞬で姿を消してしまった。

 

「待って!………あ、行っちゃいましたね」

 

「うへ〜逃げ足速いね、あの子達」

 

『……詳しいことは分かりませんが、微兵力の退勤……いえ、退却を確認』

 

 私も校門の裏から姿を出すと、皆んなもお疲れ様。と声を掛けてくれた。

 一件落着。と言葉では云えるかもしれない。だが、便利屋との戦いで退却に追い込んだものの、私自身の指示や行動が理にかなっていなかった。考えすぎの影響でこの戦いを勝利に収めることも出来なかった。

 

「私もまだ、まだ……」

 

 足りない所がある。そう云おうと思った時、頭がぼーっと動かなくなってしまった。

 考え過ぎの影響だろうか―――何か、おかしい。目が、痛い。

 

「先生……?あれ、その眼……」

 

「先生、そんな眼だっけ?」

 

 突然体が動かなくなり、タブレットすらも持てなくなってしまった。そのままタブレットを地面に落とし、足に力が入らず、その場に倒れ込む。

 

「先生……?」

 

 ホシノがいち早く気づき、私に近づいた。

 心臓が掴まれている感覚。ずっと高鳴っているのに身体からは熱が引いていく。

 

「頭が……痛い」

 

「先生?先生!アヤネちゃん!医療器具を………」

 

 周りから見ても、それは異質だった。

 頭所か、全身がすり潰される痛み。考え過ぎから来る痛み何て比にならない激痛だ。

 

「見える……なにかが……っく……」

 

 全身の痛みの中心にいるかの様な頭痛が次第に強くなっていく。震える眼の先、視界は壊れたパソコンのようにぐらつき、鼓膜からは苛立つ程の雑音が流れる。

 

「これは……お前、は……いや……君は……?」

 

次の瞬間、私はある景色が見えた。

 

 場所は、ここ……アビドス高等学校なのか?いや、アビドスにしては景色が違う。山が見える。それに、人も。

 空が真っ暗で、雲で隠れてて星空が見えない。今が夜なのか、朝なのかすらも分からない。

 

 辺りが点々と濃い。雨が降ってるのか?

 

『そうだ……皆んな、死んだんだ』

 

『お前が存在していたから、皆んな死んだ』

 

 知らない何かが語りかける。心做しか、私に似ている気がする。でも、黒い霧で『そこ』に居る事だけしか分からない。

 

『近いうち、また別の世界で、この記憶を触れる者がいる』

 

『一人じゃない……二人、三人……いや、それ以上だ』

 

 見下ろすそのヒトは、何かを持っていた。銃、だろうか。

 赤い眼が私を見つめる。私であろうヒトは、声も出せず、指一本動かせないと云うのに、何故お前なんかに見下ろされなければいけない。

 

『こんなバットエンド、誰が見たいんだろうね。君の大切な人が、生徒が死んじゃう世界なんて、別の世界では、この記憶に、君の生徒が、皆んなが触れて、観測する』

 

 世界なんて下らないものより、大切で、自分の命に変えてでも大好きなその狂愛が、そんな大好きを壊してしまうだなんて。想像も出来ないだろう。

 私の才能が、人を殺した。私の狂存が、友を殺した。好きな人を殺した。

 

 再度生まれ変わっても、同じ未来を辿らなければいけないのか。




便利屋、四人のお互いの関係性めっちゃ好きなんですよね。アルちゃんとカヨコの大人の会話が聞きたいです。

あとドラぺもんってペロロ様要素一つしかないやんけ。やはりド〇えもんは強かった―――
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